映画『魂のゆくえ』あらすじ・ネタバレと感想!フル動画を無料視聴する方法も紹介

ニューヨーク州のファースト・リフォーム教会で牧師をするトーラーは、環境活動家に出会い大きな影響を受けます。次第に深くなる苦悩の先に決断した事とは…。批評家や映画通から絶賛された『魂のゆくえ』は、今も熱狂的なファンを持つ『タクシー・ドライバー』を書いたポール・シュレイダーが監督・脚本を務めた映画です。次々に話題作を世に送り出すA24が配給。

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『魂のゆくえ』作品情報

タイトル:魂のゆくえ

原題:First Reformed

監督:ポール・シュレイダー

脚本:ポール・シュレイダー

製作:クリスティーン・ベイコン、ダビド・イノホサ、フランク・マーレイ、ジャック・バインダー、グレッグ・クラーク、ビクトリア・ヒル、ゲイリー・ハミルトン

公開日:2018年5月17日(アメリカ)、2019年4月12日(日本)

出演者:イーサン・ホーク、アマンダ・サイフリッド、セドリック・カイルズ、マイケル・ガストン

『魂のゆくえ』概要

敬虔なキリスト教の家庭に生まれ育ちキリスト系大学へ進学した監督・脚本のポール・シュレイダーは、満を持して本作を数ヶ月で書き上げました。20日で撮影された本作は、2019年度アカデミー賞の脚本賞にノミネート。インディペンデント映画を対象とするインディペンデント・スピリット賞の作品賞、主演男優賞、監督賞、そして脚本賞にノミネートされています。

キャスト

この映画の演技で高い評価を得たイーサン・ホーク。主人公のエルンスト・トーラーを演じます。メアリー役には、『マンマ・ミーア』のアマンダ・サイフリッド、コメディアンとしても知られる『幽霊屋敷』のセドリック・カイルズがメガ・チャーチの牧師・ジェファーズに扮します。広く知られる名脇役マイケル・ガストンはエドワード・バルク役です。

『魂のゆくえ』あらすじ・ネタバレ

ニューヨーク州、ファースト・リフォーム教会。エルンスト・トーラー牧師が日記を書いている。

‐自分の考えや日常の出来事を日記に書きとめる事にした。手描きにした理由は、修正や削除してもそのこと自体が記録され、最初に記述した内容も残るからだ。1年間続けた後破って焼却する。この日記は思考を言葉にし、祈りを捧げるためのものだ‐

日曜の礼拝後、夫・マイケルと一緒に教会へ来ていたメアリーがトーラーに話しがあると言う。これからマイケルは仕事へ出かけるので、機会を改めて彼と会って欲しいと頼む。トーラーは快諾するが、理由を尋ねる。

マイケルは環境保護活動団体に関わってカナダの刑務所に収監され、2週間前に釈放されたばかり。メアリーが仕事を見つけてやるまでは殆ど家に籠りっきりだったと言う。

トーラーは、メガ・チャーチ(信徒数の多い大規模教会)のアバンダント・ライフ教会はもっと経験を積んだカウンセリングチームが常駐していると勧める。アバンダント・ライフはまるで企業だとマイケルが嫌っており、トーラーなら話すとメアリーは説明した。

更に、メアリーが妊娠している事を知ったマイケルは、こんな世の中に子供を産む事は間違えで中絶を求めている事をトーラーは聞かされた。

答えられない質問

翌日、約束通りメアリーの家を訪れたトーラーに、マイケルは環境問題を語り始めた。世の中はどんどん変化し、地球上の自然3分の1が破壊されるのが間近であり地中温度も3度上昇、そうなれば広範囲に取り返しのつかない大きな影響が及ぶ。

2050年までに海面は2フィート上昇し、バングラデシュは陸地の20パーセントを失う。中央アフリカは干ばつで穀物量が50パーセント減少、他地域も異常気象や伝染病に見舞われる。社会は同時多発する危機に対応できず混乱が生じるとマイケルは言葉を切った。

子供が生まれて年頃を迎えた時、世の中がこうなるとずっと知っていた筈だと尋ねられたら何と答えれば良いのか分からないとマイケルは苦悩を吐露した。

トーラーは、子供やメアリーは関係無く、マイケルが絶望し希望を失っている事の方が問題だと指摘する。マイケルはトーラーの過去について尋ねた。愛国心の強かったトーラーの家族は皆従軍。トーラーも妻の反対を押し切って入隊するよう息子に勧めた。

トーラーの息子は6ヵ月後イラクで戦死。妻は別居を望み、トーラーは軍を去った。自分を見失っていた頃、アバンダント・ライフ教会のジェファーズ牧師から今の牧師職を世話された。マイケルの絶望感は、子供を奪われた母親の絶望には匹敵しないと説得。

どうやって立ち直ったのかと訊かれたトーラーは、理由は答えを導かず勇気が絶望を解決すると答えた。希望と絶望を両方とも持つ事こそ人生その物だと補足する。

黙って聞いていたマイケルは、地球に対する人間の仕打ちを神は許すだろうかと質問した。それは分からないが、正しく生きる事は選択可能であり、信念と寛容、そして品格を守る事はできるとトーラーは答えた。また翌日会おうとトーラーは約束した。

夜、トーラーは日記に向かう。‐今日マイケルに言った事を反芻し、他に言い方は無かったのか、或いは、より良い言い方は無かったのか模索する。絶望は己のプライドが発展したもので、神の方が人間より創造性がある事を認めず、孤独を選んでしまう‐

トーラーは痛みを堪えながらトイレで用を足し、血尿を流した。翌朝、お酒にパンを浸して腹ごしらえをする。アバンダント・ライフ教会を訪れたトーラーは、ジェファーズ牧師とファースト・リフォーム教会の設立250年を祝う式典について話し合う。

ジェファーズは、式典の準備が順調に言っているか尋ねる。招待客の管理はアバンダント・ライフがしている事から、市長や州知事等多くが座れる場所がない事をトーラーは心配した。ジェファーズは5千人収容できるアバンダント・ライフと合同でやろうと提案。

納得するトーラーだが、オルガンの修理がまだ終わっていない事を報告した。ジェファーズは、オルガンの無い式典は考えられないと言った後、牧師も時には牧師が必要で、話をしにもっとアバンダント・ライフに訪ねて来るようトーラーを気遣った。

トーラーは、スタッフとして働く元妻・エスタ―と昼食を取り、多岐分野でビジネスを展開するバルク産業のCEOと会うよう言われた事を話す。エスタ―は、バルクの後ろ盾が無ければ、ファースト・リフォーム教会は駐車場になっていたので当然だと言った。

救えなかった心

その日、マイケルは仕事の都合で会う約束を延期して来たが、メアリーから至急家に来てほしいと連絡を受けた。トーラーが訪ねるとメアリーはガレージに案内し、マイケルが箱の中に隠していた自爆用のベストを見せ、起爆装置も一緒に入っていたと話す。

トーラーは自分が預かって処分し、上手く会話の中でマイケルにこの件を訪ねて見ると険しい表情をする。警察に届けても良い結果は生まれないだろうとトーラーは話す。

ジェファーズが手を回し、翌日にはパイプオルガンの修理が開始された。トーラーはマイケルと落ち合う公園へ向かう。雪が積もった雑木林に、ショットガンで自殺したマイケルの遺体が地面に倒れていた。

警察に通報し遺体が搬送された後、一緒にメアリーに事態を伝えに行く。トーラーは、また怪しげな物を見つけたら処分するよう助言した。マイケルは問題を抱えていたが、彼の大義は正当だと話した。メアリーは、自分も環境に対して同様の危惧を持つと呟く。

トーラーは、マイケルが自分当てに残した遺書を見つける。メアリーは、マイケルが全く別人になってしまい、子供を妊娠した事も最初は怒っていたと漏らした。

‐酷い夜だった。目を瞑った途端、孤独感に苛まれる。引き金を引く前、いったい何を考えたのだろう。神が見守っている?このページは破る事にする。日記を書いても平穏を感じられない。自分を憐れんでばかりだ‐

マイケルの遺言により、トーラーは水質汚染で遊泳禁止の看板が立つ廃棄物処理地で告別式をとり行った。アバンダント・ライフのコワイアがマイケルのリクエストした曲を歌い、メアリーが散骨をした。

トーラーは、ジェファーズを交えエドワード・バルクとカフェで会う。到着早々ファースト・リフォーム教会の式典で招待客に配る記念冊子を印刷してきたと言ってバルクは2人に渡した。

ジェファーズが当日の段取りを話し始めた途端、バルクは政治的な話は除外するよう割って入った。バルクは、「グリーン・アース・アクション・ムーブメント」と言う環境団体のホームページにマイケルの告別式の様子が写真で掲載された印刷を取り出す。

トーラーは、亡くなった人の意思に敬意を払ったと説明するが、これは政治活動であり、トーラーとコワイアがアバンダント・ライフを代表したとバルクは声を尖らせる。トーラーは、マイケルの質問をバルクにぶつけた。

神は人間が地球にした事を許すだろうかと訊かれたバルクは、環境の変化への議論はあるようだと言葉を濁す。トーラーは、97パーセントの科学者が変化は起きていると同意したと続けた。

複雑な主題だと言うバルクに対し、複雑では無くいったい誰が儲けているのかという問題に辿り着くとトーラーは言い返す。バルクは、式典では政治問題に触れるなと声を上げた。トーラーは、政治では無く神が望む事を話していると尚も食い下がる。

バルクは、神と個人的に話した事があるのか?神が地球に対する計画をトーラーに伝えたのか?と矢継ぎ早に質問した後、マイケルの遺体を発見し悩ましい気持ちは分かるが、他人を批判する前に自分を見つめ直せと言った。

トーラーと会ったメアリーは、姉夫妻の家に近々引っ越しお産まで一緒に住む事にしたと近況を伝えた。そして、様々思い出して辛いと言うメアリーに、マイケルの遺品を片付ける手伝いをトーラーは約束。

教会の虚像

遺品と共に持ち帰ったマイケルのパソコンから、環境汚染で死んだ動物、原発や石油精製所等自然を破壊する様々な情報に目を通す。お酒をグラスに注ぎ次々に飲み干すトーラー。そして、バルク産業に関する記事を見つけた。

CEOエドワード・バルクの笑った写真と共に会社のホームページを眺めながら、地域活動の紹介サイトをクリック。そこには、アバンダント・ライフ教会へ年間8万5千ドルの献金を送っている事が掲載。他の献金先に比べ突出した額であった。

体調の悪化をこれ以上無視できないと感じたトーラーは、病院へ検査に行く。胃カメラ検査をするため再来する事になった。胃癌を疑ったトーラーに対し、最近の医療は進み治療も様々可能だとした上で、医師は禁酒を命じた。

‐何故か突然気分が良いと感じる。早く起きすっきりした頭でその日の用事を即段取りする‐ トーラーは日記を書きながらグラスのお酒を飲み干す。クローゼットに保管しておいた自爆ベストを広げて見た後、パソコンで自爆テロを映した動画を眺めた。

ある日、トーラーは、幼い子供達を招き教会の成り立ちを説明する。ファースト・リフォーム教会の建物の真下に地下鉄道跡が残っていた。南部から北部を目指して逃げる奴隷たちにとって、当時この地は休憩所の1つとなっていた。

トーラーは、一画だけ異なる色の床を指差す。取っ手を摘まんで引き上げると、奴隷狩りから隠れた家族達が身を潜める小さなスペースが在った。トーラーは子供達に、ファースト・リフォーム教会に就任した最初の牧師がこの活動に熱心だった事を説明する。

追い詰められて

荷物をまとめて引っ越す準備を整えたメアリーはトーラーに教会の式典に出席したいと言う。トーラーは来て欲しくないと強く説得した。そして、トーラーはバルク社へ会社見学のツアーに参加。担当者は環境に配慮していると宣伝した。

日本料理店へ寄ったトーラーは、夕食に刺身を食べる。背後から笑い声が聞こえて振り返ると、バルクがテーブル席で熱燗や寿司を前に懇談していた。マイケルの散骨場所で一夜を明かすトーラー。‐全ての保存行為は創造活動だ。私は別の形で祈る方法を発見した‐

トーラーはジェファーズに呼び出され、健康について質問される。胃の調子が良くないだけだと答えたトーラーに、酒は止めろとジェファーズは忠告。2人は信仰と環境について論議になり、トーラーは、環境保護について教会は説くべきだと話す。

うんざり顔のジェファーズは、メガ・チャーチの運営は大変だと声を荒げる。現実社会に目を向けろと言われたトーラーは、誰かが行動するべきで地球は危機的状況だと必死の形相になる。

ジェファーズは、辛い時期だろうが式典が終わったら医療施設に入り治療に専念、或いはニカラグアへ赴いてゴスペルを教えたり住居を造る等現実的に生きたらどうかと話す。

顔を手で覆い聞いていたトーラーだが、式典に出られないなら仕方ないと言われた所で表情が変わる。自分の教会であり、250年を祝う日に立ち会いたいとジェファーズを真剣に見つめた。2人は、先ず式典に集中し他の問題はその後に検討する事で同意する。

式典当日。ファースト・リフォーム教会を訪れたジェファーズの姿がアバンダント・ライフの大広間の大画面に映し出される。髭を剃って身なりを整えたトーラーは、自爆ベストを着こむ。

修理されたオルガンから讃美歌が流れる中、バルクを始めとする有力者が続々着席する。窓ガラスから外を眺めていたトーラーの目に、式典冊子を受け取って中へ入るメアリーの姿が飛び込んで来た。

動揺し感情が爆発しそうになるのを抑えながら、トーラーは急いでベストを脱ぐ。シャツを脱ぎ、肌に直接有刺鉄線を巻く。時間が過ぎてもトーラーが現れないため、ジェファーズが隣の住居を訪れるが中から施錠されていた。

痺れを切らしたジェファーズは式典を開始。エスタ―が檀上で歌い始めた。グラスに入ったお酒を床に捨てたトーラーは、パイプ洗浄剤を注いで口に近づける。ふと入口に目を向けると、メアリーが立っていた。2人はお互い歩み寄って抱き合いキスをする。

『魂のゆくえ』を観た感想

1人息子を失い結婚が破綻したトーラーは教会の牧師として人生を新たに歩み始めたものの、過去を乗り越えられず常に孤独を感じています。自分自身を見つめるために始めた日記ですが、内に抱える悲観をより一層直視する結果になります。

そんな時出会った環境活動家のマイケルが赤裸々に訴えるこの世への絶望感は、トーラーの心に呼応。相手を励ます一方で、マイケルの質問に答えられなかった事実に苛まれます。それまで知らなかった教会と大企業の癒着が更にトーラーを追い詰めて行きます。

信仰心の強く正しく生きようと努力しても真実に目をそらす事が出来ず、自身の重い病も重なって深くなる苦悩から逃れられなくなり、遂にマイケルが辿った絶望の淵へトーラーも辿り着く過程がひしひしと伝わってきます。

映画には音楽が必要だと言われる中、殆ど登場人物の感情を音楽で表現しなかったポール・シュレイダー。イーサン・ホークの演技力だけで全てが物語られます。教会を叩くのではなく、社会に生きる人の無関心を問いかける見応えのある作品です。

昔から教会と政治は繋がっており、現在のバチカンを見てもよく分かります。企業とは利益を求める集団であり、献金を受ければその意向に配慮する仕組みが自ずと出来上がり、もはや神への信仰は二の次で教会の運営がより重要になる現実。

それを必要悪と捉えられるジェファーズとトーラーの温度差もきちんと描かれ、偽善的な教会の体質が浮き彫りになります。その醜悪さに耐えられなくなるトーラーが殺人を禁ずるキリスト教の教えに反し記念式典に集まる有力者を抹殺しようと企てる終盤。

信仰深いポール・シュレイダーのジレンマが伺えます。自殺を試みるトーラーの前にメアリーが現れるエンディングは憶測を呼んだエンディング。式典に姿を見せないトーラーを案じたジェファーズが住居を訪ねても鍵が掛かっている場面が事前に流れます。

それ故、メアリーが扉を開けられる筈は無く、トーラーとメアリーのキスシーンは、トーラーのそうあって欲しいと願う夢想だと言う説です。明確な論拠ですが、社会の在り方に絶望し病で死にゆく牧師の魂は最後に人の温もりを感じられたと思いたいものです。

人が精神的に壊れて行く様を描いた『タクシー・ドライバー』を彷彿とさせる本作。70年代に書いた同作以来、教会と企業の癒着と言う蔓延る腐敗に対し、クリスチャンのポール・シュレイダー自身が問題提起した渾身の作品です。

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