2004年に公開された地球温暖化の影響でスーパーフリーズと呼ばれる突然の氷河期に直面した人々を描いたパニック映画です。
竜巻や津波などのリアルな描写が話題になり、世界各国で大ヒットになりました。
本作は地球温暖化、環境破壊に対する警報を鳴らすことをテーマとしており、映画の中で表現された現象は作品中ほど急激ではないものの、現実にヨーロッパでみられている現象を紹介しています。
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「デイ・アフター・トゥモロー」の作品情報
タイトル:デイ・アフター・トゥモロー
原題:The Day After Tomorrow
監督: ローランド・エメリッヒ
脚本: ローランド・エメリッヒ、ジェフリー・ナックマノフ
製作:ローランド・エメリッヒ、マーク・ゴードン
公開:2004年5月24日(アメリカ)2004年6月5日(日本)
出演:デニス・クエイド、ジェイク・ギレンホール、エミー・ロッサム、イアン・ホルム、セーラ・ウォード
原案、脚本、監督を「インデペンデンス・デイ」「パトリオット」のローランド・エメリッヒが担当し自然破壊の恐ろしさを描いています。
脚本をローランドと担当しているジェフリー・ナックマノフは2011年放送のテレビドラマ「HOMELAND」で監督を務め、脚本だけでなく多方面で活躍しています。
「デイ・アフター・トゥモロー」のキャスト
主人公の気象学者ジャック役に2002年公開映画「エデンより彼方に」で数々の賞にノミネートされたベテラン俳優デニス・クエイド。
その息子・サム役に2014年公開の話題の映画「ナイトクローラー」でゴールデングローブ賞・主演男優賞にノミネートされたジェイク・ギレンホールが務めています。
『デイ・アフター・トゥモロー』あらすじ・ネタバレ
南極大陸でロードアイランド州ほどの大きな氷が溶けて、海に流れ出す現象を見た気象学者ジャック・ホールは、地球温暖化の影響で近い将来記録的な氷河期がくることを予測していた。
ジャックはサンプルを持ち帰り、インドのニュ-デリーで行われる「地球温暖化・国連会議」で調査報告をするが、環境問題に感心の薄いベッカー副大統領は特に重要視することはなかった。
そんな中、スコットランド研究所にいる海洋学者のラプソン博士から異常事態の連絡を受けたジャックは、もっと先だと思っていた氷河期がすぐそこまで迫っていることに気が付く。
世界中で大きな異変を確認!
ジャックの息子・サムは高校のクイズ大会に出場するためニューヨークに飛行機で向かっていた。
飛行機恐怖症のサムは乱気流で激しく揺れる機内で不安になっていたが、同級生のローラに励まされながら、なんとか無事にニューヨークに到着する。
ニューヨークは降り続く雨のせいで下水が溢れ大混乱に陥っていた。空には大量の鳥が群れを作って南へ飛んでいく姿が目撃され、動物園の動物たちも落ち着かない様子を見せていた。
サムたちはクイズ大会が終わったあと帰ろうとするが、大洪水のせいで帰ることが出来ず、クイズ大会で知り合った男子高校生の家に泊めてもらうことにする。
その頃、日本では大きな雹が降り、ロサンゼルスでは竜巻が一度にいくつも発生するとビルが破壊されていた。宇宙観測隊は地球を覆う見たこともない大きな低気圧の雲を確認し、陸地が全く見えないほど巨大なものになっていた。
政府はジャックに異常気象についてのアドバイスを求めるが、ジャックの考えでは状況はどんどん悪くなるため、今すぐ国民を避難させたほうがいいと伝える。
しかし、責任者のベッカー副大統領はジャックの言葉を重く受けとめてはおらず、また無視されてしまう。
カウントダウン
シベリアにいるラプソン博士から再び緊急の連絡が入る。極秘情報として伝えられたのはスコットランドでヘリが3機が燃料の凍結により墜落したというものだった。一瞬で気温が急激に低下したことによって、ドアを開けた瞬間に凍死した人もいると分かる。
ジャックはデータの解析をするが、その結果、氷河期はすぐそこまで迫っていると確信する。
ラプソン博士のいるシベリアは危険な状況にあることから、すぐに逃げるように伝えるジャックだったが、ラプソン博士はすでに手遅れであることを伝え、ジャックに一人でも多く救ってほしいと言って電話を切った。
ニューヨークで降り続く雨のせいでほとんどの建物が水に浸かり、停電で交通機関も麻痺してしまう。サムたちは歩いて脱出できないか考えるが、すぐに無理だと気がつく。
近くに大きな図書館があったため、そこに一時避難することにして向かうが、サムたちの後ろから津波が迫ってきていた。何とかみんなで図書館の中に逃げ込むが巻き込まれてしまった人も大勢いた。
サムは携帯電話がつながらないため、二階にある公衆電話から父ジャックに連絡をとる。
状況を確認するサムにジャックは今から南に行ってももう間に合わないこと、低気圧はハリケーンのようになっていて目の部分に入ると気温が急激に下がり数秒で凍死すると伝える。
火を焚いて屋内から絶対にでないよう忠告を受けたサムは父ジャックが必ず迎えに行くという言葉を信じるのだった。
生死の分かれ目
しかし、外を歩く大勢の人たちを見た図書館の避難者たちは、ラジオで南に避難している話しを聞き、手遅れになる前に自分たちも南を目指して歩こうと言い始める。
外に出たら死ぬことを知っているサムは父親のことを話して説得しようとするが、大勢の人が警察官の誘導で外へ出て行ってしまい、図書館にはサムたちとほんの数人の人間が残った。
残ることにした人たちは暖炉のある部屋に移動すると本を燃やして暖をとり、食堂の自販機を壊して食料を集め始める。
ようやく異常事態に気がついた政府は、ジャックを呼びだしますが、北側は既に手遅れであることから南側にいる国民だけをメキシコへ避難させろと伝えるジャックに「国民を見殺しにしろというのか!」とベッカー副大統領が怒りを露わにする。
ジャックの上司ゴメスはそんなベッカーに「あなたのせいだ!」と言い放つ。話し終えて退席したジャックは息子サムを救出にいく準備を始めていた。
会議室では、まだベッカーがジャックの判断に難癖をつけていたが、ゴメスはジャックの息子は救出不可能なニューヨークにいることを伝えベッカーを黙らせる。
大統領はジャックのアドバイス通り南側の国民にメキシコに逃げるように話し、メキシコ政府に交渉を行い国境の門を開放してもらうことに成功する。
息子のために命がけの旅
ジャックは息子サムを助けるためにニューヨークへ出発しようしていたところに、友人のフランクとジェイソンが一緒に行くと車に乗り込んできた。
出発したものの外は猛吹雪になり、車で進むのが難しくなったため、3人はフィラデルフィアから歩いてニューヨークを目指すことにする。
視界が悪い中、雪の積もったショッピングモールの上を歩く3人。後方にいたフランクの足元のガラスが割れ宙吊り状態になってしまう。
ジェイソンが持ちこたえようとするが、彼の下のガラスにもヒビが入り始めたのを見たフランクは、息子を救えとジャックに言うと自らロープ切って転落死を選ぶ。
ジェイソンとジャックはフランクの死にショックを受け、ジェイソンは弱気になっていた。
オオカミとの攻防戦
その頃、サムは友人ローラがケガのせいで敗血症にかかりペニシリンが必要になる。
外に漂流してきたタンカー船があったことから、サムは友人と船まで行き、食料と薬を手に入れようとする。
しかし、そこに動物園から逃げ出したと思われるオオカミが現れ、襲われたJ・Dがケガを負ってしまう。
サムは危険を犯して囮になり、オオカミを船に閉じ込めて3人で何とか逃げ出すことが出来た。
スーパーフリーズ
その時、突然吹雪が止み、父ジャックが言っていたハリケーンの目に入ったことに気がついたサムは、ケガをしたJ・Dを助けながら暖炉のある部屋まで懸命に走る。
間一髪で一瞬で全てが凍りつくスーパーフリーズ現象から逃げ切ったサムたちは暖炉の火を消さないように懸命に本を燃やし続ける。
同じ頃、スーパーフリーズをかわしたジャックは大量の凍死体の間を歩きながら図書館を目指していた。
ジャックがニューヨークに到着する頃には太陽の光が差し込むようになり、地球を覆っていた雲も薄れてくる。
ジャックは雪に沈みかけた図書館を見つけ息子サムと無事に再会を果たすのだった。
『デイ・アフター・トゥモロー』感想まとめ
さすがに「インデペンデンス・デイ」を撮った監督なだけあって、ニューヨークを襲う津波や、スーパーフリーズで凍りついていく建物や人間の描写はとてもインパクトがありました。
本作は地球温暖化に警報を鳴らすことがテーマになっているので、戦う相手は大自然とパニックを起こす人間たち同士です。
図書館に逃げ込んだ大勢の人たちも2つのグループに分断すると意見がぶつかってしまいます。
正しい情報がない状態では、今までの常識しか頼ることが出来ないため、ラジオで大勢が南に避難していることを知ったら一緒に行きたくなる気持ちは分かります。
サムは父親が気象学者で政府とも繋がりがあることを話し、外に出ていく人たちを説得しようとしましたが、さすがに高校生には大勢の判断を変えさせるほどの説得力はなかったですね。
ジャックが図書館近くで凍死している死体をたくさん見ますが、あの図書館で先導していた警官や赤ん坊連れもいて、仕方ないですが何だかとても後味が悪かったですね。
そして何より副大統領のベッカーは腹立たしい人間でした。
いたるところで異常気象に見舞われているにも関わらず、自分の過ちを認められない彼のせいで図書館から出ていった人たちは死んだと言えるでしょう。
それでも最後まで国民の避難のために尽力していた大統領がスーパーフリーズに捕まって死に、ベッカ-は生き残って大統領になったオチはちょっと納得いきませんでした。
最後は自分の過ちを認めていたようでしたが、国民が事実を知ったらすぐに失脚するでしょう。
自然災害ものは若干映画としては地味な作りになってしまいますが、映画の中でパニックに陥る人たちを見ながら、果たして自分ならどちらと行動を共にするのか考えながら見ると楽しい映画だと思います。
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