【完全暴露】映画『シン・ゴジラ』あらすじ・ネタバレと感想!ゴジラは野村萬斎!?

2016年夏に日本中を席巻した「シン・ゴジラ」はブルーリボン賞作品賞、キネマ旬報ベスト・テン脚本賞など数々の映画賞に輝いた。

『ゴジラシリーズ』29作目の映画となる「シン・ゴジラ」は東宝が制作する日本のゴジラシリーズとしては2004年の『ゴジラ FINAL WARS』以来、12年ぶりの作品となる。

シン・ゴジラの予告動画

シン・ゴジラの作品情報

タイトル:シン・ゴジラ
監督:庵野秀明(総監督)
樋口真嗣(監督・特技監督)
脚本:庵野秀明
製作:市川南
公開日:2016年(平成28年)7月29日
出演者:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、市川実日子、平泉成、大杉漣、野村萬斎

「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズでお馴染みの庵野秀明監督。その庵野監督が新作エヴァの続編制作を延期してまで作り上げたと言われているのが「シン・ゴジラ」だった。
私はゴジラシリーズ、エヴァシリーズ共にほぼ全てを見ている、「シン・ゴジラ」を見るまでは「ゴジラ」を「エヴァ」の監督が撮るということに拒否反応を示していた。庵野監督が特撮好きとは知らず、エヴァとジブリのイメージしかなかった為だ。だが、そんな拒否反応は予告編が公開された時点で早くも払拭された。

シン・ゴジラのキャストについて

この作品には、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみといったメインキャストをはじめとする総勢328人の出演者が登場。
人気俳優のカメオ出演も多く、一瞬のすきも見逃せない映画となっている。

そして今回一番注目したいのがゴジラの動きだ。
狂言師の野村萬斎(50)が、シン・ゴジラを演じているのだ。
現実の人物や物体の動きを、デジタル的に記録するモーションキャプチャーが使用された。
野村の動きをフルCGで作成しゴジラの動き反映させている。
日本の映画界が誇るゴジラ。その動きに日本の伝統芸能である“狂言”のDNAが加わったのだ。
英語では“Godzilla”「GOD(神)」が表記されるこの怪獣をより「神」として存在させるため、このような演出が加えられたのだろう。

シン・ゴジラのあらすじとネタバレ

ゴジラの上陸

東京湾内羽田沖で漂流中のプレジャーボートが発見された。
海上保安庁職員が船内を調査するが遺留品はあるものの中は無人だった。

その時、海面が大きく揺れ水蒸気が噴出し始め、東京湾横断道路・アクアトンネル構内では走行中の車両数台が巻き込まれる事態となった。

一報を受けた日本政府は緊急会議を招集し、情報収集を急いだ。
局地的地震なのか。海底火山の噴火なのか。東京湾内は封鎖された。

官邸・総理執務室では大河内清次内閣総理大臣(大杉連)、東内閣官房長官(柄本明)、赤坂秀樹内閣総理大臣補佐官(竹野内豊)たち閣僚が対策を協議する。

海中に熱源が確認されるために海底火山、または大規模熱水噴出孔の意見に傾く中、内閣官房副長官の矢口蘭堂(長谷川博己)は、総理に海底に巨大な生物がいる可能性を示唆する。
当初はものの取り合ってもらえなかったものの、巨大不明生物の尻尾のようなものがテレビで大きく報じられ、矢口の巨大不明生物生存説が立証された。

巨大不明生物は水蒸気を吹き上げながら船舶、橋梁を破壊し、呑川を上っていく。
尾頭ヒロミ環境省自然環境局野生生物課長補佐(市川実日子)は、肺魚のような脚の存在を推測し、上陸の可能性も示唆するが受容されない。

やがて巨大不明生物は東京都・蒲田に上陸、人々がパニックに陥るなか、障害物を壊しながら蛇行と後脚で移動していく。
官邸は対策に翻弄される中、ようやく緊急対策本部が設置された。

巨大不明生物は品川方面へと進行していく。

自衛隊による防衛

巨大不明生物は進行を続け、被害は拡大されていく。
小塚東京都知事(光石研)が自衛隊の治安出動を要請する中、官邸・地下危機管理センターでも武力攻撃、防衛出動の是非をめぐって議論が交わされていた。

矢口、赤坂、東たちは総理に災害緊急事態の布告の宣言を迫る。

躊躇するものの、総理は戦後初の防衛出動を決定した。
財前統合幕僚長(國村隼)が駆除作戦を立案、木更津駐屯地より自衛隊が出動した。

その頃、巨大不明生物は品川湊に達していたが、船橋場付近で突然停止する。
なんと前脚部分が割れ、腕が形成される。急速に膨張し、まるで進化するかのような巨大不明生物。

陸上生物に特化した第3形態へと変態を遂げた巨大不明生物は咆哮をあげると、八ツ山橋方向へ二足歩行を始めた。

京急本線・北品川駅が巨大不明生物の尻尾で破壊される。
上空に対戦車ヘリコプター隊が達し、作戦展開区域の住民避難完了との報を受けた花森防衛大臣(余貴美子)が射撃命令を総理に促す。
巨大不明生物を追従する自衛隊に射撃開始が告げらたが、射線上に逃げ遅れた住民が確認されたため、総理は攻撃中止を命じる。

その時、巨大不明生物の背中が赤く発光を始め、咆哮の後に向きを変えると、京浜運河を経て東京湾へと去っていった。

ゴジラの探求

上陸から2時間。死者・行方不明者合わせて100人超となる大惨事となった。
政府は矢口を事務局長とした「巨大不明生物特設災害対策本部」(巨災対)を設置した。

巨大不明生物のエネルギー源は何か。まさか核分裂……。
都内の放射線量に軽微な上昇が認められ、巨大不明生物の移動ルートと空間線量分布図が一致した。

そんな中、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が矢口を訪ねてくる。
カヨコは上陸した巨大不明生物の存在を数年前から予言し、7日間に成田空港に降り立った「ゴローマキ(牧悟郎)」という人物を探してほしいと要請した。
その人物は元城南大学統合生物学教授で日本から追放されるように米国に渡り、エネルギー関連の研究機関に帰属した老人だった。

先に発見された羽田沖の無人のプレジャーボートは彼の所有物と分かった。
そのボートに残されていた情報をカヨコに渡す。

表には「私は好きにした。君らも好きにしろ」、“呉爾羅”と記されていた。
カヨコが差し出したファイルにも“Godzilla”とある。

それは米国エネルギー省(DOE)によるコードネームで、呉爾羅は牧の故郷の大戸島で神の化身を意味する。
そこで、矢口は日本名で「ゴジラ」と名付けることにした。

巨大不明生物の正体は太古から生き残っていた深海海洋生物だった。
60年前、各国が深海に捨てた大量の放射性廃棄物を食べ、適応進化した生物がゴジラだったのだ。
生物の存在を知ったDOEは牧が所属する研究機関に調査、分析させた。

太古から生き延びた海洋生物の生息地域に放射性廃棄物が投棄され、その影響下でも生き残る耐性を持つ生物へと変化したというのが牧の仮説だった。
牧の遺品である解析表を示すカヨコ。
米国に遺された最終データにこれを合わせると完全版になるという。

巨災対では、これらのデータやゴジラの行動を分析し、ゴジラはおそらく体内に生体原子炉を有し、背びれなどから放熱していると思われた。
だが、前回の上陸時に海に突然戻ったことから見て、メーンは血液を冷却機能としている可能性が高いとされた。

そこから考えられる対処として血液冷却機能の強制停止を行う為、血液凝固促進剤の経口投与が有効だとし、矢口プランが発案された。

ゴジラと自衛隊の攻防

初めての上陸から4日後、前回の2倍近くの大きさに進化した第四形態のゴジラが鎌倉に再上陸した。

政府は再びの都内進行阻止の為、多摩川を絶対防衛線と定め、多摩川河川区域を主戦場とするB-2号「タバ作戦」が開始される。
「タバ作戦」は、放射線による被害を最小限に抑えるため頭部と腹部へ集中して攻撃が行われることになった。

三沢基地から戦闘機F-2、木更津駐屯地からAH-lS、立川駐屯地から戦闘回転翼航空機AH-64Dが発進した。
多摩川河川敷に機甲科と特科大隊が終結し、武蔵小杉駅上空に対戦車ヘリ中隊が待機する。

航空戦力、地上戦力ともに作戦を実行したが、巨大化したゴジラに傷一つつけることが出来ず、前進基地や地上部隊は戦闘不能に陥った。
爆煙の中から姿を現したゴジラは、多摩川を越え東京都内に侵入。タバ作戦は失敗した。

ゴジラの覚醒

ゴジラは目黒区内に侵入した。
内閣官房長官は記者会見を開き、日米安保条約に基づく駆除協力を在日米軍に要請したことを国民に知らせる。

しかし米軍による爆撃範囲は予想以上に広く、多くの国民は地下鉄や地下街に緊急避難させられ、交通・輸送機関は麻痺状態となった。
ゴジラの予想進路内に官邸も入ったため、政府も官邸機能を移動させざるを得ない状況となり、総理に退避を進言。

総理は国民を置いて行くことに難色を示したが、東京都民だけでなく国民を守ることが義務だと説得され官邸を捨てることを決意。
総理や閣僚はヘリで移動し、矢口も車で緊急避難した。

そして米軍によるゴジラへの爆弾投機が開始された。
地中貫通型爆弾MOPⅡがゴジラに命中し、体液が飛び散った。
だが、次の瞬間ゴジラは激しく咆哮すると、背中からら紫の光を放ち始める。

さらに口内から、熱焔を吐き出し、街中が炎に包まれた。
次いで熱焔は急速に収束し、熱線へと変化していき、上空の戦略爆撃機は撃墜された。

ゴジラの背後から回り込みMOPⅡを投下するも、背中からも熱線が放射され、米軍の戦闘機は次々と墜落していった。

総理と閣僚が乗ったヘリも熱線を浴びて爆発し、総理以下11名の閣僚が死亡した。
東京を火の海にしたゴジラは燃料を使い果たしたのか、眠るようにその場に停止した。

日本の存亡危機

官邸機能は立川広域防災基地内の災害対策本部予備施設に移管。
内閣総理大臣臨時に里見祐介農林水産大臣(平泉成)が任命された。

矢口は巨大不明生物統合対策本部副本部長、赤坂は内閣官房長官代理に就任。
巨災対の活動が再開された。
その調査分析結果からゴジラの無生殖による個体増殖の可能性が指摘される。

個体が群体化し、小型化、さらに有翼化して世界へ…。
アメリカではゴジラが西海岸への上陸の可能性があるとのレポートが上がったため、アメリカはゴジラに対する熱核兵器の使用を主張。
国連大使が安保理に対し多国籍軍による設置考査を始めていた。
カヨコはそのことを矢口に告げる。
アメリカのペンタゴンではすでに核爆弾を落とす計画が立てられており、カヨコにも国外退去命令が出ていることからその可能性の高さが分かった。
しかしカヨコは祖母を不幸にした原爆をこの国に3度も落とす行為を祖国にさせたくないと言い、日本に残る。

日米首脳会議では、米軍を中心とした多国籍軍が国連安保理に決議され、当事国として日本の参加が決定。核兵器使用が容認されたのだった。
矢口は赤坂に対し、凍結プランでの可能性もあると再考を要求する。
しかし赤坂は凍結プランには不確定要素が多く実現が間に合わない可能性があることと、核攻撃を容認すれば、戦後日本の復興の為に世界各国から全面支援が約束されるとし復興を見据えて行動すべきだと要求を跳ね除けられる。

矢口は対策室に戻り現状を報告。
国連は核攻撃をするが、実行するまでまだ時間がある。
諦めず、必ずこの国を見捨てずにやろうと凍結プランの確立を急いだ。

多国籍軍の推測するゴジラの活動再開は360時間後。
攻撃の準備が進められる中、人道的配慮により都民の避難が優先され、東京や近郊住人約360万人の疎開が開始された。

牧元教授のデータ解析が急がれる中、ふと牧元教授のプレジャーボートに折り鶴が残されていたことをヒントに、資料を折り鶴型に折ってみると、新たな解析パターンが形状された。
それを世界中のあらゆる機関に牧元教授の解析表を送り解読を要請。
解読が進み、高抑制剤を同時に投与すればゴジラ凍結に効果的である可能性が高いことがわかった。

ゴジラの活動凍結を目的とする血液凝固剤経口投与を主軸とする作戦、「ヤシオリ作戦」が実行されることになった。
カウントダウンは残り2日。抑制剤の最低量の製造確保に3日はかかる。
政府はフランスを動かし、秒読みの中止を申し入れた。

カヨコも同調し凍結プランを推進すべきだと、米軍との共同作戦を矢口に提案する。
必要最低限の抑制剤が確保され、日米共同による対ゴジラ総力戦、「ヤシオリ作戦」の火蓋がついに切られる。

ゴジラとの決戦

ゴジラのエネルギーを全て放出させるため、無人戦闘機や無人運転の列車による攻撃が始まった。
ゴジラの熱線により、次々と戦闘機や建物が破壊された。

次第にゴジラは燃料切れとり停止。コンクリートポンプ車などでゴジラに接近し、倒れたゴジラの口から凝固剤を投与。
ゴジラは目覚め再び熱線を発するも、動きは鈍く効果が見られた。
攻撃を加え再びゴジラを転倒させることに成功。再度口から薬を投与していく。

やがて血液凝固剤は投与量100%を突破。
ゴジラは再び立ち上がったが、そのまま停止し凍結した。

米軍の核兵器による攻撃まで1時間というギリギリのラインでヤシオリ作戦は成功したのだった。
日本は最悪の事態を免れたが、ゴジラにより東京は壊滅的な被害を受け、首都機能は麻痺、政府も機能不全に陥っていた。
ヤシオリ作戦は成功したが、残された傷跡は大きく今後の復興に向け大きな課題が残った。
しかし幸いにもゴジラから放出された放射線物質が、2~3年で影響がなくなるとわかった。

東京凍結されたゴジラ。
ゴジラの尻尾には、数々の人間の身体のようなものが見られた。

シン・ゴジラの感想

私は初代ゴジラの大ファンでほぼ全作見てきた。また、エヴァンゲリオンもほぼすべて見ている。
両方見ていたからこそ何度噛んでもおいしい、ファン必見の作品だったと思えた。

まずは「ゴジラ」
題字が初代の「ゴジラ」と同じ感じだったのがまずはよかった。
そして内容だが、原点回帰といえるものだったと感じた。

初代ゴジラは戦後の復興の中に現れ、放射能という原爆を彷彿とさせるキーワードを纏って現れた。

また、このゴジラを封じる方法として開発された大量破壊兵器『オキシジェン・デストロイヤー』は原爆以上の惨禍を引き起こすとして使用をめぐって意見が分かれる。
最終的には人類が同じ過ちを起こさないだろうという「人類への信頼」から兵器使用となる。

次にゴジラの表現だが、2作目以降徐々に顔のデザインや動きも含め、コミカルなっていったが、今回は圧倒的な破壊力と恐怖を表現されていたのではないか。
正直、第1形態のゴジラが出てきたときは「え、なにこれ…」とかなり不安を覚えたが、第3形態になったとき心の中で謝った。

劇中の音楽についてもエヴァンゲリオン調のものが多く、がっかりしていたが「ここぞ!!」というところで伊福部昭の「March」がかかり、勢いがついた。
やはり「ゴジラ」には「伊福部」であると再認識させられた。

次に「エヴァンゲリオン」
今回の「シン・ゴジラ」はとにかく会議が長かった。
大杉連が演じる大河内総理がコミカルさを演出しているが、早口での展開や事態がどんどん悪化していく様は、エヴァの使徒襲来時ときわめて類似している。
特にBGMはヤシマ作戦のものが使われていた。

さらに、ゴジラが一度目の上陸から海に戻った後の事後対応のシーンでは「ミサトがビールを飲んでいそうだな」と思わずにはいられなかった。

シンジ的なキャラはいなかったが、カヨコはアスカ、尾頭は綾波レイのように思えた。
花森がミサトかと言われると微妙だが、まぁ近いような気もする。

最後に総力戦「ヤシオリ作戦」
言わずもがな「ヤシマ作戦」が彷彿とされた。

総力戦とする作戦内容も酷似しているが、3.11の際に電力不足となり計画停電などが実施される中、そのような状況をTwitterで「ヤシマ作戦」として励ましあったことを思い出した。
そのような社会現象も含め、総力戦「ヤシオリ作戦」が出来上がったのではないか。

今回のゴジラは3.11を彷彿とさせる「放射能・原発」という要素も見えた。
3.11直後国民を震撼させた放射能漏れ及び「マイクロシーベルト」という放射能の濃度を示す単位だ。
映画中に久しぶりにその単語を聞いたが、福島ではまだこの恐怖が隣に存在しているということ忘れてはならない。

この映画の中に散りばめられている、第二次世界大戦の大日本帝国の過ちと、3.11の教訓を改めて感じ、改めてもう一度見るのも良いのではないか。

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