映画『ハンター・キラー 潜航せよ』あらすじ・ネタバレ!無料動画を視聴する方法も紹介

ロシアの領海を密かに潜航していたアメリカの原子力潜水艦が失踪。爆発音が2回検知され、調査に向かった新指揮官グラスが遭遇する戦争勃発の危機とは…。『ハンター・キラー 潜航せよ』は、物語の展開予想を100パーセント裏切る軍事アクションスリラー。クリムゾン・タイドとローン・サバイバーの要素を併せ持つ最後まで息をつかせない極上のエンターテイメント作品です。

今回はハンターキラーのあらすじ・ネタバレと無料視聴方法をご紹介します。

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『ハンター・キラー 潜航せよ』作品情報

タイトル:ハンター・キラー 潜航せよ

原題:Hunter Killer

監督:ドノヴァン・マーシュ、

脚本:アーン・シュミット、ジェイミー・モシュ

原作:『Firing Point』ドン・キース、ジョージ・ワラス

製作:ジェラルド・バトラー、ニール・H・モリッツ、トビー・ジャッフェ、マシュー・オトゥール、アラン・シーゲル、レス・ウェルドン、ジョン・トンプソン、マーク・ギル、タッカー・トゥーリー

公開日:2018年10月26日(アメリカ)、2019年4月12日(日本)

出演者:ジェラルド・バトラー、ゲイリー・オールドマン、コモン、リンダ・カーデリーニ、カーター・マッキンタイア、ミハイル・ゴア、トビー・スティーブンス、アレクサンドル・ディアチェンコ、ミカエル・ニクヴィスト

『ハンター・キラー 潜航せよ』概要

10人の監督と面会したジェラルド・バトラーが白羽の矢を当てたのは、南アフリカ出身の監督ドノヴァン・マーシュ。本作の制作はアメリカ海軍の全面協力を得て可能になり、潜水艦の作戦司令室場面では、アメリカ海軍の潜水艦乗組員も一緒に出演。演じる俳優は区別が付かない程リアルです。全て本物に拘ったマーシュの気迫を感じる精密さが随所で表現されています。

キャスト

主人公ジョー・グラス役のジェラルド・バトラーは製作も兼務。ペンタゴンの制服組トップを演じるのはゲイリー・オールドマンです。NSAのリエゾンには今大忙しのリンダ・カーデリーニ、『ジョン・ウィック』のコモンが准将。そして、ロシア潜水艦の指揮官アンドロポフを演じる『ドラゴン・タトゥーの女』で広く認知された俳優ミカエル・ニクヴィストは、本作が遺作となりました。

『ハンター・キラー 潜航せよ』あらすじ・ネタバレ

正体不明の敵

バレンツ海、ロシア領海。ロシア海軍アクラ型原子力潜水艦コネクが海底深く進行している。その後をアメリカ海軍ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦(別名ハンターキラー)タンパベイがこっそり尾行していた。

突然、コネクの側面が爆発。タンパベイの指揮官はS.O.S発信を指示する。しかし、タンパベイの真上から魚雷が命中。ペンタゴンの国家軍事指揮センターでは、ジョン・フィスク准将が一報を受け、艦隊司令長官チャールズ・ドネガンのオフィスを訪ねた。

フィスクは、派遣できるバージニア級原子力潜水艦アーカンソーを捜索に当たらせ、ジョー・グラスを昇進させて新指揮官に任命するよう薦めた。グラスの所に副長ブライアン・エドワーズが極秘指令書を渡しに来る。

フィスクからバレンツ海で2つの爆発が起きた時刻を聞いたNSA主任分析官のジェインは、ロシアの海軍演習やザカリン大統領とデュロフ防衛大臣が会う段取りを組んだ頃合いと一致している事から武力攻撃の恐れを危惧する。

ジェインは、フィスクに特殊部隊を秘密裏にロシアへ派遣しろと命じた。タジキスタンで演習していた4名のシールズがその極秘任務に就くことになる。同じ頃、アーカンソーの先任伍長がグラスにアーカンソーの全船員が持つチャレンジコインを渡しに来た。

グラスは、最初に乗船した潜水艦で激闘を経験し、その時のコインしか持ち歩かないと話す。グラスのコインを手に取って見た先任伍長は、その刻印された作戦名を噂に聞いていたと言うが、グラスは、現実はもっと酷いものだったと薄く微笑んだ。

ロシア、ポリャールヌイ海軍基地。側近のオレグを連れたザカリン大統領が到着し、デュロフ防衛大臣が敬礼して迎える。ワシントンから連絡が入ったとデュロフが報告すると、ザカリンは待たせておけと命じた。

シールズは、ロシアの高度上空を飛行する飛行機から敵の探知を防ぐHALO降下(高高度降下低高度開傘)の準備をする。リーダーのビーマンは、身元が分かる物は全て機内に置いていくよう命じ、万事の事が起きても自分達は存在しないと伝えた。

最新鋭原子力潜水艦を撃沈せよ

ロシア、コラ半島海域。グラスは小型探査器で付近を探らせる。海底に沈むタンパベイを映すライブ映像が飛び込んで来た。艦内では多くの死亡した船員達が海水に眠っている。上部を探れと言うグラスの合図で探査器がゆっくり向かう。

ぱっくりと大きな穴が開いており、エドワーズが魚雷による破壊だと言った。グラスは直ちに全船員招集命令を下し、タンパベイは敵対行為により沈められたと上部へ報告するよう命じた。ソナー担当が金属を叩くような音を検知。

明らかに救助を求める人が出している音であり、グラスは生存者の捜索を開始。ソナー担当は、頭上から別の音を検知したと言い、グラスとエドワーズがヘッドフォンで聞き耳を立てる。水上近くに浮く氷山の真下にロシアの潜水艦が身を潜めていた。

アーカンソーが急に速度を上げたため、気づかれた事を知ったロシア潜水艦は、誘導装置搭載の魚雷をアーカンソーに向けて二本発射する。魚雷接近を探知したアーカンソーはデコイを使い魚雷をかく乱。反撃の魚雷を発射するが、氷山で場所を特定できず逸れて行く。

グラスは、魚雷を180度回転させ水上40フィート付近を探せと命じる。画面に魚雷から送信されて来た地形画像に氷山の形や深さが映し出された。そして、隠れていたロシア潜水艦が浮かび上がり、魚雷が命中。大きな爆発と共に氷山が粉砕した。

しかし、ロシアの魚雷がもう1本アーカンソーを追っていた。グラスは撃沈されたタンパベイを使うとエドワーズに伝える。深度を下げギリギリまでタンパベイに近づいたアーカンソーが寸での所で避けると、直ぐ後を追尾して来た魚雷がタンパベイに着弾。

爆発と共に凄まじい海底泥で真っ暗になる。その中からアーカンソーが姿を現した。船員一同息を飲む中、再び金属を叩く音がスピーカーに流れた。そして、ザカリンとデュロフの所にアメリカがロシアの潜水艦を撃沈したと報告が入る。

デュロフは、ロシアの領海であり主権をまもるため即報復するべきだと進言するが、ザカリンはアメリカの大統領と先ず話をすると言った。不満に目をむくデュロフ。ペンタゴンで一報を受けたフィスクは、慌ててドネガンに報告。

ロシアの潜水艦2隻、アメリカの潜水艦1隻が銃撃戦の末に沈み、過去数週間の間に近海でロシアが海軍の演習を行い、更にザカリンがポリャールヌイ海軍基地に居る事を聞かされたドネガンは、一番早く急行できる戦艦を配備しろと命じた。

フィスクは、特殊工作が進行している事も伝えた。その頃、高度1万メートルの上空からビーマンの合図でシールズが一斉にHALO降下を開始。雷鳴が轟く雲の中を抜けて行く。ルーキーのマルティネリをビーマンがアシストしながらパラシュートを開いた。

敵を見殺しにしない判断

アーカンソーは、海底に沈んだもう1隻の潜水艦を発見。側面に開いた穴の形状から、魚雷による外からの攻撃ではなく内側からの破壊によるものだと分かる。金属音が尚も響いており、救出を試みると言うグラスに周囲が反発。

タンパベイを沈めたロシアは救出に値しない、ロシアの潜水艦を沈めた以上、敵は警戒態勢を敷いている等反対意見が続出した。グラスは、相手も命令に従ったのだと諭し、状況が分からない現状下、事情を掴んでいるのはロシア潜水艦内の生存者だと説得した。

小型救命艇でロシア潜水艦へ向かうが、設計深度より深いため水圧と海流の速さで難を強いられる。やっとドッキングに成功し、船員がハッチを開けた。アーカンソーに連れ帰ったのは、指揮官のセルゲイ・アンドロポフと以下生き残った船員だった。

グラスは、低体温症の治療を施し見張りを着けるよう命じ、船員達にアンドロポフ達が戦争捕虜(ジュネーブ協定により捕虜は一定の待遇を受ける事が明記)であると宣言。グラスの命令を聞いた船員達は腹立たしさで唇を噛んだ。

緊急事態発生

ポリャールヌイ海軍基地を一望できる場所に陣取ったシールズ隊員は、潜水ドローンを接近させ、マルティネリがスナイパーライフルで監視を始める。突然、基地近辺の信号に妨害が入った。ペンタゴンでは水中ドローンのライブ映像を失う。

その頃、ワシントンやクレムリンに連絡を入れようとしていたザカリンにも同様の支障が出ていた。ジェインは通常決して他とシェアしない衛星を利用できるNSA独自の周波数を提供し、ライブ映像を復活させる。

軍艦デストロイヤーが出航準備をしている様子が映し出された。ザカリンの下へデュロフがやって来て差し迫った攻撃の脅威に直面しているので、基地を封鎖し通信網を遮断したと言う。それは自分が下す決定だとザカリンは反論する。

デュロフは、国会や軍の幹部にはザカリンが体調を崩したと伝え自分が指揮権を継いだ事を報告済みだと挑む。ザカリンとオレグが部屋を出ようとすると、デュロフに着いて来た軍の上官・トレチャクがオレグの脇腹を銃で撃った。

次にトレチャクはザカリンに銃を向ける。デュロフは、今後軍の指揮権は自分が握り如何なる脅威からも国を守ると言い、国内の弱腰にも立ち向かうとザカリンを脅した。デュロフ達はザカリンとその護衛を拘束して港へ連れて来る。

ザカリンの目の前でオレグは海に投げ込まれ、護衛達も全員銃で撃たれ海へ放り込まれた。その光景をドローンが捉えペンタゴンの国家軍事指揮センターに居る全員が目撃。フィスクがクーデターだと呟き、ドネガンが大統領に報告するため足早に出て行く。

ドネガンは戦争準備を始めるべきだと大統領に主張。ジェインは、ロシアが背後に居る訳では無く、デュロフが1人で企てたクーデターである事が濃厚だと自説を展開。フィスクは、自分が良く知る特殊工作員が付近に既に待機していると大統領に伝える。

更に、ザカリンを救出してクレムリンに渡せば、事態は治まるだろうと意見を述べた。大統領は逡巡した後、万が一の状況に備えて艦隊の配備をドネガンに命じるが、戦争回避に全てを尽くすとして、フィスクにザカリンの救出作戦に対する大統領承認を与えた。

アーカンソーでは、ポリャールヌイ海軍基地へ向かい、クーデター下のザカリンと彼を奪還するシールズ4名を保護する政府の命令をグラスが伝える。基地付近は重警備でロシアの戦艦も目を光らせているとエドワーズが危機感を露わにした。

センサーや地雷群をどう避けるのかとエドワーズが尋ねる。グラスは地元の案内人に頼むと答えた。医務室で手当てを受けるアンドロポフを訪ねたグラスは、過去に2人が戦火を交えた事に触れた。アメリカに攻撃されたと信じ沈黙するアンドロポフ。

グラスは、アンドロポフにコネクの写真を見せ、中から爆発した証拠を突きつける。デュロフが扇動して起きたクーデターによる破壊工作だと伝え、ポリャールヌイ海軍基地で拘束されているロシア大統領を救出するため、力を貸してほしいと頼む。

アンドロポフは、基地の船員を育てたのは自分であり、殺す手伝いはしないと拒絶。グラスは、アンドロポフの救出のため自分のクルーに命を懸けさせ、自分も軍法会議に掛けられる可能性もあったが、それでも正しい行いを選択したと話す。

どちらの側に着くかの問題では無く未来の為だと訴えた。アンドロポフは、じっと写真を見つめた。その頃、未確認の通信周波数を探知したとデュロフに報告が入り、受信付近へトレチャクの部隊が出動。塔の高台に待機していたシールズに車両が近づいて来た。

兵士達が付近を捜索。トレチャクは下から見上げ、機関銃を上に向けて乱射する。弾が腿を貫通したマルティネリは唇を噛んで堪えた。トレチャクの部隊が引き上げると、ビーマンは原子力潜水艦が迎えに来るが、ロシアの大統領を確保するのが先だと伝えた。

敵の地雷群地帯を行く

コラ半島、ムルマンスク、峡江。潜航するアーカンソーの指揮を執るグラスの下へアンドロポフが現れる。グラスは、厳しい視線を向ける船員にコネクの指揮官アンドロポフだと紹介。エドワーズは、極秘システムを見られる事を危惧し苛立ちを見せる。

グラスは、アメリカが一度も足を踏み込んだ事の無い海域を隠密に潜航しなければならないと戒め、軍法会議ものだと怒鳴るエドワーズに対し、自分の仕事はエドワーズが証言台に立てる迄生きてもらう事だと静かに睨んだ。アンドロポフが海図を見て方角を示す。

アーカンソーが進む海域には無数の地雷が仕掛けられていた。音響センサーに近づいているとアンドロポフが注意を促す。全船員に決して音を立てない様、先任伍長がアナウンスした。皆息を殺している中、魚雷を固定しているナットが緩み音を立てる。

船員がレンチで閉め音が停まるが、安堵した拍子に船員がレンチを落とす。床に落ちる寸前に別の船員がレンチを掴んだ。次は避ける事がほぼ不可能な磁気性起爆地雷に近づいているとアンドロポフが場所を示し、海溝壁の中を抜けろと助言。

エドワーズは海図に存在しないと訴えるが、アンドロポフはアメリカの海図が間違っていると言う。感情を見せないアンドロポフの目を見つめたグラスは、海溝壁の中の抜け道を目指せと命じる。ソナー担当がレーダーに通り道等映っていないと報告。

アーカンソーが海溝壁の中を進む中、グラスは黙ってアンドロポフを見つめていた。そこへ、ソナー担当が出口を発見したと知らせる。海溝壁を抜け基地へ一挙に近づいた事が分かった。アンドロポフがグラスへ視線を向けて頷き、グラスが微笑んだ。

ブラック・オペレーション/ ロシア大統領を奪え

その頃、怪我をしたマルティネリ以外のシールズ3名は、潜水服を着用し暗い海を進んでいた。水から上がり警戒しながら本棟へ近づくと、流れ着いたオレグを見つける。デュロフの企みを知るオレグは、怪我を堪え大統領救出を手伝うと申し出た。

監視カメラを避け見張りの兵士をステルスで倒したシールズは、ザカリンが拘束されている部屋まで壁を登って行く。バルコニーに顔を出し、外から兵士を射殺。ビーマンがC4で扉を爆発させて個室に閉じ込められていたザカリンを助け出す。

部屋の外から爆発音を聞いた兵士達が次々に乱入し、シールズが迎え撃つ。何とかザカリンを地上へ下ろしオレグが命を犠牲にして時間を稼ぐ。しかし、圧倒的な数のロシア兵の前にシールズ隊員も命を落とす。

トレチャクの部隊が追いついたその瞬間、ガトリング砲を撃っていたロシア兵士が撃たれ、次々に他の兵士達も倒れる。山間でスナイパーライフルを構えるマルティネリが引き金を引いていた。ザカリンも被弾し、ビーマンが抱えて走った。

埠頭に到着するとアーカンソーが寄こした小型救命艇が浮上する。ビーマンはザカリンを抱いて泳ぎ潜水艦まで送り届けるとハッチを閉め、引き返して行った。トレチャクは、ザカリンをアメリカの潜水艦に奪われたと報告。

アメリカ原子力潜水艦にロックオン

デュロフは、ロシア領海を出る前にアメリカの潜水艦を沈めろと激怒した。アーカンソーはロシアの軍艦が近づいている事を検知。アンドロポフは、デストロイヤーの船員は自分が訓練し標的を外す事はまずないとグラスに言った。

ザカリンを乗せた救命艇は水圧に耐えかねてあちこちから水が流れ込んでいた。アーカンソーを発見したデストロイヤーが複数のミサイルを発射。何とかアーカンソーへ辿り着いた救命艇から出血の酷いザカリンを潜水艦へ移動する。

ミサイルが接近とソナー担当が大声で叫ぶ。グラスは、救命艇を敢えて切り離しデコイにした。ミサイルが救命艇に着弾し凄まじい爆発を起こす。アーカンソーの船員はそのインパクトで体が投げ飛ばされた。

付近で次々にミサイルが爆発しアーカンソーは大きな損傷を受ける。海水が流れ込み魚雷保管室が出火し、魚雷を使えない危機に直面。デストロイヤーの艦長は、潜水艦を海底に沈めろと檄を飛ばす。アーカンソーのソナー担当が魚雷接近と大声を張り上げた。

グラスはデコイを発射し深く潜れと指示。アンドロポフがグラスを見つめる中、グラスは撃つなと命じる。アンドロポフが海底泥を使えと助言。アーカンソーは海底まで全速力で潜った。堆積した厚い泥の中に突っ込み身を潜めたアーカンソー。

大戦勃発の危機

黒い泥が大きく広がり、魚雷が反れて爆発した。一方、ペンタゴンの国家軍事指揮センターでは、ポリャールヌイ海軍基地付近の近海で爆発音を探知する。

アーカンソーが無事なのか分からいドネガンは、大統領がNATOにザカリンがアメリカの管轄下で死んだ理由を説明しなければならないとフィスクを怒鳴る。

デュロフのクーデターを認識していないクレムリンにとっては、アメリカがロシアの大統領を拉致し殺害したと取られ、フィスクの余計なオペレーション計画のせいで、戦争が始まったとドネガンが激怒した。

アメリカの北大西洋艦隊が一斉にロシアへ向かい、空母から海兵隊の爆撃機が発進。その様子がペンタゴン指令室の大画面に映し出された。アメリカの動きが報告されると、デュロフは交戦せよと命じ、ロシアの北方艦隊が動き始めた。

その頃、足を引きずりながらマルティネリが下山していた。ロシア兵がすぐ後ろまで迫り発砲して来る。這いつくばりながら転げ落ち必死に先へ進み、頂からジャンプした。撃たれた太腿を骨折した痛みに叫ぶマルティネリを銃を構えた兵士達が囲んだ。

無線でアメリカ兵を拘束したと伝えると、処刑しろと命令が返ってくる。血の混ざった唾を吐き出すマルティネリに銃口が向けられた。すると兵士達が撃たれて倒れる。ビーマンが走って来て、マルティネリに良くやったと声を掛け自分の肩に担ぎあげた。

真の忠誠心

アーカンソーの浸水は激しく、外の圧力に負けて船体の損傷が更に悪化する。火は鎮圧しつつあるものの、コントロールパネルがダメージを受けた。そして、遂にデストロイヤーが海底に潜んでいたアーカンソーの位置を特定する。

ソナー担当はデストロイヤーがアーカンソーに照準を合わせたと報告。グラスは、アンドロポフにデストロイヤーの船員を訓練したかと尋ねる。アンドロポフは全員を熟知していると答えた。グラスは、船員達がアンドロポフに忠実かと更に訊く。

勿論だと答えたアンドロポフに、証明してくれとグラスが言う。アンドロポフは通信機を手に取り、船員1人1人の名前を呼んで指揮官のアンドロポフだと伝え、自分の意思でアーカンソーに乗船していると話した後、攻撃中止を命じた。

そして、デストロイヤーの目前にアーカンソーが浮上する。水上に出た事で信号を受信したペンタゴンでは、ジェインとフィスクがドネガンにアーカンソーが無事だと報告。デュロフの息が掛かるデストロイヤーの船長は攻撃を命じるが、誰一人従わない。

次いでザカリンがアメリカの船に攻撃をすれば反逆罪だと交信して来た。デストロイヤーの船長からこの報告を受けたデュロフは、即刻トマホークミサイル配備を命じた

ペンタゴンでは、アーカンソーに対するミサイル攻撃が準備に入った事を探知し、ドネガンが先制攻撃の準備を指示する。ジェインは、ロシア領土を攻撃すれば核の報復を受けると進言。

命令に背いて懸ける希望

ドネガンは、ロシアの大統領が乗る潜水艦が沈めば状況は同じだと答えた。ドネガンはアーカンソーのグラスへ連絡し、攻撃しろと直に命じる。グラスはミサイル発射の準備を命じた後、腕組みをして考え込む。アーカンソー上部のミサイル格納口が開く。

燃料充填完了を受けたデュロフが発射を命じた。複数のトマホークが弧を描いて上昇しアーカンソーへ向かう。それを探知したペンタゴンでは、グラスは何をしているんだとドネガンがいきり立つ。

船員が我慢できず反撃準備は完了しているとグラスを凝視する。5秒で命中と通信官が伝えるがグラスは動かない。海水と水平飛行するトマホークが見る見る近づいて来た。迎撃不可能と船員が声を上げ、全船員が覚悟した瞬間、突然爆発音が聞こえて来る。

アーカンソーに着弾する直前で全トマホークミサイルをデストロイヤーが艦砲で撃ち落としていた。そして、デストロイヤーはミサイルを発射。ポリャールヌイ海軍基地の指令室で外の状況をガラス越しに伺っていたデュロフの目前にミサイルが接近して来る。

2発のミサイルが直撃し、海軍基地本部の入るビルは粉砕。アーカンソーの船員達は安堵の表情を浮かべ肩を抱き合う。グラスはアンドロポフとザカリンに近づき礼を述べた。アンドロポフは笑顔で頷く。ザカリンは何故この結果が分かっていたのかと尋ねる。

グラスは、分かっていた訳では無く、希望し、懸けたと答えた。ペンタゴンはロシアの艦隊が後退している事を探知。フィスクがジェインにNSAの情報を求める。

受話器を握っていたジェインは、ロシア艦隊がザカリンから直接指示を受けており、ポリャールヌイ海軍基地の回収に当たるようロシア空軍に大統領命令が下りたと報告。一斉に拍手が起きドネガンも手を叩きながらフィスクに握手を求める。

チャレンジコインを託す相手

アーカンソーからデストロイヤーの救命ボートにザカリン達が乗り込む。アンドロポフはグラスと向かい合い、仕事に戻ると微笑んだ。どちらの側に立っていたとしてもグラスが下した決断を自分も下せたかどうかは分からないと言う。

グラスと握手を交わした後、アンドロポフは自分の手の平に渡されたチャレンジコインに気づく。それは、過去に2人が戦火を交えた際にグラスが乗船していた潜水艦の物だった。アンドロポフはコインを見つめ、グラスに笑みを向けた後ボートへ乗り込んだ。

アーカンソーにボートが近づき、ビーマンとマルティネリが到着。労をねぎらうグラスに、狭い所は苦手だと言いながらビーマンがタラップを降りた。両脇をロシア戦艦に護衛されたアーカンソーが航行して行く。そして、潜水艦は水面下へ潜水を開始した。

『ハンター・キラー 潜航せよ』を観た感想

鑑賞後、美味しい物だけを沢山食べて満腹する感覚と限りなく近い大満足感を味わった手に汗握るアクションスリラー映画で、アクション、緊張感、知力、そして説得力を網羅。面白かった!の一言に尽き、老若男女関係無く多くの人に観てもらいたい作品です。

ペンタゴン、ロシア領土、そしてロシア領海の3ヶ所が舞台。実際に何が起きているのかお互い目視できない状況下、唯一全てを把握するのは観客だけです。無駄が一切ない濃密な脚本、見事な演出、そして実力派俳優陣により最上級のエンターテイメントを実現。

無数の地雷群を抜けて行く所やトマホークを撃墜する場面は迫力満点の見所です。ロシア戦艦の前にアーカンソーが浮上する場面は、CGではなく本物のバージニア級原子力潜水艦テキサスであると監督のドノヴァン・マーシュがインタビューで明かします。

たった1人の人間が大国アメリカとロシアを戦争目前まで狡猾に導く中、両国原子力潜水艦の指揮官2人が武力を使わずに戦闘を回避。しかし、結局多くの人が命を犠牲にして行きます。極秘情報として扱われ、賞賛される事無く国に命を捧げた兵士達です。

平和ボケと揶揄する人が居ても、やはり平和が良いに決まっていると痛感。2ヶ月以上海の中を潜航する潜水艦の任務は自国を攻撃から守り、或いは報復攻撃を実行する厳しいもので、その所在は軍の極秘情報として扱われています。

また、劇中に登場する最新技術搭載の原子力潜水艦の指令室は、現職の海軍隊員達が感心する程精巧に再現されています。タイトルのハンター・キラーと命名された原子力潜水艦の目的は捜索と破壊がですが、主要任務は他国の領海での情報収集です。

シールズ隊員を演じた4人は、マーシュ監督の指示により、撮影地ブルガリアで5週間寝起きと食事を共にし、絆を築いたとマルティネリを演じた『フロム・ダスク・ティル・ドーン ザ・シリーズ』のゼイン・ホルツが語っています。

その間、ずっと4人に付き添ったのがジェラルド・バトラーでした。1つ残念なのは、ビーマンとマルティネリがロシア領土を脱出する過程がビーマンとトレチャク1対1の戦闘場面を含め全カットされた事。ノーカット版が出る事を期待したいです。

潜水艦内部を精巧に再現するためエンジニアを提供する等大きな協力を提供したアメリカ海軍に対し、ペンタゴンに招かれたバトラーは感謝のスピーチを行いました。8年間バトラーが奮闘した本作は、1300人の海軍兵が劇場公開前に観賞し拍手喝采を送った映画です。

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