「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」のあらすじネタバレと感想!登場人物とストーリを紹介

1997年に始まった原作小説シリーズ、そして2001年から始まった映画版シリーズのいずれも全世界に旋風を巻き起こした、イギリスの児童文学作家J・K・ローリング原作の“ハリー・ポッター”シリーズ。
今回はシリーズ第7作・第7本目にして最終章二部作の前編となる『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』についてのあらすじとネタバレ、感想をご紹介します。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の作品情報

タイトル:ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
原題:Harry Potter and the Deathly Hallows – Part 1
監督:デイビッド・イェーツ
脚本:スティーブ・クローブス
原作:J・K・ローリング
製作:J・K・ローリング/デイビッド・ヘイマン/デイビッド・バロン
公開:2010年11月19日(全世界同時公開)
出演:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン/アラン・リックマン/ロビー・コルトレーン/トム・フェルトン/ジェイソン・アイザックス/ヘレナ・ボナム=カーター/イバンナ・リンチ/ボニー・ライト/デイビッド・シューリス/ブレンダン・グリーソン/リチャード・グリフィス/ジョン・ハート/リス・エヴァンス/ビル・ナイ/フィオナ・ショウ/

本作より遂に原作者のJ・K・ローリング自らプロデューサー陣に加わり、監督は第5作『不死鳥の騎士団』からメガホンを執るデイビッド・イェーツ、脚本は『不死鳥の騎士団』以外の全作品を手掛けたスティーブ・クローブスなど、いよいよ本作から始まる壮大なクライマックスに向けた盤石の布陣となっています。なお、本作より音楽はアレクサンドル・デプラが担当しています。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』のキャスト

主演のダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンら不動のレギュラー陣に加え、本作からはシリーズ完結編に相応しく過去6作品に登場してきた俳優陣も(劇中で死亡した一部キャラクターを除き)軒並み総出演しています。なお、本作から登場する新キャラクターで、前日譚『ファンタスティック・ビースト』シリーズではジョニー・デップが演じる“ゲラート・グリンデルバルド”を青年期:ジェイミー・キャンベル・バウアーと老年期:マイケル・バーンが出番が少ないながらも演じ分けています。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』のあらすじ・ネタバレ

闇の時代

闇の帝王ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)の猛威は魔法界のみならずマグル(一般人)の世界にも及び始めていた。
魔法大臣ルーファス・スクリムジョール(ビル・ナイ)は決して脅威に屈することはないとマスコミを通じて宣言するも、マグルの一家が惨殺されるなどの相次ぐニュースに、マグルの両親を持つハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン)は深く心を痛めていたのだ。

ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)の親戚ダーズリー家はロンドンから逃げ出し、家をヴォルデモート卿の軍団“死喰い人”に焼かれたロン・ウィーズリー(ルパート・グリント)は一家と共に小さな家に隠れ住んでいたのである。

ハーマイオニーは両親に魔法をかけ、自分の記憶を消去したのだった。

セブルス・スネイプ(アラン・リックマン)は今やヴォルデモート卿の拠点と化したホグワーツ魔法魔術学校に戻り、会合を開いていたヴォルデモート卿や死喰い人のルシウス・マルフォイ(ジェイソン・アイザックス)と息子ドラコ(トム・フェルトン)、ベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)らの前に現れたのだ。

スネイプはハリーたちが“不死鳥の騎士団”の隠れ家に身を寄せようとしていることを報告するが、スネイプを信用していない一部の死喰い人は報告に疑問を抱いたのである。

ヴォルデモート卿は血気に逸るベラトリックスを制し、ハリーを殺したくても自分の杖とハリーの杖が同じ芯でできていることから殺せないと語り、別の杖を使う必要があるとしてルシウスに杖を差し出させたのだった。
ヴォルデモート卿は杖の威力を試すべく、捕えていたホグワーツのマグル学教授を死の呪いで殺害、蛇の“ナギニ”の餌食とさせたのだ。

決死の大移動

ハリーはロンやハーマイオニー、不死鳥の騎士団メンバーのアラスター・“マッドアイ”・ムーディ(ブレンダン・グリーソン)やリーマス・ルーピン(デイビッド・シューリス)、ルビウス・ハグリッド(ロビー・コルトレーン)、そしてロンの長兄ビル(ドムナル・グリーソン)と婚約者のフラー・デラクール(クレマンス・ポエジー)、ロンの双子の兄フレッド(ジェームズ・フェルプス)とジョージ(オリバー・フェルプス)らと合流したのである。

マッド・アイは敵の目を欺くため、このうちの数名に変身薬“ポリジュース薬”を飲ませてハリーに変身させる作戦を思いつき、ロン、ハーマイオニー、フラー、フレッド、ジョージ、そして騎士団員のマンダンガス・フレッチャー(アンディ・リンデン)がハリーに変身したのだった。

それぞれのハリーには騎士団員が護衛につくことになり、本物のハリーはハグリッドと、マンダンガスはマッド・アイと行動を共にし、一同は“バローの隠れ家”目指して移動を開始したのだ。

ハグリッドのサイドカー付きバイクに乗ったハリーは死喰い人の襲撃をかわしながら高速道路を駆け抜けたが、そこに何とヴォルデモート卿自ら襲いかかってきたのである。

ハリーはヴォルデモート卿と魔法の火花を散らし、何とか逃げ切ってロンの母モリー(ジュリー・ウォルターズ)と妹でハリーの恋人ジニー(ボニー・ライト)の待つ隠れ家にたどり着いたが、作戦はヴォルデモート側に読まれてしまっており、ジョージは重傷を負ってしまったのだった。

他の仲間たちも続々と隠れ家に集結したが、ビルはマッド・アイが死に、マンダンガスは恐れをなして逃げたことを一同に伝えたのだ。

その夜、ハリーは夢の中で、ヴォルデモート卿の唯一の弱点である“分霊箱”の存在を思い起こしていたのである。

これ以上自分のために犠牲者を出したくないハリーは一人で分霊箱破壊の旅に出ようとするが、ロンは「これは君のせいではない。君が動けばそれこそ敵の思う壺だ」と引き止めたのだった。

ダンブルドアの遺言

この日はビルとフラーの結婚式の日。
悪名高き記者リータ・スキーター(ミランダ・リチャードソン)が“日刊予言者新聞”に掲載した、亡きホグワーツ校長アルバス・ダンブルドア(マイケル・ガンボン)の中傷記事に目を通していたハリーに、ジニーはこんな時に結婚式を行っている場合なのか問うが、ハリーは今だからこそだと語り、二人はキスを交わしたのだ。

ロン一家が式の準備をしているときに魔法大臣スクリムジョールが訪れ、ハリー、ロン、ハーマイオニーにダンブルドアの遺言を伝えたのである。
遺言により、ロンには灯りを灯したり消したりできる“灯消しライター”、ハーマイオニーには“吟遊詩人ビードルの物語”の本、そしてハリーには1年生時のクィディッチの試合で初めて捕まえた“金のスニッチ”が相続されることになったのだった。

ハリーにはもうひとつ、“秘密の部屋事件”でハリーが怪物バジリスクを倒した際に用いた“グリフィンドールの剣”が受け継がれることになっていたが、剣は今では行方不明になっているというのだ。

その夜、パーティーにはハリーたちの仲間ルーナ・ラブグッド(イバンナ・リンチ)が父で雑誌“ザ・クィブラー”編集長のゼノフィリウス(リス・エヴァンス)と共に参加、ゼノフィリウスはクィブラーのダンブルドアとハリーへの支持は不変だと告げたのである。
続いてハリーはダンブルドアの旧友エルファイアス・ドージ(デヴィッド・ライオール)から、秘密主義者だったダンブルドアの情報をリータに売ったのは“ゴドリックの谷”に住む魔法歴史学者バチルダ・バグショット(ヘイゼル・ダグラス)だと知らされたのだった。

その時、スクリムジョールが殺害され魔法省はヴォルデモート側に堕ちたとの知らせが舞い込むと同時に、死喰い人が襲い掛かってきたのだ。
ハリー、ロン、ハーマイオニーはルーピンに促され、“姿現しの術”でロンドンのシャフツベリー通りへと脱出したのである。

分霊箱のロケット

ハリーたちはカフェで今後の身の振りを考えていたところ、客を装った二人組の死喰い人が襲い掛かってきた。
ハリーたちは即座に応戦してこれを倒し、ハーマイオニーの魔法で記憶を消しておいたのだった。

ハリーたちは、ハリーの後見人だった亡きシリウス・ブラックの家に身を寄せることにしたのだ。
寝床に着いたハリーは、ヴォルデモート卿が杖専門店主のオリバンダー老人(ジョン・ハート)を拷問にかけている夢を見たのである。

翌朝、ハリーたちはシリウスの弟レギュラス・アークタルス・ブラックのイニシャルから、彼こそが分霊箱のひとつ“ロケット”を盗んだ人物“RAB”であることに気付いたのだった。
ハリーは隠れていた屋敷しもべ妖精のクリーチャー(声:サイモン・マクバーニー)を問い詰め、ロケットはレギュラスの遺言を受けたクリーチャーが壊そうとするも壊せなかったこそ、そして本物のロケットはハリーたちが来る前にマンダンガスによって盗まれたことを知ったのだ。

その頃、魔法省ではヴォルデモート卿の息のかかったパイアス・シックネス(ガイ・ヘンリー)が新たな魔法大臣に就任、ハリーは危険人物として指名手配され、ホグワーツを追われた暴君ドローレス・アンブリッジ(イメルダ・スタウントン)も新設された“マグル生まれ登録委員会”の委員長として地位を回復していたのである。

一方、クリーチャーはかつてハリーによって自由の身とされた屋敷しもべ妖精のドビー(声:トビー・ジョーンズ)の助けを借りてマンダンガスを捕え、マンダンガスは盗んだ物を売り捌いていた時にアンブリッジにロケットを没収されたことを白状したのだった。

ハリーたちはポリジュース薬で魔法省職員に変身、公衆便所内の秘密の入り口から魔法省内部に潜入、そこでマグル出身者がアンブリッジによって迫害されている様、そしてアンブリッジが不死鳥の騎士団を目の敵にしていたことを目の当たりにしたのだ。

ハリーたちは法廷でマグル出身者を裁いていたアンブリッジを嘘つきと罵り、魔法でロケットを奪い取ったのだがポリジュース薬の効果が切れてしまい、アンブリッジに遣わされた“吸魂鬼(ディメンター)”や警備員、そして魔法省を裏で操る死喰い人のヤックスリー(ピーター・マラン)に襲われたのである。

ハリーたちは何とか魔法省から遠く離れた森林に瞬間移動したが、ロンはヤックスリーと揉み合った際に肩に重傷を負ってしまったのだった。

先の見えない旅

ハーマイオニーはハリーの助けを借りてロンの応急処置を行い、周囲に保護魔法で結界を張り、その夜はテントを張って明かしたのだ。

翌日、ハリーたちはあらゆる攻撃魔法を試したが、どうしてもロケットを破壊することができず、ロンはダンブルドアが分霊箱の破壊方法を教えてくれなかったことに愚痴をこぼしたのである。

ロケットを手にしたハリーの脳裏には、ヴォルデモート卿が杖職人のグレゴロビッチ(レイド・セルベッジア)を拷問にかけている光景が映るのだった。
ヴォルデモート卿が欲している“何か”は、どうやら謎の青年に盗まれたらしいのだ。

ハリーの話を聞いたハーマイオニーは、ハリーがロケットの闇の魔力に引き込まれそうになったことに気付き、以後は三人で交互に持ち合うことにしたのである。

その夜、ハリーはラジオのニュースで、スネイプがホグワーツの新校長に就任したことを知り、“忍びの地図”で彼の動向を探るのだった。
一方、ハーマイオニーは結界の向こう側に“人さらい”を見つけたのである。

ハリーは人さらいに気付かれないようハーマイオニーに香水を控えるよう指摘、ロンの怪我が治らず姿現しの術も使えないことから徒歩で移動することにするのだが、二人の会話を聞いていたロンは、自分が足手まといになっているのではないかと疎外感を感じ始めたのだった。

ロンはラジオで行方不明者の情報を聞き、ハリーたちは分霊箱について何の手掛かりも得られないまま旅を続けたのだ。

そんな時、文献を調べていたハーマイオニーは、グリフィンドールの剣は“小鬼(ゴブリン)”に造られたものであり、その刃はより強くなるものだけを取り込むということに気が付いたのである。
かつてハリーは“秘密の部屋事件”で倒したバシリスクの牙を使って分霊箱のひとつ“トム・リドルの日記”を破壊したこと、剣にはバシリスクの毒が沁み込んでいることから、ハリーとハーマイオニーはグリフィンドールの剣なら分霊箱を破壊できると確信したのだった。

ところが、二人の仲に嫉妬したロンは感情を露わにしてしまい、ハリーと口論の末に飛び出してしまったのだ。

ゴドリックの谷

ハリーとハーマイオニーは二人だけで旅を続けるも何の手掛かりも得られず、次第に疲労の色は濃くなっていったのである。
それでもハリーはハーマイオニーを優しく励ますのだった。

そんな時、ふと金のスニッチを手にしたハリーは、そこから「I open the close(私は最後に開く)」というメッセージを読み取ったのだ。
ハリーとハーマイオニーはその意味が分からなかったが、ハーマイオニーは文献の中から、ゼノフィリウスが付けていたペンダントと全く同じ模様を見つけていたのである。

ハリーは自分が生まれた場所であり、両親の最期の地でもある“ゴドリックの谷”に行きたいと言い出し、そこになら分霊箱の手掛かりがあるのではと推測したのだった。
ハーマイオニーは、グリフィンドール寮の創始者の生誕地でもあるこの谷ならば剣に関する手掛かりが得られると勘付き、現地へと向かったのだ。

季節は既にクリスマス・イヴを迎えていた。
ハリーはハーマイオニーと共に両親の墓参りに向かったところ、ハーマイオニーは“イグノタス・ペベレル”なる人物の墓に例の模様を発見したのである。

墓参りを終えたハリーとハーマイオニーは、ハリーの両親が最期を迎えた家の跡に向かうが、そこでダンブルドアの情報を握っているというバグショットと遭遇したのだった。
バグショットの家に招かれた二人は、ヴォルデモート卿が欲しているものを盗んだ謎の青年の写真を発見するが、バグショットは何も教えてくれない。

バグショットは蛇のナギニが成りすました偽物であり、襲われたハリーは杖が折れてしまうもののハーマイオニーと共に脱出、数年前にハーマイオニーが両親と行ったことのある森に向かったのだ。

写真の青年はバグショットの甥の子であるゲラート・グリンデルバルド(ジェイミー・キャンベル・バウアー)であった。

グリフィンドールの剣

その夜、ハリーの前に青く光る牡鹿が現れ、ハリーは誘われるがままに凍てついた湖に向かったのである。
牡鹿は光の玉となって氷の中に消え、ハリーはその真下に沈んでいたグリフィンドールの剣を見つけたのだった。

ハリーは水中に潜って剣を回収しようとしたが、ロケットの魔力によって水底に引きずり込まれそうになったのだ。
あわや溺れかけたハリーを救い、剣を回収したのは、何と喧嘩別れしたはずのロンだったのである。

ハリーは、青く光ったものは自分の守護霊である牡鹿ではなく、角のある“ユニコーン”だったことに気付いたのだ。

ロンはグリフィンドールの剣でロケットを破壊したが、中からどす黒い魔力の闇が放出され、ハリーとハーマイオニーの姿になってロンを挑発したが、ロンは屈せずに剣で闇を振り払ったのである。

夜が明け、ハリーとロンはハーマイオニーの元に戻り、ロンは自分を許してくれないハーマイオニーになぜここに来たのか説明した。
ロンの持つ灯消しライターには人を導く能力があり、ロンはライターから聞こえたハーマイオニーの声に導かれてやってきたのだった。

ロンは、ダンブルドアがいずれ自分が帰り道を見つける必要が出てくることを見越してライターを授けたのだろうとハリーに語ったのだ。
そしてロンは杖を失ったハリーのために、ひったくりから取り上げた杖をくれたのである。

ハーマイオニーはバグショットの家から、ダンブルドアがグリンデルバルド宛てに書いた手紙を見つけており、そこに書いてあった模様はゼノフィリウスのペンダント、イグノタス・ペベレルの墓の他にも“吟遊詩人ビードルの物語”の本やグレゴロビッチの店にもあったことに気付くのだった。

死の秘宝

ハリー、ロン、ハーマイオニーはゼノフィリウスの家を訪れた。
ルーナは不在であり、ゼノフィリウスは三人にペンダントの模様は“死の秘宝の印”だと説明したのだ。
死の秘宝とは、“吟遊詩人ビードルの物語”の登場人物“三人の兄弟”のエピソードに出てくるものであった。

昔、黄昏時の道を旅していた三兄弟は危険な川に差し掛かり、魔法で橋を架けたところ“死”が行く手を塞いだのである。
“死”は自分を克服した褒美として、長男には史上最強の杖“ニワトコの杖”、次男には死者を召喚することのできる“蘇りの石”、三男には身を隠すことができる“透明マント”を授けたのだった。

その後、杖の力に溺れた長男は魔法使いを殺戮していき、別の魔法使いに暗殺された。
次男は死んだ恋人を召喚したものの、彼女はすぐに死の世界に戻ってしまい、次男は後を追うように自殺してしまった。
そして謙虚な三男は年老いてからマントを息子に授け、喜んで死を受け入れたというのだ。

ゼノフィリウスはイグノタスには他にも二人の兄がおり、この三兄弟が物語のモデルであることを伝えると、3つの死の秘宝を集めれば死をも支配することができると語ったのである。

ゼノフィリウスは立ち去ろうとするハリーたちを引き止め、ルーナは自分の記事に腹を立てたヴォルデモートにさらわれたことを伝え、ハリーを死喰い人に引き渡そうとしたのだった。

ハリーたち三人は死喰い人から逃れようとしたが今度は人さらいに見つかってしまい、必死で逃げようとするも捕らえられてしまったのだ。
気絶したハリーは、ヴォルデモートが年老いたグリンデルバルド(マイケル・バーン)から、ニワトコの杖はダンブルドアと共に埋葬されたことを聞きだしたという夢を見たのだ。

マルフォイの屋敷

人さらいはハリーたちを魔法省には引き渡さず、マルフォイ一家の屋敷へと連行していった。
ルシウスとベラトリックスはドラコにハリー本人か確認させ、ベラトリックスはグリフィンドールの剣を奪おうとした人さらいを追い出すと、ハーマイオニーや捕らえたゴブリンから剣の入手経路について聞き出そうとしたのである。
剣は魔法銀行グリンゴッツ内のベラトリックスの金庫に保管されていたのだった。

ハリーとロンは地下牢に入れられ、そこで捕らえられていたルーナやオリバンダーと合流したが、牢は魔法がかかっており脱出は極めて困難であった。
そこでハリーとロンは灯消しライターを使ってドビーを呼び寄せ、ドビーはまずルーナとオリバンダーを安全な場所へ脱出させると、死喰い人のピーター・“ワームテール”・ペティグリュー(ティモシー・スポール)の監視を掻い潜ってハリーとロンを逃がしたのだ。

ベラトリックスはハーマイオニーを人質に取り、ルシウスはヴォルデモート卿を呼び寄せようとしたが、ドビーは機転を利かせてハーマイオニーを救い、ハリーたちはドラコとその母ナルシッサ(ヘレン・マックロリー)の杖を奪い、ドビーの姿現しの術でその場から脱出したのである。

ところが、ベラトリックスが投げつけた短剣がドビーに直撃、ドビーはハリーと出会えたことを感謝しながら息を引き取ったのだった。
ハリーたちは魔法を使わずにトビーを海の見える丘に埋葬したのだ。

その頃、ヴォルデモート卿はダンブルドアの墓を暴き、棺からニワトコの杖を手に入れ、勝ち誇ったかのように天高く掲げたのである。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の感想とまとめ

2001年に始まった“ハリー・ポッター”映画化プロジェクトも遂にクライマックスを目前に控え、原作の最終章(第7巻)である『死の秘宝』はあまりにもボリュームが多くとても1本の映画にはまとまりきれなかったことから、製作陣は『死の秘宝』のみ前・後編の二部作にすることにし、これにより“ハリー・ポッター”シリーズは全8本となることが決定しました。
なお、原作の方は『死の秘宝』の後日談となる舞台版の脚本を“第8巻”とした『呪いの子』がありますが、こちらはあくまでもハリーの子を新たな主人公とした舞台用であり、最初から映画化の予定はなく、ハリー役のダニエル・ラドクリフも演じるつもりはなさそうです。(ただし、ラドクリフはプライベートでは親友であるドラコ役のトム・フェルトンとは何らかの形で再共演したいと発言しています)

最終章の序章となる本作は、これまでシリーズを通して描かれてきたメイン舞台の「ホグワーツ魔法魔術学校」での学校生活は初めて描かれず、宿敵ヴォルデモート卿を倒す唯一の鍵である邪悪なアイテム“分霊箱”を探す旅に多くを費やしており、改めてハリー・ロン・ハーマイオニーの友情と結束力を描き出す演出となっています。
また、本作では、これまでのシリーズの過去6作品で登場したキャラクターたちが続々と再登場を果たしており、いよいよ次作でたっぷりと描かれることになる究極のクライマックスを予感させるものとなっています。

例えば、第1作『賢者の石』でハリーに杖を提供したオリバンダー老人、第2作『秘密の部屋』でハリーが自由の身とさせた屋敷しもべ妖精のドビー、第4作『炎のゴブレッド』でハリーと三大魔法学校対抗試合で競い合ったフラー・デラクール、シルエットのみではあるものの『炎のゴブレット』でハリーの中傷記事を書いた悪徳記者リータ・スキーター、第5作『不死鳥の騎士団』でヴォルデモート卿を除いての最大の敵として立ちはだかった世紀の悪女ドローレス・アンブリッジなどが挙げられます。

また、本作から新たに登場したのは、ロンの長兄にしてフラーの夫となるビル・ウィーズリー、そしてシリーズの前日譚となるスピンオフ『ファンタスティック・ビースト』シリーズでは最大の敵となる闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドらが挙げられます。

本作では一貫して“静”を描いていましたが、いよいよシリーズ完結編となる後編『死の秘宝 PART2』では一転してこれまでにない究極の“動”が描かれますので心しておいたほうがよさそうですね。

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