映画「ハリー・ポッターと賢者の石」のあらすじ・ネタバレと感想!キャストやラストの結末について解説!

ハリー・ポッターと賢者の石はイギリスの児童文学作家J・K・ローリングが1997年に発表するなり全世界的なベストセラーとなった大作ファンタジー小説“ハリー・ポッター”シリーズの１作目。
今回は小説発表から4年後の2001年に全世界待望の実写映画化された、記念すべき第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』についてのあらすじとネタバレ、感想をについてご紹介します。

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『ハリー・ポッターと賢者の石』の作品情報

監督候補には当初スティーヴン・スピルバーグも挙がっていましたが、最終的にはスピルバーグの元で脚本家として修業を積んできたクリス・コロンバスがメガホンを執っています。
脚本は第5作『不死鳥の騎士団』を除く全作品に携わることになるスティーブ・クローブス、印象的なテーマ曲をはじめとする音楽はアメリカ映画音楽会の巨匠の中の巨匠であるジョン・ウィリアムズが手掛けています。

『ハリー・ポッターと賢者の石』のキャスト

1999年にドラマ『デビッド・コパーフィールド』でデビューしたダニエル・ラドクリフが若干11歳にして主人公ハリー・ポッター役を射止め、本作がデビュー作となったルパート・グリントとエマ・ワトソンなどシリーズ全作品に出演することになるキャストが勢揃いしました。
そのほか、ダンブルドア校長役は次作『秘密の部屋』まで同役を演じたリチャード・ハリス、シリーズの最重要人物であるスネイプ役は名優アラン・リックマンが演じます。

『ハリー・ポッターと賢者の石』のあらすじ・ネタバレ

その時が来るまで…

イギリス・ロンドン郊外。
ホグワーツ魔法魔術学校のアルバス・ダンブルドア校長（リチャード・ハリス）教師のミネルバ・マクゴナガル（マギー・スミス）は、夜の住宅街で、ホグワーツの領地の番人である大男ルビウス・ハグリッド（ロビー・コルトレーン）と待ち合わせをしていた。
やがてハグリッドは空飛ぶバイクで赤ん坊と共に現れ、ダンブルドアたちは赤ん坊をとある一家に預けることにしたのだ。

その一家は“マグル”（魔法の力を持たない一般人）の中でも最悪な連中だと渋るマクゴナガルだったが他に預ける親戚はなく、一同はこの赤ん坊が“その時”が来るまで平穏な人生を送れるよう願いを込め、額に傷のついた赤ん坊“ハリー・ポッター”を預けてその場を去っていったのである。

ホグワーツへの誘い

10年後。
ハリー・ポッター（ダニエル・ラドクリフ）は、横暴な叔父バーノン・ダーズリー（リチャード・グリフィス）と意地悪な叔母ペチュニア（フィオナ・ショウ）、わがままな従兄弟ダドリー（ハリー・メリング）から虐待を受けながら成長していたのだった。

ダドリーの誕生日、ハリーは半ば強制的に一家の動物園行きに同行させられた。
そこでハリーは自分が蛇と会話をすることができることに気付き、なぜかダドリーを檻に閉じ込めて代わりに蛇を逃がすなどの不思議な力を発揮し初めていたのだ。

ハリーは“魔法”の仕業だというが、バーノンは聞く耳を持たずにハリーを階段の下の物置に閉じ込めてしまったのである。

ダーズリー家にフクロウがハリー宛の手紙を届けにやってきたが、バーノンは手紙の封を開くことなく破り捨ててしまった。
しかし、フクロウも諦めずに毎日のように同じ手紙を届け、遂には大量の仲間たちと共に何千通という大量の手紙を送りつけたのだった。

堪りかねた一家はハリーを連れ、海沿いの古い小屋に身を隠したのだ。

嵐の日、ハリーは11歳の誕生日を迎えた。
そこにハグリッドが現れ、ハリーには“魔法使い”の素質があるとしてホグワーツ魔法魔術学校への入学許可書を渡したのである。

絶対にハリーを行かせないというペチュニアは、かつて自分の妹（ハリーの母）もまた魔法使いの素質を認められてホグワーツ入りした日のことを語り、ハリーは両親と同じでまともじゃないと罵り出したのだった。

バーノンたちからダンブルドアの悪口を言われたハグリッドは、マグルの世界では禁止されている魔法を行使してダドリーに尻尾を生えさせ、一家が混乱している間にハリーを連れ出していったのだ。

ハリーの生い立ち

ロンドンに着いたハリーとハグリッドは、入学の準備をするために地下鉄で“ダイアゴン横丁”へと向かった。
酒場に入ったハリーたちは、そこで闇の魔術への防衛術の教授であるクィリナス・クィレル（イアン・ハート）ら魔法界の人間と接触したのである。

その後ハグリッドは金がないというハリーに対し、グリンゴッツ魔法銀行にハリーの両親の遺産を預けてあるといい、貸し金庫を管理する小人のゴブリン族から大量の金貨を見せられたのだ。

ハグリッドは別の金庫から小さな包みを持ち出したのである。
ハリーからそれは何かと問われたハグリッドは、これは今は秘密だと言うのみだった。

続いてハリーは老人オリバンダー（ジョン・ハート）の店で杖を手に入れたのだ。
オリバンダーいわく、杖は持ち主を選ぶものであり、その杖と同じ“不死鳥の尾羽”で作られた杖がもう1本存在するというのだが、オリバンダーはその持ち主は“名前を言ってはいけないあの人”とだけしか言えなかったのである。

おそらくその人物が両親を交通事故に見せかけて殺害したのだろうと推測したハリーはハグリッドに説明を求めると、ハグリッドはその人物が闇に堕ちた魔法使い“ヴォルデモート卿”（リチャード・ブレマー）であることを明かし、なぜかハリーだけが生き残ったこと、そしてハリーの額の傷が邪悪な呪いをかけられた際に出来たものだと伝えたのだった。

ヴォルデモート卿が唯一殺せなかったことから、ハリーは自分の知らぬ間に魔法界では知らない者のいない存在となっていたのだ。

仲間たちとの出会い

旅支度を済ませたハリーは、駅でハグリッドからロンドン発ホグワーツ行きの特急列車の切符を渡されたが、乗り場の「9の3/4番ホーム」への行き方が分からず、それにハグリッドはいつの間にか姿を消してしまったのである。

ハリーは迷った末に、同じくホグワーツに向かおうとしていたウィーズリー一家の後を追い、一家の母であるモリー（ジュリー・ウォルターズ）と娘のジニー（ボニー・ライト）から9番線と10番線の間にある柱をすり抜けるようアドバイスを受けるのだった。

無事列車に乗ったハリーは、車内でジニーの兄で同級生となるロン・ウィーズリー（ルパート・グリント）と知り合い、ロンの頼みで額の傷を見せてあげたのだ。

すっかり打ち解け合ったハリーとロンの前に、同じくホグワーツに向かう少女ハーマイオニー・グレンジャー（エマ・ワトソン）が声をかけ、壊れていたハリーの眼鏡を魔法で直してくれたのである。

ホグワーツの新入生

ホグワーツ駅に到着したハリーたち新入生は一足先に到着していたハグリッドに出迎えられ、数隻のボートに分乗して夜の魔法学校へと辿り着いたのだった。

到着早々、新入生はマクゴナガルから、それぞれ「グリフィンドール」「ハッフルパフ」「レイブンクロー」「スリザリン」からなる4つの寮に振り分けられることを説明されたのだ。
4つの寮は成績などに応じて得点付けがなされ、最優秀な成績を収めた寮は学年末に表彰されるというのである。
ハリーのところに性格の悪い名家出身のドラコ・マルフォイ（トム・フェルトン）が近づき、ロンをバカにしたような態度をとるとハリーに仲良くなってやってもいいと持ち掛けたが、ハリーは友だちなら自分で選ぶと返し、ドラゴの反感を買うのだった。

歓迎の儀式でダンブルドアは、新入生への注意事項として決して“禁じられた森”と校舎の4階には立ち入らないよう申し渡し、続いて寮の振り分けを行う“組み分け帽子（声：レスリー・フィリップス）による寮の振り分けが始まったのだ。
まずはロンとハーマイオニーが勇敢な者が集うグリフィンドールに決まり、ドラゴは数多くの闇の魔法使いを輩出しているスリザリン入りが決定、ハリーは組み分け帽子にどうしてもスリザリンは嫌だと伝え、その結果ロンたちと同じくグリフィンドール入りが決定したのである。

ハリーは闇の魔法に詳しいという魔法薬学教師セブルス・スネイプ（アラン・リックマン）の顔を見るなり、なぜか額の傷が疼いてしまったのである。

新入生たちはそのまま賑やかな会食に移り、“ほとんど首無しニック”（ジョン・クリーズ）をはじめとする“ゴースト”たちも歓迎してくれたのだった。

ホグワーツでの新生活

初日から遅刻してしまったハリーとロンは、猫に化けていたマクゴナガルにこってり絞られてしまった。
続いて授業を担当したスネイプは、何一つ質問に答えられないハリーに対し「名前だけ有名でも仕方ない」と冷淡な態度を取ったのだ。

自習時間中にフクロウたちが各生徒宛ての郵便物を運んできた。
ハリーにはグリンゴッツ銀行が何者かに襲撃され、以前ハグリッドがあるものを持ち出した金庫が狙われたと報じる新聞が届いたのである。

ハリーたちは飛行訓練担当のマダム・フーチ（ゾーイ・ワナメイカー）による箒を使った飛行術の授業に臨んだが、ロンやハーマイオニーは箒の扱い方に苦戦するのだった。
ハリーとロンのルームメイトであるネビル・ロングボトム（マシュー・ルイス）は箒を操り切れずに暴走してしまい、墜落して大怪我を追ってしまったのだ。

ドラゴはネビルの“思い出し玉”を奪い、止めようとしたハリーを挑発した。
ハリーは思い出し玉を取り返すために箒で飛び上がり、その類まれなる飛行の才能をマクゴナガルに認められ、伝統の球技“クィディッチ”の栄えある“シーカー”に史上最年少で抜擢されたのである。

ちなみにハリーの亡き父もクィディッチの選手として有名であった。

禁断の4階、トロールの襲撃

寮に入り損ねたハリー、ロン、ハーマイオニーは誤って禁断の4階に迷い込んでしまい、3つ首の巨大な“三頭犬”に襲われそうになるも何とか逃げおおせたのだった。
ハーマイオニーは三頭犬の足元に仕掛け扉があることを瞬時に見抜いており、何かを守っているのではと直感したのだ。

翌日、ハリーはクィディッチのキーパーである上級生のオリバー・ウッド（ショーン・ビガースタッフ）と共に練習を開始した。

ハロウィンの日、ハリーたちは呪文学教師のフィリウス・フリットウィック（ワーウィック・デイヴィス）から浮遊術の授業を受け、誰もが苦戦するなかハーマイオニーだけがあっさりと術を成功させたのである。
ロンは優秀なハーマイオニーをバカにした態度を取ってしまい、傷ついた彼女はトイレに閉じこもってしまうのだった。

ハロウィンパーティーの最中、学校内に怪物“トロール”が侵入したとの知らせが入り、全校生徒は寮に避難するよう命じられた。
ハリーとロンはハーマイオニーを助けるためトイレに向かい、彼女を襲おうとしていたトロールを激闘の末に気絶させ、無事にハーマイオニーを助け出したのだ。

マクゴナガルやスネイプらがその場に駆け付け、マクゴナガルはハーマイオニーにペナルティーとして5点減点を言い渡したが、ハリーとロンには特例としてそれぞれ5点ずつ加算されたのである。

しかし、ハリーはスネイプが足に怪我を負っていたことを見逃さなかったのだった。

翌日、ハリーはロンとハーマイオニーに、スネイプが怪我をしたのは彼がトロールを校内に招き入れ、混乱の隙に三頭犬から“あるもの”を奪おうとして噛まれたのではないかという推測を話したのだ。

クィディッチの試合

ハリーの元にフクロウが競技用の箒“ニンバス2000”を届けにやってきた。
ハリーはそれがマクゴナガルからの贈り物だと気付き、彼女とウィンクを交わしたのである。

遂にハリー属するグリフィンドールとスリザリンとのクィディッチの試合の日が訪れた。

グリフィンドールは序盤から順調に得点を重ねていったが、対するスリザリンはラフプレイで相手選手をダウンさせると同点に追いつくのだった。
そして突然ハリーの箒の動きが狂いだし、ロンとハーマイオニーはスネイプが呪文をハリーにかけていることに気付いたのだ。

ハーマイオニーはスネイプの服に魔法で火をつけ、観覧席が騒然とするなかハリーは落ち着きを取り戻して得点を決め、試合はグリフィンドールが勝利したのである。

試合終了後、ハリーたちはハグリッドにスネイプがしでかしたこと、そして三頭犬の守っているものとは何かを尋ねてみた。
ハグリッドは、三頭犬は自分の犬で名を“フラッフィー”というのであり、スネイプの行動に対しても疑いを抱かなかったのだった。

これ以上話せないというハグリッドだったが、うっかり口を滑らせて“ニコラス・フラメル”なる人物の名を話してしまったのだ。

みぞの鏡

ホグワーツにもクリスマスの季節が訪れ、ハーマイオニーはチェスに興じていたハリーとロンに一時帰省することを告げたのである。
ロンと共にホグワーツに残ることにしたハリーに、身に纏うと透明になる不思議な“透明マント”が贈られたのだった。

添えられた手紙によると、このマントはハリーの父の所有物だったらしい。
ハリーはこのマントを羽織り、真夜中の図書館の禁書の棚に潜入すると、ニコラス・フラメルに関する書物はないか探し始めたのだ。

ハリーは校内を見回る管理人のアーガス・フィルチ（デイビッド・ブラッドリー）に危うく見つかりそうになり、密かに抜け出したところ、廊下でスネイプがクィレルを脅している様を目撃したのである。

ハリーが落としたランタンを手にしたフィルチがスネイプに図書館への侵入者の件を報告している隙に、ハリーは近くの部屋に逃げ込んだのだった。

その部屋には大きな鏡があり、そこには死んだはずのハリーの両親（エイドリアン・ローリンズ、ジェラルディン・ソマーヴィル）の姿が映っていたのだ。

ハリーは早速ロンに鏡のことを伝え、二人で再び鏡の部屋に行くと、今度はロンが優秀な成績を収めたりクィディッチのキャプテンとして活躍する姿が映し出されたのである。
ロンはこの鏡は未来を見せるものだと言うのだが、両親は既に死んでいるハリーにとってはありえないことだった。

ハリーは再び鏡の部屋に行くと、そこにダンブルドアが入り込んできたのだ。
ダンブルドアいわく、この“みぞの鏡”は見る者の一番強い望みを映すものであり、決して真実や知識を与えてくれるものではないと話したのである。

ダンブルドアは更に、この鏡に魅了されて身を滅ぼした者がいることを明かし、この鏡を明日にも撤去するため二度と鏡を探さないよう忠告されたのだった。

賢者の石

年が明け、新学期が始まった。
ハーマイオニーは1冊の本から、ニコラス・フラメルの正体が錬金術師であり、恐るべき力を秘めた”賢者の石”の力であらゆる金属を黄金に変え、飲めば不老不死の力が得られるという”生命の水”を生み出した人物であることを知ったのだ。

フラッフィーが守っているのは賢者の石だと確信したハリーたちはハグリッドの元を訪れ、スネイプは石を狙っているのではないかと知らせたのである。
ところがハグリッドは、スネイプは石を守る先生のひとりであり、そんなことはありえないと否定するのだった。

続けてハグリッドは、パブで見知らぬ人物から入手したというドラゴンの卵を孵化させ、生まれたドラゴンの赤ん坊に“ノーバート”と名付けたのである。
ところがその様子をドラゴに見られてしまい、マクゴナガルはハリーたち3人とドラゴに夜中に寮を抜け出した罰として一人50点の減点を言い渡し、ついでにハグリッドの手伝いを命じたのだった。

禁じられた森

フィルチにハグリッドの元へと連れて行かれたハリー、ロン、ハーマイオニー、ドラゴは、ハグリッドに連れられて立入禁止のはずの”禁じられた森”へと足を踏み入れたのだ。
ハグリッドいわく、ノーバートはダンブルドアによってルーマニアへと送られたそうだ。

森の奥でユニコーンの血痕を見つけたハグリッドは、ハリーたちを二組に分けてユニコーンの捜索をさせたのである。
ハリーはドラゴと組まされ、森の奥へと進んだところ、黒いマントの男がユニコーンの生き血を飲んでいるところに遭遇したのだった。

ドラゴはハリーを置いて逃げ出し、危うくマントの男に襲われそうになったハリーは間一髪でケンタウロスのフィレンツェ（声：レイ・フィアロン）に助けられたのだ。

フィレンツェいわく、ユニコーンの血を飲んだ者はたとえ死にかけた命でも蘇らせることができるが、その代償として呪われるというのである。
ハリーは、マントの男の正体は今では肉体を失っているヴォルデモート卿だと気付き、スネイプが賢者の石を欲しているのは生命の水を生み出してヴォルデモート卿を完全復活させるためだと考えたのだった。

賢者の石を守れ

ハーマイオニーは、ヴォルデモートが一番恐れているのはダンブルドアであるため、彼さえいればハリーは大丈夫だと考えたが、やがてハリーの額の傷が再び疼き出してしまい、ロンやハーマイオニーは何か危険が迫っていると感じたのだ。

ハグリッドに会いに行ったハリーたちは、彼にドラゴンの卵を譲った人物もフラッフィーに興味を示しているらしいこと、そしてフラッフィーは音楽を聴かせれば眠り出すことを聞きつけたのである。

ハリーたちはダンブルドアに知らせようとしたが急用で不在にしており、やむを得ず自分たちだけで賢者の石を守ろうと決意するのだった。

ハリーたちはハグリッドにドラゴンの卵を渡したのはスネイプだと確信、夜を待って4階に向かうと、スネイプが予め仕掛けていたハープの音色によりフラッフィーは眠らされていたのだ。

ハリーたちはフラッフィーの足元にある扉を開けたところ、音色が途切れてフラッフィーが目覚めてしまい、ハリーたちは急いで床下へ落下していったのである。

途中、ハリーたちは無数の蔦に絡まれそうになるも何とか潜り抜けて更に地下へと進み、その場にあった箒に乗ると、羽の生えた無数の鍵の中からお目当ての鍵を手に入れたのだった。

部屋の中には巨大なチェス板と動く駒があり、ここはチェスが得意なロンが果敢にチャレンジ、自ら犠牲になって負傷しながらもハリーを先に進めることに成功したのだ。

ハリーはハーマイオニーにロンを任せ、一人で奥へと進んでいったのである。

黒幕

ハリーが進んだ先にいたのはスネイプではなく、みぞの鏡の前に立つクィレルであった。

クィレルは肉体をヴォルデモート卿に乗っ取られており、クィディッチの試合の時にハリーの箒を操ったのは自分であり、スネイプはそれを阻止する呪文を唱えていたことを明かすのだった。
トロールを呼び込んだのもクィレルの仕業だったのだ。

クィレルはハリーを鏡の前に立たせると、鏡の中のハリーはポケットから賢者の石を取り出したのである。
そしてハリー自身もいつの間にか石を手にしていたのだった。

クィレルはターバンを外すと後頭部に憑りついていたヴォルデモート卿が姿を現し、逃げ道を炎で塞ぐとハリーの両親の幻影を見せて揺さぶり、石を奪い取ろうとするが、ハリーの身体に触れたクィレルは魔力によって大火傷を負い、塵と化して崩れ去ったのだ。

再び肉体を失ったヴォルデモート卿はそのままいずこへと去っていった。

最優秀の行方

気を失ったハリーは救出され、寮のベッドで目を覚ました。
見舞いに訪れたダンブルドアは、ニコラスと話し合ったうえで賢者の石を破壊したことを明らかにし、ハリーが石を手に入れられたのは石が“使おうとは思わない者を選ぶ”こと、ヴォルデモート卿の脅威は完全に去ったわけではないこと、そしてハリーが助かったのは母の愛の力によるものであることを伝えたのである。

ロンやハーマイオニーも無事救出されていた。

入学から1年、学期末を迎えたハリーたちだったが、ハリーたちの属するグリフィンドールは最優秀の寮に与えられる表彰では最下位となり、スリザリンに首位を奪われてしまったのだった。
しかし、ヴォルデモート卿の野望を阻止したハリー、ロン、ハーマイオニーの勇気が讃えられ、新たに得点が加算された結果、何とグリフィンドールが逆転優勝を飾ったのだ。

ホグワーツ駅では、新学期までの間故郷に帰る生徒たちでごった返していた。
ハリーはハグリッドから、赤ん坊だった頃の自分が両親と共に写っているアルバムを贈られ、決してダーズリー一家に負けないよう励まされながら帰路に就いたのである。

『ハリー・ポッターと賢者の石』の感想とまとめ

1997年の発表から瞬く間に全世界を席巻した“ハリー・ポッター”シリーズ。
古典的な魔法の世界を現代社会に置き換え、主人公ハリー・ポッターと仲間たちとの友情、全寮制のホグワーツ魔法学校での生活、個性豊かなキャラクターたちと後々まで連なる伏線を各所に散りばめたストーリー、そしてシリーズを通じて最大にして最強の敵となる闇の魔法使いヴォルデモート卿との戦いなど様々な要素を織り込んだ本作シリーズは日本でも熱狂を持って迎えられ、生活保護を受けるなど貧困に苦しんでいた原作者J・K・ローリングが一気に人気作家の仲間入りを果たして億万長者にのし上がるという現代版シンデレラストーリーと合わせて大きな話題となりました。

本作で大役を射止めた当時子役のダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンのメイン3人組は、本作から10年後の2011年に公開される最終作『死の秘宝 PART2』までの7部作・8作品全てで主役を張り、キャラクターの成長と共にあどけなさの残る若き出演者たちがイギリス映画界や演劇界の大物・重鎮たちとの共演を経て大人の役者として成長していく過程も楽しめる作品シリーズとなりました。

全世界で10億ドルに迫る大ヒットとなった本作は日本でも興行収入200億円を超えるメガヒットとなり、2019年現在では『千と千尋の神隠し』『タイタニック』『アナと雪の女王』『君の名は。』に次ぐ日本公開作品の歴代5位となる好成績を収め、後に大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンにハリー・ポッターの世界観を忠実に再現した一大アトラクションが設けられるまでになりました。そして本作およびスピンオフ作品シリーズ『ファンタスティック・ビースト』を含むシリーズ作品としての全世界興行収入は2019年現在であの“アベンジャーズ”を擁するマーベル・コミックの作品群“マーベル・シネマティック・ユニバース”に次ぐ第2位の座を“スター・ウォーズ”シリーズと激しく争っており、文学作品を原作とする映画シリーズとしては最大のヒットシリーズとなっています。スター・ウォーズシリーズは残り1作品で完結を迎え、ファンタスティック・ビーストは残り3作が製作されることが決定しており、またダニエル・ラドクリフが将来的なリブート（再起動）についても言及していることから、いずれスター・ウォーズシリーズを抜いて単独2位になる時も近いでしょう。

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