『ジュラシック・パーク』は1990年に発表されたマイケル・クライトンの同名小説を映像化したSFパニック・サスペンス作品です。バイオテクノロジーで現代に蘇った恐竜のテーマパークが舞台で、脱走した恐竜と人間との戦いが描かれます。
本当に生きているような恐竜たちの姿が人気となって大ヒットし、本作を含むシリーズ3部作が作られました。公開当時の1993年は全世界での興行収入が世界1位となった『ジュラシック・パーク』についてご紹介いたします。
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『ジュラシック・パーク』の作品情報
タイトル:ジュラシック・パーク
原題:Jurassic Park
原作:マイケル・クライトン『Jurassic Park』
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:マイケル・クライトン/デヴィッド・コープ
製作:キャスリーン・ケネディ/ジェラルド・R・モーレン
公開:1993年6月11日(アメリカ)1993年7月17日(日本)
出演者:サム・ニール/ローラ・ダーン/ジェフ・ゴールドブラム/リチャード・アッテンボロー/アリアナ・リチャーズ/ジョゼフ・マゼロ など
CGでの恐竜の制作には、恐竜の動きをゴー・モーションというストップ・アニメーションで制作した恐竜アドバイザーのフィル・ティペットが、動きをデジタル入力できるツールを開発して大きく貢献しました。
アニマトロニクスとCGを使用したリアリティ感のある恐竜の動き、そして人間と絡むシーンの違和感のなさが高く評価され、本作はアカデミー視覚効果賞を受賞しています。
『ジュラシック・パーク』のキャストについて
恐竜が大好きな少年のティムことティモシー・マーフィーを演じたジョゼフ・マゼロは、『マイ・フレンド・フォーエバー』(1995年)で注目されたあと、『サイモン・バーチ』(1998年)の出演を最後にしばらくの間、主要な登場人物としての映画やテレビドラマの出演から遠ざかりました。
しかし、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めたテレビドラマシリーズ『ザ・パシフィック』(2010年)では、主人公の1人である軍人のユージーン・スレッジを演じて、子役から大人の俳優へ成長した姿を見せています。
『ジュラシック・パーク』のあらすじ・ネタバレ
コスタリカから西に約200キロ離れたイスラ・ヌブラル島で、ショック銃を手にする大勢の従業員が見守る中で、ある生き物が移送されてくる。警備は厳重だが、ゲートを開けて飼育エリアへ移す際、生き物が檻に体当たりした衝撃で檻の上部に乗っていたゲート係が転落した。ゲート係は開いた隙間から生き物に檻の中へ引きずり込まれそうになる。
恐竜監視員のロバート・マルドゥーンは救助しようとゲート係の体と腕を引っ張るが、ショック銃では生きものの動きは止まらない。ゲート係に食いついた獰猛な生きものの目に殺意を感じたマルドゥーンは、生き物の射殺命令を出した。銃撃したがゲート係は死亡してしまう。
ドミニカ共和国のマノ・デ・ディオスの琥珀鉱に、インジェン社の顧問弁護士のドナルド・ジェナーロがやってきた。インジェン社の社長でハモンド財団創始者のジョン・ハモンドに会いに来たのだ。ジェナーロは出迎えた鉱山の所有者のファニート・ロスターノにゲート係の遺族が訴訟を起こし、保険会社はハモンドが開園予定の施設の安全性を疑問視し始めていると言う。
保険会社に徹底的な視察検分を要請されたジェナーロは、数学者でカオス理論の専門家のイアン・マルコム博士、古生物学者のアラン・グラント博士に査察を依頼すると話した。ロスターノは鉱山から採掘された琥珀の塊の中の蚊の姿を見て、満足そうな笑みを浮かべる。
ハモンドの依頼を受けるグラントとエリー
アメリカのモンタナ州のスネーク・ウォーターの近くで、グラント博士は助手で古植物学が専門のエリー・サトラー博士と恐竜の化石を発掘していた。地中に化石が埋まっているとわかったヴェロキラプトルについて、グラントは発掘者たちに「”ラプトル”は“猛禽”」で、恐竜は爬虫類よりも鳥類に近いという持論を述べる。
「全然怖くない」と言う少年にグラントはラプトルの恐ろしさを伝えた。恐竜は動かないものを目で捉えないと考えられているが、ラプトルは人間の目を見つめ返し、正面にいる1頭ではなく横に潜む2頭が襲いかかる。群れで獲物を襲うラプトルは、前足の15センチもの鉤状の爪で獲物を切り裂くのだ。
グラントは「やかましくて手がかかるので、子供が苦手だ」と言うが、彼の恋人のエリーは「子供は欲しい」と言う。その2人のところにジェナーロと入れ違いにマノ・デ・ディオスを出発したハモンドが現れた。キャンプに勝手に入って「祝杯だ」と大切なシャンパンを開けようとしたハモンドは、研究用の資金を寄付してきた2人に初めて会う。
2人を気に入ったハモンドは、コスタリカからの賃貸で所有する島に来年オープンの動物園のような施設を建設したこと、施設に対して投資家たちが外部の権威ある専門家の意見を欲しがっていることを話した。今週末の視察と安全検査の依頼を断ろうとしたグラントだが、ハモンドが3年間の発掘資金の援助を申し出たため引き受ける。
コスタリカのサンホセでは、システムエンジニアのデニス・ネドリーがインジェン社のライバル会社であるバイオシン・コーポレーションの遺伝子学者のルイス・ドジスンと取引をしていた。前金75万ドルを受け取ったネドリーは、ある生き物の15種の胚1つにつき5万ドルの追加報酬を得る予定で、ドジスンは胚の輸送用に冷凍保存器をネドリーに渡す。
グラントとエリー、マルコム、ジェナーロ、ハモンドが乗ったヘリコプターがイスラ・ヌブラル島に到着した。一行を出迎えたジープには恐竜の姿のイラストにJURASSIC PARKという文字のロゴマークがある。ジープは1万ボルトの高圧電線が通る厳重なゲートを通り、施設の周囲80キロにはフェンスや堀、追跡センサー・システムが設置されていた。
恐竜の動物園のようなジュラシック・パーク
ジープが止まった広大な草地には古植物が生え、草食のブラキオサウルスが姿を見せた。ハモンド以外は驚いて感動し、ジェナーロは「金になるぞ」とつぶやく。ハモンドはティラノサウス・レックス(T‐レックス)もいると言い、他の恐竜の姿も見たグラントは推論どおり恐竜が変温動物ではなく恒温動物であること、群れで動くことを確かめた。
グラントはどうやって恐竜を蘇らせたのか疑問に思い、一行は島の中央のビジターセンターで説明を受ける。恐竜の血を吸った蚊が木の樹液に閉じ込められ、樹液の化石の琥珀を採掘して恐竜の血からDNAを入手したのだ。遺伝子学者がスーパー・コンピューターでDNAの塩基配列を解析し、古いため欠落した部分を蛙のDNAで埋めている。
一行は遺伝子学者たちが未受精の駝鳥の卵を使って恐竜の卵を作り、孵化させているのを見る。ヘンリー・ウー博士の話では野外での繁殖はありえなかった。個体数を管理するためにも、染色体の操作で生まれる恐竜はすべて雌で、ホルモン等の刺激がない限り雄にならないのだ。だが、マルコムは「100パーセントの確率を保つことは不可能だ」と危惧する。
グラントは目の前で取り上げられた恐竜を見て、ウー博士にヴェロキラプトルであることを確認した。グラントは率先してラプトルの飼育エリアを見に行き、他の者も一緒にラプトルが餌の牛を食べるのを見る。そこに現れて「ラプトルは殺そう」とハモンドに言うマルドゥーンは、生後8ヵ月で大人になるラプトルは時速100キロで走れ、ジャンプ力もすごい“敏捷な殺し屋”だと説明した。
ハモンドは見張りは厳重だと力説するが、マルドゥーンはラプトルが利口で、最初は8頭いたものの5頭を殺してボスになった個体は特に大きくて頭がいいと言う。記憶力もよく、フェンスに電流が流れていても一度触れると次はそこを避けるのだ。
アクシデント続きとなるパークのツアー
ビジターセンターでの昼食の場で、ハモンドは一行が基本的なツアーコースを見る予定だと伝える。ジェナーロは入場料金が高くても来ると富裕層相手の商売を語るが、ハモンドはパークを世界中の人々に開放する考えだ。だが、マルコムは「危険をもてあそんでいる。生命の力は恐ろしい」と科学の技術や知識を応用しただけと糾弾する。
ハモンドは新分野を開拓したと反論するが、科学者は倫理的責任を考えないとマルコムは非難した。エリーは太古の生態系がわからないのに環境を管理する問題点を突き、有毒な植物を見かけたと言う。ハモンドはグラントだけは味方だろうと頼るが、グラントは「6500万年の進化で隔てられた恐竜と人間が突然同じ世界で共存する。何が起こるか予測できる者はいない」と考えを述べた。
ハモンドが憤慨していると、ツアーの仲間の到着の知らせが入る。それはハモンドの孫娘でベジタリアンのレックスことアレクシス・マーフィーと、彼女の弟のティムことティモシー・マーフィーだった。ツアーでは決まった軌道上を走るツアーカーに乗るため、恐竜が大好きでグラントの著書を読んだティムはグラントと同じ車に乗りたがったが、グラントはうまく逃げる。
ビジターセンターのコントロールルームで、ハモンドは島の西120キロの位置に暴風雨が発生していると知らされた。だが、マルドゥーンは南にずれると推測し、ハモンドはチーフエンジニアのレイ・アーノルドにツアーをスタートさせる。しかし、最初のエリアのディロフォサウルスは姿が全然見えず、アーノルドはツアーカーのライトが消えないことでバッテリー切れを心配した。
故障が多いのは中枢のコンピューター・プログラムのせいだというアーノルドの言葉に、ハモンドはネドリーを怒る。だが、ネドリーは自分の安い給料で高度なオートメーション化の仕事をする奴がいたら雇えばいいと反論した。ツアーカーはT‐レックスのエリアで止まるが、餌の山羊を設置しても姿を見せず、一行は肩すかしを食らう。
ツアーカーは先に進み、グラント、エリーと同乗したマルコムはカオス理論の説明にかこつけてエリーの手を握る。だが、何かを見つけたグラントはツアーカーから降り、続いてエリーも降りた。モニターで見ていたハモンドはツアーカーの停止を指示し、ドアロックの必要性を訴える。
グラントが見つけたのは病気で弱っているトリケラトプスだった。獣医のハーディングに病状を聞いたエリーは、毒草などを食べた中毒症状と考えて糞を調べるが、原因がわからずに残って調べることにする。暴風雨は直撃することになり、ネドリーがドジスンに島の東桟橋に夜8時に来るように頼んでいた船は出航時間が早まった。
ティラノサウス・レックスに襲われるツアーカー
電話のプログラムを修正したと言うネドリーは、18分から20分かかるシステムの情報整理中に調子が悪くなるところがあるかもしれないが、すぐに直るとアーノルドに伝える。そして、ソーダを買いに行くと言って席を離れ、胚保存室から胚を盗んだ。ネドリーのプログラムでドアロックは解除され、一部のフェンスの電流も切れて、ビジターセンターに戻る途中のツアーカーは停止してしまう。
アーノルドはネドリーのコンピューターを操作するが、キーワードなしではアクセスできず、電話も使えなかった。ツアーカーはT‐レックスのエリアで止まり、無線は通じない。レックス、ジェナーロと同乗するティムが見つけた暗視スコープで周囲を見ると地響きが大きくなり、山羊がいなくなっていた。
すると、山羊を食べるT‐レックスが電流の切れたフェンスのすぐそばにいる。ジェナーロは子どもたちを置いて逃げ、トイレに隠れた。フェンスを破って外に出たT‐レックスは動くものしか見えないが、慌てたレックスが点けたハンドライトに気づいてツアーカーに向かう。ティムに言われて消そうとしてもライトは消えず、ツアーカーはT‐レックスに襲われた。
グラントが発煙筒でT‐レックスの気を引くと、発煙筒を手にしたマルコムは囮になる。だが、T‐レックスに襲われて足を負傷し、T‐レックスに見つかったジェナーロは食い殺された。その間にグラントはレックスを助けるが、戻ってきたT‐レックスがまだティムがいるツアーカーをT‐レックスのエリアの中に落としてしまう。
一方、ネドリーは車を走らせるが、強い風雨で前方がよく見えずに東桟橋の方向を示す標識を倒してしまい、当てずっぽうで東桟橋へ向かった。アーノルドはネドリーが警備システムだけでなく全システムを解除したことに気づくが、回復には時間がかかる。ハモンドの指示で孫たちを迎えに行くマルドゥーンにエリーも同行した。
道に迷ったネドリーは運転を誤って車が動かなくなる。ワイヤーで牽引して車を動かそうとしていると、ディロフォサウルスが現れた。追い払おうとしたネドリーだが毒液を吐かれて襲われ、車内で殺される。シェービングクリームの缶に偽装した冷凍保存器は泥の中に埋もれた。
パークのシステムのシャットダウンと再稼働
落ちたツアーカーは大木に引っかかり、レックスと一緒にT‐レックスのエリアに入ってしまったグラントがティムを助け出す。到着したマルドゥーンたちが見たのは無人のツアーカー1台、ジェナーロの遺体と負傷したマルコムだけだった。落下したツアーカーを見つけたエリーはグラントたちの足跡に気づき、マルコムを救助して走るジープはT‐レックスに追いかけられた。
ジープは速度を上げてT‐レックスを振り切ったが、T‐レックスの咆哮を聞いたグラントたちは大木に登り、ブラキオサウルスが近くにいる中で寄り添って眠る。その頃、ハモンドはエリーに孫は恐竜博士と一緒だから大丈夫だと楽観視し、蚤のサーカスでインチキをやった過去を省みて手で触れる本物を見せたかったし、システム管理が正しければ間違いはないと語った。
だが、エリーは万全の管理は不可能だと反論して「今、大事なのは愛する人たちの命よ」と言う。夜が明けてビジターセンターを目指すグラントたちは孵化した後の恐竜の卵を見つけた。両生類である蛙のDNAを使用したことで雌が雄に変わって野外で繁殖しているのだ。
ビジターセンターではネドリーが戻らず、キーワードがわからないため、ハモンドがシャットダウンと再稼働によるシステムの復旧を提案する。危険だと渋ったアーノルドが実行するとシステムの復旧は可能となった。だが、ヒューズが飛んだらしく、外の機械室でブレーカーを入れないと照明や電話、警備装置が戻らないため、アーノルドが機械室に向かう。
アーノルドが戻らずに電力も復旧しないため、エリーとマルドゥーンが機械室へ向かった。途中でラプトルの脱走がわかり、エリーを先に行かせたマルドゥーンは帽子を使ってラプトルを罠にはめようとするが、逆に罠にはめられて襲われた。機械室に到着したエリーがブレーカーを入れると、各エリアの電源が順番に入り始める。
ヴェロキラプトルのビジターセンター襲撃
グラントたちは丘を越えればビジターセンターという草地まで来たが、群れで逃げる草食のガリミムスを襲うT‐レックスに遭遇した。そこから逃げ、T‐レックスのエリアのフェンスを登って越えるが、ティムがまだ降りられないうちに高圧電流が流れて感電してしまう。息が止まったティムはグラントの蘇生処置で息を吹き返し、3人はビジターセンターに到着した。
グラントが他の人を捜しに行き、レックスとティムは料理や菓子を食べた。だが、レックスがラプトルの侵入に気づき、2人は調理室に逃げ込むが2頭のラプトルが追って入ってくる。レックスとティムは隠れてラプトルから逃げ回り、1頭を冷凍室に閉じ込めた。機械室ではアーノルドの腕だけが見つかり、エリーは1頭のラプトルに襲われたが、閉じ込めて逃げる。
レックスたちはエリーと再会したグラントに会って4人でコントロールルームに逃げるが、ドアがロックできない。追ってきたラプトルに入られそうになり、コンピューターに詳しいレックスの操作で警備システムと電話が復旧した。グラントはマルコムと地下に避難していたハモンドに電話をかけ、本土への救助の連絡を頼む。
ラプトルはロックされたドアのガラスを破ってコントロールルームに入ってきた。4人は通風ダクトがある天井のエリアからビジターセンターの入り口のフロアまで逃げるが、そこにもう1頭のラプトルが現れる。挟み撃ちにされて絶体絶命となった時、やってきたT‐レックスが1頭のラプトルを噛み殺し、もう1頭と戦いになった。その隙にグラントたちは屋外に逃げ、到着したジープに乗る。
マルコムを乗せて運転するハモンドにグラントが「パークを承認することはお断りします」と言うと、ハモンドは「当然だ」と答えた。ビジターセンターではラプトルを倒したT‐レックスが雄叫びを轟かせ,、パークの名を記した横断幕が落ちてくる。島を去る救助ヘリ内では、眠る子供たちに寄りかかられているグラントとエリーが微笑んで見つめ合った。
『ジュラシック・パーク』の感想とまとめ
CGや特殊効果といった映像技術はどんどん進歩していますが、本作の公開当時は目の前で生きている恐竜が動いているという感覚が観客にあって、アカデミー視覚効果賞の受賞も納得の画期的で素晴らしいものでした。まさに夢のような世界の話ですが、現代の現実ではバイオテクノロジー(遺伝子工学)で絶滅したマンモスの復活プロジェクトが進められています。
ただし、作り出した生き物を完全にコントロールできるかというと、神ならぬ存在の人間には不可能なことです。T‐レックスも脅威ですが、本作で最も怖い存在はヴェロキラプトルといっていいでしょう。鳴き声でコミュニケーションをとり、群れで連係して狩りをするのは人間みたいですが、人間よりも大昔に生きていたラプトルにしてみたら自分たちのほうが先輩です。
マルドウーンが罠にはめたつもりでも逆に罠にはめられる場面、レックスとティムが逃げ込んだ調理室の場面は、ラプトルの賢さと凶暴さがよくわかって恐ろしさが身に沁みます。ティムをレックスがかばって助けようとするところは、口喧嘩が多くてもさすがお姉さんという感じでした。大人目線だけではないエピソードがあるだけに、怖いところもあるけれど、楽しい作品になっています。
子供嫌いだったグラントがレックス&ティムと行動を共にして、2人になつかれていくうちに変わっていくのもいいですね。子供たちは命がけの冒険をして成長しますが、グラントも違う意味で成長した気がします。それはいつも自分の考えが正しいと思い、頑固だったハモンドも同じで、傲慢なところがあったのが間違いを突きつけられて変わりました。
グラント役のサム・ニールは恐ろしい悪役や颯爽としたエリートを演じることが多いですが、本作ではコミカルな一面を披露していました。また、ローラ・ダーンが演じたエリーはヒロインなのでしょうが、誰よりもアクティブで逞しかったですね。武器を持たずに1人でラプトルに襲われながら、機械室に閉じ込めて逃げることに成功しているのですから。
本作では、高い知能を持つ人間は武器の使用も含めて特別な存在と考えがちでも、生物としては恐竜の前では無力に等しく、地球上で頂点に立つ存在と考えることは間違いであることを思い知らされます。生命の神秘や進化について改めて考えさせられますが、一般的に有名なものばかりではない恐竜も登場して生き生きと動く姿を単純に楽しむのもアリな作品でもあります。
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