ミッドサマーのあらすじ・ネタバレ!ヘレディタリーで有名になったアリ・アスター監督の最新作

『ミッドサマー』は、大ヒットした2018年公開の『ヘレディタリー/継承』を監督したアリ・アスターの第2弾長編映画です。スウェーデンの民間伝承を基に、家族と恋人のわかれ話を融合させた非常にユニークなホラー映画。批評家から絶賛される中、観客の間で議論を呼んでいる衝撃的な作品です。配給は『ムーンライト』や『イット・カムズ・アット・ナイト』等を手掛けたA24。

『ミッドサマー』作品情報

タイトル:ミッドサマー

原題:Midsommar

監督;アリ・アスター

脚本:アリ・アスター

製作:ラース・クヌードセン、パトリック・アンデション

公開日:2019年7月3日(アメリカ)、日本公開日未定

出演者:フローレンス・ピュー、ジャック・レイナ―、ウィル・ポールター、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ヴィルヘルム・プロングレン

『ミッドサマー』概要

『ヘレディタリー/継承』の撮影中、既に本作のプリプロダクションに入っていたアリ・アスター。個人的理解者である製作のラース・クヌードセンから次作の製作許可を貰い、『ミッドサマー』に着手しました。アスターは実生活で恋人と別れた経験を映画にしようと決めており、自分が本作の主人公・ダニーの立場に在ったと制作の動機を説明しています。

キャスト

主演は、『トレイン・ミッション』のイギリス人俳優フローレンス・ピュー。恋人クリスチャンには、日本映画の大ファンと公言する『トランスフォーマー/ロストエイジ』のジャック・レイナ―。クリスチャンの友人・マーク役を『レヴェナント』のウィル・ポールターが演じ、レイナーとは本作で2度目の共演です。

『ミッドサマー』あらすじ・ネタバレ

ダニー

大学生のダニー・アーダーは、躁うつ病を患う妹・テリーから不穏なメッセージが届き両親に連絡する。メールを出してもテリーから返信が無い為、ダニーは神経質になっていた。1人で夜を過ごしたくないダニーは、大学院生の彼氏・クリスチャンに電話。

クリスチャンは、ダニーが妹の事情に構い過ぎて自分の生活に支障が起きていると諭す。クリスチャンの友人・マークは、精神的に自立できないダニーはカウンセリングが必要だと揶揄。クリスチャンに別れろと暗に勧め、ダニーの頼り過ぎを批判した。

家族の喪失

そこへダニーからクリスチャンに再び電話が掛かってくる。クリスチャンの友人達が興ざめする中、クリスチャンは応答。妹が両親を殺害した後自殺した事を知ったダニーが電話口で絶叫していた。駆けつけたクリスチャンは、ダニーを抱きしめた。

ダニーは、クリスチャンがスウェーデン出身の友人・ペレに誘われ、男友達4人だけでスウェーデンの夏至祭・ミッドサマーを訪れる計画を立てていた事を初めて知る。2人は口論になるが、ダニーの心労に同情したクリスチャンは一緒に旅行へ誘った。

マークがクリスチャンに頼み事をして一緒に席を外した際、ペレはダニーに故郷の夏至祭の様子を撮った写真を見せる。そして、ダニーの家族に起きた事件についてお悔やみを言った。ダニーは酷く動揺し、トイレに駆け込み声を殺して泣き始めた。

5人は一路スウェーデンへ飛ぶ。到着すると、マークは地元の女性を見て魅力的だと興奮。生まれ故郷に着いたペレは小さな村を案内する。アメリカ人の友達だと村民に紹介して回り、ペレの弟がイギリスから招いた友人のサイモンとコニーを引き合わせた。

ミッドサマー

男性陣はペレの弟からマジックマッシュルームを貰い、ダニーはお茶で飲む。夜9時だというのに、外は日中のように明るい。ダニーは死んだテリーの妄想を見たまま眠り込んだ。目覚めたダニーと一行は、祭典が開催される場所へ移動。

大勢の村民が小奇麗なコスチュームを着て集い、数人がフルートを吹いている。皆周囲から温かく歓迎された。祭りを翌日に控え、参加者に対し、夏至祭は90年に1度だけの催し物だとアナウンスがあり、9日間続くイベントを祝う乾杯が行われた。

若い女性達は手を繋いでダンスをしながら円周に回る。少女が通りがかりにクリスチャンを軽く蹴って笑顔を向けた。クリスチャンは一緒にダンスに交ざり、ペレは誕生日を迎えたダニーの顔を写生し、その絵を渡して祝った。

2人だけの内緒にしようと言うペレに対し、ダニーは、自分の誕生日をクリスチャンが忘れているので大丈夫だと答える。案内された宿舎は、壁に見慣れない儀式を描いた様な絵が鮮やかな色彩で飾られていた。全員圧倒されながら壁を眺めた。

クリスチャンは、スマホの電波が届かない為、何処に居るのか分からないとジョッシュにこぼす。ペレは、ダニーに、1才から16才は春、17才から32才は夏、33才から52才は秋、そして53才から72才は冬と例えて人の人生を考える村の風習を教えた。

悪夢の始まり

翌日、夏至祭が始まる。奇妙なシンボル型にセッティングされたテーブルに全員座って食事を摂った。暫くすると、初老の男女が立ちあがり、向き合って何事か言うとお酒を酌み交わす。全員起立し、ダニー達も真似てグラスのお酒を飲み干した。

その初老の女性が椅子に座ったまま村民が運んで行く。切だった崖の頂上に到着した女性を残された全員が下から臨む中、古い書物の一節が読み上げられた。村民の若い女性の手をナイフで傷つけ、何か書かれた岩にその女性が自分の血をなすりつけた。

そして、椅子から立ち上がった初老の女性は、崖から飛び降りて自殺する。サイモンとコニーがショックを受け大声で抗議する。村民が誰一人微動だにしない中、先ほど酒を酌み交わした初老の男性も続いて崖から身を投げた。

しかし、男性は死にきれずうめき声をあげる。村民も真似るように声を上げ始めた。大きなハンマーを持った村人が男性の顔目掛けて打ち下ろし、他の数人も既に死んだ男性の顔をハンマーで潰した。異常な事態に激怒したサイモンとコニーは群衆から離れて行く。

2人を呼び止めた村の長・シヴは、代々伝わる長い習慣で、人生の終わりを迎えた2人の老人にとっては、喜びの行為だと説明する。ダニーは気が動転。クリスチャンは、夏至祭について卒業論文を書くジョッシュに、自分も同じトピックにすると言った。

ジョッシュは自分で他のテーマを探せと怒るが、クリスチャンは動じず夏至祭を題材にすると主張。ペレは、祭典は秘匿事項であり、記録を残すことは禁じられているとジョッシュに話した。一方、ダニーは耐えられず荷物をまとめて村を出ようとする。

ペレは、一生に一度の祭りを友人と分かち合いたかったと言い、両親を失った自分も気持ちが分かるとダニーを説得。ジョッシュから睡眠薬を貰って床についたダニーは悪夢にうなされた。クリスチャンを気に入った村の少女がベッド下に恋の御守りを置いた。

翌日、庭仕事をするペレは、村民の名前は匿名で場所を特定しなければ卒論を書いても良いと村の年長者から許可が下りたが、同意書に署名するようジョッシュに伝える。一方、祖先の魂に繋がると信じられている古木に用を足したマークは村の怒りを買う

荷物をまとめて村を出ようとしたコニーに、サイモンは先に駅へ向かったと村人が告げる。トラックは2人乗りの為、後からコニーを迎えに戻ると説明するが、自分を置いて行ったサイモンに、コニーは怒り心頭。側に居たダニーはクリスチャンにその事を話す。

しかし、クリスチャンは気に留める様子も無く、卒論の為に近親相姦が許可されているのか村人に質問する。時々従妹同士なら村の年配者は許可することもあるが、近親相姦は通常タブーの為村以外から相手を招くと答えた。

夕食の時間になってもコニーが姿を見せない事をダニーは心配する。そこへ村の女性がマークに声を掛け、マークは喜んで一緒に連れ立ち席を外した。夜になり、村に伝わる書物が展示されている神殿へ忍び込んだジョッシュは、卒論の為に写真を撮影

誰かに後ろから頭を殴られたジョッシュは血を流して床に倒れる。翌朝、ダニーとクリスチャンは、書物が無くなったと村民から聞かされた。マークとジョッシュの両方とも姿が見えず、村民は2人を疑っていた。

新女王

ダニーは女性達に誘われ、同じコスチュームを着用し花冠を頭に乗せてダンス競争に参加。クリスチャンは、自分に恋をする村の少女と性的関係を持たないかとシヴから打診された。そして、最後まで踊り続けたダニーはメイ・クイーンに選ばれ祝福を受けた

テーブルの上座に腰を下ろしたダニーに皆グラスをあげて乾杯する。勧められるまま口にした飲み物でクリスチャンは意識がもうろうとし始めた。ダニーが村の儀式の為に畑に連れ出された間、クリスチャンは更に薬を盛られてしまう。

全裸の村民が歌う前で、クリスチャンは少女と性行為をする羽目に。戻ったダニーは、神殿から聞こえる歌に惹かれて中を覗く。ショックを受けて泣きだすダニーを村の女性達が宿泊所へ連れて行った。取り乱すダニーと同じ様な声を上げて女性達も泣きだす。

行為が終わったクリスチャンは裸のまま外へ飛び出し、納屋へ駆け込む。そこには、くり抜かれた目に花を挿入され、内臓を摘出されたサイモンの死体が飾られていた。突然村民に薬の粉を吹きかけられたクリスチャンは、体の自由を奪われ声も出せなくなった。

儀式が再び進行する。壇上には、ダニーが1人花の中に座っていた。村の年長者は、クリスチャンに対する評決を下すよう、ダニーを促す。少女と関係を持ったことが許せないダニーは、クリスチャンの死を選択した。

切断されたコニー、マーク、そしてジョッシュの首で神殿内部が飾り付けられる。村から2人の志願者も椅子に着席。クリスチャンは熊の毛皮を着させられ床に座っている。神殿に火が点けられ、瞬く間に炎が建物を覆う。

汚れた魂を追い出すと言う目的で、儀式の生贄として3人が生きて焼き殺される中、村民全員狂人のように体を動かした。最初は目に涙を溜めていたダニーだが、炎と煙が包む神殿を見つめるうちに、次第にうっすら笑みを浮かべた。

『ミッドサマー』を観た感想

冒頭に起きるダニーの悲劇の連続場面は非常に暗く、背景音楽も手伝って異様な雰囲気が漂います。しかし、スウェーデンの夏至祭が始まった途端、眩し過ぎるほど明るく、色とりどりの花で埋め尽くされた美しい光景が終始画面を占めています。

村民は皆笑顔で温かく訪れたアメリカ人の学生達を歓迎。ところが老人2人の投身自殺に始まり、事態は一変します。従来のホラー映画とは異なり、真昼間の見晴らしの良い平原で気味の悪い儀式が延々と続行。

祭典の装飾や村人たちの小奇麗さとは逆に起きている事がが異常な為、観ている人は精神的な動揺や気分の悪さを感じるかもしれません。本作の監督・脚本を兼務したアリ・アスターは、夏至祭を体験しに来たカップルの別れを描くのが目的だと話しています。

アスターは、観客にスウェーデンの民間伝承に対する理解を求めようとしていない為、描写される儀式に意味を見出そうとせずに鑑賞することをお勧めします。

説明の無い不可解なシンボルや絵がたくさん出て来るので、それを見ておくと4人のアメリカ人学生の身に起きることも予想出来る仕掛けです。アスターが映画を通して何を見せたかったのかと言えば、物事は見掛けと異なるという点です。

例えば、主人公のダニーは、スウェーデンのミッドサマー(正確な呼称はミッドソマー)へ行く以前、そして家族の悲劇に見舞われる前から既に精神的に不安定です。表向きはいたって普通の女子学生ですが、安定剤を常用し、クリスチャンに固執しています。

また、夏至祭へ誘うスウェーデン人学生のペレは、クリスチャンやマークとは異なり、温和でダニーに親切です。しかし、最初から村民ではない外の人間を誘い、90年に1度行われる祭典の生贄にする為にスウェーデンへ連れて行きます。

このカルト集団にとって、自分達以外の人は物でしかなく、個人という概念も存在していません。封建時代の様にヒエラルキーで構成された小自治体は、全てを年長者が決定する権限を保持。他の若い層は皆それをルールとして従っています。

上述した説明を映画の鑑賞前に読んで頂くと、少しは物語が分かりやすいと思います。家族を失った精神的な脆さを抱えるダニーが、最後は自分の感情や心情を全て分かち合える新たな家族を得るまでの物語だと、アスターは要約しています。

前作のアメリカにおける悪魔崇拝のカルトに続き、本作では欧州のカルトを描いたアリ・アスターは、2ヶ月掛けて村と夏至祭の舞台を建造しました。キャストは皆お互いに気を配って精神的安定を保ったと話しており、俳優陣にとっても苦労があった作品です。

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