映画『死霊院 世界で最も呪われた事件』あらすじ・ネタバレと感想!動画の無料視聴方法も!

2006年にルーマニアの小さな村で起きた実際の事件を基にしたホラー映画です。取材のためにアメリカからジャーナリストが訪れ、少しずつ謎が解き明かされていきます。終盤は、若き神父と悪魔が闘いを繰り広げる悪魔祓い。本作の撮影場所は、実際にルーマニアで敢行されました。2018年度最後に日本で公開される怖い物語をご紹介します。

『死霊院 世界で最も呪われた事件』作品情報

タイトル:『死霊院 世界で最も呪われた事件』

原題:The Crucifixion

監督:ザビエ・ジャン

脚本:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ

製作:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ、ピーター・サフラン、レオン・クラランス、

公開日:2017年10月6日(アメリカ)、2018年12月8日(日本)

出演者:ソフィー・クックソン、コーネリウ・ウリチ、エイダ・ルプー、ブリタニー・アシュワース

『死霊院 世界で最も呪われた事件』概要

ホラーのジャンルで世界的なヒットを飛ばした双子の脚本家『死霊館』や『死霊館 エンフィールド事件』のチャド・ヘイズとケイリー・W・ヘイズが本作の脚本を執筆。2人は2013年に公開されたヒットホラー映画『死霊館』をノース・カロライナで撮影中にルーマニアで起きた事件知り、独自にリサーチをした後脚本を始めた事を明かしています。監督は、『ヒットマン』や『フロンティア』のザビエ・ジャン。

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キャスト

主人公のジャーナリスト・ニコールを『キングズマン』のソフィー・クックソン、そして悪魔に立ち向かうアントン神父には『ヒストリー・オブ・ラブ』のルーマニア人俳優コーネリウ・ウリチが演じます。

『死霊院 世界で最も呪われた事件』あらすじ・ネタバレ

2004年、ルーマニアの修道院で十字架に縛られたアデリーナをディミトリ神父と修道女達が運んでいる。教会の祭壇前で、神父が十字架をかざすと黒目をむいたアデリーナが叫び声を上げた。修道女はみな祈っている。

メディアは、ディミトリ神父と4人の修道女を逮捕したニュースを報道。ニューヨークを拠点にするジャーナリストのニコールは、亡くなった修道女が3日間食事や水を与えられていなかった上に検視結果で殺人と認定されたこの事件を追いルーマニアへ飛んだ。

殺人か或いは救出失敗か

ルーマニアに着いたニコールは、刑務所に拘留されているドミトリ神父に面会しインタビューを行う。教会から何ら支持を受けられない事に関し、ドミトリは教会の為ではなく、神と信者の為に悪魔祓いをしているので気にしないと答えた。

アデリーナが悪魔に取り付かれた原因は、カトリックでは禁じられているにも拘らずドイツで青年と性行を持ち自分の信仰心が揺らいでしまい悪魔の標的にされてしまった。その青年も仕向けられたもので、悪魔は何処にでも居ると神父は説明を始めた。

アデリーナをなるべく神に近づけるために教会へ運び、やっと悪魔にアザレスだと正体を白状させる事に成功。しかし、数日後に悪魔が諦め始めた頃、教会に駆けつけたゴーニック司教が悪魔祓いを中止してしまった。

そして、司教の指示でアデリーナが病院へ搬送される途中で心身共に弱っていた彼女は悪魔に殺された。あともう少し自分に時間の猶予があれば、アデリーナは今も生きていただろうと神父は結んだ。

面会を切り上げようとしたニコールに、貴方は助けに来たと神からお告げがあった、そうドミトリは言葉を残すのだった。

検死を行った医師から、実際は死因を特定できず状況から推測したものだったと知るニコール。更に医師は、医学的に説明できず過去に見たことが無いケースだと証言した。

アデリーナの葬儀で情報を得ようとニコールは修道院へ向かう。アデリーナと孤児院で一緒に育った兄のステファン達が参列し、ゴーニック司教とアントン神父が葬儀を取り仕切っている。アデリーナに別れを告げようとした修道女のヴァデューラが泣き崩れた。

葬儀後、ニコールはヴァデューラに近づき、なぜドミトリ神父がアデリーナを殺したのかと尋ねた。ヴァデューラは、神父がやったのではないと答え足早に去って行く。

ニコールは、近くの村で宿を見つけた。古い教会に足を踏み入れると葬儀で見かけたアントン神父に出会う。人は生まれつき信仰心があるのでは無く教わるが故に、人の行動は後に自分が信じる事になったもので定義されると言うニコール。

アントンは、神は自由意志を人に与えているので、学びを受け入れるかも又その人の自由だと信仰を持たないニコールに諭した。神父からアデリーナの兄ステファンの住居や司教が居る教会を聞きだし、早速ゴーニックに会いに行く。

ゴーニックは、アデリーナが精神病を患っていて悪魔に憑りつかれたのではない、だから悪魔祓いを止めたと話す。また、司教は、ドミトリ神父が頻繁に悪魔祓いを行っていた事も付け加えた。

再び修道院へ戻ったニコールは、鎖で閉じられた門を登り、そっと院内へ忍び込む。警察の規制線のテープが貼られた部屋を見つけこっそりと入った。中はかなり散らかっており、剥がれた人の爪が絨毯から見つかる。

その時、外から窓を通して自分を見ている少年と目が合う。気味の悪くなったニコールは修道院を後にした。

村に戻ったニコールは、正装を脱いだアントンを見つけ時間を貰う事にする。アントンは悪魔祓いの手順を細かく示しながら、憑りついた悪魔は食事や水を飲ませないように人間を支配すると語った。

悪魔がアデリーナを殺害した理由は必要が亡くなったからであり、結局祓われなかったため、憑りついた人間と直接接触があった者、或いは多くの場合弱い心を持った者にまた憑りつくとアントンは言う。

ニコールは自分の過去に触れ、雲の切れ間から射す陽射しは神の指であり、取るべき路を指し示すと母親が言っていた事をアントンに話した。

翌日、ニコールはヴァデューラとステファンの住まいを訪れた。ステファンは自分の妹・アデリーナは精神病を患ってなどいなかったと憤慨していた。ニコールは、ドミトリ神父がアデリーナを殺していないのであれば誰がやったのかと尋ねる。

ヴァデューラは悪魔だと答えた。自分が食事を持って行った時、黒目をむいたアデリーナに首を絞められ出て行けと言われ、その声は悪魔の物であった。あれほど邪悪な物に触れた事が無いとヴァデューラは話す。

ステファンは、アデリーナが孤児院から引き取られた子供の子守としてドイツへ行く前にドイツ大使館からの要請で精神鑑定を受け、全く問題無しと言う結果だったとニコールに説明した。

ルーマニアの修道院に戻ったアデリーナは幼少時から献身的に面倒を見てくれたガブリエル神父にお土産を持って行くが、ガブリエルが鐘楼から投身自殺するのを目撃してしまう。

アデリーナの腕の中で息絶えたガブリエルが究極の罪である自殺を犯した理由は不明。その後みな悲しみに暮れ、父親の様に慕っていたアデリーナは一番影響を受けた。そんな中、ミサへの出席拒んだアデリーナは、その後更に様子が悪化したとヴァデューラは言った。

愛しい母を救えなかった神

アントンとレストランで食事をしたニコールは、自分で物事を解決できないから人は祈るのだと自身の見解を述べた。数年前仕事先に父親から連絡を受けたニコールは、実は2年間自分の母親が癌で闘病していた事を知る。

出張から戻った時、後は神の手に委ねると言って母親は全ての治療を中止しており父親も了承した。何とかしようと思ったニコールは、リサーチをした結果試験的だが新しい治療方法を発見。

しかし、母親は試そうとせず、父親も本人の意向を尊重するべきだと言い、次第に死にゆく母を見ているしかなかった。激しい怒りを抱いたニコール。その治療法は90パーセントの成功率を示し、強い信仰心が無ければ母親は今も生きていたとニコールは話す。

神と個人の関係は他人が決める事ではないとするアントン。ニコールは、母親を救おうとしたのだと言い放つ。でも、それは母親を失いたくなかった自分のためでしょう?とアントンは静かに言葉を添えた。

帰り際、アントンは神への怒りと信仰の欠落が狙われる隙になるとニコールに警告した。ホテルへ戻る途中、修道院で窓から自分を見ていた少年に出会う。側を通り過ぎると何か呟く。

ニコールの後をホテルまで着いて来た。フロント係は、近所の牧場に住むタヴィアンと言う名前のずるいジプシーで観光客を狙うとニコールに注意を促した。更に、その少年は生まれつき言葉を話せない事が分かる。

狙われたニコール

深夜、アントンと性行を持つ夢を見たニコールは、扉の開閉音で目を覚ます。扉を固定する鎖がガチャガチャと音を立てている。扉に近づくと、黒い口を開けて叫ぶアデリーナの顔が覗いた。後ずさる背後でまたアデリーナが叫ぶ。体を震わせるニコール。

翌日、ニコールはヴァデューラを再度訪ね、アデリーナが統合失調症と診断された経緯を聞き出す。アデリーナは、一緒に住む孤児の少女達を真夜中に連れ出した。危機感を抱いたステファンはアデリーナを病院へ連れて行きそれまでの出来事を医師に話したのだった。

取材の帰り道、急に車が動かなくなったニコール。アントンに連絡を入れて助けを求めた。すると外から車を叩く物音がしてくる。そして後部座席で人影を見たニコールは、誰かに足首を掴まれた。車から飛び出すとくぐもった男の声が聞こえた。

道路を渡り、広がる畑に駆け込むニコール。収穫が終わり枯れたトウモロコシ畑を走っていると、後部座席で見た人影が突然行く手を遮った。大声で叫んだニコールは、元来た道を戻り道路へ飛び出したところにアントンの乗った車が近づいてくる。

この一件になぜかニコールは関わりがあるようだと言うアントンは、逃げても解決せずこの地へ来たのは神の導きだろうと諭した。力になると言う言葉を聞き、ニコールは母親を看取った日の辛さを語りながら涙を流した。

結局帰国を決めたニコールは、翌日空が曇り雨で濡れた道路を走っている。その時、雲の切れ間から日が射しニコールの前方を照らし始めた。ふと目に留まった多くの墓石が建つ山袖へ足を延ばす。そこで鐘楼から投身自殺したガブリエル神父の墓を見つけた。

何と死亡した日は、ニコールの母親が亡くなった日付と同じだったのである。悪魔は憑依した人間に触れた人間へ移動して憑依すると言ったアントンの話を思い出す。

ドミトリ神父の無実を確信したニコールは修道院へ行き、ガブリエル神父が最後に行った悪魔祓いについて質問をする。相談を受けた人の名前が記載されて記録には、ジプシーの少年・タヴィアンと記されていた。住居の牧場を訪れるニコール。

人間対悪魔

タヴィアンの父親と話したニコールは、タヴィアンではなくその父親が悪魔に憑依されたため息子がガブリエル神父を連れて来たと分かる。更に、タヴィアンが強い霊能力を持っていると神父は生前父親に明かしていた。

自分が悪魔に憑りつかれていた時、意思に反して息子を殺しそうになったと続けた。その悪魔の名前は覚えていないと言う父親の後方にタヴィアンが立っている事に気づいたニコール。側へ行くと誇りの被ったタンクに指文字でアガレスと書かれていた。

親子に頼み台所にある電話を借りたニコールは、アントンに連絡し判明した内容を伝える。ガブリエル神父が最後に行った悪魔祓いの対象はタヴィアンの父親であり、その悪魔の名前はアガレス。

儀式の途中で神父に乗り移り、アデリーナの腕で亡くなった神父からアガレスはアデリーナへ憑依したとニコールが言った瞬間、くぐもった男の叫び声がして高い電気音が鳴りアントンとの通話が途中で切れてしまう。

ドアから飛び出そうとした時、激しくドアが閉まり、ニコールは後方に突き飛ばされた。外では牧場の犬が吠え始め、それを聞きつけたタヴィアンがドアに近づいてくる。台所だけ雨が降り出し、ニコールは殴られ、天井へ張り付けにされた。

次の瞬間床に落とされたニコールの額や口からは出血。必死に這ってドアへ向かう。一方、アントンは急いで車を走らせていた。タヴィアンと父親が外からドアを開けようとしているとアントンが到着する。十字架と聖書を手にしたアントンは斧でドアを破った。

アントンが足を踏み入れて見たニコールは、反キリストを指す逆さ十字架のように宙に浮いていた。獣の様な呻り声を上げ、黒目をむきアントンに挑むアガレス。アントンは、お前は弱い者しか相手にできないと嘲笑して見せた。

十字架をかざしアントンが聖書を読み上げるとアガレスが苦しみ出す。そこへニコールの声で悪魔に殺されると助けを呼ぶ。神を信じて助けを求めろとアントンは言った。しかし、直ぐにアガレスが現れ抵抗してアントンの手から十字架と聖書を弾き飛ばす。

アントンはお前の正体はアガレスだと分かっている今、地獄へ送り返すのに十字架はもはや必要ないと言い放つ。外に居るタヴィアンを呼び、力を貸してほしいとアントンが叫んだ。父親とタヴィアンが駆け込んできてニコールを抑え込む。

闘えとニコールを叱咤するアントンの力強い悪魔祓いが続く。聖なる神と神の軍隊の前に悪魔アガレスよ去れとアントンが唱えた時、ニコールは白目をむき背中を反り上げるとがっくり首を垂れた。アントンの呼びかけに息を吹き返したニコール。

肩で息をするニコールを抱きしめるアントンに、母親を見たとニコールは呟いた。ドアを開けて外へ出たアントンとニコールの眼前には、雲の切れ間から陽射しが指していた。

‐ドミトリ神父と4人の修道女は殺人の罪で7年服役。その後出所してタナク村に戻った神父は、現在も信者に悪魔祓いを行っている‐

『死霊院 世界で最も呪われた事件』を観た感想

悪魔祓いを題材にした映画『エクソシスト』。1973年に公開され、今も語り継がれている有名な作品です。近年、他にも『インシディアス』が話題になりました。本作や『エミリー・ローズ』の様に実話を基にしているホラー映画はやはり説得力があります。

『死霊院 世界で最も呪われた事件』では、喪失が大きなテーマとなっています。父親を亡くし心が弱っていた修道女アデリーナと信仰心の強い母親を失い救済しなかったと神に怒りを持つ主人公ニコールは、付け込まれて悪魔に憑りつかれます。

心から愛したものを失う悲しみは大変強い感情で、自分ではどうにもならないものです。食事も眠る事も出来ないということもあるでしょう。現代の医学では脳や心臓が人間の体を支配しているとされますが、心が占める役割もまた大きいのです。

お祓いは日本で定着した儀式であり、開墾式などでは必ずと言っていいほど神主さんを呼んでお祓いをしてもらう風習があります。そして、おそらく多くの人が一度はテレビで見た事のある霊能者の除霊。これが欧米においての悪魔祓いです。

経験値のある聖職者が行うと言う点が同じで、共に邪悪なものを人間の体から取り除く儀式。大きく異なるのは、日本の場合は悪霊で元々は人間だった事が多いのに対し、西洋では天国で神から追放された堕天使が悪の根源であると考えられています。

そのため、ハリウッド制作の悪魔祓いの映画で見られる様に、西側では聖水やイエス・キリストを示す十字架が使われ、日本では護摩炊きやお札が使われます。方法は異なっても、聖なる力が授かる物に邪悪な物は弱いという点は同じようです。

本作で主人公のニコールを演じたのは、イギリス人俳優のソフィー・クックソンです。『キングズマン』で注目されるようになりました。劇中体を張った演技を要求されたクックソンは、体当たりでニコールの恐怖を伝えています。

ニコールは実は必要に迫られて加えられた唯一事件に存在しないキャラクター。脚本を執筆したチャド・ヘイズとケイリー・W・ヘイズは、作品中描写された内容は事実だとした上で、ニコールを通して俯瞰的に事件を見つめる手法を取ったと話します。

その理由は、映画にもある通り、殺人の罪で刑務所へ送致された神父と修道女、教会、そしてアデリーナの家族はそれぞれ異なった見解を持っていたからです。2人の脚本家は、ニコールを登場させ、これらの見方を全て網羅して観客に伝えたかったそうです。

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