映画『ファースト・マン』のあらすじ・ネタバレと感想!動画の無料視聴方法も紹介!

ファース・マンは、これまで公になっていなかったアームストロング氏の詳細情報を描き歴史的瞬間への歩みをドキュメンタリータッチで辿ります。2018年を代表する映画であり、第91回アカデミー賞で作品賞及び監督賞等多数の部門にノミネートされるであろう大作と言えます。10月12日に劇場公開されてから、2ヶ月足らずで既に100億ドルに迫る興行収入を記録し、世界中で話題を集めています。

今回はそんなファースト・マンのネタバレと無料視聴方法をご紹介します。

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『ファースト・マン』作品情報

タイトル:ファースト・マン

原題:First Man

監督:デイミアン・チャゼル

脚本:ジョシュ・シンガー

原作:『ファースト・マン:ニール・アームストロングの人生』ジェームズ・R・ハンセン

製作:デイミアン・チャゼル、ウィク・ゴッドフリー、マーティ・ボーウェン、アイザック・クラウスナー、

公開日:2018年8月29日(ドイツ)、2018年10月12日(アメリカ)、2019年2月8日(日本)

出演者:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストール、パトリック・フュジット、ルーカス・ハース、オリビア・ハミルトン

 

『ファースト・マン』概要

ファースト・マンの監督を務めたデイミアン・チャゼルが原作となる本を手にしたのは『ラ・ラ・ランド』を撮影する前。すっかり魅了され独自にリサーチを始めます。脚本を務めたジョシュ・シンガーと共にNASAだけではなく、アームストロング氏の姉・ジューン、幼馴染、息子達リック、マーク・アームストロング氏両名等個人的な繋がりを持つ人々に何度もインタビューを重ねます。また、アポロ計画に関わった宇宙飛行士もコンサルタントとして撮影現場に参加し、事実を事実のまま伝える事を本作の一番重要な要素と捉えて制作されました。

ファースト・マンのキャスト

『ブルーバレンタイン』のカナダ人俳優ライアン・ゴズリングが主人公のニール・アームストロングを演じます。監督のチャゼルとは『ラ・ラ・ランド』に続き再び一緒に本作を制作。エド・ホワイト役には演技派オーストラリア人俳優『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェイソン・クラーク。そして、イギリスドラマ『クラウン』を観たチャゼルが指名したクレア・フォイはジャネット・アームストロングに扮します。

『ファースト・マン』あらすじ・ネタバレ

テスト・パイロットのニール・アームストロングは、超高度音速飛行実験を行っていた。帰還する際に大気圏に跳ね返されたが何とか無事着陸。帰宅したニールは、脳腫瘍を患う2才の娘・カレンに治療を受けさせるため、カナダへ行くことを考え始めた。

愛しの娘カレン

NASAで宇宙飛行・ジェミニ計画が進行する中、上司から操縦士の打診を受けたニールだが、カレンの容態が安定するまで引っ越しを避けたいと答えた。カレンが親指をくわえて眠っている。ニールは幼い娘の髪の毛を愛しそうにいじりながら寝顔を見つめた。

カレンの小さな御棺が埋葬される。ニールと妻のジャネットは沈鬱な面持ちで参列し、ニールの手にはカレンが身につけていた小さなブレスレットが握られていた。多くの参列者がアームストロング家を訪れた。息子のリックは父に外で遊ぼうとねだる。

ニールはジャネットの手伝いをすると息子に言う。書斎に戻ったニールは、カレンの治療法について纏めた自分のノートを閉じると嗚咽を漏らす。そして、握りしめていたブレスレットを机の引き出しにそっと収めるのだった。

翌日、ニールは職場に戻るとまだ眠っている妻に声を掛けた。ジャネットは分かったとだけ言い、ニールを抱きしめた。新聞報道でNASAがジェミニ計画の宇宙飛行士を選任すると言う記事を読みニールは応募する。民間人は、他にエリオット・シーだけであった。

宇宙飛行士になる夢

1962年8月13日、エリントン空軍基地で飛行士の選定が開始。ディーク・スレイトンに宇宙飛行はなぜ重要だと思うかと尋ねられたニールは、テスト・パイロットとして大気圏外で飛行した実績に触れ、大気圏は地上からは見えず非常に薄いものだと前置く。

地球にとっては小さな一部の様に思えるが宇宙飛行で異なる観測点を得られれば、これまでとは全く違う側面を発見できるかもしれないと返答した。お嬢さんの事は残念だったと切り出す面接官。ニールは、それは質問ですか?と尋ねる。

面接官は、その事が飛行に影響すると思うかと質問をし直した。ニールは終始落ち着いて、影響があると仮定するのが妥当でしょうと答えた。面接の終了を伝えられると、ニールは軽く会釈して席を立った。夜、飛行士の一人に選ばれたとニールに連絡が入る。

躍進するソ連に挑む

アメリカとソ連の間で宇宙開発競争が激しさを増す。先を行くソ連に対抗したいNASAは、ロケットを発射し人工衛星とドッキング、小型船で月面着陸、そして再度ドッキングして地球へ帰還すると言う新構想を考案。

新居地へ引っ越してきたアームストロング家の隣人は、エド・ホワイト一家だった。エドは後にアメリカ人として初めて船外活動を行う宇宙飛行士である。ジェネッとはエドの妻・パットと直ぐに意気投合し、家族ぐるみの付き合いが始まった。

1964年4月23日、遠心加速器を使用した訓練が開始。重力に耐え、気を失う前にスピンを安定させる事が目的だ。最初に選ばれたニールは乗り込むが、暫くすると操縦レバーから手が離れ気絶してしまう。その間カレンの寝顔を見つめていた時間を思い出す。

ニールが意識を取り戻すのを待ち、ディークは次にエドを指名。しかし、ニールはもう一度やらせて欲しいと言った。マルチ軸の高速回転が始める。訓練後、ニールはトイレで嘔吐した。そこへエドが駆け込んできて同じように嘔吐する。

一室に集められた飛行士達の顔には疲労の色が表れていた。教官が入出しロケット物理学の講義が始まった。エドが教本をめくると604ページまで続くナンバリング。この頃、ジェネットとニールには、次男・マークが誕生していた。

ニール、エリオット、そしてエドの3家族は夕食を共にする。ジャネットはニールが歌を得意としていると紹介し、特に「エジュラックの地」と言う歌詞は面白いと話す。ニールは笑顔で聞いた事があるかとエリオットに尋ねた。

知らないと言うエリオット。遠い所だが不思議な場所だとニールは続ける。ジャネットは、大学を反対に綴った(egelloc)とニールの冗談を明かした。みな笑い出し、楽しい一時が過ぎて行く。

1965年、エドは最初に船外活動する飛行士として選任された。しかし、ソ連がいち早く宇宙遊泳に成功した様子が報道されるのだった。8月21日、フロリダ州、現在のケネディ宇宙センターからジェミニ5号は宇宙へ飛び立つ。

ニールはジェミニ8号で船長を任命され、史上初めて衛星アジェナとのランデブー及びドッキングを実行する責任者となった。この頃、バズ・オリドリンが新たに宇宙飛行士のメンバーに加わる。そんな中、エリオットが訓練用機の事故で命を落とす。

バズはエリオットの飛行技術が未熟だったと葬儀に集まった人の前で持論を展開。ニールは事故の検証も済んでおらず、操縦していなかった自分には分からない、そうやんわりとバズを制した。ニールは幼い子供が集まっている居間にカレンの幻影を見る。

ニールは家へ帰ろうと促すが、ジャネットはエリオットの妻をもう少し手伝いたいと言った。ニールは、何も言わず1人車で帰宅してしまうのだった。エド夫妻に送ってもらったジャネット。

以前、複数のパイロットが死亡し、ニールは次々にお葬式へ出席した話をする。ジャネットは夫がカレンについて話題にした事があるかとエドに訊く。エドは無いと言う。ニールは、妻のジャネットにさえ娘の事を死後一度も話題にしていなかった。

命に関わる緊急事態

ジェミニ8号打ち上げの日、デイヴィッド・スコットと共に船長ニール・アームストロングは船内へ乗り込んだ。エンジン点火直後から激しい振動と機械音の中ロケットが発射。振動は更に増していく。2人の宇宙飛行士はじっとコックピットに座っていた。

MCC(ミッションコントロールセンター)と通信を取りながら、ニールがペダルを踏むと機体の振動が瞬時に停止。コックピット内には、振動で外れた小さな鏡が浮遊していた。窓の外には青い大気に覆われた地球が見える。太陽の光が一段と眩しい。

飛行中の通信を家族が聞けるようになっており、軌道に乗ったジェミニからニールが無人衛星アジェナとのドッキングを目指すと言う言葉を聞きながら、ジャネットは自宅に集まったメディアのカメラに納まった。

一向にアジェナが見えないため、ニールは位置を計算して割出すと摘みレバーを微妙に操作しながら軌道修正した。コックピット内の全照明を消して目を凝らすと前方に太陽の光を受けて地球上空に浮いているアジェナを発見。ニールの顔が笑顔になった。

MCCに待機していた誰もが安堵する。センチメートル単位で細かく機体を操縦しながらニールは目に前のアジェナに近づいて行く。鉄の塊がぶつかる様なドンッと言う鈍い音の後、ドッキング完了のランプが点灯。デイヴィッドとニールは固い握手を交わす。

ニールからの通信連絡に、MCCでは歓声が上がる。ディークやエドも満面の笑顔で、ソ連ざまあみろと言う声も聞こえてきた。しかし、通信圏外に入った後、突然機体のバランスが崩れた。次の瞬間、回転し始め制御不能に陥る。ニールはアジェナとの分離を決断。

アジェナと離れたジェミニは尚も激しく回転し、飛行士達に激しい重力がかかった。通信が再開し飛行士がこのままでは40秒しか意識が持たないとMCCに通信担当から連絡が入る。ディークは、外部へ通じる回線を遮断させた。

息を殺して聞いていたジャネットは通信が途絶え動転する。コックピットでは、様々試みるがスピンは止まらずデイヴィッドは気を失ってしまう。ニールは顔中脂汗をかいていた。

船外活動や実験等の計画を捨て、軌道姿勢制御システム(OAMS)を停止し大気圏再突入システムを起動させた。次第に回転が止まり宇宙船は安定を取り戻す。ジャネットはMCCに駆けつけた。対応に出たディークは、全てコントロールできていると話した。

ジャネットは、直ぐ宇宙船を帰還させろとディークに言い放ち、自宅外に居るマスコミに何が起きているかばらすと鬼気迫る表情を浮かべた。全て管理していると話すディークに、何も制御できないくせにと怒鳴りその場を去るジャネット。

1966年3月26日に開かれたジェミニ8号飛行後の記者会見。高みの見物で言いたい放題のメディアに対し、ニールはうんざりしていた。LIFE誌までもが嘲笑する様な見出しで雑誌を刊行し、普段感情を表に出さないニールが抗議の電話を入れた。

ピリピリするニールを静かに見守るジャネット。パットは、エドが宇宙飛行から帰還した後しばらくゾンビの様だったとジャネットに明かす。その頃、エドは、ディークからアポロ1号の飛行士に選定されたと通達される。一報を聞いたニールはエドを祝福した。

呼び出されたニールは、緊急事態に陥ったジェミニを上手く処理したと上司から言われ、思わず安堵する。そして、ニールもまた今後のアポロ飛行士の一員である事を伝えられるのだった。落ち着きを取り戻したニールの家には笑いが溢れた。

2人の息子と一緒にふざけるニール。ジャネットも顔を崩して笑う。ある晩、ニールはエドと近所へ散歩に出かけた。通りがかりにふとブランコを見かけたニールは、以前住んでいた家に設けていたブランコをカレンがとても気に入っていたと静かに言った。

死を間近に見続けたニール・アームストロング

1967年1月27日、アポロ1号発射の予行演習日。エド達は宇宙服を着て発射台へ到着する。飛行士達がコックピットへ入り、外からハッチが閉められた。同時刻にホワイトハウスで宇宙条約の交渉があり、ニールを含む宇宙飛行士達はNASAから出席させられていた。

コックピット内で火災が発生。エドを含む乗組員3人が全員死亡した。ディークから連絡を受けたニールはホテルに戻り、エドが挑戦しなければ成長は止まると生前インタビューで答えているテレビ映像を見つめた。

1968年、ニールは月面着陸用練習機の訓練飛行をしていた。突然機体のバランスが崩れ降下する。ニールは直ぐにパラシュートで脱出。地上に叩きつけられた練習機は爆発炎上した。命に別状は無いものの、ニールは怪我を負う。

この時代、宇宙飛行計画に対して社会の関心は高くなかったため、税金の無駄遣いだと揶揄する声やデモまで起きていた。国会議員から圧力を受けたNASA。しかし、ニールは宇宙飛行を成功させるために地上で失敗する必要があると上司に話した。

エドの死後、呆然と立ち尽くしたパットを見かけるジャネット。そこへ怪我をしたニールが帰宅する。何も語らず普段通りを装うとするニール。リックが嬉しそうに近寄り、遊ぼうと父に言うがニールは答えない。ジャネットは息子をたしなめた。

ある日、ディークは、全て計画通り運んでいると言い、月へ飛ぶのはアポロ11号に決定し、ニールに船長を任せると通達した。ニールは、「O.K」と答えた。

アポロ11号飛行前の記者会見で、船長を任命された時の感想を訪ねられたニールは、満足だったと静かに答えた。感情のこもらない表現に再度質問されるが、ニールは同じ返答を繰り返す。一方、バズは嬉しそうに冗談を飛ばす。

持ち込み許可された私物に、バズは妻の宝石を持参して自慢させてあげたいと話し、記者達に笑いがこぼれる。何を持って行くのかと質問されたニールは、許されるなら燃料を持って行きたいところだと返答。

家族会議

打ち上げまで宇宙ステーションで過ごす事を言い渡されたニールは、自宅で荷物を詰めていた。ジャネットは、2人の息子に行く前に話すと約束したはずだとニールに迫る。もう寝ている時間だとその場を避けようとするニール。

ブリーフケースを片付け始めたニールに苛立ったジャネットは、ブリーフケースを引っ手繰り放り投げた。エドの死後、パットは夫を、子供達は父を失ったと言い、まだ幼い2人の息子に帰還出来ない可能性をきちんと話せとジャネットは怒りを露わにした。

家族全員がダイニングに集まる。ニールは、月面に着陸するには、それ以前に多くの事が全て順調で無いと出来ないためランディングしないかもしれないと話し始めた。次男のマークはどの位家を空けるのかと父に尋ねた。

ニールは、10日後が打ち上げで、宇宙に8日間滞在、そして、帰還してから1ヶ月間は病気などを持ち込んでいないか見極めるために隔離施設に入ると答えた。誰か他に質問はあるかと訊くニール。リックは帰って来るんでしょう?と尋ねた。

ニールは、みなミッションに自信を持っているし、勿論帰還するつもりだと言った。ジャネットが家族会議を切り上げ、息子達に寝る時間だと諭す。マークは父を抱きしめて部屋へ戻る。リックは、握手を求めて手を差し出した。ニールは息子の手を握る。

38万キロの彼方へ

1969年7月16日、フロリダ州ケネディ宇宙センター、打ち上げの日。ニール・アームストロング、バズ・オルドリン、そしてマイケル・コリンズの3人は早朝にディーク達と朝食を取る。宇宙服を着て最終チェックが完了すると発射台へ行くバンに乗り込んだ。

NASAの局員達が拍手で見送り、駆けつけたメディアがフラッシュを焚く。エスカレーターで上がりコックピットに乗り込んだ3人の後方でハッチが閉まった。20秒からカウントダウンが始まる。窓から見える三日月を凝視するニール。エンジン点火スタート。

激しい振動の中、アポロ11号を乗せたロケットは月を目指し発射した。地上に広がる濃い灰色の煙からロケットが姿を見せ、上空へ垂直に昇って行く。遠くからは火の玉が登るようであった。大気圏に突入したロケットは最初の切り離しを開始。

秒速3万6千フィート(秒速1097メートル)で地球の軌道を離脱。ロケットと完全に分離した後、アポロ11号は衛星とドッキングした。宇宙飛行開始4日目、MCCから月の軌道に入り肉眼で見える頃だと通信が入った。漆黒に月のクレーターが浮かび上がる。

神経質になったマイケルは、戻って来いとニールに声を掛けた。MCCと連絡を取り合いながら、ニールとバズは月面着陸船・イーグルに移動した。MCCのカウントダウンで降下を開始。突然警報が鳴り始めるが原因は分からず、ニールは手動操縦に切り替えた。

しかし、眼前には大きなクレーターが広がっている。地表面まで50メートルを切り、降下用燃料の残量は6パーセントを示していた。それらの数字を読み上げるバズの横で、ニールは瞬き一つせず前方を見据え操縦桿を握っている。

月面まで6メートルに迫った所でクレーターの向こう側に辿り着く。イーグルは無事着陸に成功したとMCCに伝えるニール。見事なタッチダウンだったとバズはニールに握手を求めた。船内の減圧を完了しハッチを開けると、そこは無音の世界だった。

ハーネスを固定してタラップを降りるニールの呼吸だけが聞こえて来る。船外に取り付けられたカメラがニールの姿を捉えていた。タラップの軸足の上に立ち、月の表面を覆う粒子がとても細かくまるでパウダーの様だとニールは報告。そして、一歩を踏み出した。

「これは、1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」

ニールは、彼方に浮かぶ三日月の形をした青い地球を見つめた。次に月面へ降りたバズと一緒に砂を採取。ふと、まだカレンが生きていた頃、家族で夕暮れを過ごした事をニールは思い出す。月の表面をジャンプしているバズがニールの目の端に映る。

ニールの脳裏に、家族でピクニックへ行き、自分の腕の中で居眠りするカレンを抱いて川辺を歩いた記憶が蘇った。クレーターを前に立つニールは手の平を広げ、カレンが身につけていたブレスレットをそっと投げ入れるのだった。

地球では、大きなニュースとなり世界中を駆け巡っていた。1969年7月27日、帰還したニール達は予定通り宇宙センターの隔離施設に入る。部屋には月へ宇宙飛行したニール達を伝えるドイツ、ロシア、そして日本の新聞が置いてあった。

アームストロング家にはメディアが殺到。ジャネットは笑顔で対応し、隔離施設へ向かった。これからニールは4週間滞在する事になるが、病気の兆候等は今の所無いとディークから説明を受けた。一室へ案内されるジャネット。

ガラス越しに夫の姿を久しぶりに見る。ジャネットに気づいたニールが近づき、2人は向かい合って椅子に座る。お互い硬い表情で見つめ合う。ニールは指にキスをしてガラスに手を置く。ジャネットとニールの指がガラス越しに重なった。

『ファースト・マン』を観た感想

ファース・マンを見た感想ですが、実際の人物に似ていないのに本人に見えてくるのは、良い俳優の証だと言う人が居ます。正に、それが本作でニール・アームストロングを演じたライアン・ゴズリングです。

目立つ事を好まず人前で感情を出さない人柄、しかし、次男のマーク・アームストロング氏が証言する様に、冗談で人を笑わせる朗らかさを持ち合わせていたアポロ11号の船長。監督のデイミアン・チャゼルがなぜゴズリングを求めたのか分かる様な気がします。

マーク・アームストロング氏は既に4回映画を観ており、父の面影を思い出して毎回涙がこぼれると話します。長男のリック・アームストロング氏も同様のコメントをしており、実際に月へ飛び立つ前に家族会議をした時間に思いを馳せたそうです。

常に不在の夫を支えたジャネット・アームストロングをクレア・フォイが好演。1人で次男を生み、息子達を育て、且つ夫の帰還を待ちながら心を痛めた妻。後世語り継がれる夢を達成しますが、アームストロング氏の追った夢は妻が犠牲を払ったのです。

また、この映画の凄みは、膨大な情報を集めたチャゼルと脚本を執筆したジョシュ・シンガーの熱意です。チャゼルは、ジェミニ計画を理解するため結局宇宙工学を学んでおり、ゴズリングは数カ月に渡り飛行訓練を受けました。

8年掛けて書いた脚本は原作者やアームストロング氏の姉へのインタビューも含まれ、劇中における唯一の仮説は幼くして他界した娘のブレスレットを月へ持って行ったと言う場面です。尚、多くの宇宙飛行士が家族の品を持参する慣習が当時ありました。

実は、アームストロング氏が持参した私物のリストは、後に教鞭をとった母校のパデュー大学が所持しており、氏の意向で2020年まで封印されています。

また、特筆すべきはこの映画に一切のCGを使っていない事です。事実を本物通りに撮影したかったチャゼルの気概と言えます。アポロ11号の宇宙飛行士が実際に発射台へ向かう時に乗ったバンもその時の物ですし、アームストロング家の家も撮影の為に建てました。

ジェミニ8号に乗るアームストロング氏が浴びた太陽の場面は、太陽光の明かりを表現するのに、20万ワッツの電気量を使用。2回壊れたとチャゼルは笑って撮影秘話を明かしています。

編集を悩ませたのは、16ミリ、35ミリ、そしてIMAXフィルムをチャゼルが使い分けた事です。理由は、宇宙と月へ一緒に行く様な感覚を観客に経験して欲しかったからだそうです。40秒の無音で月を表現したのは音響を担当した2人の女性。圧巻の場面でした。

制作国のアメリカで本作を巡り騒ぎが起こりました。月面でアメリカの旗を立てる場面が無かった事に関し、他の宇宙飛行士同様に控えめなアームストロング氏は国や国境を越え人類の成果として見ていたと思う、とゴズリングが発言した事に端を発しています。

騒いだのは、本作を鑑賞もせず世界中でヒットしている事に便乗した政治家達。劇中には、エレベーターでアポロ11号のコックピットへ乗り込む宇宙飛行士がロケット側面のアメリカの国旗と「The United States」を見つめる所やケネディ大統領の演説があります。

この様に、アメリカが威信を懸けたミッションであった事は、きちんと描かれています。きっとこういう事をアームストロング氏は嫌っていたため、マスコミの前に登場するのを避けていたのかもしれません。目立ちたがり屋の政治家とは大きな違いです。

とてつもない夢を追い続けた沢山の男性とそれを支えた女性達が地球の歴史に金字塔を打ち立てた月面着陸。それを可能にした大勢の情熱とロマンをアームストロング氏に寄り添いながら見事に描いた本作に敬意を表して結びます。

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