【完全暴露】映画『アンクル・ドリュー』ネタバレあらすじと感想!

NBAの名選手達が特殊メイクを施し老いたバスケットボール選手に扮して登場するスポーツコメディ映画。ニューヨークのハーレムで実在する「ラッカートーナメント」は、毎年開催される有名なストリートバスケットボール大会である。

優勝を目指すのはデコボコチームだがバスケをする選手達のシーンはともかく格好良く笑い溢れる作品だ。

アンクル・ドリューの予告動画

アンクル・ドリューの作品情報

タイトル:アンクル・ドリュー

原題:Uncle Drew

監督:チャールズ・ストーン三世

脚本:ジェイ・ロンジーノ

製作:マーティ・ボーウェン、ウィク・ゴッドフリー

公開日:2018年6月19日 米国、2018年11月9日 日本

出演者:カイリー・アーヴィング、リル・レル・ハウリー、クリス・ウェバー、シャキール・オニール、レジー・ミラー、リサ・レスリー、ティファニー・ハディッシュ、エリカ・アッシュ

 

元はテレビコマーシャルだった題材が映画化された。監督を務めたチャールズ・ストーン三世は、1999年に『Ture』と言うショートフィルムを製作し、その作品が後にバドワイザーのコマーシャルに使われた経歴を持つ。脚本は、ジャッキー・チェン主演の『スキップ・トレース』でも脚本を書いた元バスケットボール選手のジェイ・ロンジーノ。

アンクル・ドリューのキャスト

主演のアンクル・ドリューを演じるのは、NBAの現役スター選手、カイリー・アーヴィングだ。コーチ役のダックスは、『ゲット・アウト』のリル・レル・ハウリーで、劇中に映画を取り上げる場面があり、観た人は思わず吹き出してしまう。

アンクル・ドリューのあらすじとネタバレ

マンハッタンのコンクリートジャングル。スラム街の奥に在るラッカー公園で多くの伝説的バスケット選手が誕生した。その中で圧倒的に際立つのは、アンクル・ドリューである。彼は突然姿を消したが、今日ラッカー公園はストリートバスケットボールのメッカである。

屋内のコートで選手達がバスケットボールをしている。キャスパーがスラムダンクや3ポイントシュートを見事に決めている。そこへムーキーが自分のクラブの選手を引き連れて現れる。

ムーキーはキャスパーにウィンクする。ダックスは立ち上がり、ムーキーに近づいて行く。ムーキーは、シャツを捲り上げこれまで7回優勝した年を入れ墨したお腹を見せて自慢し、キャスパーみたいな選手は、自分の様に勝利してきた男を好むと挑発する。

ダックスは笛を吹いてプレイを留めるとキャスパーに欲しい物は無いかと尋ね、お互いの固い絆を確かめ合う。

恋人ジェスのアパートで寝ているダックスは、孤児院に居た幼少時代の夢を見る。テレビでNBAの試合が放送されており、ダックスは神がかり的なプレイをするマイケル・ジョーダンに魅せられる。遊具のボールを手に遊び始める。マイケル・ジョーダンが腕を左右に広げたポスターを背にして立ち、自分の腕をジョーダンの腕に重ねて広げ長さを測る。

成長するダックスは同じポスターを使い腕の長さを測り続ける。バスケットボールのゴールネットがある広場でシュートを練習するダックス。学校でバスケットの試合中、3ポイントを決めようとジャンプしたダックスは敵チームの長身のディフェンスに空中戦で負け簡単にボールを奪われる。観客の生徒達からブーイング。

ダックスは夢から目覚める。彼女のジェスがグッチのTシャツを胸に当ててはしゃいでいる。ダックスは、自分の給料では手に届かない物だとこぼす。ジェスは、ラッカーのバスケットボール大会に優勝すれば10万ドルの賞金が入るから大丈夫だと言う。

ダックスは、優勝賞金は家庭を持つための資金に充てようと話し合ったはずだとジェスに言う。しかし、高級スポーツカーのテスラに始まり、ジェスは次々に欲しい物の話をする。

ダックスの職場、フットロッカーにキャスパーがバスケの選手達を連れて現れる。ダックスが近づくと全員分のシューズが欲しいと言う。ダックスが戸惑うと頼める人はいくらでも居ると言う。ダックスは顔を引きつらせながら任せろ、と言う。レジに積み上げられたシューズ。ダックスが従業員割引を使いながらレジを打つ。キャスパーはダックス持ちだと仲間に言い、シューズの箱を掴んで出て行く。

ダックスは、屋内のバスケットボールコートへチームメンバーの新しいユニフォームを持って来る。ムーキーが居り、キャスパーはダックスにムーキーのチームに入ったと言う。

ダックスはこれまでずっと貯めていた貯金をこの大会に使った事を力説する。ムーキーは、自分は手が出なかった高額なシューズをキャスパー達に買ってくれてありがとう、と言い選手たちを連れてコートを出て行く。ダックスは、キャスパーに靴を脱げと怒鳴る。

ジェスのアパートのソファで眠りこんでいるダックスをジェスが大声で起こす。ローカルニュースで、ダックスが選手達からシューズを脱がそうと転げまわっている様子が報道され、番組の司会者がダックスを非難する。ジェスは、キャスパーを失ったダックスに荷物をまとめて自分のアパートを出て行けと言う。ダックスは行く所が無く家族も無いと言うが、家賃さえ払わなかったとジェスから咎められる。ダックスがスーツケースを持ってアパートを出ると、ジェスが窓から顔を出してそのスーツケースは自分の物だから返せと怒鳴る。ダックスはアパートに戻り、黒いゴミ袋を背負って出てくる。

訳ありドリームチーム

床屋で先ほどのローカルニュースを複数の客が見て笑っている。店主がダックスにアンクル・ドリューに会う良い機会だと言う。客達が自分の彼女、母、妹とアンクル・ドリューが付き合っていたと話す。ダックスは、昔は優秀な選手だったかもしれないが老いぼれにはバスケは無理だと言い、選手を探すと言い床屋を出る。

ダックスは、マンハッタンに在る様々な場所でバスケをしている男達に声を掛けるが相手にしてもらえない。

屋外バスケットコートでダックスが備え付けのベンチに座りバスケを観ていると側に座っているアンクル・ドリューが青年達のプレイを小馬鹿にする。それを聞きつけた1人の男がアンクル・ドリューに挑戦する。アンクル・ドリューは、自分が負けたら二度とこの公園に戻らないが、自分が勝った場合は、きちんとバスケをプレイしろと言う。

男がきちんととは何だと訊くと、アンクル・ドリューは、オーケストラが奏でる編成された交響曲の様にどの楽器も重要だと言う。アンクル・ドリューは、自分の腰を労わりながら立ち上がる。挑戦してきた男と一対一のシュート戦が始まり、アンクル・ドリューが圧倒する。

ダックスはラッカーで若者達を指導して欲しいと必死にアンクル・ドリューを説得する。アンクル・ドリューは、自分が選手を選ぶことが条件だと言う。ダックスが渋々条件を飲むと、アンクル・ドリューは、メンバーの1人、プリーチャーの所へ行くと言い、ダックスに自分のバンに乗れと言う。

教会でプリーチャーが乳児の洗礼を行っているが、水を張った子供用プールに入って、乳児を片手に乗せボールの様に自分の体の回りをグルっと回す。

ダックスは立ち上がり、洗礼の仕方が間違っていると声を上げる。座っていたベティ・ルーがプールに水を張るのに1時間かかったと言い返し、ダックスを洗礼しろと言うと参列者も賛同する。ダックスがプールの中に座らされており、プリーチャーがダックスを水に何度も沈める。バンドが演奏を始め、参列者全員が踊り出す。

車に乗り込んだダックス、アンクル・ドリュー、そしてプリーチャーは、ガソリンスタンドに立ち寄る。ダックスがガソリンを入れている間プリーチャーはボールを巧みに操りながら遊んでいる。ダックスは、なぜ皆が昔表舞台から突然姿を消したのかと尋ねる。

プリーチャーは、アンクル・ドリューに訊けと言う。プリーチャーは、アンクル・ドリューとビッグ・フェラの間に起きた事をバスケットボールが修復できると思っているのかとアンクル・ドリューに尋ねる。

それに対しアンクル・ドリューは、バスケットボールをきちんとプレイすれば何でも修復すると言い、プリーチャーのボールで軽やかにドリブルする。ダックスは、バスケが本当に好きなんだね、と言う。お前もプレイするんだろうと訊かれたダックスは、自分はコーチで選手ではないと言う。

3人は車で自然の多い郊外へやって来る。ダックスが自分を誘拐しようとしてるのかと訊き、『ゲット・アウト』を観たと言い、もしあんた達が白人だったら怖いと言う

ゲームセンターでライツがマヤとバスケのゲームをしているが、ネットにボールが入らない。アンクル・ドリューが話しかけると、ライツがサングラスを外して抱き合う。ダックスがライツの目が悪いと気が付き動転する。ブーツの容態が思わしくないとライツが言い、皆でブーツに会いに行くことにする。

老人ホームでブーツが車いすに座り窓の外を見つめている。孫のマヤが近づき友達が面会に来たと伝えるがブーツは反応しない。アンクル・ドリューがバスケのボールをブーツにパスすると、ブーツはしっかりボールをキャッチする。

空手道場でビッグ・フェラが子供たちにディフェンス無しでは攻撃など意味をなさないと話し、クラスを解散する。アンクル・ドリューが入ってきて、相変わらず同じうんちくを垂れているのかとビッグ・フェラに話しかける。ビッグ・フェラが一瞬でアンクル・ドリューを倒す。

アンクル・ドリューは、チームを編成するが、お前無しでは上手く行かないとビッグ・フェラに言う。決めかねているビッグ・フェラに、ダックスはアンクル・ドリューの為ではなく、他のメンバーのために参加してくれと言い、アンクル・ドリューを好きに料理して構わないと続ける。プリーチャーがライツやブーツも一緒だと言うとビッグ・フェラはチーム参加を承諾する。

ダックスがジェスのアパートへ自分が購入しておいたユニフォームを取りに行くと、ジェスが体にタオルを巻き、ムーキーが上半身裸で出てくる。二人はせいぜい頑張れとダックスを小馬鹿にする。

 

アンクル・ドリューとビッグ・フェラ

ラッカーバスケットボール大会が始まる。アンクル・ドリュー達メンバーは、ダックスが用意した「ハーレムモンキー」とロゴの入ったユニフォームを着用している。試合が始まると、アンクル・ドリューとビッグ・フェラの小競り合いが始まり、喧嘩になる。

ダックスはタイムアウトを取り、アンクル・ドリューにバスケットボールで若い者に正しい路を示すと言う話はどうなったんだと言い、ビッグ・フェラに向かって、2人の問題は後で解決してくれと言う。試合はアンクル・ドリュー1人の活躍でリードするが、シュートしようとした瞬間にビッグ・フェラが妨害する。コートに倒れたアンクル・ドリューを起こすプリーチャーがやり直したいなら真実から逃げるのは止めろと言葉を掛ける。

墓地でビッグ・フェラがお参りしている所にアンクル・ドリューが訪れる。ビッグ・フェラが愛していた女性と知りながら関係を持ったアンクル・ドリューはその事を謝罪し、実は自分も彼女を愛していたと話す。ビッグ・フェラは、驚いて言葉を失う。アンクル・ドリューは、申し訳なかった、ずっと悔いていたと言う。

ラッカートーナメントの開始前、シューズを履いているアンクル・ドリューに床屋の店主が話しかけ、賞金の10万ドルをどう使うんだと尋ねる。アンクル・ドリューはダックスに、バスケに対する自分の愛情は神聖なものだと言い、ダックスがお金のために何でも利用するハスラーだと言い放つ。

ダックスは、幼い頃今も語り継がれる試合は全部観たと言い、シュートをしようとしてブロックされ恥をかいた事、周りが皆自分から離れて行き途中で挫折した事を話す。アンクル・ドリューは、その心は本物だと言い、試合を始めようとダックスに言う。

ラッカートーナメントの準決勝が始まる。アンクル・ドリューとビッグ・フェラがチームワークを発揮し順調に展開する。第4クオーター、残り10秒を切った時、ビッグ・フェラが突然コートに倒れ込む。

病室で皆が見守る中、意識の無いビッグ・フェラがベッドに寝ている。ブーツは、年を取ったからプレイを止めるのではなく、プレイを止めるから年を取るんだと言う。そこへ、ベティ・ルーが現れ、履いていたズボンを捲くると、バスケシューズを履いている。

 

ダックスのトラウマ克服

ラッカートーナメントの決勝戦が開催される。チーム名がハーレムモンキーからハーレムバケッツに改名されている。ハーレムバケッツはシュートの精彩を欠く。一方、相手チームは、キャスパーがコートを動き回り次々にシュートを決めて行き、第3クオーターまでリードする。

しかし、プリーチャーやアンクル・ドリューのディフェンスが機能し始め、キャスパーのシュートにミスが出始めるとハーレムバケッツは一気に巻き返す。

第4クオーターに入り、ハーレムバケッツが2ポイント差まで追いつく。キャスパーがシュートしようとした時ライツがディフェンスに入り、空中で激しくぶつかり2人がコートに倒れ込む。ライツは足を負傷して試合の続行が困難になる。アンクル・ドリューは、ダックスに交替しろと言うが、ダックスは抵抗する。アンクル・ドリューは、逃げるかこのチャンスを手に掴むかはお前の選択だとダックスに言う。キャスパーも負傷し、代わりにムーキーがユニフォームを着ている。

ダックスはムーキーのディフェンスに付けるなら試合に出るとアンクル・ドリューに言う。残り時間1分9秒から試合再開。攻防戦が続き、スコアは99対101。僅差だがリードしているため、ムーキーがボールをパスせず時間稼ぎをする。ダックスが果敢にボールを奪ってコートを駆け抜けシュート位置まで来る。しかし、躊躇しタイムアウトしてしまう。

ダックスを囲んだチーム全員が温かく励ます。残り8秒を残して試合再開。アンクル・ドリューがドリブルし、ダックスにボールをパスする。ムーキーのディフェンスを交わしたダックスは3ポイントシュートを決める。観客席は大歓声。

アンクル・ドリューがダックスに近づき、最後のシュートをよく決めた、誇りに思うと言葉をかけてボールを渡し、お前のチームだと言う。

全員が病室のビッグ・フェラを見舞い、優勝の瞬間を報道するローカルニュースをみんな笑顔で見る。

ジェスが何度もダックスに何度も電話をかけ、よりを戻そうと留守電にメッセージを残す。

アンクル・ドリューを観た感想

マイケル・ジョーダンがシカゴブルズの選手だった頃、そのプレイは魔法のようだったと言っても過言ではなく、ダックスが魅せられるのは当然であり、体格に恵まれなくてもバスケットボール選手になる夢を持つのは至極納得がいく。

彼の夢は破れるがコーチとして新たな目標を持ち、同じように過去に傷を抱えるアンクル・ドリューと一緒にストリートバスケットボール大会の優勝を目指す筋書きを面白くさせているのは、選手が皆老人と言う設定だからである。

目の悪いライツや何十年も歩かなかった車いすのブーツがコートを駆け回る事は現実離れしていてもそれが物語を壊さない理由は、名選手達の老い芸が非常に上手いからである。腰を摩りながら立ち上がり、よぼよぼ歩くがいざボールを持てば颯爽とシュートやパスを決めて行く姿は圧巻であり観客を魅了する。

ムーキー役を演じたニック・クロールは、キャリアの長いコメディアンだが共演のNBA選手達があまりに面白いので驚いたと言う。特にプリーチャーに扮したクリス・ウェバーの教会シーンは、涙を流して爆笑したと話す。

面白くて笑う場面が物語の最初から終わりまで途切れることがない。演者の技も勿論あるが、台詞の言葉選びが絶妙である。人種間の差別的揶揄と取られがちだが米国では隠された事実では無いため思わず吹き出してしまう。

また、ベティ・ルーに扮したリサ・レスリーは、演技のコーチがついて特訓を受けたと明かし、スポーツ選手であった以上皆この映画で勝ちたかった、成功したかったと話す。

製作国の米国で2742の劇場で公開され、11週間で4200万ドルを超える興行収入を記録しており、バスケットボールファンの観客から大きな支持を集め、メディアは好意的なレビューを報じている。

ニューヨーカーにとって知らない人は居ないラッカートーナメント。バスケットボールを楽しめる広場は点在するが、このラッカーは特別な意味を持つ。ハーレムの北端155番街から1ブロック離れた橋の下にその公園は在る。

1950年、ハーレムで教師をしていたホルコム・ラッカーが尽力し始めてトーナメントが開催され、彼の名前が使われるようになった。そして、このコートからジュリアス・アーヴィングやウィルト・チェンバレン等名選手が育っている。2018年、伝統のあるトーナメントは63回目を迎えた。ダックスの様に、バスケットボール選手になる夢を持つ子供たちが本作を観てまた成長して行き、ラッカーは今後も受け継がれていく。

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