「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」のあらすじネタバレと感想!ストーリーを解説

2001年から始まった、イギリスの児童文学作家J・K・ローリングの全世界的大ベストセラー“ハリー・ポッター”シリーズの映画化プロジェクト。
今回は遂にシリーズ完結編となる最終章の後編(第7作・第8本目)であり、興行収入13億ドルを超えてシリーズ最大のヒット作となった究極のクライマックス巨編『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』についてのあらすじとネタバレ、感想をご紹介します。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の作品情報

タイトル:ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
原題:Harry Potter and the Deathly Hallows – Part 2
監督:デイビッド・イェーツ
脚本:スティーブ・クローブス
原作:J・K・ローリング
製作:J・K・ローリング/デイビッド・ヘイマン/デイビッド・バロン
公開:2011年7月15日(全世界同時公開)
出演:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン/アラン・リックマン/マギー・スミス/ロビー・コルトレーン/トム・フェルトン/ジェイソン・アイザックス/ヘレン・マックロリー/ヘレナ・ボナム=カーター/ボニー・ライト/イヴァナ・リンチ/マシュー・ルイス/デイビッド・シューリス/ジム・ブロードベント/デイビッド・ブラッドリー/ジェームズ・フェルプス/

スタッフは前作(前編)の『死の秘宝 PART2』からほぼ続投、監督:デイビッド・イェーツ、脚本:スティーブ・クローブスらこれまでのシリーズを支えてきた超強力布陣となっています。
本作はシリーズ初となる3D・IMAX3D作品として製作され、全世界興行収入は遂にシリーズ初となる10億ドルを超えて最終的には13億2800ドルを売り上げ、完結編にしてシリーズ最大のヒット作となりました。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のキャスト

主演のダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンをはじめ、これまでシリーズを支えてきたレギュラー陣はほぼ続投、ほとんどが最終章である本作までの全8本を完走しました。
本作から10年前のシリーズ第1作『賢者の石』ではまだあどけなかった子役たちもほとんどが20代を迎え、登場人物の成長とリンクしてキャスト陣の成長も実感させる集大成となっています。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のあらすじ・ネタバレ

貝殻の家

闇の帝王ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)はホグワーツ魔法魔術学校の前校長アルバス・ダンブルドア(マイケル・ガンボン)の墓を暴き、その中から史上最強の杖、ニワトコの杖を手に入れたのだ。

そして今やホグワーツはセブルス・スネイプ(アラン・リックマン)が校長となり、ヴォルデモート卿の軍団“死喰い人”の支配下となっていたのである。

ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)、ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント)、ハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン)は、命と引き換えに自分たちを救ってくれた屋敷しもべ妖精ドビーの墓標に「自由なしもべ妖精ドビー、ここに眠る」と刻み、同じく命拾いしたルーナ・ラブグッド(イヴァナ・リンチ)と共に“不死鳥の騎士団”の元隠れ家“貝殻の家”に潜伏していたのだった。

ハリーは死喰い人から匿っているグリンゴッツ魔法銀行のゴブリン・グリップフック(ワーウィック・デイヴィス)に、なぜ死喰い人のベラトリックス・レストレンジ(ヘレナ・ボナム=カーター)が剣を狙っているのか問うと、グリップフックはスネイプが剣を偽物とすり替えてグリンゴッツの金庫に隠していたことを打ち明けたのだ。

金庫にはヴォルデモート卿の唯一の弱点である“分霊箱”のひとつがあると推測したハリーはグリンゴッツに潜入することにし、グリップフックはグリフィンドールの剣を貰うことを協力の条件としたのである。

ハリーは剣については何とかするとロンらに語り、続いて同じく匿っている杖職人オリバンダー(ジョン・ハート)に死喰い人から奪った杖を鑑定してもらい、ライバルのドラコ・マルフォイ(トム・フェルトン)から奪った杖は今やハリーに忠誠を誓っていると告げられたのだった。

続いてハリーはニワトコの杖・透明マント・蘇りの石からなる3つの“死の秘宝”について尋ね、迷信だと否定するオリバンダーにニワトコの杖はヴォルデモート卿に奪われたことを伝えたのだ。

オリバンダーはヴォルデモート卿から拷問を受けたことを認め、今やハリーに勝ち目はないと忠告したのである。

グリンゴッツに潜入

ハーマイオニーは予め入手していたベラトリックスの髪の毛と変身薬“ポリジュース薬”を使って彼女に変身、ロンも死喰い人に変装、グリップフックも含めたハリーたちは“姿現しの術”でグリンゴッツ銀行に瞬間移動したのだった。

ハリーとグリップフックは透明マントで身を隠し、ハーマイオニーは銀行員から身分証明書代わりの杖の提示を求められたが、ハリーの魔法により難を逃れ、地下深くの貸金庫に案内されたのだ。

トロッコで金庫に向かったハリーたちだったが、“盗人落としの滝”の力でハーマイオニーとロンは変身を解除されてしまい、ハリーたちは同行した銀行員を魔法で黙らせながら奥へと進んだのである。

途中で金庫を守るドラゴンを特殊な“音”で静まらせた一行はベラトリックスの金庫にたどり着き、触れれば分裂する“双子の呪文”をかけられた金銀財宝に苦しめられながらも分霊箱のひとつ“ハッフルパフのカップ”を見つけたのである。

ところが、ハリーたちを裏切ったグリップフックはグリフィンドールの剣を奪って逃走、ハリーたちは咄嗟の判断でドラゴンの背に飛び乗り、警備員らの追跡をかわして銀行から飛び去ったのだった。

ホグワーツへ

途中の湖で、ロンやハーマイオニーと共にドラゴンの背から飛び降りたハリーは、ヴォルデモート卿がホグワーツのあらゆるものを分霊箱に変えている様子の幻を見たのだ。

ハリーは自分たちの行動が全てヴォルデモート卿に読まれていることに気付いたうえで、分霊箱のひとつがホグワーツにあるとして、魔法の村ホグズミードからホグワーツに乗り込む考えを示したのである。

その頃、自分の秘密をハリーに知られたヴォルデモート卿はグリップフックを他のゴブリン共々惨殺、立ち会ったドラコと父ルシウス(ジェイソン・アイザックス)、母ナルシッサ(ヘレン・マックロリー)を震え上がらせたのだった。
グリフィンドールの剣はいずこへと消えて行ったのだ。

死喰い人に占領されたホグズミードに乗り込んだハリーたちは、ダンブルドアの弟アバーフォース(キアラン・ハインズ)の家を訪ね、彼がドビーを助けに遣わしたことを知ったのである。
アバーフォースはハリーからの協力要請に「君は兄を信用しているのかね? 兄は君に“隠し事”をしているというのに」と渋るも、ハリーの決意の固さを知った彼は肖像画の中の亡き妹アリアナにあることを頼んだのだった。

アリアナは一旦姿を消したかと思うと、肖像画の向こうの隠し扉が開き、中から傷だらけのハリーたちのルームメイト、ネビル・ロングボトム(マシュー・ルイス)が現れたのだ。
ネビルはハリーたちをホグワーツに案内しながら、体罰が大好きな死喰い人のカロー兄妹(ラルフ・アイネソン、スザンヌ・トース)が教師となってからホグワーツは変わってしまったと嘆いたのである。

ホグワーツに着いたハリーたちは生徒たちから熱烈な歓迎を受け、生徒たちにヴォルデモート卿を倒すための“あるもの(分霊箱)”を探していることを伝え、情報提供を呼び掛けたところ、ルーナはレイブンクロー寮にある失われた髪飾りのことではないかと言い出すのだった。

決戦準備

その時、ロンの妹でハリーの恋人であるジニー(ボニー・ライト)が駆け付け、ハリーがホグズミードに現れたことがスネイプに知られてしまったと告げたのだ。

その夜、スネイプは全校生徒、そしてミネルバ・マクゴナガル(マギー・スミス)やホラス・スラグホーン(ジム・ブロードベント)ら教職員たちを大広間に招集、ハリーに協力した者には厳罰を与えることを告げ、ハリーに関する情報を速やかに提供するよう命じたのである。

そこにハリー自ら不死鳥の騎士団の面々と共に現れ、スネイプのこれまでの行いを糾弾したのだった。
マクゴナガルもハリー側についてスネイプに杖を向け、スネイプは一時撤退を余儀なくされたのだ。

マクゴナガルはスネイプを臆病者と非難、生徒たちは歓喜の声を上げたのである。
ところがその直後、大広間には「戦うことは愚かなことだ。ハリーを差し出せばホグワーツに危害は加えない。1時間だけ待ってやろう」というヴォルデモート卿の声が響き渡ったのだった。

ハリーらグリフィンドール寮と対立関係にあるスリザリン寮の者がハリーを捕らえるよう叫んだが、ロン、ハーマイオニー、ジニー、騎士団らはハリーを庇い、マクゴナガルは管理人アーガス・フィルチ(デイビッド・ブラッドリー)にスリザリン生を大広間から退出させるよう命じたのだ。
ハリーはホグワーツを守ると誓ったマクゴナガルに時間稼ぎを頼み、ロンとハーマイオニーは分霊箱を破壊できる怪物バシリスクの牙を採るため秘密の部屋に向かい、ハリーは髪飾りを求めてレイブンクロー寮に向かったのである。

マクゴナガルはネビルとシェーマス・フィネガン(デヴォン・マーレイ)に橋の爆破準備を命じ、無数の石像に命を与えて校内の警備に就かせ、教師たちはホグワーツ全域に保護魔法を張るなど防護体制を敷いたのだった。

分霊箱を破壊せよ

ルーナはハリーを呼び止め、数百年前に失われた髪飾りの手掛かりを知るには死者の声を聞くべきだとアドバイスしたのだ。
レイブンクロー寮に向かったハリーはそこでゴーストの“灰色のレディ”ことヘレナ・レイブンクロー(ケリー・マクドナルド)と会い、ヴォルデモート卿によって分霊箱にされたヘレナの母の髪飾りの在り処を聞き出そうとしたが、ヘレナは頑なに断ったのだ。

その時、ヴォルデモート卿は死喰い人の大軍を率い、ホグワーツに総攻撃を開始したのである。
その様子を見たハリーは粘り強くヘレナの説得にあたり、遂にヘレナは“全てを隠している場所”とヒントをくれたのだった。

ロンの双子の兄フレッド(ジェームズ・フェルプス)とジョージ(オリバー・フェルプス)、リーマス・ルーピン(デイビッド・シューリス)やキングズリー・シャックルボルト(ジョージ・ハリス)ら不死鳥の騎士団が戦いに加わるなか、秘密の部屋に入ったロンとハーマイオニーはバシリスクの死骸から牙を抜き取り、グリンゴッツで入手した分霊箱のハッフルパフのカップを破壊したのだ。

その瞬間、ヴォルデモート卿はダメージを受け、秘密の部屋には大量の水が放出されたが、難を逃れたロンとハーマイオニーは熱いキスを交わしたのである。

怒り狂ったヴォルデモート卿は杖にヒビが入る程の絶大な魔力で保護魔法を打ち破り、死喰い人の大群が橋から攻め入ろうとしたが、ネビルは大群ごと橋を爆破することに成功したのだった。

しかし、巨人族も戦いに参戦するなか、遂に死喰い人本隊の突破を許してしまい、ハリーはジニーにキスをすると髪飾りを探しに急いだのだ。

ロンとハーマイオニーはハリーから託された“忍びの地図”で、ハリーが“必要の部屋”に入ったことを知るが、二人の会話は校内に潜入していたドラコに聞かれてしまったのである。

ハリーは部屋の奥で木箱に入った髪飾りを見つけたが、そこにドラコが取り巻きと共に襲い掛かってきた。
駆け付けたロンとハーマイオニーはドラコらを追い払ったが、ドラコの取り巻きが“悪霊の炎”を放ってしまったのだった。

ハリーたちはその場にあった箒で脱出するが、取り巻きは炎に巻かれて死亡してしまったのだ。
ハリーはドラコを助けて部屋から脱出、バシリスクの牙で髪飾りを打ち砕き、ロンは放出された闇ごと髪飾りを燃え盛る部屋の中に蹴り込んで扉を閉めたのである。

スネイプ死す

ダメージを受けたヴォルデモート卿は意見する部下に八つ当たりし、蛇のナギニを連れて安全な場所へと退避した。
ナギニこそが最後の分霊箱だと気付いたハリーは、ロンの助言に従ってヴォルデモート卿の心を読み、船着き場にいるヴォルデモート卿が怖気づいたルシウスを一喝、スネイプを連れてくるよう命じていることを知ったのだった。

ヴォルデモート卿の居場所を突き止めたハリー、ロン、ハーマイオニーは戦火を掻い潜り、駆け付けたアバーフォースに助けられて船着き場に辿り着いたのだ。

そこでは、ヴォルデモート卿は呼び出したスネイプに、ニワトコの杖は自分の言うことを聞いてくれないと愚痴り、杖の所有権は未だに自分にないことに憤っていたのである。
歴代のニワトコの杖の持ち主は、前の持ち主を殺して所有権を得ていることから、以前の所有者だったダンブルドアを殺したスネイプこそが今の持ち主だと判断したヴォルデモート卿はナギニにスネイプを襲わせたのだった。

ヴォルデモート卿はナギニと共に去り、ハリーたちは虫の息のスネイプに寄り添ったのだ。
スネイプは自分の涙を校長室の“憂いの篩(ふるい)”にかけるようハリーに指示、ハリーは涙を小瓶に採取したのである。

スネイプはハリーを一目見て「リリー(ハリーの母)の目に似ている…」と呟くと静かに息を引き取ったのだった。

その直後、ヴォルデモート卿はホグワーツにいる者全てに死喰い人を一時撤退させると表明、ハリーに対して“禁じられた森”に来るよう命じ、断った場合は皆殺しにすると宣言したのだ。

スネイプの真実

ハリーたちは多数の死傷者を目の当たりにして強い衝撃を受けていた。
この戦いで多数の生徒たちの他に、ロンの兄フレッド、ルーピンとその妻ニンファドーラ・トンクス(ナタリア・テナ)ら騎士団員も命を落としていたのである。

校長室に入ったハリーは、スネイプの涙を憂いの篩にかけて彼の記憶を辿り始めた。

少年時代のスネイプ(ベネディクト・クラーク)はハリーの母リリー(エリー・ダーシー=オルデン)とは幼馴染同士であり、いじめられっ子だった彼女を優しく慰めていたのだった。
スネイプとリリーは相思相愛であったが、ホグワーツではリリーはグリフィンドール寮、スネイプはスリザリン寮へと分れてしまい、リリーはそこで後にハリーの父となるジェームズ・ポッター(ロビー・ジャービス)と知り合ったのだ。

やがて成長したリリー(ジェラルディン・ソマーヴィル)とジェームズ(エイドリアン・ローリンズ)は恋に落ち、スネイプは傷心のあまり死喰い人に身を落としていた・
ところが、占い学者シビル・トレローニー(エマ・トンプソン)の予言を知ったヴォルデモート卿はポッター夫妻の抹殺を決意、スネイプはリリーの命だけでも救いたい一心でダンブルドアに助けを求めたのである。

しかし、スネイプの願いもむなしくリリーはヴォルデモート卿に殺害されてしまい、絶望したスネイプはダンブルドアからハリーを守り抜くよう諭され、このことはスネイプとダンブルドアだけの秘密としたのだった。

ダンブルドアの死の約1年前、分霊箱のひとつであるトム・リドル(ヴォルデモート卿)の母の指輪を破壊したダンブルドアは腕にその呪いを受けてしまい、余命が1年であることを知ると、ヴォルデモート卿の目を欺くために万が一ドラコが自分の暗殺に失敗したらスネイプが代わりに自分を殺すよう命じていたのだ。

そしてダンブルドアは、ヴォルデモート卿が弱った時にハリーに打ち明けてほしいとして、リリーはハリーを守るためヴォルデモート卿の呪いを跳ね返した際、ヴォルデモート卿の魂の一部がハリーに取り込まれてしまったため、ヴォルデモート卿を倒すためにはハリーも死ななければならないということを告げられたのである。

リリーを今でも愛しているスネイプはハリーを死なせるわけにはいかず、自らの守護霊である牡鹿をハリーの元に送り、彼がグリフィンドールの剣を手に入れる手助けをしたのだった。

全てを知ったハリーは、兄を失ったロンを慰めているハーマイオニーに禁じられた森に向かうと告げ、「なぜ僕が分霊箱の声が聞こえるのか解っていた」と語ると、二人にナギニを殺すよう告げて立ち去ったのだ。

ハリー死す?!

死を覚悟したハリーはダンブルドアの遺品である“金のスニッチ”を開け、中から死の秘宝のひとつ“蘇りの石”を取り出すと、その場に母リリーと父ジェームズ、後見人シリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)、ルーピンが死の世界から現れ、死してなおもハリーを見守っていたことを伝えたのである。

大切な人たちの想いを受け止めたハリーは、ルビウス・ハグリッド(ロビー・コルトレーン)を人質に取っていたヴォルデモート卿の前に現れ、彼の放った渾身の“死の呪い”を身に受けたのだった。

死の淵に立ったハリーの元にダンブルドアが現れ、ハリーの勇気を称えると、ハリーはヴォルデモート卿が期せずして作ってしまった“分霊箱”であり、ヴォルデモート卿自身によって破壊されたことを告げたのだ。

ダンブルドアはハリーに「君が望むならば、戻ることだってできる」と告げ、まだヴォルデモート卿もナギニも倒していないというハリーに「ホグワーツでは“助けを求める者にそれは与えられる”と教えてきた。“言葉”とは尽きることのない魔法の源じゃ。修正しよう。“ホグワーツでは助けに相応しきものに与えられる”。憐れむべきは死者ではなく愛なき生ける者じゃ」と告げて去って行ったのである。

ナルシッサはハリーの死の確認に遣わされ、小声でドラコは生きているのか問うと、意識を戻していたハリーは小さく頷くのだった。
ナルシッサはヴォルデモート卿にハリーは死んだと嘘をついたのだ。

最終決戦

夜が明け、ネビルはボロボロになった“組み分け帽子”を拾い上げた時、ハリーはハグリッドに抱きかかえられてホグワーツに運ばれてきた。
死喰い人の大軍を率いて現れたヴォルデモート卿はハリーの死を宣言、生き残りたちに忠誠を誓うよう命じたのである。

ドラコはルシウスとナルシッサの元に歩み寄り、ナルシッサはドラコに何やら耳打ちしたのだった。

ネビルはハリーや死んでいった者たちの死は無駄ではないと叫び、組み分け帽子からグリフィンドールの剣を取り出したその時、ハリーは立ち上がってヴォルデモート卿に攻撃を仕掛け、ホグワーツの者たちは大いに歓喜したのだ。

遂に最終決戦が始まり、ドラコ、ルシウス、ナルシッサはヴォルデモート卿と決別して去っていった。
ハリーとヴォルデモート卿は一騎打ちとなり、ハリーは隙をついてバシリスクの牙でナギニを刺そうとするも失敗、牙は破壊されてしまったのである。

ロンの母モリー(ジュリー・ウォルターズ)はベラトリックスと一騎打ちとなり、彼女を石化させて殺し、フレッドの仇を討ったのだった。

ハリーはヴォルデモート卿の強大な魔力に苦しめられながらも、ニワトコの杖の持ち主はスネイプではないと告げ、ニワトコの杖を手にしたヴォルデモート卿と激しく魔法の火花を散らしたのだ。

一方、ハーマイオニーとロンは必死でナギニを引き付け、ネビルはグリフィンドールの剣でナギニを斬り殺したのである。
これで全ての分霊箱は破壊され、ハリーは力を失ったヴォルデモート卿からニワトコの杖を奪い取ったのだった。

ヴォルデモート卿の身体は塵となり、静かに死の世界へと消滅していったのだ。

ハリーはハグリッドと抱き合って喜びを分かち合い、ロンとハーマイオニーになぜニワトコの杖がヴォルデモート卿に従わなかったのか説明したのである。
ニワトコの杖はスネイプではなく、ダンブルドアを殺そうとしたドラコの所有物となっており、その後ドラコの杖を奪ったハリーが同時にニワトコの杖の持ち主にもなっていたことを明かすと、ニワトコの杖を真っ二つに折って谷底へと投げ捨てたのだった。

最終章 -19年後-

ヴォルデモート卿の死から19年後のロンドン、キングズ・クロス駅。

ハリーと妻ジニーは、ダンブルドアとスネイプから名を戴いた息子アルバス・セブルス(アーサー・ボーエン)をホグワーツに送り出すため、駅の9の3/4番線ホームに向かっていた。

ホームはホグワーツに向かう生徒たちでごった返しており、その中には改心したドラコが息子スコーピウス(バーティ・ギルバート)を送り出す姿もあった。

ハリー一家は、娘ローズ(ヘレナ・バーロウ)を送りに来たロンとハーマイオニー夫妻と合流、ハリーは学校生活に不安を抱くアルバス・セブルスを励ましたのだ。

ハリー、ロン、ハーマイオニーは我が子の新しい出発をいつまでも見守っていたのである。
-完-

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の感想とまとめ

原作小説・映画版ともに全世界に旋風を巻き起こし、ここ日本でも大阪のユニバーサルスタジオジャパンに物語の世界観を忠実に再現したアトラクション「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」が設けられるなど、シリーズ完結から8年(2019年現在)経ってもなお驚きと感動を与えてくれる“ハリー・ポッター”シリーズ。

2001年公開の記念すべき第1作『賢者の石』では児童文学的なファンタジー路線でスタートした本シリーズも、回を追うごとに登場人物ならびに演じるキャスト陣の目覚ましい成長が描かれ、次第にスケールアップすると共により一層ハードでシリアスな一大スペクタクル巨編へと進化していきました。
これはシリーズを通しでご覧になったファンの皆様にとっても“成長”を体感できるものでしょう。

『賢者の石』でのダニエル・ラドクリフらメインキャストたちのまだあどけない表情が、10年経った本作では血と埃にまみれた、まさに“戦う男”“戦う女”の凛々しい顔つきへと変貌していったのは今でも非常に強く印象に残っています。

そして、若きキャスト陣を支える円熟のベテラン陣の演技も非常に素晴らしく、その後も様々な分野で活躍することとなる若者たちの大いなるお手本となったことでしょう。

本作では、ハリーと宿敵ヴォルデモート卿との浅からぬ因縁、スネイプの今までの行動の理由などといった、これまでのシリーズを通して描かれてきた伏線が全て回収され、全ての謎が完璧なまでに明らかになりました。そしてこれらには“愛”が根底となっており、仲間たちに恵まれ愛されたハリーと、部下たちを恐怖で支配しながらも結局はマルフォイ一家の離反など真の仲間は誰一人いなかったヴォルデモート卿との対比が鮮明に描かれています。

“ハリー・ポッター”シリーズは本作を持って幕を閉じましたが、その後は本作ラストの後日談にあたり、ハリーの子アルバス・セブルスを主人公とした事実上の新章となる舞台版の脚本を“第8巻”として出版した『ハリー・ポッターと呪いの子』、そしてシリーズの生みの親であるJ・K・ローリング自ら脚本・製作を務め、『賢者の石』の約70年前を舞台とし、伝説の魔法生物学者ニュート・スキャマンダーを主人公とし、ダンブルドアの知られざる過去も明らかになるスピンオフシリーズ『ファンタスティック・ビースト』五部作へと移行していきます。今後もさらなる広がりを見せていく“魔法ワールド”にご期待ください。

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