映画『アリータ: バトル・エンジェル』あらすじ・ネタバレと感想!フル動画を無料視聴する方法も紹介

舞台は世界大戦後300年経過した26世紀の地球。町医者のダイソンによって永い眠りから蘇ったサイボーグ・アリータは、記憶を失って目覚めますが、少ししずつ戦士としての自分を取り戻して行きます。しかし、やがて街の支配者と対峙する事に…。木城ゆきと原作の漫画『銃夢』をジェームズ・キャメロンが実写映画化した『アリータ:バトル・エンジェル』。最強サイボーク・アリータが活躍するSFアクション映画です。

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『アリータ:バトル・エンジェル』作品情報

タイトル:アリータ:バトル・エンジェル

原題:Alita Battle Angel

監督:ロバート・ロドリゲス

脚本:ジェームズ・キャメロン、レータ・カログリディス、ロバート・ロドリゲス

原作:『銃夢』木城ゆきと

製作:ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー

公開日:2019年2月14日(アメリカ)、2019年2月21日(日本)

出演者:ローサ・サラザール、クリストフ・ヴァルツ、マハーシャラ・アリ、キーアン・ジョンソン、ジェニファー・コネリー、エド・スクライン、ジャッキー・アール・ヘイリー

『アリータ:バトル・エンジェル』概要

『シェイプ・オブ・ウォーター』の監督ギルレモ・デル・トロから『銃夢』のアニメを勧められたジェームズ・キャメロン。物語を気に入り原作を読んで実写化を決定。当初、自分が監督するつもりでしたが、『アバター』の続編製作に忙殺され、友人のロバート・ロドリゲスに本作の監督を任せます。『タイタニック』をプロデュースしたジョン・ランドーも製作に加わり、200億ドル近く投じて制作した映画です。

キャスト

主人公・アリータを演じるのは、オーディションで抜擢された『メイズ・ランナー』のローサ・サラザール。ダイソン・イド役は、タランティーノ映画で2度アカデミー賞助演男優賞を受賞したオーストラリア人俳優クリストフ・ヴァルツ、『ビューティフル・マインド』のジェニファー・コネリーがシレンに扮します。そして、マハーシャラ・アリが悪役・ザパンとして登場します。

『アリータ:バトル・エンジェル』あらすじ・ネタバレ

西暦2563年、世界が壊滅した戦争から300年後。空中都市ザレムから投棄される屑鉄場で、サイボーグ専門医のダイソン・イドが使えそうな部品を物色していた。奇跡的に損傷を受けていない人間の脳を持ったサイボーグの胸から頭部分を見つける。

サイボーグ・アリータ

ダイソンは、自分のクリニックへ持ち帰り修復した。目覚めたサイボーグに、ダイソンは痛みや違和感が無いか質問する。お腹が空いたと言うので、ダイソンはオレンジを手渡す。皮ごと食べて顔を歪めたサイボーグを見て、味覚も問題無いと安心した。

過去の記憶が全く無いサイボーグに、ダイソンは死んだ娘・アリータの名前をつけた。街を案内する間アリータからザレムの事を訊かれたダイソンは、戦後世界中から集まった人達が暮らすこの街からは誰一人行かれない空中都市だと説明した。

人がひしめく様に行き交う雑踏で、アリータは可愛らしい子犬に出会う。そこへ数体のロボットが現れる。通りがかりのヒューゴがアリータを助けようとするが、軽快な身のこなしでアリータはロボットに踏まれそうな子犬を抱き上げた。

部品を調達するヒューゴとダイソンは知り合いだ。アリータは、ヒューゴに魅かれるのを感じる。何者かに襲われて体のパーツを盗まれたサイボーグを修理するダイソンは、アリータに物騒なので日が暮れてから外出しないよう注意した。

クリニックから出て来たアリータを見たシレンは、元夫のダイソンが娘・アリータのために造った体をサイボーグに提供した事を知る。モーターボールで優勝者を作り出せれば、またザレムに戻れるので一緒に手を組もうとシレンはダイソンに持ち掛けた。

空中都市・ザレム

しかし、試合を牛耳るベクターを信用していないダイソンは断った。街角でヒューゴ達がモーターボールをしているのを見たアリータは仲間に混ぜてもらう。最初は戸惑うものの、持ち前の負けず嫌いな性格と身体能力で、アリータは短時間で上達。

すっかり仲良くなったヒューゴとアリータ。ヒューゴは、どんな事をしてもザレムへ行きたいと夢を語り、ダイソンがアリータを鉄屑場で見つけた事から、ザレムに居たはずだと言う。記憶の無いアリータは、捨てられた他のゴミ同様ちっぽけな存在だった筈だと話す。

記憶の断片

夜になり、アリータは外出するダイソンの後を付けた。ダイソンは犯罪者を狩る賞金稼ぎ。しかし、それを知らないアリータは止めに入り、逆にサイボーグのニシアナに襲われる。その途端、驚異の戦闘能力が目覚めたアリータはニシアナを簡単に撃退。

側に居た巨漢のグリュシカに対しても圧倒的な力で優位に立つアリータ。右肩をもぎ落されたグリュシカは地下へ逃走した。交戦中、過去に自分が戦場で闘っていた光景が蘇り、アリータは、自分が99と呼ばれていたとダイソンに話す。

大戦前の世には警察が犯罪者を取り締まっていたが、今では自分の様に登録されたハンター・ウォリアーと呼ばれる賞金稼ぎが治安維持の役割を果たしているとダイソンは説明した。

もっと自分の事を知りたいとアリータに頼まれたダイソンは、足の不自由だった娘のために造った体をアリータに与えた事、そしてクリニックに麻薬を求めて強盗に入ったサイボーグが娘を殺して以来賞金稼ぎになって犯罪者を殺害して来た事を話す。

ダイソンは、アリータの脳が健康的な10代のもので、反物質のマイクロリアクターで動く心臓だとスキャン画像を見せる。大戦以来現存しない技術であり、街を何年もまかなえる程の動力を持つと説明した。

シレンとベクターの所へグリュシカ逃れて来る。シレンがグリュシカの修理中、ノヴァがグリュシカの思考を乗っ取り、誰の仕業かと尋ねた。少女のサイボーグだと答えたシレンは、小さい体に反比例したパワーを持つ事に疑問を呈した。

ノヴァは、パワーでは無くパンツァークンストと言う特殊な戦闘技術をそのサイボーグが知っているのだと言い、グリュシカを再建して少女のサイボーグを抹殺して連れて来るよう命じた。

一方、闘う事で記憶が戻ると信じるアリータは、危険で手を汚す仕事だとダイソンが止めるのも聞かず、賞金稼ぎになると言いだす。ヒューゴは、アリータをモーターボールの観戦に連れて行った後、仲間と一緒に試合に勝ったキヌバを襲う。

戦士の体・バーサカー

目的は、シレンの指示でベクターから命じられ、鋭刃を持つキヌバの腕を奪う事だった。翌日、ヒューゴに街の外へ案内されたアリータは、過去にザレムから不時着した宇宙船へ案内される。アリータは、船内からバーサカーの体を見つけて持ち帰った。

バーサカーの体に替えて欲しいと頼むアリータに対し、アリータの戦闘を目の当たりにして全てを察していたダイソンは、最新鋭のサイボーグ戦士である元の生活へ戻したくないと断った。

反発したアリータは、勝手に賞金稼ぎとして登録を済ませ、ヒューゴを連れてバー・カンザスを訪れる。エゴイストなザパンに絡まれるが、アリータは瞬時にザパンの鼻っ柱を圧し折った。そこへキヌバの腕でアップグレードされたグリュシカが現れる。

ダイソンに助けられ目覚めたばかりのアリータが街で出会った子犬をグリュシカは虫けらの様に殺してしまう。それを見たアリータは子犬の鮮血を顔に塗り、邪悪な物を目の前にして黙ってはいないと言い放ちグリュシカに向かって行く。

しかし、強力になったグリュシカはアリータの体を鋭刃で刻んでしまう。それでも片腕だけでグリュシカの右目を失明させ一矢報いるアリータ。ヒューゴやダイソンが駆けつけて加勢し、グリュシカはその場を退散した。

ダイソンはアリータを抱いて帰り、バーサカーの体と融合させる。アリータがナノレベルでバーサカーと合致するのを見たダイソンは驚嘆した。ソファで寝入ったダイソンの頬にキスをして起こすアリータ。

嬉しそうに体を動かし、人差し指だけで逆立ちする様子を見せる。戦士の魂には戦士の体が必要なようだと呟いたダイソンは、その体は器に過ぎず、生かすか殺すかはアリータ次第だと優しく諭す。

新しくなった自分を見せに来たアリータを、ヒューゴは満面の笑顔で抱きしめる。自分がサイボーグである事が気になるかとアリータは尋ねた。ヒューゴは、今まで会った誰より人間らしいと答え、アリータにキスをする。

モーターボールで優勝すれば一緒にザレムへ行かれると2人で話し、アリータは左腕に99と書き込んで競技へ参戦。控室に来たベクターは、アリータを殺した者に賞金を与えると他の競技者に話す。

一方、試合会場へ向かっていたヒューゴをザパンが襲う。試合開始後、他を圧倒するアリータにヒューゴから助けて欲しいと連絡が入った。アリータは競技場を飛び出し駆けつける。

ザパンから殺人の濡れ衣を着せられたヒューゴだが、ザレムに行くためサイボーグ達を襲いパーツを売っていた事をアリータは知る。ザパンから致命傷を負ったヒューゴを抱きしめ涙を流すアリータを見たシレンは、ヒューゴの頭を切断。

脳をアリータの心臓に繋げて助けるのだった。シレンを見かけたザパンは裏があると察し、ヒューゴの頭を寄こせと尚も食い下がる。賞金稼ぎが他の賞金稼ぎの手柄を奪う事は窃盗と見なされ禁じられている事を逆手に、アリータはザパンの顔を削ぎ落とした。

ヒューゴはダイソンの手当てでサイボーグとして蘇る。事情を聞いたダイソンは、ヒューゴがベクターに騙されたのだと言い、モーターボールで優勝する以外ザレムへ行く方法は無く、決して買う物ではないとアリータに話す。

何故その事を知っているのかと尋ねられたダイソンは、自分がザレムに生まれ、その証である額のマークを除去した事を明かした。支配者・ノヴァの名前を聞いたアリータは震撼する。

同じ頃、シレンから報告を受けたベクターは、アリータの心臓を手にしていながら生かした事を咎めていた。理由を訊かれたシレンは、自分が医者であり、母親である事を思い出したからだと告げた。

全てから手を引くと言うシレンを引き留めるベクターは、ザレムに今すぐ戻してやると言う。しかし、シレンは、自分が望むものはザレムには無いと言い残した。

真の敵・ノヴァ

ヒューゴの復讐に燃えるアリータはベクターに戦いを挑む。シレンを殺し臓器を取り出したベクターは、特に人間の脳は実験で重宝すると言い、この街から生きて誰一人ザレムへ行かせるつもりなど無かった事を傲慢に述べた。

そこへグリュシカが現れ、不意を突いてアリータの脇腹を鋭刃で刺す。痛みに膝を突いたアリータだったが、以前の自分はザレムを破壊する目的を持っていた事を思い出す。立ち上がったアリータの脇腹の傷が自然に治癒して行く。

アリータは真の敵をやっと思い出したと言い、グリュシカがその敵の単なる奴隷に過ぎないと蔑んだ。最強の体を持つアリータは、一瞬にしてグリュシカを中心から切断。ベクターをマインドコントロールするノヴァに姿を表せと怒鳴った。

ノヴァが現れると、アリータはベクターを刺し、自分を過小評価したのは最大の間違いだったと言い放つ。ダイソンからヒューゴが鉄の街と繋がるパイプを登りザレムを目指したと聞いたアリータ。ヒューゴに追いつき、自分と一緒に街に残って欲しいと懇願する。

賞金稼ぎに狙われ逃げ回る事を最初は嫌がるヒューゴだったが、アリータと共に生きる決心をしてパイプを下りはじめた。しかし、その様子を見ていたノヴァがザレムの防衛装置を起動。アリータの様に高くジャンプ出来ないヒューゴの体が切断されてしまう。

寸での所でアリータはヒューゴの手を掴むが、重さでヒューゴの腕が千切れ始める。覚悟したヒューゴは、自分を救ってくれて有難うと言葉を残し落下してしまう。泣き叫ぶアリータ。

時が過ぎたある夜のモーターボール競技会場。満席の会場で歓声が上がっている。数ヶ月で頭角を現したアリータが優勝に向けて最初のチャンピオンズリーグへ臨もうとしていた。アリータが登場し、観客は熱狂する。

同じ頃、空に浮かぶザレムからノヴァがじっと会場へ視線を注いでいた。それを知っているかの様に、アリータは剣の先をザレムに向けて掲げ鋭い視線で見上げるのだった。

『アリータ:バトル・エンジェル』を観た感想

アリータは限りなく東洋人の少女に近い表情で、特に目が日本の漫画に登場する女の子の印象を受けるため親しみやすい主人公です。また、原作の『銃夢』を知らない人でもすんなり物語に入れる構成でした。

脚本を書いたジェームズ・キャメロンがキャラクターの重要性を力説する通り、ダイソンやヒューゴ等の人間、そしてザパン及びグリュシカ等サイボーグ達もそれぞれの個性が手を抜かずに描かれプロットにダイナミズムを生んでいます。

これまで自身が監督を務めた殆どの作品で脚本も執筆して来たロバート・ロドリゲスは、キャメロンだったらどうディレクションするかを常に念頭に置いて撮影を進めたとインタビューで語っています。質問があればメールで尋ね、その返答を基に修正。

これに対し、ロドリゲスには自由にやってもらうため撮影現場にはあまり足を踏み入れないようにしたが、つい照明の位置等を直したくなったりするとキャメロンは笑いながら二人三脚で取り組んだ工程を話します。

ヒューゴとの淡い恋はアリータの原動力となりますが、彼女を蘇らせ娘のように心を尽くすダイソンと築く父娘にも似た関係こそ物語の根幹です。シレンも同様に、忘れていた母性を取り戻し、アリータの想いを汲む為に命令に背いて命を落とします。

周囲に居る人間が愛情を注ぎ、その支える力がアリータを成長させます。決してサイボーグだから無敵なのではなく、チームワークがアリータを強くしたと言う所が日本らしさを表現しているように感じました。

また、キャメロンがVFX(視覚効果)の最先端だと信頼を置く、ピーター・ジャクソンが代表を務めるWETAデジタルがアリータを完成させました。『ロード・オブ・ザ・リング』全3作でアカデミー賞視覚効果賞を受賞した業績がある会社です。

アリータの表情や細かな感情を驚くべきレベルでCG化。ローサ・サラザールの圧巻の演技力が可能にしました。アリータが繰り広げる戦闘の動きも全てパフォーマンス・キャプチャーしており、毛穴まで再現したと製作のジョン・ランドーが明かします。

『イングロリアス・バスターズ』のクリストファー・ヴァルツは、今回も幅広い演技力を見せています。本作の様な大きなスケールのSFアクション映画に深みを与えているのがダイソンであり、街角に構える小さな診療所の医師だと捉えたヴァルツが見事に演じています。

遠い未来の話でありながら現在を投影している『アリータ:バトル・エンジェル』。興行収入で成功を収められれば続編を製作したいと、キャメロンは既に意欲を示しています。

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