冴えない高校生がある日を境にスパイダーマンとなって、ヒーローとはどんな存在なのかに悩みながらも街をはびこる悪をやっつけていく。「アイアンマン」などのマーベルコミックの映画化作品のひとつであり、関連作品はいままでで計6本作られています。今回はそんな「スパイダーマン」のあらすじとネタバレを紹介していきます。
Contents
「スパイダーマン」の作品情報
タイトル:「スパイダーマン」
原題:Spider-Man
監督:サム・ライミ
脚本:デヴィッド・コープ
原作:スタン・リー/スティーブ・ディッコ
製作:イアン・ブライス
公開日:2002年5月3日(アメリカ)/2002年5月11日(日本)
出演:トビー・マグワイア/ウィレム・デフォー/キルスティン・ダンスト
もともと映画化の話はあったが、壁に張り付いたり、街を飛び回るという映像を撮ることが技術的に難しかったため、なかなか映画化できなかった。監督は伝説的カルトホラー「死霊にはらわた」のサム・ライミ。
本作はアメリカで1週間に1億ドルの記録を達成した最初の映画になっている。
「スパイダーマン」のキャスト
主演のスパイダーマン(ピーター)には、後に「華麗なるギャッビー」でディカプリオの友達役を演じるトビー・マグワイア。
ピーターが恋焦がれるメリージェーンには子役時代から数々の映画で注目を浴びているキルスティン・ダンスト。
スパイダーマンの強敵、グリーンゴブリン(ノーマン)には「プラトーン」などの超大作に数々出演しているウィレム・デフォー。
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「スパイダーマン」のあらすじとネタバレ
ピーターは科学が大好きな高校生。両親を亡くし、今は叔父と叔母の元で暮らしていた。隣に住むメリージェーンの事がずっと好きだったが彼女にはフラッシュという彼氏がおり、ピーターは誰が見ても冴えない男子であった。
きっかけ
社会科見学の為、コロンビア大学の研究所へ行く日、ピーターはバスに乗り遅れてしまい、すでに発車していたバスに並走しながら運転手に止まるように叫びながら走っていた。すでに乗っていた生徒たちはそれを見て面白がっていた。運転手もそうだった。しかしメリージェーンが運転手に注意してようやく止まり、ピーターは無事にバスに乗ることができた。
バスを降りてすぐにピーターは「オズコープ社」の社長ノーマンの息子ハリーと合流する。そしてハリーはそこに来ていた父親であるノーマンを紹介する。
ピーターはノーマンの提唱する「微小工学論」について理解し、レポートも書いていた。「あれろ理解したのか?すごいな!」と感心するノーマン。
ノーマンと別れピーターとハリーは大学の研究所へ入っていく。
研究所内には多くの種類のクモが展示されており、DNA情報を全て兼ね備えたスーパースパイダーを育てていた。15匹と紹介されたが、ボックス内には14匹しかいなかった。紹介していた科学者は研究のために持ち出しているのだろうと言うが、じつは逃げ出していて、天井にいた。
ピーターがメリージェーンの写真を撮っている時に、クモに刺されてしまう。その時は気にも留めなかったが、家に帰る頃になると、噛まれた部分は晴れ上がり、食欲もなく、自分の部屋に入った途端倒れこんでしまう。
一方、ハリーの父親ノーマンはオズコープ社で役員と軍関係者に「人体パワー増強実験」の報告をしていた。マウスでの実験は順調で、人体実験もできると報告するノーマンだったが、ストロム博士が一例だけマウスか狂暴化するという副作用があったことを伝える。1から見直した方がいいと提唱するストロム博士に反論するノーマン。
クエスト社にもスーツの開発を依頼していた軍は「結果を出さないと、予算をすべてクエスト社に移す」とノーマンに言い放つ。
悪の誕生
焦ったノーマンはその夜、自ら実験体になり、薬を飲む。その後ノーマンが震えだし心肺停止状態となる。ストロム博士が救命処置を行うと、ノーマンの心臓が動き出した。しかし彼は凶暴で強靭な人間へと変貌しており、ストロム博士を投げ飛ばして殺してしまう。
次の日、ハリーが部屋に行くと、ノーマンが床に倒れるように寝ていた。目が覚めたが何も覚えていないノーマン。そこへ会社の人間がやってきて、昨夜ストロム博士がなくなり、開発中のスーツとグライダーが盗まれたことを聞かされる。
一方、目が覚めたピーターは眼鏡をかけるがぼやけて何も見えない。眼鏡を掛けなければ何も見えなかった目が眼鏡なしで良く見える様になっており、また鏡に映った自分の姿が昨日とは違い筋肉質になっていた。
ピーターの変化
学校の食堂で昼食を食べるピーターの横を、メリージェーンが食事を乗せたトレイを持って歩いていた。床が濡れておりメリージェーンは足を滑らせ転んでしまい、持っていたトレイも宙へと投げ出された。するととっさにピーターがメリージェーンを片手で抱きかかえると、もう片手で宙に浮いたトレイと食器を起用にキャッチする。
そして手から糸のようなものが飛び出して、前にあった食事が乗っているトレイにくっついてしまう。糸を引っ込めようとするとトレイごとひっぱられて、それがメリージェーンの彼氏のフラッシュに当たってしまう。
急いでその場を立ち去ったピーターをフラッシュが見つけて殴りかかる。しかしぴピーターにはフラッシュのパンチがスローモーションのように見えていた。フラッシュは何度も殴ろうとするが全く当たらない。そしてフラッシュはピーターに軽く当てられただけで数十メートル飛ばされてしまう。
何が何だかわからないピーターは学校を飛び出して街の路地に入っていく。手を見ると指にはかぎ爪の様な細い棘が無数に生えていた。壁に手を付けると、ピーターはそのまま壁をよじ登っていく。屋上にたどり着いたピーターは軽々と ビルからビルへと飛び移ることができた。 そして糸も自分の好きなものに付けることができ、それはしなやかで頑丈なものだった 。
叔父の死
車が欲しかったピーターはチャンピオンと戦って3分間我慢すれば賞金3000ドルもらえるという 「NYMW」の試合に出ることを決意する。
家の手伝いもせず部屋に閉じこもり、コスチューム作りや糸をコントロールする練習をするピーター。学校での喧嘩などでピーターを心配していた叔父は、ピーターの試合の日(ピーターは図書館に行くと嘘をつく)に車で送り 少しピーターに説教する。 ピーターは反抗的になって喧嘩をして、そのまま別れてしまう。
「NYMW」 で勝ったが、2分待たず相手を倒してしまったため、そこのオーナーは100ドルしか賞金をくれなかった。ピーターは「金が欲しいんだ」と文句を言うがオーナーは「俺には関係ない」と 突き放す。
諦めてピーターが部屋を出た行き違いに強盗が入りオーナーからお金を奪って逃走する。ピーターは足を引っ掛けるか何かして捕まえることができたかもしれないが、そうしなかった。文句を言うオーナーに「僕には関係ないから」と冷たく言う。
叔父との待ち合わせ場所に行くと警察が集まっており、そこには叔父は拳銃で撃たれて倒れていた。ピーターの呼びかけに叔父が気が付くが、 すぐに叔父は亡くなってしまう。
警察の無線で犯人が逃走中だと聞くとピーターはスパイダーマンのコスチュームに着替えて犯人を追った。
犯人を追い詰めてみると、 先ほどピーターが 見逃した強盗犯であることがわかる。「もし僕が見逃さなかったら叔父さんは助かった」と後悔したピーターはその強盗をビルから突き落として殺してしまう。
ヒーローとして・・・
ピーターは自分が強盗を見逃したせいで殺されたことを後悔し、スパイダーマンとして街を悪人から守ろうと決意する。 犯罪が起こるとスパイダーマンがすぐに駆けつけ全てを解決していた。しかしどこの馬の骨ともわからない謎のヒーローに対して住民は賛否両論があった。
ノーマンはピーターとハリーが一緒に住める家を用意する。ノーマンは自分を尊敬してくれているピーターのことを気に入っていた。
久しぶりにピーターはメリージェーンと再会する。まだ女優にはなれずウエイトレスとして働いていた彼女は「ハリーには言わないで」とピーターにお願いする 。ハリーはこの時初めて ハリーが密かにメリージェーンと付き合っていたことを知る。
新聞社は今や話題となっている謎のヒーローの写真が欲しくなり 、「スパイダーマンの写真買います」という記事を新聞にのせた。カメラマンを目指していたピーターは 自分が活躍する姿を自ら撮り、新聞社に売り込んだ。しかし写真は思うような値段では買い取ってもらえず、雇ってもらうことができなかった。
ノーマンは契約を打ち切られ窮地に立たされていた。
軍関係者も参加していたクエスト社の実験の場に、緑のスーツと仮面をかぶったグライダーの男が飛んできて、軍関係者もろとも実験場を破壊する。
重役会議でノーマンは 契約を打ち切られた責任として解任される。 怒りがこみ上げるノーマン。 部屋で1人酒を飲んでいたノーマンの耳に 笑い声が聞こえ、「誰か居るのか?」と言うと鏡の中の自分が「ここだ」と言う。鏡の中の自分はもう一人の自分で、それは薬を飲んだために凶暴化したノーマンそのものだった。
初対決
オズコープ社主催のフェスティバルでピーターは、ハリーとメリージェーンが一緒にいるところを見つける。そこにはオズコープ社の役員達も来ていた。 そこに緑のスーツと仮面をかぶったノーマンがグライダーに乗ってやってくると、彼らがいた場所に爆弾を放り投げる。 メリージェーンがいる場所が崩れ落ちそうになるところをスパイダーマンが間一髪で助け出す。
メリージェーンと一緒にいるところを見られたハリーは、自分もメリージェーンが好きで 、ピーターが彼女のことを好きだった事も知っていたけどもなかなか打ち明けないから自分が付き合うことにしたことを告白する。
写真を買ってもらうためにピーターは新聞社に来ていた。編集長は緑のスーツを着た謎の怪人をグリーンゴブリンと名付け、スパイダーマン共々、ただただ面白い記事を書こうとしていた。 そこに突然グリーンゴブリンが新聞社を襲撃し、編集長にスパイダーマンに居所を聞こうとする。そこに助けに来たスパイダーマンであったが、襲撃されたすぐ後に現れたためスパイダーマンもグルだと編集長は勘違いする。 その次の瞬間、スパイダーマンは催眠ガスによって眠らされてしまう。
目を覚ましたスパイダーマンにグリーンゴブリンは「市民はスパイダーマンの活躍を喜んでいる様だが、一番見たがっているのはヒーローが必死に闘って、そして死んでいく様だ。必死になって戦っても嫌われるだけなのに何故戦う」と問う。するとスパイダーマンは「それが正しいからだ」と言う。
グリーンゴブリンは「俺の仲間になるか、それとも周りの人間を犠牲にしながら 最後まで戦うか、どちらかを選べ」と言い残して去っていった。
次の朝、新聞の記事ではスパイダーマンとゴブリンが新聞社を襲撃したことになっていた。
ある日、男たちに襲われそうになっていたメリージェーンをスパイダーマンが助ける。立ち去ろうとするスパイダーマンにメリージェーンはお礼がしたいと言ってマスクを口の部分まで上げて彼にキスをする。
正体がばれるピーター
ハリーやメリージェーンが集まるパーティーの買い出しの途中で 火災現場に出くわし、そこでスパイダーマンは赤ん坊を助ける。さらに女性の悲鳴が聞こえたのでそこに向かうとそれはグリーンゴブリンだった。グリーンゴブリンの攻撃によって手を負傷したスパイダーマン。 そのパーティーにはハリーとメリージェーンそしてノーマンも来ていた。買い出しから帰ってきたピーターの手が負傷していることを知ったノーマンは、ピーターこそがスパイダーマンであることを確信する。
態度を豹変させ、慌てて帰ろうとするノーマンは、それを引き留めるハリーに、メリージェーンは母さんと同じで財産狙いだと罵る。その声を聞いてしまったメリージェーンはパーティーから抜け出してしまう。
スパイダーマンを倒すよりもピーターを苦しめようと考えたグリーンゴブリンはピーターの叔母を襲撃する。 幸い叔母は助かったが、自分の正体がグリーンゴブリンにバレたことを確信する。
メリージェーンがお見舞いに来た際、 ピーターは自分がスパイダーマンのカメラマンだと嘘をつく。 「私のことを話していた?」とメリージェーンが聞くと、 スパイダーマンから、(ピーターがメリージェーンのことをどう思っているか)について聞かれたと言って、自分のメリージェーンに 対する気持ちを正直に話す。
目を覚ましていた祖母はこっそり黙ってそれを聞いていた。
いい雰囲気になった二人のところにハリーがお見舞いに現れる。
メリージェーンが帰った後、叔母はピーターが初めてメリージェーンと会った時のことを話す。
「メリージェーンはハリーの彼氏だよ」というピーターに「誰が決めたの?」という叔母。
「 あなたがメリージェーンを好きなことはみんな知ってる」と叔母が言ったその言葉にハッとなったピーターは急いでメリージェーンに電話をかける。 しかし電話に出たのはメリージェーンではなくグリーンゴブリンだった。
最終対決
橋のてっぺんに連れてこられていたメリージェーン、そして子供達が乗っているロープウェイの紐を持っているグリーンゴブリン、どちらを犠牲にするか究極の選択を迫られるスパイダーマン。
そして両方同時に川に落とすグレートゴブリン。スパイダーマンは両方とも間一髪蜘蛛の糸で助けるがグレートゴブリンが邪魔をする。 それを見ていた住民たちがグレートゴブリンに石を投げつけスパイダーマンの味方をする。なんとか両方助けたスパイダーマンはグレートゴブリンと死闘を繰り広げる。
追い詰められたゴブリンは 仮面を外してスパイダーマンに命乞いをする。 グリーンゴブリンがノーマンだったと知るスパイダーマン。ノーマンの命乞いはスパイダーマンを殺そうとする罠だったがそれを回避し、ノーマンは「ハリーには言わないでくれ」と言い残して死ぬ。
ノーマンを彼の部屋に運びベッドに寝かせるスパイダーマンをハリーが発見する。
望んでいなかった運命
ノーマンをなくして落ち込むハリーに慰めの言葉をかけるピーターだったが、ハリーからスパイダーマンは自分の父親を殺した敵だと聞かされ、スパイダーマンになってしまった自分の運命を呪う。
その後、 メリージェーンに告白され、ふたりはキスをする。しかしスパイダーマンとして生きていくことを決めていたピーターは「ずっと君のそばにいて君を守る、約束する、ずっと友達で」と言ってその場を去る。
彼女はその時ピーターとキスした感触をどこかで感じたことがあることに気づく。
そして今日もスパイダーマンはビルからビルへと飛び移り街の平和を守っていく・・・
「スパイダーマン」まとめと感想
「スパイダーマン」と聞いて、ただのヒーローアクションものかと思ってたら大間違い。ヒーローが悪を倒していくのは当たり前なのだが、スパイダーマンであるピーターの苦悩、そして普通の人間としての恋、敵が自分の親友の父親であることなど、人間ドラマとしても大変見ごたえのある良作だと思う。
監督のサム・ライミの作品は初監督の「死霊のはらわた」から見てきていた。いまではカルト映画の代表作のひとつになっている「死霊のはらわた」だが、超低予算の、特撮の荒いB級映画という印象だった。とうとうここまで、まさかこんな超大作の監督になろうとは思っても見なかった
今回良かった部分は。、テンポが早く、わかりやすかったことである。ちゃんと伏線をきっちり描いてから先へ進む。出演者のすべての言動が無駄にならず生かされている。詰め込みすぎの感を感じる人もいるかもしれないが、盛りだくさんの方が映画としてやはり面白いのではないだろうか。
もう一つはヒーローになってしまったが故の苦悩を描いたこと。
スパイダーマンになって、どんな危機も乗り越え、みんなを助ける。悪を倒してヒーローになっていく。昔の映画ではこれでよかったのだが、最近の映画では「マン・オブ・スティール」や「バットマン」のようにリメイクされてガラッと作風が変わった作品が多い。
スパイダーマンになっても、腹がたって仕返しするし、(金をもらえなかったからわざと強盗を逃がすシーン)怒りが抑えられず強盗を殺してしまったり。
人を助けても、助けられた人には感謝されるがマスクをかぶっているため顔が分からず敵の仲間だと間違われたりすることで苦悩するところ。
特によかったのはラストシーン、倒した相手が親友の父親でありその親友は自分が父親の敵であることを知らない。作品の中で出てくる叔父の言葉「大いなる力には、大いなる責任が伴う」のとおり、 自分がどんなに必死になって戦っても結局周りの大事な人間を不幸にしてしまっているのかもしれないと思ったのだろう。
その後、あれだけ好きだったメリージェーンに告白されてキスまでされて、普通ならそれでハッピーエンドで終わりである。
しかし自分がこの人を愛してしまったらさらに迷惑がかかると思って「友達のままで」 と言って物語はおわる。
単純なハッピーエンドが嫌いな私にとってはとても良い終わり方だったと思う。
だからまだ続編は見ていないが、 正直見たくはないというのが私の感想である。
ここで終わってもいいんじゃないか?・・・
でもあの続きがどうなるか見てみたいという気持ちもある・・・
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