『ホビット 竜に奪われた王国』は『ホビット』シリーズ3部作の2作目で、2014年2月に日本で公開されました。
今作ではエレボールに棲みつく邪悪な竜のスマウグ、そしてスマウグとは因縁浅からぬ人間のバルドが登場します。
ドワーフの王トーリンのエレボール奪還に向けて物語が大きく展開する『ホビット 竜に奪われた王国』をご紹介いたします。
Contents
ホビット/竜に奪われた王国の作品情報
タイトル:ホビット 竜に奪われた王国
原題:The Hobbit:The Desolation of Smaug
原作:J・R・R・トールキン『ホビットの冒険』
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:ピーター・ジャクソン/フラン・ウォルシュ/フィリッパ・ボウエン/ギレルモ・デル・トロ
製作:ピーター・ジャクソン/キャロリン・カニンガム/ゼイン・ワイナー/フラン・ウォルシュ
公開:2013年12月12日(ニュージーランド)2013年12月13日(アメリカ)2014年2月28日(日本)
出演者:マーティン・フリーマン/イアン・マッケラン/リチャード・アーミティッジ/ベネディクト・カンバーバッチ など
邦題が正式に決定する前は原作の原題を直訳した『ホビット スマウグの荒らし場』が仮称として使用されていたそうですが、やはり正式決定の邦題は素敵ですね。
また一時期『ホビット』シリーズの監督として決定していたギレルモ・デル・トロは、撮影スケジュールの遅延で辞退しました。3部作のすべての脚本に関わった彼が監督をしていたらどんな作品になっていたのでしょうか。
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「ホビット/竜に奪われた王国」のキャストについて
スマウグの声優とモーション・キャプチャを務めたのは、イギリスのTVドラマ『SHERLOCK』の主演で一躍スターとなったベネディクト・カンバーバッチです。ベネディクト・カンバーバッチは死人遣い(ネクロマンサー)の声優も務めています。
またバルドを務めたのは、2010年の映画『タイタンの戦い』でアポロを演じたのをきっかけにアメリカのメジャーな映画作品に出演するようになったルーク・エヴァンズです。
「ホビット/竜に奪われた王国」のあらすじとネタバレ
ホビット庄の境のブリー村にある“躍る子馬亭”でドワーフのトーリン・オーケンシールドが食事をしていると、怪しい人間の男2人の視線を感じる。彼らの動きにトーリンが身構えると、ふいにトーリンのテーブルに座る者がいた。灰色のガンダルフという魔法使いはトーリンがなぜこんなところにいるのかたずねる。
トーリンは父スラインが焦茶の国近くの荒れ地にいたという噂を聞いて行ったものの空振りだったと言う。オークとのアザヌルビザールでの戦いで、トーリンの祖父でドワーフ一族の先々代の王のスロールは殺された。ドゥリンの血を絶やそうとする穢れの王アゾグから息子を守ろうとしたスラインは、おぼろ谷口に行って戻らなかった。
その戦いでトーリンは樫の木(オーケン)の盾を使って戦い、アゾグの左腕を切り落として戦いに勝った。だが敵に討ち取られたと皆が言うスラインの遺体は戦場にはなく、トーリンは父が生きていると確信していた。
ガンダルフはドワーフの王に与えられた7つの指輪のうちの1つで、スロールが持っていた指輪の行方をトーリンに聞く。指輪は戦いの前にスラインが譲り受けており、彼とともに行方知れずだという。父が姿を消す前に会っていたはずのガンダルフにトーリンは何を話したのかたずねる。
ガンダルフはドワーフ7氏族の軍ではなれ山のエレボールにいる竜を倒して故郷を取り戻すように言ったという。そしてトーリンにも同じことを言うと告げる。ガンダルフはトーリンの首に懸賞金がかかっていることを告げる。そして邪悪な者たちがはなれ山を狙っているため、時間があまりないとガンダルフは語る。
”山の下の王”を継ぐ者であるトーリンがドワーフの7氏族を集めて率いるには王の証であるアーケン石が必要だ。だがドワーフの団結に欠かせないアーケン石は、はなれ山の火を吹く竜に奪われたままだ。それを奪い返す手伝いをしようというガンダルフは“忍びの者”が必要だと語った。
ビヨルンの屋敷
トーリンとガンダルフの“躍る子馬亭”での奇遇ではなかった出会いから12か月後、“忍びの者”として選ばれたビルボ・バギンズはトーリンを含む13人のドワーフ、ガンダルフとともにはなれ山を目指して旅をしていた。追手のアゾグたちが放った魔狼(ワーグ)から逃れるためトーリンたちはガンダルフが知る者の屋敷に避難することにする。
他に策はなく、自分たちを助けてくれるかもしれないし、皆殺しにするかもしれない者の屋敷に逃げ込もうとした時、巨大な熊が追ってきた。それはその屋敷の主のビヨルンだった。“皮を変える者”の彼は巨大な黒熊の時は危険だが、屈強な大男の時は話がわかるという。ただし、ドワーフのことはあまり好きではなかった。
”熊”が見張っている屋敷を出た時にトーリンたちを襲撃するつもりだったアゾグだが、アゾグの息子のボルグに「首領が呼んでいる」と言われてドル・グルドゥアに戻る。首領である死人遣い(ネクロマンサー)に自分の軍を率いるように言われたため、アゾグはボルグにドワーフ襲撃の仕事を与える。
アゾグに家族を殺され、奴隷になっていたことがあるビヨルンは、森に邪悪な生き物が這い回っていると言う。ドワーフも嫌いだがオークはもっと嫌いだというビヨルンは、闇の森までという条件で子馬を貸してくれた。そしてオークが増えて動き出したのはドル・グルドゥアの妖術師=死人遣いと手を組んだからだと教える。
さらにビヨルンはルーダウアの丘を死人が歩いていたという噂を伝える。その丘にはアングマールの魔王が遺品とともに封印された墓がある。敵が中つ国に戻ることを白のサルマンは否定していたが、気がかりなガンダルフは闇の森のエルフの道を行くようにトーリンたちに伝え、自分は確認するためにルーダウアの丘に向かう。
ガンダルフは出発する前、ビルボに対して「ホビット庄を出た時とは別人じゃ」と変わったことを告げ、ビルボは「ゴブリンの棲み処で見つけた」と上着のポケットに中に持っている指輪のことを言いかける。だがとっさに見つけたものは「勇気だ」と言ってしまう。
闇の森のエルフ
重くよどんだ空気が幻覚をもたらすという闇の森でトーリンたちはエルフの道を行くが、幻覚に惑わされて途中で迷い道に入り込んでしまう。方向を確認するため太陽の位置を見ようと木を登って森の上に出たビルボは、湖と川、そしてはなれ山を見る。だが森の中に戻ると大蜘蛛に襲われ、ドワーフたちとともに蜘蛛の糸に巻かれてしまった。
剣で糸から脱出したビルボは指輪をはめて姿を消すと、剣で大蜘蛛の1匹を倒す。その大蜘蛛が死ぬ間際に「つらぬきやがった」と言ったことから、ビルボは自分が持つ剣を“つらぬき丸”と呼ぶ。ビルボは糸でぐるぐる巻きにされたドワーフたちを助けるが、落とした指輪に執着しているうちにドワーフたちは大蜘蛛の集団に囲まれてしまう。
そこに現れたのは森のエルフの王スランドゥイルの息子レゴラス、近衛隊長のタウリエルたちだった。レゴラスたちは大蜘蛛を倒すが、森のエルフはドワーフを嫌う好戦的な種族だった。トーリンたちを武装解除させ、森のエルフの王国に連行して牢に入れるが、見つからずにすんだビルボは指輪をはめて姿を消し、トーリンたちのあとを追った。
スランドゥイルはトーリンたちの旅の目的を知っていてトーリンに交換条件を示す。ここを旅立ちたかったら、代わりにエルフの宝である白い宝石を持ち帰るように言う。だが、トーリンは自分たちが故郷を追われて助けを求めた時にエルフが見捨てたことを理由に拒否する。取引に応えなかったためトーリンも投獄されてしまった。
身分違いの恋になるためスランドゥイルは許さないものの、レゴラスが好意を寄せているタウリエルとキーリは言葉をかわすうちに互いに好意を抱くようになる。そんな時、油断をして葡萄酒で酔った番兵に姿を消したまま近づいて牢の鍵を手に入れたビルボはトーリたちを解放する。
ドワーフたちはビルボの発案で空になった葡萄酒の樽に入って川から逃げようとする。レゴラスの指示で水門を閉められてしまうが、そこにボルグたちオーク軍が現れる。オーク軍はトーリたちを追いながらエルフと戦う。水門を開けようとしたキーリはボルグが放った矢が脚に刺さって絶体絶命のピンチになるが、タウリエルが助ける。
キーリが何とか水門を開け、武器をエルフに取り上げられているトーリンたちは手近にあるものでオークたちと戦う。そして川の流れに乗って森のエルフの王国の領土から離れて行った。レゴラスを狙ったオークをタウリエルは殺そうとするが、レゴラスは生け捕りにさせる。
闇の勢力の復活
ルーダウアの丘に向かったガンダルフはアングマールの魔王を封じた墓が破壊され、中がもぬけの殻になっているのを見る。友人の魔法使いの茶色のラダガストを呼び出して話したガンダルフは、死人遣いは人間の魔術師ではないと判断する。そして闇の軍勢が仕掛けてくる大きな戦さの狼煙は、はなれ山から上がると考える。
川を下りきって湖に到着したトーリンたちだが、追手が来るにもかかわらず丸腰のままで、湖の向こうのはなれ山に渡る術もない。そこに現れたのは湖の町のエスガロスに住む弓の達人のバルドだった。バーリンが取引を持ちかけ、バルドが講じた策によってトーリンたちは隠れたままエスガロスに入る。
エスガロスはかつてスマウグに襲われて逃げてきた谷間の国デイルの人間たちが住み、私腹を肥やす統領と部下のアルフリドが支配する活気を失った町だった。バルドは妻を亡くして1人で娘2人と息子1人を育てる船頭だが、知力と指導力に長けていて町民の人気者のため、統領はクーデターを計画している黒幕と考えてマークしていた。
バルドの家からはドワーフの大弓が見えた。スマウグがデイルを襲った時、領主のギリオンは竜を倒せるドワーフの大弓から放つ黒い矢でスマウグを狙った。黒い矢の数は限られていてギリオンは仕留め損ねたが、バルドの息子のバインは「矢は命中して左胸の鱗を剥がしていた。あと一矢でスマウグを殺せたはずだった」と語る。
それはドワーフなら誰もが知るおとぎ話だとドワーリンは一蹴し、トーリンたちは明日が秋の最後の日で、明後日がドゥリンの日と時間がないことに焦る。バルドには剣や弓矢などの本物の武器は用意できず、見張られているため夜を待たないと出発できない。その一方で、毒矢に刺されたキーリの脚の状態は次第に悪化していた。
闇の森のエルフの王国ではスランドゥイルが捕縛したオークを尋問し、その話の中でタウリエルはモルグルの矢で射られたキーリに死が近づいていることを知る。オークの話から闇の勢力が復活して戦さになることを知ったスランドゥイルは、国境の見張りを厳重にして出入国を禁じる。だが、その前にタウリエルが武器を手に出発していた。
タウリエルを追って湖畔にやってきたレゴラスは戻るように言うが、エルフだけを守ることしか考えないスランドゥイルのやり方をタウリエルは否定する。戦いはドワーフや人間、オークだけのものではなく私たちの戦いでもあると言うタウリエルは、レゴラスに「このまま悪をのさばらせて傍観するの?」と詰問する。
“山の下の王”の復活の予言
トーリンたちの言動からバルドは彼らが町の予言にある“山の下の王”の復活に関わっているのではないかと考え、町の者たちも統領も予言に気づき始める。武器庫に侵入したトーリンたちは傷ついたキーリのミスで気づかれ、統領の兵たちに捕まる。統領や町民の前で素性を明かし、祖国を取り戻したら財宝は皆で分けると約束して協力を頼む。
ビルボがトーリンの人柄を保証する中で、バルドは竜を起こしたら町が炎に焼かれて破滅すると反対する。欲に目がくらんだドワーフの先王が災い=竜を呼び寄せたと非難するバルドは、実はギリオンの子孫だった。だがバルドの意見は受け入れられず、財宝目当ての統領が歓迎したことでトーリンたちは装備を整えてはなれ山へ出発する。
伯父のトーリンに「足手まといになる」と同行を止められたキーリ、弟のキーリを気遣うフィーリ、医務係を務めるオイン、そして寝坊したボフールはエスガロスに残った。彼らは容体がかなり悪化したキーリを救おうと統領に薬を求めたものの断られ、ほかに頼れる者がいないためバルドの家に行く。
ガンダルフは妖術の丘となったドル・グルドゥアに来ると、ともに来たラダガストに「敵を引きずり出す」というガラドリエルへの伝言を頼む。闇の力がまだ完全ではないと見て、罠と知りながら1人でドル・グルドゥアの砦に入る。だがアゾグが率いるオーク軍、さらに復活しかけているサウロンと戦ってガンダルフは囚われてしまう。
はなれ山に到着したトーリンたちはガンダルフを待ちきれず、自分たちだけで地図を頼りにエレボールの秘密の入り口の扉を探し出す。だが「ドゥリンの日に沈む最後の光。それが鍵穴を照らす」と地図に記された鍵穴が見つからないまま日が沈んでしまう。一度きりのチャンスを逃したトーリンたちは落胆し、あきらめて帰ろうとする。
ビルボだけが扉の前に残って探していると、ツグミが小石で岩を叩く扉に月の光が当たって鍵穴が見つかる。ビルボはトーリンたちを呼び戻し、トーリンがついに扉を開けて彼らはエレボールの中に入る。竜のスマウグに気づかれないようにアーケン石を見つけ出すため、忍びの達人として呼ばれたビルボの出番がついにやってくる。
目覚めた竜のスマウグ
「契約書に署名したから」というビルボの勇気に驚くバーリンは「生きている竜がいたら起こすな」と忠告する。だがビルボがとてつもない量の金や銀、財宝で埋め尽くされた大広間でアーケン石を探していると、スマウグが目覚めてしまう。ビルボは慌てて指輪をはめて姿を消すが、スマウグは生きものの臭い、息づかいなどの音に敏感だった。
さらにスマウグがビルボが黄金でできている”いとしい”何かを持っていることにも気づく。その瞬間に炎の眼を見たビルボは思わず指輪をはずして姿をさらすと、泥棒と呼ぶスマウグに伝説どおりの偉大さか確かめたくて姿を拝みに来たと嘘をつく。おまえは何者かと聞くスマウグと話しているうちにビルボはアーケン石を見つける。
はなれ山からの音にエスガロスのバルドたちも竜が動き出したのに気づいた。バルドはひそかに隠し持っていた黒い矢を持ち出して竜を射ようと準備するが統領の兵に見つかる。バルドはバインに黒い矢を預けて逃げるが捕まって牢に入れられてしまう。その頃、エスガロスにはトーリンを追ってきたボルグらオーク軍がやってきていた。
オーク軍はバルドの家を襲うが、そこにタウリエルとレゴラスが助けにくる。トーリンがいないことに気づいてあとを追うボルグを追跡しようとするレゴラス。だがタウリエルはビフールが見つけた薬草の王の葉を使い、エルフの医術でキーリを助ける。タウリエルの夢を見ていると思ったキーリは思わず「俺を愛してくれるかな」と言う。
「オーケンシールドが山に入った」とドル・グルドゥアへの伝令を出したボルグとレゴラスは対決する。だがレゴラスはボルグを守るオーク軍も倒さなければならず傷を負うが、逃げるボルグを追いかける。
スマウグが目覚めたのに気づいたにもかかわらず、ビルボを盗っ人呼ばわりして助けに行かないトーリンをバーリンがいさめる。スマウグもまたトーリンはビルボのことを救う価値がないと決めて見捨てる気だと断言する。ビルボはバインが言っていたとおりにスマウグの左胸の鱗が剥がれているのを見る。
助けに来たトーリンにアーケン石を見つけたか聞かれてもビルボはごまかして答えなかった。炎を吐いて暴れるスマウグから逃げるトーリンたちだが、行き止まりの部屋での多くの死骸を目にして坑道に逃げ込まずに戦うことを選ぶ。そして4つのグループに分かれて協力し合いながら製錬所に行き、スマウグを誘い出して殺すことにする。
製錬所までたどり着いたトーリンたちだが冷えきった炉をおこす火がない。だがトーリンはスマウグを怒らせて吐かせた火で炉に火を入れ、王の広間でスマウグを溶かした黄金で固めようとする。だが、固まりきる前に黄金を振り払ったスマウグは、トーリンたちに協力したエスガロスを滅ぼすことを宣言してエレボールを飛び立って行った。
「ホビット/竜に奪われた王国」の感想とまとめ
モーションキャプチャを使っただけあってスマウグの表情、特に目や口の動きがリアルでしたし、ベネディクト・カンバーバッチの声も貫録十分でした。トーリンたちの頑張りで倒したかと思いきや、スマウグがエスガロスを滅ぼしに飛び立ってしまって、ビルボが「僕らのせいだ」と言ったシーンではビルボの無力感が伝わってきました。
TVドラマ『SHERLOCK』で主役のシャーロック・ホームズをベネディクト・カンバーバッチが、そしてホームズの相棒のジョン・ワトスンをビルボ役のマーティン・フリーマンが演じています。それだけにビルボとスマウグの1人と1匹のやり取りは本当に息がピッタリで、怖いけれどもどこかおかしいという名シーンになっています。
ガンダルフを演じるイアン・マッケランは威厳のある表情とは対照的な茶目っ気たっぷりの表情もおもしろくて素敵なのですが、マーティン・フリーマンのとぼけた表情は彼ならではの魅力だと思います。
凶悪なだけでなく強大な敵であるスマウグですが、左胸の鱗が剥がれていること、バルドがまだ黒い矢を持っていたことで、次作でのスマウグにエスガロスが襲撃された際のバルドの活躍が期待される展開です。それだけに。このタイミングでバルドを投獄してしまう統領と部下のアルフリドは、人間の欲深さの象徴といえる存在ですね。
欲深さといえば、あれほど精神的にタフなトーリンであっても、エレボールに入ったら人が変わってしまったようなところがありました。血筋がそうさせるのか、財宝が放つ魔力に抗えないものがあるのでしょうか。それでもビルボを助けに行き、炎に対抗するには炎だと相討ちになることも覚悟して戦ったのはさすがでしたが。
そして今作では男性だらけの物語に、原作には登場しないキャラクターである女性のエルフのタウリエルが登場しました。キーリとお互いに好きになりますが、映画オリジナルのエピソードであるだけに今後がとても気になります。家族愛、種族愛、仲間への愛情がメインの物語で唯一となる男女の、しかも種族の枠を超えた愛情ですから。
また先に公開された『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは炎の眼の姿だったサウロンが、復活しかけた人型の姿で登場するのも見どころです。ドル・グルドゥアでの魔法と妖術、光と闇の戦いのシーンは迫力があります。ガンダルフは捕まってしまいますが、次作でどうやって脱出するのかにも注目ですね。
ドワーフ、エルフ、人間、そしてホビットと、種族が違えば考え方も違い、求めるものが違います。それぞれの拠り所となる信念、愛情、勇気のあり方が描かれ、それが変わらずにいられるのか、いい意味で変わるのか、それとも悪い方向に変わってしまうのか、今後の展開への期待も含めていろいろと考えさせられる作品です。
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