モンスターズ・インクのあらすじネタバレと感想!サリーとブーの出会い

今や全世界の3DCGアニメーションシーンをリードするディズニー/ピクサー。
今回は、人間の子供を怖がらせ、その悲鳴をエネルギーに転換して生きているモンスターたちを描いたシリーズ第1作『モンスターズ・インク』についてのあらすじとネタバレ、感想を大特集しますので最後までお付き合いください。

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『モンスターズ・インク』の作品情報

タイトル:モンスターズ・インク
原題:Monsters, Inc.
監督:ピート・ドクター、デヴィッド・シルヴァーマン(共同監督)、リー・アンクリッチ(共同監督)
脚本:ダン・ガーソン、アンドリュー・スタントン
製作:ダーラ・K・アンダーソン
製作総指揮:ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン
公開:2001年11月2日(アメリカ)、2002年3月2日(日本)
声の出演:ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタル、メアリー・ギブス、スティーヴ・ブシェミ、ジェームズ・コバーン、ジェニファー・ティリー、ボブ・ピーターソン、ジョン・ラッツェンバーガー、ダン・ガーソン、フランク・オズ、ジェフ・ピジョン、サミュエル・ロード・ブラック、スティーブ・サスキンド、ボニー・ハント、フィリップ・プロクター、ジョー・ランフト、ピート・ドクター、グイド・カローニ、フランク・ウェルカー など

監督を務めるのは、『トイ・ストーリー』シリーズなどに携わり、本作が初監督作となるピート・ドクター。後にドクター監督は『カールじいさんの空飛ぶ家』『インサイド・ヘッド』など他のピクサー作品の監督も手掛けています。
なお、本作以前の全てのピクサー作品を監督していたジョン・ラセターは本作では製作総指揮に回っています。

『モンスターズ・インク』のキャスト

主演のジョン・グッドマン(サリー役)とビリー・クリスタル(マイク役)は本作の主題歌『君がいないと』の歌唱も担当、同局は第74回アカデミー賞で最優秀楽曲賞を受賞しています。
日本語吹替版では、ホンジャマカの石塚英彦がサリー役を、爆笑問題の田中裕二がマイク役を演じています。

『モンスターズ・インク』のあらすじ・ネタバレ

子供の悲鳴がエネルギー

とある家の子供部屋。
夜9時を過ぎて、一人の子供がベッドに入ったのだ。

妙なすきま風が吹き、クローゼットからは何やらただならぬ気配が。

そこから現れたのは1匹のモンスター。
ベッドの子供に忍び寄っていったのである。

次の瞬間、モンスターに気付いた子供はけたたましい悲鳴を上げ、モンスターは驚いてコケてしまい、床に落ちていた釘を踏んで悶絶してしまったのだった。

次の瞬間、部屋に明かりが灯り、ブザーが鳴り響いた。
実はこの部屋、モンスター界の大企業「モンスターズ・インク」のシミュレーターであり、子供は人形だったのだ。

今回の実習を受けたドジな新人“怖がらせ屋”モンスターの“フレム”ことバイル(ジェフ・ピジョン)は、人間の世界へと通じるドアを開けっぱなしにしていたことを理由に教育係のフリント(ボニー・ハント)からダメ出しをくらっていたのである。

そこに、モンスターズ・インク社長のウォーターヌース(ジェームズ・コバーン)が現れた。
ウォーターヌースはバイルをはじめとする社員たちに、ドアを開けっぱなしにすると人間の子供がモンスターの世界に入り込んでしまい、しかも子供は触れただけでも即死してしまうほど有害な存在だと説いたが、そんな危険な任務を成し遂げてほしいと社員たちに檄を飛ばすとともに、“最高の手本”を見習うよう告げたのだ。

最高の怖がらせ屋、サリー

“最高の手本”である全身青の毛むくじゃらのモンスター、“サリー”ことジェームズ・フィル・サリバン(ジョン・グッドマン)は朝の起きる時間になっても眠ったままだった。

相棒でアシスタントでもある小柄な一つ目の緑のモンスター、マイク・ワゾウスキ(ビリー・クリスタル)に叩き起こされたサリーは、「起こしてくれと言った覚えはないぞ」と言いつつも日課のトレーニングをこなしたのである。

テレビではモンスターズ・インクの業務内容を紹介したCMが流れていた。
モンスターズ・インクは人間の子供の特性にあったモンスターを選び、怖がらせて上げさせた悲鳴をクリーンなエネルギーに変換してモンスター界に供給するというものであった。

サリーは社内でも非常に優秀な怖がらせ屋であり、マイクはサリーと共に自分もテレビに出演できたことを誇りにしているのだ。

モンスターズ・インクの一日

出勤の時間となり、マイクは車に乗っていこうとしたが、サリーは省エネのため歩いていくことにしたのである。
道行くモンスターたちに挨拶しながらモンスターズ・インク本社へ到着したサリーとマイク。マイクはこの日が誕生日である受付嬢で恋人のセリア(ジェニファー・ティリー)とデートの約束をしたのだった。

サリーとマイクはロッカールームで支度をしていると、そこにサリーと業績トップの座を争う社内ライバルのランドール(スティーヴ・ブシェミ)が現れ、挑発するかのように「聞こえるか?これから風向きが変わるぞ」と意味深な言葉を吐いて去っていったのだ。

マイクは嫌味な事務担当のロズ(ボブ・ピーターソン)から書類の不備を指摘され、後で仕上げると告げて持ち場に就いたのである。

マイクや他のアシスタントたちは、それぞれ子供の部屋に通じるドアを選び、サリーやランドールら怖がらせ屋たちがドアの中に入り、次々と悲鳴のエネルギーを回収していったのだった。

怖がらせ屋の成績は常に職場のモニターに掲示され、サリーは常に1位の座をキープ、続いて僅差でランドールが追う展開になっていたのだ。

ウォーターヌースは部下からこの日のノルマは何とか達成されそうとの報告を受けたが、近頃ではモンスターを怖がらない子供たちが増えてきており、それらの子供に通じるドアはドア・シュレッダーにかけられて破壊されていったのである。

サリーはこの日もトップの売り上げを達成、ウォーターヌースからお褒めの言葉を受けたその時、同僚の怖がらせ屋の背中に子供の靴下が付着しているという事態が発生、社内には非常事態が発令され、全身黄色の防護服に身を固めたCDA(Child Detection Agency、子供検疫局)の作業員たちが出動して徹底的な除染活動が行われたのだった。

しばらくの間、作業場は使用不可となり、ウォーターヌースはコーヒーを飲みながらサリーに3代続いたこの会社を守り抜く決意を語り、翌日にもまだ未熟な新人のためにも模範を見せてくれと頼んだのだ。

一日の仕事が終わり、マイクの頭の中はもはやセリアのことで一杯だった。
これから筋トレでもしようかと考えていたサリーだったが、書類の整理をすっぽかしたマイクのために代わりに整理することになったのである。

迷い込んだ人間の女の子

マイクはセリアとデートに出かけ、サリーは誰一人いない仕事場で書類の整理をしていたところ、ただ一つだけまだ撤収されていないドアがあったのだった。

怪しく思ったサリーはドアの向こう側を確認したが誰もいない。
サリーはドアを撤収しようとしたその時、なんといつの間にか人間の小さな女の子(メアリー・ギブス)が仕事場に迷い込んでしまったのだ。

驚いたサリーは女の子をドアの向こう側へ戻そうとしたが、サリーの毛には女の子の部屋の物がまとわりついてしまい、トイレに流そうとしても流せず、仕方なくロッカーに無理やり押し込んだのである。

ところが、部屋に押し戻したと思った女の子はサリーの背中にしがみついていたのだった。

女の子をひどく怖がるサリーは彼女をバッグに入れ、元の世界に戻そうとしたが、あのランドールがドアの向こうで何やら怪しげな行動をとっていたのだ。
どうしようにもならなくなったサリーは女の子を連れたまま街へと繰り出していったのである。

女の子ブーとの潜伏生活

その頃、マイクとセリアは日本料理店で夕食を楽しんでいたのだった。

マイクはセリアの誕生日を祝っていたその時、突然サリーが割って入り、マイクにバッグの中身を見てくれと言ってきたのだが、女の子はバッグの中から抜け出すと店の中を歩き回り、恐れをなしたモンスターたちは大慌てで店から逃げ出してしまったのだ。

CDAがすぐさま出動、サリーは女の子を紙袋に入れ、マイクと一緒に逃げ出したのである。
マイクはサリーにセリアとのデートを台無しにされたことを責め立てるが、テレビのニュースは女の子のニュースを大々的に報じたため仕方なくサリーの家に匿うしかなかったのだった。

サリーとマイクは女の子を“ブー”と呼ぶことにし、怖がりながらも何とか接しようとしたが、まだ無邪気なよちよち歩きのブーは部屋中を滅茶苦茶に荒らし回ったのだ。

大事なクマのぬいぐるみを取られたマイクがブーを叱ると、ブーは大声で泣き出してしまい、その影響で部屋の電気が乱れ、危うくCDAに見つかりそうになってしまったのである。
サリーとマイクは何とかブーをなだめたがとうとう家の周辺は停電してしまい、2匹はロウソクの灯りでブーに絵を描かせることにしたのだった。

このままでは会社をクビになると恐れたマイクはサリーに、ブーを何とかして追い出そうと考えたが、サリーは自分の絵を描いてくれたブーに少しずつ親近感を覚えつつあったのだ。

サリーはブーを自分のベッドに寝かせることにしたが、ブーはランドールの絵を描くと彼を非常に怖がっていることを伝えたのである。

ブーをあやして寝付かせたサリーは、マイクに彼女は危険ではないと伝え、ドアの向こうに送り返すためにソファーの革と寄せ集めの部材で作った着ぐるみをブーに着せて会社に向かったのだ。

ブーと会社へ

会社内はCDAの厳重な警備と捜査が行われており、ウォーターヌースは事情聴取に応じていたところだった。

サリーはブーを親戚の娘だと偽り、何とかその場をしのいだが、ウォーターヌースはサリーに昨日話したお手本の件のため午後にシミュレーションルームに来るよう命じたのである。
困ったサリーはブーをロッカールームに匿い、マイクはドアの鍵を取りに行っている間、いたずら好きなブーはトイレでかくれんぼを始めたのだった。

一方、マイクはロズに昨夜のランドールの行動を知らせつつ鍵を受け取ろうとしたが、オフィスが閉鎖されたことを理由に門前払いにされてしまったのだ。
マイクはサリーやブーと合流したところ、近くをランドールが通りがかったので急いで身を隠したのである。

ランドールとそのアシスタントのファンガス(フランク・オズ)との会話から、ランドールがブーを狙っていること、そしてブーを謎の“機械”にかけようと企んでいることに気付いたのだった。

会社の秘密

作業場に潜り込んだサリー、マイク、ブー。
マイクは同僚からカードキーを奪い、ドアを用意したが、それはブーの部屋と繋がっているものではなかったのだ。

サリーとマイクは同僚たちから怪しまれ、セリアの誤解が解けないままでありながらもブーをドアに入れようとしたが、いつの間にかブーは姿を消してしまい、更には居合わせたランドールから執拗にブーの居場所を吐くよう迫られたのである。

何とかブーを見つけたサリーとマイクは、彼女が周りのモンスターたちを笑わせていた時、とてつもないエネルギーを生み出すことに気付いたのだった。

サリーとマイクは作業場でブーのドアを見つけ、今度こそ彼女を元の世界に戻そうとしたが、このドアを怪しむサリーは躊躇している間にマイクがドアの向こうに入り込んだのだ。

そこにランドールが現れ、ドアの向こうからボックスを運び出してきたのである。
サリーはブーを連れてランドールの後を追うと、社屋の奥に見たことのない秘密の通路を発見したのだった。

通路の向こうには何と秘密の実験室があり、そこではランドールがファンガスと共に「このチビ、重いな」と言いながらボックスを取り出していたのだ。

ボックスから出てきたのは何とマイクであった。
マイクはランドールから子供の居場所を明かすよう脅され、マイクは売り言葉に買い言葉で挑発すると、ランドールは「俺はこの世界に革命を起こす。そうなればサリバンなどアゴでこき使ってやるさ」と言いながら“悲鳴吸引機”なる機械を用意したのである。

ところが、悲鳴吸引機は電源プラグが外れており、ランドールがプラグを接続している隙にマイクはファンガスと入れ替わって脱走したのだった。

サリーやブーと合流したマイクは「こんな会社なんか出よう。そして新しい生活を始めよう」と促したが、サリーは「考えがある」といってウォーターヌースのいるシミュレーションルームに向かったのだ。
ところが、ちょうどその時は新人の訓練中であり、サリーは用件を話す間もなく新人たちにお手本を見せるよう命じられたのである。

サリーは仕方なく全力で吠えてみせたのだが、その場に居合わせたブーまでもがサリーを怖がってしまったのだった。

ブーはサリーを避けてしまい、マイクはウォーターヌースにブーのことやランドールの不審な行動などを説明したが、ウォーターヌースは「悪評が立てば会社は終わりだ。それにこの子も助けてやらねばな」と言いつつも、現れたランドールに別のドアを用意させたのだ。

そこは人間の世界の雪山に追放するためのドアであり、サリーとマイクは雪山に放り出されてしまったのである。

雪山からの脱出

猛吹雪の中、ウォーターヌースこそが黒幕だったことに気付いたマイクはサリーに「昔馴染みのウォーターヌースに相談とは名案だな」と皮肉り、2匹は取っ組み合いのケンカを始めてしまったところ、現れた雪男のイエティ(ジョン・ラッツェンバーガー)に助けられ、洞窟に匿われたのだった。

サリーは「あんな目で俺を見るなんて・・・」とサリーに嫌われてしまったことに深く落ち込んでしまっていたが、イエティは「気持ちは分かるよ。追放されてショックだったんだろ?」と言いながら、この山の麓へ3日間歩いたところに村があり、元気な子供がいることを教えてくれたのだ。

サリーはその場にあった部材で即席のそりを作り、村へ急ごうとしたが、全てを失ってしまったと嘆くマイクと再び口論となったのである。
「すまん、全て俺のせいだ」と謝るサリーに、マイクは「今回ばかりは付き合えないよ」と告げ、サリーは肩を落としながら村へ向けて出発したのだった。

サリーは猛スピードで雪山を下っていったが、途中でそりは壊れて投げ出されてしまったのだ。
そこはイエティのいうとおり小さな村があったのである。

ウォーターヌース一味との対決

村からドアを使ってモンスターズ・インクに舞い戻ったサリーは秘密の実験室へと急いだ。
そこではウォーターヌースとランドール、ファンガスがブーを悲鳴吸引機にかけようとしていたのだった。

駆け付けたサリーはブーを助け、悲鳴吸引機を破壊したのだ。
ウォーターヌースはランドールにサリーを始末するよう命じ、ランドールは透明になれる能力を活かしてサリーを追い詰めたが、そこにサリーの後を追ってきたマイクが現れ、サリーに謝罪しながらランドールに雪玉を投げつけて気絶させたのである。

サリーやブーと共に逃げる途中のマイクから事情を聞いたセリアは考え直し、彼らを助けるためにランドールを足止めしたのだった。
サリーたちはその隙にブーのドアを探してドア集積場に辿り着き、他のドアを使って人間の世界を行き来しながら逃げ切ろうとしたが、ブーはランドールに捕まってしまったのだ。

ランドールは追いすがるサリーを殺そうとしたが、ブーは勇気を出して棒切れでランドールを叩きのめし、サリーとマイクはランドールを人間の世界に放り出すと二度と戻れないようにそのドアを破壊したのである。
トレーラーハウスに迷い込んだランドールは、住人からワニに間違えられて退治されたのだった。

ようやくブーのドアを見つけたサリーとマイクだったが、ドアはパワー切れを起こしていた。
そこでマイクとサリーは何とかしてブーを笑わせてエネルギーを取り出そうとするが、ブーは中々笑ってくれなかったのだ。

その頃、作業場ではウォーターヌースがCDAの作業員たちを呼び寄せ、サリーたちがここに着き次第逮捕するよう要請していたのである。

マイクは自ら囮となってCDAたちを引きつけ、その隙にサリーはドアを奪って社内の一室に逃げ込んだのだった。
ウォーターヌースはサリーを追い詰め、「お前たちは知りすぎた。もはや怖がらせだけでは足りん。会社を救うためなら(世界中の子供たちを)何千人でも誘拐してやる! 邪魔者には消えてもらう!」と本性を露わにしたのだ。

ところが、この一室は何とシミュレーションルームであり、ブースにはマイクとCDAたちが待ち構えていたのである。
ウォーターヌースは「これで会社は終わりだ!これからエネルギー不足が深刻化するぞ。全てお前のせいだ!」と悪態をつきながら逮捕されていったのだった。

続いてシミューレーションルームに入ってきたのは、何とロズであった。
ロズの正体はCDAの隊長であり、ウォーターヌースの悪事を暴くため2年半もの間潜入捜査していたのだ。

ロズはサリーの頼みを聞き入れ、ドアをドア・シュレッダーで処分することを条件にブーを元の世界に戻すことにしたのである。
5分間だけ時間をもらい、まずマイクはブーに別れを告げ、サリーはブーをベッドに寝かせて「もうクローゼットから怖いものは現れないよ」と告げると優しく抱きしめたのだった。

ブーはサリーが去った後のドアを開けたが、そこは何の変哲もないクローゼットそのものだったのだ。

ブーのドアはドア・シュレッダーで粉砕され、ロズは「全てなかったことにします。報告書は要りませんよ」とだけ告げて部下たちと共に引き上げていった。
サリーはマイクからドアの破片を渡され、思いをこらえながら握りしめたのである。

新生モンスターズ・インク

社員たちはウォーターヌースの逮捕に驚き、これで自分たちはクビになってしまうと嘆いたのだった。

マイクはサリーと会社の外に出、「俺たちはやり遂げたんだ。元気出せよ。ブーを元の世界に戻せたし。そりゃ会社は潰れて世間はエネルギー不足を俺たちのせいにするんだろうけど、少しは笑いを取れただろ?」と語ったのだ。

「笑い」という言葉に閃いたサリーは、マイクに子供を怖がらせるのではなく試しに笑わせてみたところ、悲鳴よりも10倍のエネルギーが得られることを実証したのである。

サリーは自らモンスターズ・インクの新社長に就任して会社の立て直しに励み、マイクとセリアは愛を確かめ合ったのだった。
会社の業績は見事に回復を成し遂げたが、サリーにとってはどうしてもブーのことが気がかりだったのだ。

マイクはそんなサリーをある場所に連れ出すと、そこには破片を繋ぎ合わせて復元されたブーのドアがあったのである。
最後のパーツが揃えば完成するとマイクに言われたサリーは、常に持ち歩いていたドアの破片をはめて完成させたのだった。

そしてドアの中に入ったサリーはブーと再会を果たしたのであった。

『モンスターズ・インク』の感想とまとめ

1995年の『トイ・ストーリー』から始まったピクサーの長編作品も本作で4作目となり、これまでのピクサー作品で当時最大のヒットとなる5億ドル超えを果たし(後に『トイ・ストーリー3』が10億ドル超えを果たすことになります)、日本でも93億円もの大ヒット作となり、本作の成功によりピクサーは名実共に軌道に乗ることとなりました。

東京ディズニーリゾートには本作の世界観をモチーフとしたテーマパークが設けられ、2013年には本作の前日譚となる『モンスターズ・ユニバーシティ』が製作・公開され、本作を超えるメガヒット作品となりました。

本作の主役であるモンスターは、最初のうちは古今東西の幾多のモンスター映画と同様に人々を怖がらせる存在として描かれていましたが、そこはディズニーとピクサー、怖いとされてきたモンスターたちをポップで愛くるしいキャラクターに仕上げ、最終的には人々を怖がらせるのではなく“笑わせる”といった新機構を取り入れることに成功しています。
また、歴代のピクサー作品には必ずと言っていいほど主人公がコンビを組んでいますが(『トイ・ストーリー』シリーズのウッディとバズ、『ファインディング~』シリーズのニモとドリー、『カーズ』シリーズのライトニング・マックィーンとメーターなど)、本作でもしっかりと“怖がらせ屋”のサリーとアシスタントのマイクという絶妙のコンビネーションがストーリーを大いに盛り上げています。

本作ではサリーたち“怖がらせ屋”は本作のタイトルでもある大企業「モンスターズ・インク(モンスターズ株式会社)」に所属しているのですが、物語の黒幕であるワンマン社長の暗躍や厳しいノルマは我が国に蔓延るブラック企業にも通じるところがあります。最終的にはサリーが自ら社長となり、発想を“怖がらせ”から“笑わせ”へと転換することによって倒産しかかった会社を見事立て直すことに成功するのですが、海外勢の飛躍で隅に追いやられつつある日本の企業も発想の転換で乗り切ってほしいところですね。

さて、次回作の『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年公開)は前述のとおり、続編というよりは前日譚となっており、そこではサリーとマイクの出会いや彼らの大学時代の生活、そしてモンスターズ・インクに入社することになった経緯が描かれていますのでそちらもぜひともご覧いただければ幸いです。

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