ゴールデン・リバーのネタバレと感想!フル動画の無料視聴方法も紹介

『ゴールデン・リバー』は、ブッカー賞を受賞したパトリック・デウィット原作の『シスターズ・ブラザーズ』を映画化した作品です。提督と呼ばれるボスに雇われた殺し屋のシスターズ兄弟が山師を探しにゴールデン・ラッシュで沸くカリフォルニアへ向かう様を描いた作品です。ジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスが主演し、批評家から高評価を得ています。

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『ゴールデン・リバー』作品情報

タイトル:ゴールデン・リバー

原題:The Sisters Brothers

監督:ジャック・オーディアール

脚本:ジャック・オーディアール、トーマス・ビデガン

原作:『シスターズ・ブラザーズ』パトリック・デヴィット

製作:ローザ・アタ、パスカル・コシュトゥー、マイケル・デ・ルカ、アリソン・ディッキー、ジョン・C・ライリー

公開日:2018年10月12日(アメリカ)、2019年7月5日(日本)

出演者:ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッド、ルトガー・ハウアー、キャロル・ケイン

『ゴールデン・リバー』概要

本作の製作も兼務したジョン・C・ライリーは、映画化しようと7年間奔走。ライリーの妻であるプロデューサーのアリソン・ディッキーと共に、大ファンだった『預言者』のジャック・オーディアールに監督業をオファー。オーディアールはトーマス・ビデガンの脚本に関心を持ち、アメリカ人俳優と仕事がしたいと望んでいたため引き受けました。

『ゴールデン・リバー』あらすじ・ネタバレ

イーライとチャーリー

1851年、オレゴン州。殺し屋のシスター兄弟は、一仕事を終えて結果を報告する為、“提督”と呼ばれる金持ちのボスが住む屋敷を訪れる。家から出て来たチャーリーは、兄のイーライと一緒にお酒を飲みに酒場へ向かった。

チャーリーは提督から頼まれた次の仕事の内容を説明。探鉱者の後を追う提督の調査員であるジョン・モリスと落ち合い、探鉱者を殺害することだった。イーライは、提督が約束した新しい馬はどうなっているのかと文句を言う。

長くなり過ぎた髪の毛を自分で切るイーライは、チャーリーに頼んで後ろを切ってもらう。馬に跨り旅を始めた2人は、夜野宿。イーライは、ターゲットになった探鉱者のハーマン・カーミット・ワームが何をしたのか訊く。

チャーリーは、興味無さそうに提督から何か盗んだらしいと答える。イーライは、用心深い権力者の提督が誰かに物を盗まれる事自体妙だと言った。チャーリーは、外国へも手広くビジネスをする提督が何らかの犠牲になったんだろうと見解を述べた。

イーライは、提督が仕事の司令塔にチャーリーを指名し、自分より多い報酬を貰い新しい馬を得たことが気に食わないため機嫌が悪い。翌日、チャーリーは、家族についてふと思いを巡らせた後、父親の血を引いた自分達の未来の子孫に言及。

人でなしの父親だったと吐き捨てるチャーリーに、イーライは余っ払いだったと返す。更に、チャーリーは、父親の血を受け継いだからこそ、自分達は腕の立つ殺し屋なのだと冷たい視線を兄に向けた。

一方、ジョン・モリスは、幌馬車隊に紛れ込んだハーマン・ワームを見つけ、オレゴン州の南に位置するマートル・クリークへ後を着ける。ハーマンは、町で家の建築に携わる肉体労働をして食事と寝場所にありついた。

ジョンは日誌をつける。‐5月15日。ゴールドラッシュのお蔭で調査活動がしやすい。ハーマン・ワーム、167センチ。やせ形で肌は褐色。連れも荷物も無く、金も無い-

ジョンから連絡が無いまま、マートル・クリークまであと2日に迫った所で、兄弟は店に寄る。イーライは、店主が歯を長持ちさせると言う初めて耳にした歯ブラシに興味を示し、粉の歯磨き粉と一緒に購入。指示書を眺めながら何となく磨いてみた。

酒場で深酒するチャーリーを余所に、イーライは食事を済ませて就寝。夜遅くに銃声が鳴り響きイーライは飛び起きる。宿の窓から外を覗くと、酔っぱらったチャーリーが相手構わず乱射していた。

翌日、馬で先を進む中、イーライは後方でチャーリーのうめき声を聞く。振り返ると、チャーリーが落馬したまま平原に倒れていた。イーライが抱き起すと二日酔いのチャーリーはいきなり嘔吐。イーライは、顔をしかめながら弟を馬に乗せた。

ジョンとハーマン

ジョンはハーマンを視界に捕えながら旅を続け、ゴールドラッシュで沸くカリフォルニアへ向かう道中、次々に栄えて行く様子を日記に記した。そこへ、ハーマンがジョンに話しかけてくる。ハーマンは、ジョンを2日前にマートル・クリークで見かけていた。

サンフランシスコへ向かうのかと尋ねられたジョンは、ジャクソンビルへ向かっていると嘘をつく。ハーマンは、他の人同様に金を目当てにサンフランシスコへ行く途中だと言った。チャンスと捉えたジョンは、ランチを一緒に誘う。

幌馬車隊に便乗する旅で、お金を盗まれ危険な目に遭ったと話すハーマンに、ジョンは馬を買い与える。ジョンは、ハーマンを発見して顔見知りになり、一緒にジャクソンビルまで旅をすることになったとシスターズ兄妹に伝言を残した。

うまく行けば7日後に到着。人気の無い場所に誘い出しハーマンを渡す、とジョンのメモを読み上げるイーライとチャーリーは、近道となる山を抜けて行くことにした。しかし、寝ている間にイーライが毒蜘蛛に噛まれてしまう。

ジョンは、身軽なハーマンに、機材も持たずどうやって川の中に埋まる金を採掘するのか尋ねる。ハーマンは、誰も信じないが、自分の話が本当だと分かれば殺されると呟く。化学者でもあるハーマンは、金の採掘に自ら実証済みの薬品を考案していたのだった。

父親が殺した遺体を切断する夢にうなされて目を覚ましたイーライの顔は、蜘蛛の毒で腫れており顔色も悪い。更に、大きなグリズリーに襲われたイーライの馬が顔に重傷を負った。

ジャクソンビルに到着したジョンが寂れた納屋の下見を済ませて宿へ戻ると、ジョンのバッグの中にあった手錠と銃を見つけたハーマンが待ち構えていた。隙を突いて反撃したジョンは、ハーマンを殴り倒す。

意識を取り戻したハーマンは、自分が拷問されると落ち込む。ハーマンは盗みを働いたのではなく、提督がハーマンの開発した金を見つける薬品を狙っているのだとハーマンは訴えた。薬品のレシピを白状するまで酷い目に遭うとハーマンが呟く。

シスターズ兄弟がジャクソンビルに到着すると、ジョンとハーマンが4日前に宿を出発していたことを知る。ジョンの伝言には、急にハーマンが町を出たので、後を追うとあった。仕事はハーマンの殺害だったため、兄弟は2人の後を追った。

理想主義者のハーマンは、野蛮な世の中を変えるべきだと唱え、ユートピアの構築をジョンに語る。お互いに対する敬意が重要で儲けなど気にしない欲の無い世界であり、テキサス州のダラスがその新社会を作る場所だと説明した。

狙われた発明

カリフォルニア州のメイフィールドに来た兄弟は、町の有力者・メイフィールの経営するホテルで彼女に会う。ジョンとハーマンの特徴を説明するが、メイフィールドは見てないと答えた。兄妹は、1晩メイフィールドの宿に泊まることにした。

チャーリーは酒を煽り娼婦達と楽しんでいる。イーライに同情した店の女性が、こっそりメイフィールドに気を付けるよう忠告した。2人は町を出ようとするが、メイフィールドに雇われた男達が待ち伏せをしていた。

穏便に賄賂を渡して事を収めようとするイーライだが、チャーリーは、男達の目当てはお金では無く、殺し屋で名高いシスターズ兄妹を殺すことだと言い、突然嘔吐した。呆気にとられた男達の隙をつき、兄弟が銃を抜いて発砲。

プロで的を外さない兄妹の圧勝だった。メイフィールドを縛り上げると、ハーマンとモリスが連れ立って旅をしていた事、提督が探しているなら価値があると見込み、自分の手下に2人の後を追わせハーマンを連れ帰る手はずだと話した。

より多くの人間がハーマンを狙っていると分かり、イーライは煩わしい事になったと感じる。チャーリーは、メイフィールドに金庫を開けろと命じた。絶対に嫌だと拒絶したメイフィールドを殺し、兄弟は金庫から大金をせしめた。

宿の外へ出るとメイフィールドの圧政下に置かれていた町民が様子を窺っている。チャーリーに何か言えとそそのかされたイーライは、メイフィールドが自業自得で死んだとだけ説明。チャーリーがすかさず町の名前を好きなように変えろと群衆に言った。

カリフォルニア

兄弟はここまでの長旅をしたことは無く、太平洋を見て頬を緩ませる。人が溢れ活気に満ちたサンフランシスコは、別世界だった。豪華ホテルに宿泊することを決めた2人は、部屋にある水洗トイレやバスタブを見て驚愕。

高級レストランで夕食を取ることにしたシスターズ兄妹。イーライは、オレゴン市へ戻り提督にハーマンが見つからなかったと報告しようと提案する。預金とメイフィールドから盗んだお金で提督に仕える必要は無く、店でも始めようとイーライが言う。

全く辞める気が無いチャーリーは、他に新しいパートナーを見つけると話す。口論になり、チャーリーがテーブルをひっくり返しイーライの頬を平手打ちした。翌朝1人旅立とうと準備するイーライの下へ、すっかり酔いが覚めたチャーリーがやって来た。

ジョンとハーマンの行き先が分かったと興奮するチャーリーに、公共の場で自分を殴った事は許せないとイーライが弟を睨んだ。自分を殴ればお相子になるとチャーリーが言った途端、イーライは思いっきり拳で弟を殴り倒した。

チャーリーは、ハーマンの名前では無くジョンが自分の名で土地の所有権を主張した事を調べ上げ、兄弟は登録場所の川へ急いだ。2人が後を追って来る事を予想していたジョンとハーマンは、シスターズ兄妹が野宿している所を襲う。

4人で金の採掘

イーライは意識を失う前に、提督とはもう関係が無いと口走る。兄妹を殺さず縛り上げたジョンは、2人の馬を盗んで先を行こうとハーマンに話した。そこへ、メイフィールドに雇われた追手が到着。人殺しは素人のジョンとハーマンはピンチに陥った。

プロの自分達に任せなければ全員殺されると叫ぶシスターズ兄妹。ハーマンが2人の手錠を外すと、チャーリーがメイフィールドは死んだので報酬は支払われないと怒鳴って気を引き、ジョンとハーマンに撃ちまくれと指示した。

2人が発砲を開始すると兄妹は二手に分かれて、敵の両側に回り込む。ジョンの銃の弾薬が無くなり、リボルバーに弾を込め始めると、メイフィールドの手下が次々に撃たれて川に落ちて行く。あっという間に敵全員をイーライとチャーリーが殲滅した。

ハーマンは、川から採掘した半分の金を兄妹に渡すとオファーし、残りの半分はジョンと一緒に創業する民主主義社会を築くための会社に投資すると話す。おもむろにズボンを捲くったハーマンがたくさんの火傷を負った足を摩った。

ハーマンは、高アルカリ性の薬品を使うため薄くしても皮膚を焼いてしまうので、大きな痛手を負う前に採掘時は川を早めに出るよう忠告した。翌朝、イーライが歯を磨いていると、ジョンも歯を磨きにテントから出て来た。

4人は、採掘するため岩や木を伐採して川の上流を一部せき止める作業を開始した。チャーリーは、ハーマンと友情を築いたジョンが本気で一緒にユートピアを作ろうと思っている事を知った。男達はお酒を酌み交わし打ち解けあう。

ライリーは、グリズリーに襲われた傷が悪化し自分の馬が長旅を終え遂に息絶えた姿を発見する。落ち込んでいる所をハーマンに声を掛けられたイーライは、昔から粗暴だったチャーリーが誰かと揉めて人を殺め、その家族や友人から狙われた話をした。

弟のチャーリーを守るため、今の稼業になったとハーマンに言った。よろけたイーライをハーマンが支えると、ごく普通の馬だったが愛着があり、辛いとイーライはこぼす。そして、兄弟が幼い時チャーリーが父親を殺し、以来人が変ってしまったと明かした。

シスターズ兄妹は、町に戻らない自分達に対し、提督が刺客を差し向けるだろうと予想。その者達が失敗すれば、更に追手が来るとチャーリーは言い、厳しい状況が待ち受けていると予想。イーライは、弟が提督の立場を乗っ取るつもりだと見通していた。

いよいよ日が暮れ、金の採掘に着手する。ハーマンの化学薬品を堰き止めた川の中にジョンが流し込み、ハーマンが木の棒を使いゆっくりかき混ぜた。すると、水の底のあちこちが金色に輝き始めた。4人はシャベルで煌めく鉱石をすくってたらいに入れた。

水の中に居過ぎて肌に違和感を覚えたジョン、ハーマン、そしてイーライは川を出て足や手をゆすぐ。しかし、チャーリーは金の採掘を続行。水で薄まり薬品の反応が消え始めたとチャーリーが大声で知らせ、また3人が川に入って来た。

焦ったチャーリーは、勝手に大量の薬品を川に流し込む。ジョンが止めようとして足を取られ水の深みにはまってしまう。助けようとしたハーマンが水に潜り、チャーリーは容器を滑らせ薬品をもろに腕にかけてしまう。

イーライは肌が焼けて叫ぶチャーリーの下へ急ぐ。翌朝、多くの死んだ魚が川に浮いていた。チャーリーは右腕に重傷を負い、ジョンとハーマンは瀕死だった。イーライがハーマンを看取り、チャーリーは、ジョンに頼まれ銃を渡し彼が命を絶つ瞬間を見届けた。

提督

シスターズ兄妹は町へ行く。チャーリーは、医師に右腕をのこぎりで切断された。そこへ提督が雇った刺客が現れる。チャーリーは動けないため、イーライは医師を裏口から逃がした後、銃を背中のサスペンダーに差し、扉を開けてホルスターを投げた。

相手を油断させた隙をつき、チャーリーは2丁拳銃で3人を相手に撃ちまくる。腕に弾のかすり傷を負うが、チャーリーは全員撃退した。その後も次々に追手が迫り、利き手を失ったチャーリーをイーライが守りながら何とか交わし、兄弟は、オレゴン市を目指した。

落ち込むチャーリーに、イーライは1週間後に到着するオレゴン市で、提督を殺すと話す。先を急ぐ中、イーライは数日追手が無い事に気づいた。そして、兄弟がオレゴン市に到着して提督の屋敷へ行くと、葬式が行われていた。

棺桶に眠る提督を見たイーライは遺体を思いっきり殴り、付添人に止められる。念のため確認したかったと言い、屋敷を後にした。晴れて自由を手に入れたシスターズ兄妹は、母が住む自宅へ馬を走らせた。

故郷へ

警戒する母は、逃亡して身を隠したいなら余所へ行けと怒鳴る。イーライは、疲れて帰宅したと言い、チャーリーが母に会いに来たと話す。表情を緩めた母は、息子2人を抱きしめた。食事やコーヒーを振る舞い、母はお風呂を用意した。

チャーリーが先に母の世話を受けながらお風呂に使っている間、イーライは幼い頃に使っていたベッドに横たわり、窓からの木漏れ日を頬に受けながら心地良く眠りに落ちた。

『ゴールデン・リバー』を観た感想

子供を虐待する人殺しの父親を持ったイーライとチャーリー。誰も助けてくれない環境下で、幼いチャーリーが父親を殺害した時から兄弟2人だけで寄り添う生活が始まったことが終盤に分かります。

自分で事を起こすチャーリーを年上の自分が守ろうと奔走してきた兄イーライ、2人の視点で物語は進みますが、同じように恵まれない家庭で育ったジョン・モリスの目線も織り込まれています。

通常視点が変わると、どの登場人物に感情移入して良いのか分からず、観客は混乱してしまいます。しかし、本作の監督を務めたジャック・オーディアールの絶妙な構成で、深みのある重層的な描写になりました。

銃撃戦、馬、そしてカウボーイハット等、西部劇に登場する様々なお決まりの要素が全て揃う作品でありながら、男性同士の友情を描く家族ドラマ。西部劇に興味は無かったが物語に魅了されたと話すオーディアールの手腕で、登場人部に光が当たっています。

イーライ・シスターズを演じ、本作の製作も担当したジョン・C・ライリーは、舞台がゴールドラッシュであったため、欧州の監督を探したとインタビューで語りました。当時、ヨーロッパだけではなく、世界中から金の採掘を目指して人が集まりました。

アメリカ人が西部劇を撮れば、どうしても固定観念を排除できなくなってしまうため、全く異なる考え方と物の見方を持つ監督がゴールドラッシュ特有の時代背景を映像化できるだろうとライリーは思ったそうです。

また、オーディアール同様、西部劇に関心が薄かったと話すのは、チャーリー・シスターズを演じたホアキン・フェニックス。出演を決めた理由は、シスターズ兄弟に魅かれたからだと話しています。

ライリーとフェニックスは、シスターズ兄弟が2人だけで生き抜いた設定だったことから、撮影前に多くの時間を共に過ごしました。散歩に行く時も一緒に出掛け、何も言葉を交わさずとも、2人だけで歩いたそうです。

追う者と追われる者それぞれ男性4人が金の採掘を通した交流で、友情を築いて行く『ゴールデン・リバー』。コメディのスパイスがほどよく利いた効果的な展開で、最後に温かい気持ちにさせてくれる良作です。

本作は、オーディアールにとって、主要言語を英語で撮った初の作品。ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞し世界で高い評価を受けるフランス人監督が贈る西部劇は、ゴールドラッシュ時代に生きた男性達を色鮮やかに描いています。

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