【完全暴露】映画「ミスト」のあらすじネタバレと感想!ラストの結末は?

「映画史上最も後味の悪い作品」ともいわれる本作。鑑賞後も賛否両論別れ議論を呼ぶ映画です。

「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」でヒューマンドラマの名手と思われていたフランク・ダラボン監督がなぜこのヘビー級の暗黒映画を作ったのかも含め解説していきたいと思います。

『ミスト』の作品情報

タイトル:ミスト
原題: The Mist
監督:フランク・ダラボン
脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーブン・キング
制作:リチャード・サパースタイン/ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン
公開:2007年11月21日(アメリカ)、2008年5月10日(日本)
出演:トーマス・ジェーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ローリー・ホールデン/アンドレ・ブラウアー/トビー・ジョーンズ/ウィリアム・サドラー/ジェフリー・デマン/フランシス・スターンハーゲン/アレクサ・ダヴァロス/ネイサン・ギャンブル/クリス・オーウェン/サム・ウィットワー/ロバート・トレヴァイラー/デヴィッド・ジェンセン/ケリー・コリン・リンツ/

 

『ミスト』のキャスト

主演は「ブギーナイツ」や「シンレッドライン」などの名作で脇役ながら存在感を見せていたトーマス・ジェーン。

脇を固める俳優は当時無名ながら今や大作にもバイプレーヤーとして引っ張りだこのトビー・ジョーンズ、同じダラボン監督の「ショーシャンクの空に」にも出演していたウィリアム・サドラ―、「ポロック 2人だけのアトリエ」でアカデミー助演女優賞も受賞したマーシャ・ゲイ・ハーデンなど実力派が揃っています。

『ミスト』のあらすじとネタバレ

謎の霧襲来、スーパーから出られなくなる

映画ポスターなどの画家をしているデヴィッド・ドレイトンは妻子とアメリカのとある湖の近くに住んでいた。

ある日、彼は自宅の窓やボート小屋が壊れているのを見つけ、8歳の息子のビリーと隣人の弁護士ノートンと一緒に近くのスーパーマーケットに買い出しに行く。妻のステファニーは家に残った。

スーパーマーケットに行くと一部が停電している。店の外はパトカーや救急車が何台も走っていた。

街の中に白い霧が立ちこめ始めている。

デヴィッドは友人のスーパーの副店長のオリーと「何事か」と話していた。

店内には休暇中らしい軍人3人組がいたが、彼らのもとに憲兵が来て今すぐ近くの出勤しろと言っている。憲兵は大慌てで店を出て行った。

しばらくして鼻字を流した近所の老人ダンがスーパーに逃げ込んでくる。ダンは「霧の中に何かいる!外に出るな!」と叫ぶ。それから少しして地震のような揺れがスーパーを襲った。

スーパーにいた人々は何か変だと店内に閉じこもるが、ある子持ちの女性がどうしても外に出て子供の無事を確認したいといい、周りが止めるのも聞かず出て行ってしまう。

軍人3人は命令を無視して店内に留まっている。

店の中には最近街に赴任した教師のアマンダ、デヴィッドの知り合いの機械工たち、そしてキリスト教原理主義者で近所では変人として有名なミセス・カーモディなど様々な人がいた。カーモディは「審判の日が来た」とつぶやいている。

霧の外には怪物が!恐怖に駆られる人々

デヴィッドはアマンダにビリーの面倒を見てもらい、店の裏にある倉庫に食料や施錠が大丈夫かを見に行く。倉庫を調べていると、突然、外に通じるシャッターがなにか巨大な物がぶつかったかのように大きく揺れた。

デヴィッドはオリーと機械工たちを呼んで、店の外になにかいると話すが、彼らは笑って相手にしない。

機械工の一人ノームは店の外の空調を確認するついでだとシャッターを開けた。

途端に巨大なタコの脚のようなものが伸びてきてノームを捕らえる。

デヴィッドは彼を助けようと手を引っ張るが、怪物はものすごい力でノームを霧の中に連れて行ってしまった。

デヴィッドは自分のことを信じなかった上にノームを助けずに怯えていたほかの機械工たちを怒りのあまり殴りつける。

デヴィッドたちが店に戻ると、店を出るべきか中にいるべきかで人々が揉めていた。

デヴィッドもオリーも怪物がいるから危険だと話すが、インテリのノートンや数人の男たちは馬鹿馬鹿しいと一笑に付す。

ノートンを始め、5人ほどの男たちがひとまず店を出てみることになった。

一列になり最後尾の男が自分のズボンに紐をくくりつけて、どこまで進めるか確認しろという。

一同は霧の中に進んでいくが、数分後、紐がものすごい力で引っ張られた。

引っ張る力がなくなってから紐を引いていくと、最後尾にいた男が下半身だけの状態になって戻ってきたので人々はパニックになる。

カーモディは「これは神の罰です!」と叫びだした。

「人間の思い上がりで神が罰を与える使者を遣わせたのです。」

恐怖に駆られた数人は彼女の言うことを信じ始めている。

「今夜おそらく怪物が来るでしょう」とカーモディは言った。

怪物襲来!そしてカーモディが人々を支配していく

リベラルな考えを持つデヴィッドやアマンダ、オリー、ダン、アマンダと同じ学校の教師のアイリーンは人々を扇動しようとしている彼女を危険視し始める。

軍人3人は何かを察したように気まずそうな顔をしていた。

そのうちの1人ジェサップ二等兵は店のかわいい店員サリーと恋仲で、彼は怯えるサリーを励ます。

店はガラス張りで怪物に体当たりされたらひとたまりもないため、皆はガラスをテープで補強し窓の前に土嚢代わりに穀物の袋を詰んだ。カーモディは店の隅で「主よ、どうかこの人々を救わせてください」と祈りをささげている。

その夜、カーモディの予言通り、巨大な昆虫や鋭いくちばしを持った鳥のような怪物が何匹も店の周りにやって来た。怪物は光に寄せられガラスに体当りしてくる。慌てて光を消すも手遅れで、ガラスを割って巨大昆虫と怪鳥が店になだれ込んできた。

怪鳥は数人の首を齧り殺害、サリーは虫に顔を刺されて顔面が晴れ上がりジェサップに看取られながら死亡した。デヴィッドはモップの先端に火を点けて怪物を撃退。オリーは意外なことに州の大会で優勝するほどの射撃の腕前があり、怪物を何匹も射殺した。

デヴィッドの真似をして火を使おうとした男が、転んで自分が火だるまになり瀕死状態になってしまう。

カーモディの体に虫が止まったが、なぜか虫は彼女を攻撃せずに飛び去ってしまった。

怪物をなんとか撃退したあと、カーモディの身に起きた奇跡を見た人々は「彼女は神の加護を受けている」と崇め始める。

ビリーは非常におびえており、「パパ、僕を怪物に殺させないでね」と言い、デヴィッドもそれを約束した。

霧と怪物発生の原因が判明!?人々はさらに過激化していく

翌朝、デヴィッドは火傷した男を治療するべきだと言い、オリーやその他数人の有志とスーパーの隣の薬局に行くことにする。カーモディは外に出るなと言ってきたがデヴィッドはそれを振り切った。

武器を持って薬局に入ると、中は荒れ果てて蜘蛛の巣のようなものが張り巡らされている状態。抗生物質などを確保して店を出ようとするが、1人が蜘蛛の巣の中に人間がつるされているのを発見する。

昨日店に来た憲兵も巣の中におり、まだ生きていた。憲兵は「すまない・・」とつぶやくと倒れこみ、彼の背中から大量の蜘蛛のような怪物が湧き出てくる。

怪物は口から強酸性の糸を吐き、何人かは重傷を負ってしまう。

デヴィッドたちは命からがらスーパーに逃げ帰ってきた。

火傷の男は既に死亡しており、裏の倉庫に行くとジェサップ以外の軍人2人が何故か首吊り自殺している。

デヴィッドは憲兵が死に際に謝ったのはなぜかジェサップに問いただした。ジェサップは観念したように語りだす。

「米軍はこの付近で異次元の扉を開き、中を観測する「アローヘッド計画」という実験をしているといううわさを聞いた」

下級兵士のジェサップが知っているのはそこまでだったが、その話をカーモディの信奉者に聞かれてしまう。

カーモディがジェサップを責め立てた結果、勢いに駆られた取り巻きの1人が彼の腹部をナイフで刺してしまった。カーモディは驚いた表情をしたが、そのまま「彼を生贄に差し出すのです!」と命令する。

デヴィッドたちはそれを止めようとしたが間に合わず、人々は重体のジェサップを店の外に閉め出してしまう。

しばらくすると巨大な怪物がやってきて彼を連れ去ってしまった。

カーモディは「今夜、怪物たちは静かでしょう。」と予言する。その言葉通り、その夜は怪物は襲ってこなかった。

ついにスーパーを脱出

倉庫でデヴィッド、オリー、アマンダ、その他数人はこれ以上店にいては危険だと脱出の計画を立てる。

明け方、人々が起きる前に物資をまとめて店を飛び出し、駐車場の車に乗り込んで脱出という手順を立てた。

そして夜明け近く、彼らは忍び足で店を出ようとするが、カーモディが目を覚ましており人々を起こしてデヴィッドたちを捕らえるよう命令する。

彼女はビリーを生贄に差し出せ!と叫んだ。

その時、銃声が鳴り響き、カーモディの腹部に血があふれ出す。オリーがリボルバーで彼女を撃ったのだ。オリーはそのまま信じられないという顔をしているカーモディの眉間を撃ちぬいて殺害した。

オリーは周りの人間を銃で威嚇し、その間にデヴィッドたちは店を飛び出して駐車場まで一気に駆ける。しかし怪物が寄ってきて一同に襲い掛かってきた。

数人が食われ、銃で応戦したオリーも殺されてしまう。

ビリー、アマンダ、ダン、アイリーンはなんとか車に乗り、デヴィッドはドアを閉める前にオリーが死に際に落としたリボルバーを怪物に襲われるギリギリで回収した。デヴィッドは急いで車を発進させる。

スーパーに取り残された人々はそれを呆然と見送っていた。

もう世界は終わってしまった・・。そして訪れる絶望のラスト

デヴィッドは自宅を確認しに行くが、家は既に怪物に襲われており、巣の中に吊るされた妻ステファニーの死体を見て彼は悲しみに暮れる。

あてどもなく車を走らせるが、どこまで行っても周りは霧に覆われており人の姿はない。

一同の目の前を高層ビル並みに巨大な怪物が横切る。怪物は襲ってくるわけでもなかったが、それを見上げた一同は今まで住んでいた世界は終わってしまったと悟った。

彼らは車を止め、怪物に襲われたり餓死する前に心中することを決める。リボルバーの中の銃弾を確認すると4発しかない。デヴィッドは自分は何とかすると言った。

ビリーはちょうど寝入っている。起こさないうちにと意を決し、彼は立て続けに4回引き金を引いた。

仲間たちを、そして最愛の息子を殺してしまったデヴィッドは慟哭し車を飛び出す。

「さあ来いバケモノども!さっさと殺せ!」

叫んでいると霧の向こうから巨大な影がやってきた。

デヴィッドは覚悟を決めて、それが来るのを待つ。

しかし現れたのは怪物ではなく米軍の戦車だった。その後にも戦車数台と歩兵たちが続いている。兵士たちは怪物の巣を火炎放射器で焼き払い、霧もどんどん薄まっていった。

保護された一般人を乗せたトラックには、一番最初にスーパーを出て行った女性とその子供たちもいる。

もう少し待っていれば助かったのに―。

取り返しのつかないことをしてしまったデヴィッドは、絶望の叫びをあげるとひざから崩れ落ちた。

 

『ミスト』の感想とまとめ

2007年の製作以来、史上最も後味が悪い映画と呼ばれて久しい本作。

「心が死ぬ」とまで言われたラストのオチはキングの原作にはなく、ダラボン監督が思いついてキングに了承を取り、付け足したそうです。

このオチはキング本人も気に入ったようで「これを思いついていたら原作に書いていた」と述べています。

従来のハリウッド娯楽映画の定石を覆し、ただ主人公たちが全滅するというよくあるホラーのオチとも違う絶望的ツイストを加えたこのラストに対し観客の反応は様々でした。

「最高だ!この発想はなかった!」という好事家もいれば

「面白かったけどヘコむ・・・・」という人、

「こんな酷い話ありえない!悪趣味!」と怒る人、

「このオチありきで作っていてそれまでの展開と関係ないじゃん」と鼻白む人。

さまざまな意見がありますが、この衝撃のラストがなければ「ミスト」はここまで語られる作品にはなっておらず、ただのB級モンスターホラーとして消えていたのは確かでしょう。

私はラストも含めこの映画が大好きなのですが、この結末はただインパクトを与えるためのものや監督の悪趣味ではないと考えています。

この映画のテーマは「人生における選択と結果」、もっと言うと「人生のままならなさ」だと思います。

主人公デヴィッドは息子思いでリーダーシップがあり正義感が強くリベラルな考えを持つ典型的なハリウッド型主人公で、観客も「この人を応援したい!」と思ってしまう人物です。

そして悪役にあたるカーモディは誰もが(特に宗教を信じない大多数の日本人は)「うわ、ひくわ~」と思ってしまうようなキリスト教原理主義の過激派です。しかし彼女は彼女で自分なりの正義感で動いています。

そして本作はデヴィッドとカーモディどちらが正しいのかはっきり判断がつかないような話になっています。

道徳的に見れば当然観客はデヴィッドを応援したいのですが、彼が良かれと思って行った行為は劇中では悉く裏目に出てしまうのです。

彼は霧が発生した当初、店を出て行く子持ち女性を引き留めようとしましたが、彼女はラスト子供と一緒に生き残っていることが判明しますし、怪物に襲われた仲間も救えず、火傷した男を助けるために薬局に行った時も結果として犠牲者をさらに増やしてしまいます。

そして脱出する際もわざわざオリーが落とした銃を拾ってしまったためにラストの悲劇が待っています。

ビリーが眠っている間に死なせなくては!と焦らなければ軍の助けも間に合ったでしょうし、彼の行動はすべてマイナスの方向に働きます。とは言っても自分もその場にいたらそうするしかないと思えてしまう行為だらけなのが本作のモヤモヤするポイントです。

逆にカーモディの主張は過激で排他的でとても容認できるものではありません。しかし彼女の予言は偶然かもしれませんが当たり、何故か怪物にも殺されません。だんだん周りの人々がカーモディにすがるようになっていくのもわかります。極限状態になれば人間は何を心の支えにするかわかりません。

そしてカーモディ本人は死亡してしまいますが、彼女に従っていた人々はスーパーに残ったのでおそらく結果として生き残ったと考えられます。彼らもジェサップを生贄に差し出したりした罪がありますが、それが裁かれることはありません。

逆にカーモディを殺害したオリーはその直後に怪物に食べられてしまいます。しかもオリーがカーモディを射殺する時に弾を2発使っていなければラストでデヴィッドだけ生き残るという展開にはならなかったと考えられるのも物凄い皮肉です。

正しい人々が助かり、悪人やそれにつられた人々は滅びるというよくある物語的因果律はこの映画には当てはまりません。そしてこちらの方が実人生には近いです。

「何かを選択、決断した先にはそれが倫理的に正しくても良い結果が待っているとは限らない」というリアルな人生の恐ろしさが詰まっているのが本作です。

 

そう考えると本作に登場する「霧」は人生に降りかかる困難のメタファーとも考えられます。

主人公たちはその「困難」がいつか晴れると信じ切れずに諦めてしまったゆえに最悪の結末を迎えてしまいました。

 

フランク・ダラボン監督は同じキング原作のヒューマンドラマの傑作「ショーシャンクの空に」の監督でもあります。

「まさか同じ原作者&監督コンビからこんな後味の悪い映画が生まれるなんて!」という人もいますが、実は両作品は言っていることは同じです。

希望を捨ててはいけない」

「希望」というキーワードは「ショーシャンクの空に」でも頻出します。

刑務所にいた主人公のアンディとレッドは、どんなに虐げられても、濡れ衣を着せられても、社会に馴染めなくても「希望」を捨てなかったので最後はハッピーエンドを迎えます。

「希望を捨てなければ突破口がある」というのが「ショーシャンクの空に」のテーマだとすれば「ミスト」は「じゃあ希望を捨ててしまったらどうなるのか」という答えを最悪の形で提示した作品ともいえるのです。

「ミスト」のラストはあまりにも有名なため、もしかしたら作品は見てないのにオチだけ知っているという人も多いと思います。

しかし知っていても実際にシーンとしてみると、やはりこのラストは衝撃を受けますし、何故こうなってしまったのだろうとモヤモヤ考えてしまうような作りになっています。

この映画はただの悪趣味で作られた見世物ではなく、見た人に倫理的問いをぶつけてくる問題作として歴史に残り続けるでしょう。

もちろん、ラストだけでなくクトゥルフ神話のようなモンスターの造形も素晴らしいですし、実力派キャストによる集団心理に飲み込まれてしまう人々の怖さを描いた描写も見ごたえ十分です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です