映画『クリード2 炎の宿敵』あらすじ・ネタバレ!動画の無料視聴方法も紹介!

クリード2炎の宿敵は2015年に公開された『クリード』の続編で、クリードは名作『ロッキー』シリーズの続編として製作され世界中で大絶賛されました。待望の『クリード2』は、僅か3週間で既に122億ドルを超える興行収入を記録する大ヒット。本作では、ロッキーを因縁の宿敵と見なすイワン・ドラゴの息子・ヴィクター・ドラゴがアポロ・クリードの息子であるドニ―に挑戦状を叩きつけます。

今回は「クリード 炎の宿敵」の無料視聴方法をご紹介します。

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『クリード2 炎の宿敵』作品情報

タイトル:クリード2 炎の宿敵

原題:Creed II

監督:スティーヴン・ケープル・Jr

脚本:シルヴェスター・スタローン、チェオ・ホダリ・コーカー

製作:シルヴェスター・スタローン、アーウィン・ウィンクラー、チャールズ・ウィンクラー、デヴィッド・ウィンクラー、ウィリアム・チャートフ

公開日:2018年11月21日(アメリカ)、2019年1月11日(日本)

出演者:マイケル・B・ジョーダン、シルヴェスター・スタローン、テッサ・トンプソン、ドルフ・ラングレン、フローリアン・ムンテアヌ、フィリシア・ラシャド、ラッセル・ホーンズビー、マイロ・ヴィンティミリア

 

『クリード2 炎の宿敵』概要

本作の監督に抜擢されたのは、スティーヴン・ケープル・Jr。彼は、『ロッキー』ファンが好きな過去の特訓場面を本作のトレーニング方法に盛り込み、同時に現社会に生きる主人公世代が共感できる様な作品作りをしたと語ります。脚本を書いたのは、シルヴェスター・スタローン。経験した本人だけが書けるドラゴ、アポロ、そしてロッキーの関係を絶妙に描写しています。

 

キャスト

主人公ドニ―を演じるのは、前作に続き『ブラック・パンサー』のマイケル・B・ジョーダン。ヴィクター・ドラゴに扮するのは、ルーマニアとドイツの二重国籍を持つプロボクサー「Big Nasty (どう猛な巨漢)」で知られるフローリアン・ムンテアヌです。『THIS IS US 36歳、これから』でジャック・ピアソンを好演するマイロ・ウィンティミリアがロッキーの息子・ロバート役で出演。

『クリード2 炎の宿敵』あらすじ・ネタバレ

ヴィクター・ドラゴの名前を聞きつけたプロモーターのバディは、野試合の観戦に来る。相手を睨み付け叩きのめすヴィクター。ノックアウトされた対戦相手を見もしないヴィクターは息さえ上がっていない。バディは満足そうな表情を浮かべた。

全てを手に入れたアポロ・クリードの息子

世界ヘビー級チャンピオンの座を懸けた一戦が始まろうとしている。アドニス・クリード(ドニ―)は、恋人のビアンカと言葉を交わす。コーチを務めるロッキー・バルボアは、ドニ―に自分のために闘えと声を掛けた。

試合が始まると、観客席にバディが姿を現す。ウィーラーからノックアウト級のパンチを食らうが、ドニ―は逆に目覚めたかのように鋭いパンチで応酬。バディは、予想外と言う様な表情だ。ウィーラーのコーチ・トニーは必死に叫ぶ。

しかし、ドニ―から顎に強烈なパンチを受けたウィーラーは床に沈み、カウント以内に立ちあがれない。この瞬間ドニ―は世界ヘビー級チャンピオンとなった。ロッキーとビアンカがリングに入りドニ―と勝利を祝う。

実況は、苦境の中で育ち頂点に立ったドニ―の功績は前代未聞であり、自らの遺産を築く始まりになると賞賛した。ホテルに戻ったドニ―は、婚約指輪をロッキーに見せて感想を尋ね、手順を教えてくれるよう頼む。ロッキーは、膝をついて申し込めと答えた。

緊張したドニ―はシャンペンをラッパ飲みし数回練習した後、ビアンカがシャワーから出て来ると結婚して欲しいと言ってドアの前で片膝をついた。ビアンカは補聴器を入れて振り向き、ひざまずいたドニ―を見ていきなりドアを閉めてしまう。

ぎこちない始まりだったが、2人は結婚を約束し合い幸福な時間を過ごすのだった。一方、肉体労働をしながら非公式の試合に参戦し続けるヴィクター。全試合ノックアウトの無敗を維持していた。

そこへ、バディが現れ、父のイワンと握手をし、朗報は耳に入っているだろう?と言い、時期は熟したと微笑んだ。

ビアンカは、ドニ―の義母・マリー・アンが一人で住むロサンゼルスへ引っ越したがる。ロッキーを置いていく事に躊躇するドニ―だが、ビアンカは彼には彼の生活があり、自分達も新生活を築くべきだと言った。

ロッキーは、日課であるエイドリアンの墓を訪れた。墓石にはいつもの様に一輪の赤いバラが置かれている。2人の息子ロバートに何度か電話したものの何と言っていいか分からず切ってしまった事を報告した。

全てを失ったイワン・ドラゴに育てられた息子

フィラデルフィア美術館の階段・通称ロッキー・ステップを見上げるイワンとヴィクター。ロッキーの銅像前では観光客が写真を撮っていた。親子は、一番上まで登りフィラデルフィアの街をじっと見つめるのだった。

夜、ロッキーが自分の経営するレストラン・エイドリアンへ来ると、イワンが奥のテーブルで待っていた。ロッキーに負けた夜以降、周囲から酷い扱いを受け、更に妻からも見離されたイワンは辛い日々を送り、長く悔しさを忘れられずにいた。

ロシアに住めなくなったイワンはウクライナへ移ったが、食べる物も無く人から唾を掛けられ、ロッキーのせいで全てを失ったと話す。そして、ボクシングを叩き込んだ息子がおり、ドニ―を粉砕するとイワンはロッキーに挑んだ。

この辺りでは野良犬は追い払われるものだとロッキーは静かに答え席を立つ。そこへ、ヴィクターが現れる。イワンは、壁に飾られたアポロ・クリードの写真を指差し、良い写真だなと言葉を残し息子と店を出て行った。

その頃、ドニ―はビアンカと食事をした店で、バディが仲介して開かれた昼間の記者会見を観ていた。メディアを前にイワンとヴィクターが座り、ヘビー級チャンピオンになったばかりのドニ―に対する挑戦を表明していた。

バディは、歴史が繰り返すのを恐れないのなら、受けて立つべきだとドニ―を挑発。番組のアンカーは、1985年の試合でイワンにめった打ちされたアポロ・クリードが帰らぬ人となり、コーチだったロッキーが試合を止めなかった事で大きな批判を受けた事を伝えた。

そして、同年後半にアウェイのロシアでイワンと闘ったロッキーが勝利した試合の様子を流す。唇を噛みしめるドニ―。更に、ビアンカのコンサートに現れたバディに焚きつけられ、ドニ―の闘争心に火が付く。ロッキーの自宅を訪れ、試合を受けて立つと言った。

ロッキーが背負っていた過去

チャンピオンである以上、選択の余地が無いと主張するドニ―に、ロッキーは父のアポロも同じことを言って自分の腕で死に、残されたマリー・アンは辛い思いをしたと言い聞かせる。ヴィクターは憎しみの中で育ち、危険だと話すロッキー。

アポロが負けると分かっていても本人の意向を優先してタオルをリングに投げなかったために友人を死なせたと責任を感じていたロッキーは、長い間後悔を引きずってきた事を明かす。

イワンと闘って受けた身体的なダメージは結局未だに治癒していないとロッキーは静かに説明した。全てを手に入れたドニ―は失う物が多すぎる一方で、失う物が何も無いヴィクターの様なボクサーは危険だと言うと、ドニ―は反感を露わにする。

俺が負けると思っているんだろう?と尋ねるドニ―。ロッキーが居なくても挑戦を受けるとドニ―が言うと、自分無しでやれと言葉を残しロッキーは家の中へ入ってしまう。ドニ―は、今回はタオルをリングに投げ込む心配をせずに済むなと捨て台詞を吐いた。

ドニ―は、ロッキーが癌治療を受けていた間ずっと付き添っていた自分を見捨てたとビアンカに怒りをぶつけた。試合をする意向を初めて聞いたビアンカは一抹の不安を抱く。

ドニ―とビアンカはカリフォルニアに新居を構えた。妊娠している事が判明するものの、ビアンカは聴覚障害が子供に遺伝するのではと心配になった。

自分を証明するために

アポロのジムを訪れたドニ―は、父が育てたトニーに試合のため自分のコーチを務めてくれと打診。ヴィクターは体格も大きくスピードを備え強靭であり、型破りなスタイルを持つ等優れた資質を持ち合わせた相手だとトニーは躊躇した。

それでも食い下がるドニ―の説得にトニーは承知し、2人は試合に向けた訓練を始める。メディアは大きく取り上げ、ジムに集まったレポーター達の前でドニ―は見事なスパーリングを披露。一方、ドラゴ親子も虎視眈々と自分達独自の練習を積み上げるのだった。

試合の夜がやって来る。ロッキーは1人自分のレストランでパンを捏ねていた。結局店のテレビを点けて試合を観戦する事にしたロッキー。会場に詰めかけた観衆は、ヴィクターが入場するとブーイングを浴びせる。そこへ、派手に登場するドニ―。

レフリーの注意事項を聞きながら向かい合うドニ―とヴィクター。体格の違いは明らかで、ヴィクターはドニ―よりも10センチは背が高い。コーチのトニーは、自分の持ち味を発揮してホームの利を活かせとドニ―に声を掛けた。

ゴングが鳴り試合が始まる。ドニ―がヴィクターのボディに数発パンチを浴びせた。ヴィクターは、品定めしているかの様に全く反応を見せない。ドニ―の右フックを受けたヴィクターはストレートを繰り出す。その威力にドニ―はロープまで後ずさった。

カッとなるドニ―は攻撃を仕掛けるが、逆にコーナーへ追い詰められてめった打ちにされてしまう。鬼のような形相でドニ―を睨み付けるヴィクター。第2ラウンドが始まり、ドニ―の劣勢は明らかになる。

ヴィクターの強烈なボディブローで肋骨にヒビが入ったドニ―は、痛みに苦しむ。ロッキーはテレビに向かって辞めろと何度も呟いた。第3ラウンド、ヴィクターのパンチを避けるのが精一杯のドニ―に対し、ヴィクターは肋骨目掛けてボディブロー。

ドニ―が片膝をついた所にヴィクターは思いっきり右ストレートを浴びせる。ドニ―は血を吹きリングに倒れた。身動きしないドニ―。病院へ担ぎ込まれたドニ―は、腎臓破裂や数か所の骨折を伴う大怪我を負っていた。

ヴィクターは、ダウン中のドニ―を攻撃した反則で、レフェリーの判断により失格負けとなっていた。事実上ドニ―がまだチャンピオンだとトニーが伝えるものの、試合に負けた事をドニ―は誰よりも痛感していた。

ロッキーがフィラデルフィアからお見舞いに訪れる。ドニ―はつい感情的になり、試合前に負けていたと言いたいんだろう、と目に涙を浮かべて突っかかった。痛いほど気持ちが分かるロッキーは、いつもの穏やかさで体を大事にするよう声を掛けて病室を出た。

十分な時間が過ぎ、傷は癒え始めても精神的に打ち砕かれたチャンピオンは自分を見失ってしまう。お腹の大きくなった体を抱え、ビアンカはドニ―をじっと見守るのだった。再びドニ―に挑戦を表明するヴィクターは、父イワンとロシア高官が主催する夕食会へ出席。

そこへヴィクターを捨てた冷たい母親が権力者の妻に納まって現れる。声を掛けられると母親を睨みつけヴィクターは席を立った。引きつり顔の母親。

ドニ―は久しぶりに父のジムを訪れた。トニーは、ヴィクターではなくても、誰かと試合をして勝たなければチャンピオンベルトを失うと協会から連絡を受けた事をドニ―に伝えた。

マリー・アンから助けを求められたロッキーは、カリフォルニアへ3日間電車に乗りやって来る。義母から呼び出されたドニ―は、ロッキーと再会。試合の勝ち負けだけでは無く、より価値あるものを大切にしろとロッキーは言う。

アポロが獲得した多くのトロフィーを前に、ドニ―は、周囲からチャンピオンとしての期待、そして、アポロが果たせなかった事を自分も同じように果たせないかもしれない恐怖を感じていたと吐露した。

闘争心を失ったと告白するドニ―に、ロッキーはドニ―の持つ自然なスタイルではヴィクターの様な巨漢には太刀打ちできなかったと話す。ドニ―は、ロッキーのスタイルの方が効果的なのかと挑むように尋ねた。勝ったからなとロッキーはイタズラっぽく微笑む。

ドニ―は笑い、会えて嬉しいよとロッキーを抱きしめた。そこへ、マリー・アンからビアンカがお産に入ったと連絡が入る。2人は急いで病院へ駆けつけた。緊張するドニ―に、ロッキーは、今日が人生で最良の日になると励ます。

息子のロバートに電話を掛けようとするロッキーだが、やはり躊躇してしまうのだった。ドニ―とビアンカに可愛らしい娘が誕生。しかし、聴覚障害を持って生まれた事が判明する。ロッキーは、動揺するドニ―に娘を愛してやれば良いんだと言葉を掛けた。

当たり前だと反発するドニ―。ロッキーは、娘は自分を惨めだと思っていない、父親のお前もそう感じるべきではないと穏やかに話す。生まれた娘と過ごすうち、ドニ―はヴィクターとの対戦を決意。

最初に自分の家族の事を考えるべきだと言うロッキーに、家族があるからこそ負けられないとドニ―は答えた。プロモーターのバディは、ロシア以外での試合は無いと言って来た事をトニーが伝え、アウェイではレフリーの判断が不利になると忠告。

ロッキーは、それなら審判の判断に委ねない試合にしようと言った。ドニ―の目に光が戻る。翌日の朝5時から練習を開始しようと勇むドニ―に、物事を大きく変えたいなら、これまでとは違い大幅な変更を行う必要があるとロッキーは言った。

自分の為だけに闘う

ロサンゼルスから離れた砂漠へやって来るロッキー、ドニ―、そしてトニー。周囲に何も無い寂れた土のグラウンドに設営されたボクシングリング、近代的な設備はゼロだ。複数のボクサー達が練習をしている。ドニ―は、冗談だろう?とロッキーに訊く。

ロッキーは、一から出直そうとするボクサーが集まる所だと話す。地獄みたいな場所だと呟くドニ―に、ロッキーは、地獄へ行こうとしているのだから今のうちに慣れておいた方が良いと言った。

大槌を打ち下ろす練習から始めさせるロッキー。強い太陽光が照る砂漠に囲まれた車道をジョギング、重りを乗せたベルトを頭に掛け両手を使わずしゃがんだままでリフティング、ロッキーがタイヤをドニ―の腹部へぶつけ腹筋強化等のメニューをこなしていく。

そして、ロッキーはリングの中央にタイヤを置いて距離を取れないようドニ―に片足を跨がせ、より体の大きな相手とスパーリングをさせた。近距離で体格が勝る敵に慣れさせるためだった。ドニ―は自分の限界に挑み、吐きながらも練習に着いて行く。

一方、ロシアでは、対せるスパーリング相手が居ない程、ヴィクターのパンチ力はより強化されていた。練習でさえ、ノックアウトが続く。イワンがミットをはめて息子のスパーリング相手を買って出た。

ドニ―対ヴィクター

いよいよ試合の日が訪れた。ヴィクター・ドラゴが入場すると大会場を埋め尽くす観客が歓声をあげる。そして、歌うビアンカを先頭に、ドニ―とロッキーが登場。ビアンカの美声と観客のブーイングが交差して響く。マリー・アンも駆けつけ客席から見守る。

レフリーを挟み、ドニ―とヴィクター、そしてイワンとロッキーがそれぞれお互いを見つめ合う。実況は、ロッキーとイワンが同じリングに立つのは30年振りだと紹介。ドニ―の肩や背中は厚みを増し、筋肉の鎧をまとっている様だった。

ゴングが鳴り試合が始まると、いきなりヴィクターが仕掛けてくる。しかし、フックを数発受けてもドニ―は動じずヴィクターから距離を開けない。そして、ヴィクターはドニ―から鋭いコンビネーション浴び、前回とは違う事に気づく。

猛烈に向かって行くヴィクターは、ドニ―をコーナーに追い詰め次々にパンチを繰り出すが、ドニ―は全てかわしてカウンターパンチを放った。試合は激しい打ち合いに発展していく。プロモーターのバディは興奮し手を叩いて喜ぶ。

インターバルで、ロッキーは砂漠の特訓が効果を発揮していると言い、次はヴィクターが猛攻撃に出るので準備しておけとアドバイスした。ゴングと共に、ヴィクターが爆発。ダウンしてしまうドニ―に、立ち上がらず深呼吸する時間を取れとロッキーが叫ぶ。

ラウンドを重ね、尚もパワーで襲い掛かるヴィクター。あらゆるパンチを受け何度ダウンしてもドニ―は全くひるむことが無い。そして時折決まるドニ―のストレートの威力にヴィクターの額から血がにじむ頃、巨漢の挑戦者は明らかにイラつき始めた。

ロッキーの助言通り距離を縮めたままヴィクターにピッタリ付くドニ―はステップで相手のパンチを避ける。ヴィクターの空振りが目立ち、その機にカウンターの戦術でヴィクターの足の動きが鈍くなり始めた。インターバルでイワンは肋骨を折れと息子に指示。

明らかに狙った2発のパンチに、骨折した音をマイクが拾う。涙目のビアンカと両手を握りしめるマリー・アン。インターバルで痛みに声が漏れるドニ―。試合棄権を拒否するドニ―をロッキーは止めない選択をする。

それでも立ち上がる戦士

ヴィクターは執拗にドニ―の折れた肋骨を狙う。リングに倒れ込むドニ―は痛みで悶絶し、口からは血がしたたり落ちた。客席のビアンカと目が合うドニ―。立ち上がれとビアンカが言う。手負いの動物の様な眼光を湛え、ドニ―が立ち上がる。

ヴィクターは、信じられない表情で首を振った。レフリーが確かめるため、ドニ―に名前を訊く。「クリード」ドニ―が叫ぶ。ゴングが鳴るとドニ―が先に向かって行き、集中を欠いたヴィクターにコンビネーションを連続で浴びせ、遂にノックダウンを奪う。

雄叫びを上げるドニ―。一度もノックダウンしたことの無いヴィクターに会場はどよめく。ヴィクターはカウント6で立ち上がるが、ドニ―の止まないパンチに再びリングに沈むのだった。ロープに手を掛け、ヴィクターは這いあがるように立つ。

肩で息をするヴィクター。イワンは視線を落とす。コーナーに追い詰められた息子がめった打ちにされているのを見てタオルを手に取る父。投げられたタオルで試合終了のゴングが鳴り響く。崩れ落ちる様に座り込むドニ―。観客全員が総立ちで喝采を送った。

ドニ―はロッキーを探す。ロッキーはリングに上がらず、この一時はお前のものだと微笑む。トニー等関係者は、リング上でドニ―と一緒にメディアの写真撮影。しかし、ロッキーは観客席に座ってフェドーラを目深に被り、ドニ―を静かに見つめていた。

試合後それぞれの再会

ドニ―は、父アポロの墓参りをし、妻と娘を紹介する。イワン親子は、2人肩を並べジョギングを開始。同じ頃、ロッキーは、バンクーバーへ来ていた。ある一軒家を訪れ玄関をノックする。幼い子供が出て来た後、ロバートが奥から現れた。

ロッキーは、近くに来たので寄ってみたと照れくさそうに言う。ロバートは、幼い息子にお爺さんだよと紹介した。ロッキーを中へ招くロバート。親子は長い時を越え久し振りに抱き合うのだった。

『クリード2 炎の宿敵』を観た感想

旧ソビエトとアメリカが角を突き合わせた冷戦時代。スポーツとは言え、国の威信を懸けて闘う選手達は負けを許されず、勝てば英雄負ければ売国奴扱いを受け政治状況が大きな影を落とした時代でした。

1986年に公開された『ロッキー4』は正にその時代を象徴し、世界ヘビー級王座が争われた試合が本作のベースとなっています。観ていない人は、是非『ロッキー4』を、そして『ロッキー4』のダイナミズムを知るために1から3まで視聴する事をお勧めします。

全ての登場人物が個性的であり物語の深さと卓越した演出で一世を風靡。シルヴェスター・スタローンが前作『クリード』でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した時、拍手喝采したのはウィル・スミスやクエンティン・タランティーノ等多くのロッキーファンでした。

結末が分かっていても感動する映画は非常に稀ですが、本作を含むロッキーシリーズは別格と言えます。施設を渡り歩く子供時代から大学へ進学し、ボクサーの路を歩むものの顔を見た事も無い父の遺産を超えようとするドニ―のプレッシャー。

父・アポロと硬い絆があったロッキーに導かれ、仇討ちではなく自らのためだけに闘うからこそ自分の限界に挑戦できる事を学んでいく過程こそが本作の神髄であり、大きな見どころです。ファンが大好きなトレーニング場面で砂漠を選んだのはスタローン。

主人公ドニ―・クリードを演じたマイケル・B・ジョーダンは、『クリード』出演前に既に演技力の高さを絶賛された俳優でした。しかし、『ロッキー』が伝説的な作品と位置付けられている事から、1年以上特訓したとその重責を明かします。

ドラゴ親子を演じたドルフ・ラングレンとフローリアン・ムンテアヌは、撮影前に一緒にトレーニングへ出かけたり食事をしたりと時間を過ごしました。監督のスティーヴン・ケープル・Jrが映像に滲み出す本物の人物像こだわった事が大きな理由です。

しかし、一番大変だったのは格闘場面ではなくロシア語だったと2人は笑って語ります。夜中の2時まで続いた撮影に疲労困憊していたジョーダンとフローリアンですが、ロシア語の発音が今一つだと言語コーチに言われ、更に撮り直したそうです。

最高に熱くなれる作品『クリード2』。エンターテイメント性の高い映画が好きな人にとって、年明けに観る相応しい作品です。年末にロッキーシリーズを観ておくと一層醍醐味を堪能できる事は間違いありません。

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