『アイ・フィール・プリティ』は自分に強いコンプレックスを持つ会社員女性・レネーの勘違いから始まるドタバタ劇を描くコメディー映画。批評家から辛口の評価をされたものの、観客から絶大の支持を集めています。女性ならきっと理解できる気持ちがスカッとする作品。主人公のレネー・バレットを演じるのはコメディアンのエイミー・シューマーです。
今回は「アイ・フィール・プリティ」のネタバレと無料視聴方法をご紹介します。
Contents
アイ・フィール・プリティを無料視聴する方法
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『アイ・フィール・プリティ』作品情報
タイトル:アイ・フィール・プリティ
原題:I Feel Pretty
監督:アビー・コーン、マーク・シルヴァースタイン
脚本:アビー・コーン、マーク・シルヴァースタイン
製作:ドミニク・ラスタム、エイミー・シューマー、ニコラス・シャルティエ、アイッサ・フィリップス、マックG
公開日:2018年4月20日(アメリカ)、2018年12月28日(日本)
出演者:エイミー・シューマー、ミシェル・ウィリアムズ、ロリー・スコル、エイドリアン・マルティネス、トム・ホッパー、エミリー・ラタコウスキー、ローレン・ハットン
『アイ・フィール・プリティ』概要
アイ・フィール・プリティの監督を務めたのは、アビー・コーンとマーク・シルヴァースタイン。脚本の共同執筆をした2人にとって初監督作品となりました。『そんな彼なら捨てちゃえば?』でも一緒に脚本を書いたコーンとシルヴァースタインは、本作の監督は誰にも譲らないと決めていた思い入れのある作品。3千2百万ドルで制作され、イギリスだけで7百万ドルの興行収入を記録しています。
キャスト
アイ・フィール・プリティの主役エイミー・シューマーは本作のプロデューサー業にも参加。出演は他に、2018年度に公開された『ゲティ家の身代金』とは全く違う役どころを演じるミシェル・ウィリアムズや『ゲーム・オブ・スローンズ』のトム・ホッパー
『アイ・フィール・プリティ』あらすじ・ネタバレ
レネー・バレットはコンプレックスの塊で自分の容姿に全く自身が無い。体重を減らしてボディラインを何とかしようとエアロバイクスタジオに通う事にした。着替えをしているとモデル体型で美人のマロリーが声を掛けて来た。
気さくで感じの良いマロリー。羨ましいと思いながら、レネーはバイクにまたがった。インストラクターが入室し音楽がかかる。集まった多くの受講生は一斉にバイクを漕ぎ始めた。レネーも曲に乗り気分よくエクササイズ。
体重を支えられず突然バイクの椅子が落ち、レネーは結構な衝撃を腰に受けた。平静を装い退室。その様子を心配そうに見つめるマロリーに隣のイケメン男性がレネーではなく、マロリーに大丈夫?と声を掛けた。
買い物に出かけたレネーはブティックで品定め。店員が近づき贈り物かと尋ねた。レネーは自分の服を探していると答えた。店員は店内の品はサイズが限定されているので、オンラインで自分に合ったサイズを探してと笑顔で言う。傷つくレネー。
雑貨店で買い物をしてレジに並ぶと、母親に背負われた赤ん坊がレネーを見つめる。レネーはにっこりと微笑んだ。すると赤ん坊は泣きだしてしまう。振り返った母親に、レネーは咄嗟に変な男が今通り過ぎたと作り話。
ヴィヴィアンとジェーンはレネーにとって唯一気心許せる友人だ。3人で出会い系サイトにアップする写真を撮影しデート相手を探す。レネーの勤める会社は人気コスメのリリー・ルクレアだが、職場はチャイナタウンに在る雑居ビルの地下であった。
レネーが出勤すると、唯一の同僚メイスンが下着姿でドレッシングをこぼしたと言い訳。そしてサーバーがダウンしているため定時レポートを本社へ送信できないのでレネーに行くように話す。
5番街に在る本社を訪れる身なりをしてないと拒むレネーにメイスンが気合を入れ、調子の出たレネーはレポートを持って本社へ向かった。高層ビルのエレベーターを降りたロビーは、スーパーモデル並みに美しい社員が歩いている。
受付女性に目の保養ができる彼女の仕事は夢のようだとレネーが言うと、その女性はインターンで、会社が正社員を見つけるまでの暫定ポジションだと教えてくれた。自宅に戻ったレネーは受付の仕事に応募しようと思うがやはり自分に自信が無い。
レネーが絶世の美女に大変身!?
ある夜、レネーは、子供が望を叶えるために魔法に頼る場面を映画で見る。雨が降る中近くの公園にある噴水に来たレネーは、美人だったら良いのにと願いコインを投げて祈るのだった。
翌日、エアロバイクスタジオへ来たレネーは気を取り直して汗をかく。しかし、ペダルを踏み外し勢いよく自転車から落ちて頭を強かにぶつけてしまう。
ポニーテールの髪の毛が後ろのバイクのタイヤに巻き込まれているとも知らず、起き上がろうとしたレネーの髪の毛は束で引っこ抜かれた。気を失うレネー。
更衣室のベンチに寝かされたレネーは意識を取り戻す。打った頭を摩りながら、ふと自分の太腿や腕が細く引き締まっているのに気が付く。鏡を見ると、誰もが振り返る様な美人に生まれ変わっていた!…ようにレネーには映った。
胸もお尻も最高のボディと美貌を祈った魔法で手に入れたと信じ込んだレネーは、その日から自信に満ちた女性に大変身。本社を訪れ、受付の仕事に応募する書類を提出した。そこに居た女性達は、眉毛を上げレネーをじっと見つめた。
ヴィヴィアン、ジェーンと待ち合わせをしたレネーは、容姿が様変わりして分からないだろうけど私よ、と2人の前でターンして見せる。全く事情が掴めない友人達。ヴィヴィアンは、エアロバイクを始めた事でレネーの気分が良いのだと思った。
レネーはドライクリーニング店を訪れる。順番待ちの番号札を取ると後ろにイーサンが並ぶ。レネーは、店のシステムに慣れていないイーサンのために番号札を取ってあげた。イーサンは、お礼を言うとレネーの番号を尋ねる。
レネーはニヤリと笑い賢いテクニックだとイーサンを褒めた。意味が分からないイーサン。レネーは自分の携帯を取り出し、そんな小細工をしなくても電話番号を教えると言ってイーサンの携帯に自分の電話番号を入力。
イーサンの電話番号も自分の携帯に入力させた。その時店主がレネーの番号を呼ぶ。レネーが流し目でイーサンに笑いかけながらカウンターへ行く。店主は赤色の吐しゃ物をクリーニングで取れなかったと説明。
顔が引きつるレネー。しかし店主はそれには構わず、赤ワインみたいなシミで何か塊もくっ付いていたと続けた。レネーは店主から自分の服を引っ手繰ると店をそそくさと後にした。
いつもの様にヴィヴィアン、ジェーンと待ち合わせをし、先日出会い系サイトに投稿した自分達のアカウントをチェックしてみた。前面に3人の写真が掲載されているアカウントには閲覧数がゼロ。押し黙る3人。
ジェーンが再読み込みするべきだと言う。閲覧数ゼロに変化は無い。レネーは、カフェのワイファイと繋がって無いんじゃないかと口ごもる。ヴィヴィアンが男はやっぱり写真で決めるのよと落胆を隠せない。レネーは自分のせいだと言いだす。
古いバージョンの自分がレベルを下げたためで、ビキニを着て流行りのヒップホップ風にした新しい自分の写真を取り直そうと提案する。当惑するヴィヴィアンとジェーン。
レネーは、受付の仕事の面接に本社へ来た。ミニスカートを着て赤いピンヒールを履いている。CFOのヘレンとCEOのエヴリンが面接官だ。ヘレンは、レネーが既に社の部署で働いているとエヴリンに紹介。
レネーは、小さなチャイナタウンの事務所で自分の魅力を無駄にするべきではなく、もっと前面に出るべきだと主張する。ヘレンとエヴリンが固まる。ヘレンは、やる気なのは嬉しいが受付の仕事には向かないと言う。
レネーは、既に社で仕事をしているし給料も減額になるためその意見はよく分かるが、ここで受付になる事が自分のキャリアの目的だと話す。
エヴリンは、応募者の女性は殆どがモデルや自分でオンラインビジネスをするための踏み台と考えると言って興味を示した。レネーは、勿論モデルの路を選べるが敢えてリスクを取って自分の好きな仕事を目指したいと自信満々。
ヘレンは口を開けて椅子に反り返ってしまう。一方、エヴリンはレネーをすっかり気に入った。事務所に戻りトイレの個室で用を足すメイスンに受付の仕事を得たので自分の代わりが仕事を引き継ぐと伝える。放って置いて欲しいメイスン。
自信を持つことのパワー
受付嬢としての初出勤日、レネーは超ミニスカートのピンクスーツで出勤。頭の中ではアリシア・キーズのガール・オン・ファイアが流れていた。自分に自身溢れるレネーは、他とのコミュニケーションに怖じける事が無いため本来の明るさが光っていた。
エヴリンを訪ねて来た弟のグラントがレネーの仕事ぶりに感心して声を掛ける。長身でイケメンのグラントに褒められ、レネーは大興奮。エヴリンは、これまでのハイエンドから安価に抑えて拡散を目指す新ブランドを祖母から任されていた。
会議中にミネラルボトルを運んできたレネーはスタッフにぶつかり商品を床に落としてしまう。そこで、レネーは、高級志向の消費者をこれまでターゲットにして来たリリー・ルクレアブランドにはブラシが付いてこないと知る。
レネーは高級商品を買う消費者は高級ブラシを揃えているだろうが、安めの商品を買う一般女性はブラシが付いてなかったら腹を立てると話した。エヴリンは、役立つ情報提供に感謝するのだった。
仕事が順調なレネーはイーサンに連絡を入れ、2人はデートに出かける。イーサンにとっては、受付の職に誇りを持ちビキニコンテストに物怖じせず堂々と駆けつけ参加して踊り出すレネーは輝いていた。
エヴリンは、一般女性の気持ちを理解するレネーを頼りにするようになる。自分の奇妙に高い声についても長年コンプレックスを持っていた事を打ち明けるほど親しみを感じた。エヴリンは、祖母との会食に誘いレネーに新商品に対するコンセプトを代弁して貰う。
すっかり創業者にも気に入られたレネーは、ボストンで行われる新商品の売り込みプレゼンテーションに同行を求められた。
しかし、次第に自信過剰になったレネーは、ヴィヴィアンやジェーンがやっと出会ったグループデートの席で2人に恥をかかせてしまう。2人はレネーと距離を置き始めた。
魔法が消えた!?
ボストンへやって来たレネー。家族にくっ付いて来たグラントは、レネーを口説く。有頂天のレネーはイーサンからの電話に居留守。ルームサービスの食事を待つ間、シャワーを浴びようとしたレネーは、ガラスドアにぶつかり失神。
気が付くと鏡に映った自分に仰天する。魔法が解けて元の姿に戻ったと思い込んだレネーは、自分を誰にも見られたくないため、会社からシステム設定でボストンへ来ていたメイスンにエヴリンに渡すようプレゼン資料を託すと1人ニューヨークへ戻ってしまう。
落ち込んでスナック菓子を食べ散らかしてソファで眠ったレネーにエヴリンやイーサンから連絡が次々に入る。新商品を大々的に売り込むことになり、そのプレゼンテーションをやって欲しいとエヴリンは留守電にメッセージ。
イーサンとのビデオ通話は回避できず、レネーは腰を痛めたと誤魔化して隠れた。会話の流れで土曜日にデートすることに。待ち合わせのレストランに来たレネーは、今の自分をイーサンには受け入れてもらえないと思い電話をして別れを切り出してしまう。
帰り際に更衣室で泣いているマロリーに出会う。ボーイフレンドに別れを告げられて意気消沈するマロリーは、実は自分に自信が持てなくて悩んでいたとレネーは知り驚愕。
しかし、マロリーの様な美しい容姿でも全てを手に入れられる訳では無いと分かりレネーは安心するのだった。レネーは、ヴィヴィアンに連絡を入れ、これまでの事を真摯に謝り、金曜日にどうしても会って欲しいと留守電を残す。
金曜日、リリー・ルクレア本社では社内と社外を対象に新商品の大掛かりな宣伝パーティーが開かれた。各界の美男美女が訪れ、メディアの前でポーズを取る。メイスンに協力を求め、レネーは裏口から一緒にこっそり社内へ入った。
照明に照らされエヴリンが舞台に登場。しかし、高い声でソフトな話し方をするエヴリンのプレゼンは大衆を前にしたスピーチに説得力が無い。突然照明が消え、当惑したエヴリンは技術サポート担当を呼びに檀上から姿を消す。
レネーから全ての女性へ
そこへ、レネーが派手に現れた。本社の受付嬢の時に撮った写真をメイスンがプロジェクターで投影。レネーは観客に向いたまま、こっちはゴージャスで完璧だった自分だが本当の姿では無いと言った。
次に、メイスンはレネーがチャイナタウンの事務所で働いていた時に撮った彼女の写真を投影する。レネーは、こっちが本物の自分ですと紹介。大画面に並ぶ2つの画像。理解に苦しむ観客はどよめく。
レネーは、信じられないだろうが別人に見えて実は両方共私です、と話す。舞台の袖にエヴリンとグラントがプレゼンの様子を見に来る。レネーがプレゼンを進めながら振り向いて自分の写真を指差した時、両方自分のままの写真を見て立ち尽くす。
魔法ではなく自分の思い込みであり、これまでの事は自分の実力でやり遂げたと気づいたレネー。観客を向き直ると、子供の頃誰もが自分に自信を持っていたのに大人になると自分を否定ばかりしていつの間にか自信を全て失ってしまうと語り始めた。
自分に誇りを持っていれば誰かにネガティブなコメントをされても打ち負かせる筈だと言うレネーの姿を嬉しそうにメイスンが見つめていた。そして、レネーの合図でスライドショーが流れる。
ジェーンとヴィヴィアンの写真が映り、最高の女性だとレネーは紹介。会場に来ていた2人の友人は涙ぐむ。レネーは、女性である事は素敵だと言うと女性の観客が拍手。
新商品は女性の人生を変える事が出来るわけでは無い、それが出来るのは自分達自身。だがこの商品は、自分を信じようとする全ての女性を対象にしている、と言うレネーの言葉に会場から大きな歓声が上がった。
レネーは、イーサンのアパートを訪ねた。鼻の入り口に異物を感じて指を突っ込むレネー。イーサン宅のインターフォンの画面にその様子がくっきり映し出されている。レネーはイーサンが自分を世界一美しい女性だと言った言葉にうろたえたと話す。
そこへ、現れたイーサンは、レネーの鼻に入口についていた物を自分の指で取ってあげる。鼻をほじっている所を見られていた事に気づいたレネーは焦るが、イーサンはいつもレネーのままを見て来たよと答えた。2人は笑顔でキス。
『アイ・フィール・プリティ』を観た感想
アイ・フィール・プリティを見た感想ですが、笑わすことに長けているエイミー・シューマーの演技は等身大で非常に好感を持てます。スタンダップ・コメディのキャリアが長いシューマーは、彼女自身をさらけ出す事に抵抗があまり無いのかもしれません。
正直なシューマーがレネーを通して見えて来るので、主人公にぐっと近く引き寄せられ彼女の成長を応援する気持ちに自然となります。兎も角面白くて吹き出す事が多々ある映画で、台詞もそぎ落とされてリズム感が抜群です。
監督・脚本のアビー・コーンとマーク・シルヴァースタイン、そして共演したエヴリン役のミシェル・ウィリアムズはシューマーを絶賛し、彼女以外レネーを演じられる人は居なかったと言いきっています。シューマーにとって正にはまり役と言えるでしょう。
本作の魅力は、登場する人物達がふと周りを見回すと居そうなキャラクターだという所です。例えばロリー・スコル扮するイーサン、そしてレネーの友人役ヴィヴィアンとジェーンを演じたエイディ・ブライアントやビジー・フィリップス。
特に3人は、身近に存在するごく普通の人々です。きちんと独立した生活を営みつつも何処か満足できない自分に気づいていますが、それでいて自分のままを受け入れることが出来る成熟した大人達。
だからこそ度を超して卑屈なレネーを理解できません。周りにどう思われるかばかりを気にして振り回されてしまうレネーとは反対の姿を3人の登場人物を通して上手に描写しています。
仕事で成果を出した事で初めて自らを受け入れ自信を得る主人公がプレゼンテーションで女性に贈る言葉は、自分の可能性を潰していたレネー自身にも向けられているものです。共感の持てるハートフルな力強い場面で、シューマーの演技が光ります。
近年、複数の映画に毎年出演を果たしているミシェル・ウィリアムズ。ドラマ作品が多い中、本作ではエヴリンをコミカルに表現しました。特に、役を演じる上で必要だった声のトーンは、彼女が独自に思いついたものです。
また、恋人を演じたシューマーとスコルは、10年以上前にニューヨークで知り合って以来の友人です。劇中息の合う2人のやり取りは、長年温めた友情から来るものだとそれぞれがインタビューで語っています。
コーンとシルヴァースタインが膝を突き合わせて執筆し、今作りたいと思った『アイ・フィール・プリティ』。たくさんの笑いとポジティブな気持ちを貰える楽しい作品で、特に女性には是非観てもらいたい映画です。
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