映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のあらすじ・ネタバレと感想!フル動画を無料視聴するには?

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』は『ジュラシック・パーク』(1993年)の続編で、シリーズ3部作の2作目になります。イスラ・ヌブラル島で開園予定だったジュラシック・パークでの惨劇から4年後、イスラ・ソルナ島で起こる恐竜と人間の戦いを描いたSFパニック作品です。

前作で登場したイアン・マルコム博士が加わった恐竜調査隊と恐竜ハンター隊という人間同士の対立が描かれ、新しく登場する恐竜の姿も楽しめる『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』についてご紹介いたします。

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『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の作品情報

タイトル:ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

原題:The Lost World:Jurassic Park

原作:マイケル・クライトン『ロスト・ワールド-シュラシック・パーク2-(The Lost World)』

監督:スティーヴン・スピルバーグ

脚本:デヴィッド・コープ

製作:コリン・ウィルソン/ジェラルド・R・モーレン

公開:1997年5月23日(アメリカ)1993年7月12日(日本)

出演者:ジェフ・ゴールドブラム/ジュリアン・ムーア/アーリス・ハワード/リチャード・アッテンボロー/リチャード・シフ/ヴィンス・ヴォーン など

『ジュラシック・パーク』(1993年)はマイケル・クライトンの同名小説の映画化でしたが、本作は原作小説と映画の制作が同時進行だったこともあって、それぞれの内容は大きく異なっています。

前作で脚本作りに加わったマイケル・クライトンは本作では参加せず、脚本を手がけたのは前作も脚本を担当したデヴィッド・コープのみとなりました。デヴィッド・コープはスピルバーグ監督作品の『宇宙戦争』(2005年)、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』でも脚本を担当しています。

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のキャストについて

『ジュラシック・パーク』(1993年)では脇役だったものの、本作では主人公のイアン・マルコム博士を演じるジェフ・ゴールドブラムは、本作では体操部に所属する娘がいる父親ですが、2014年に彼が結婚した女性は新体操の元オリンピック選手でした。

あらゆるジャンル、そして映画監督の作品に出演しているジェフ・ゴールドブラムは、デヴィッド・コープの初監督作品の『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』(2015年)にも出演しています。

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のあらすじ・ネタバレ

4年前、開園予定のジュラシック・パークで惨劇があったイスラ・ヌブラル島から、南西140キロの位置にあるイスラ・ソルナ島。通称はサイトBという島の浜辺で、船でやって来た親子が昼食を楽しんでいる。娘のキャシー・ボーマンが父親のポール、母親のデオドラから少し離れてローストビーフのサンドウィッチを食べていると、目の前に大きめのトカゲのような1匹の生き物が現れた。

キャシーが怖がることなくサンドウィッチを与えると、彼女の周囲にそのトカゲのような生き物がたくさん集まってくる。実は、その生き物はコンプソグナトゥス・トリアクシスという恐竜だった。キャシーはその恐竜の群れに囲まれて襲われたが、彼女の悲鳴を聞いて両親や船員たちが駆けつけたため軽傷ですむ。

その頃、数学者でカオス理論の権威であるイアン・マルコム博士は、地下鉄の車内で彼のことをテレビ番組で見たという乗客にからまれていた。彼が向かっていたのはジュラシック・パークを作った人物であり、ハモンド財団の創設者であるジョン・ハモンドの屋敷で、彼を呼んだハモンドの孫のレックスことアレクシス、ティムことティモシーのマーフィー姉弟と再会する。

そこに現れたのはハモンドの甥であり、キャシーの事件を契機に役員会でハモンドを解任してインジェン社の社長となったピーター・ルドローだった。ルドローはイスラ・ヌブラル島で見たことを発表しないという事前の約束を盾に、恐竜によって3人が亡くなったことを隠した報告をしているのだ。そのせいで、事実をマスコミに話したマルコムは世間から嘘つき呼ばわりされている。

マルコム博士に調査を依頼するハモンド

病床のハモンドは、実は恐竜は飼育地のサイトBで孵化させ、数か月育ててからイスラ・ヌブラル島のパークに移していたと話した。パークでの惨劇のあと、ハリケーンに襲われたサイトBの施設は壊滅状態となり、インジェン社は撤退して恐竜を自然に返したという。遺伝子操作でリジンというアミノ酸の酵素が作れないため死ぬはずの恐竜は繁殖し、サイトBに誰も近づけないようにしてきた。

だが、実権を失ったハモンドは、倒産の危機にあるインジェン社内部でサイトBを利用しようと画策する者たちを抑えられなくなる。それで島を守るため世論の応援を得ようと恐竜調査隊の派遣を行うことにしたのだ。金を積んで雇ったドキュメンタリー映像作家のニック・オーウェンと野外装備専門家のエディ・カー、そして古生物学者という調査隊への参加をハモンドはマルコムに依頼する。

「せめてもの償いだ」と言うハモンドにマルコムは「他の3人に連絡して中止させる」と反対するが、実は自分で志願した古生物学者は彼の恋人のサラ・ハーディングで、彼女はすでにサイトBにいた。ハモンドが止めても邪魔がないうちに観察したいと黙って先乗りしたサラを救助するため、マルコムは予定の3日後ではなくすぐに出発しようとエディが準備をする施設に行ってニックを呼ぶ。

マルコムは離婚した妻との間の娘のケリー・カーティスを呼び、元妻がパリに行っているため留守中はカレンに預けると話した。サラは好きでもカレンは嫌がるケリーは同行したがるが、マルコムは認めない。3時間後にマルコムたちは出発したが、近づいた漁師が戻って来ないなど悪い噂を聞いた船長は、サイトBを含む5つの島が“5つの死”と呼ばれていると言って島への接近を断った。

サイトBに上陸したマルコムたちがサラを捜していると、そこにステゴサウルスの家族が現れた。目の前の恐竜に驚き、感激しているエディやニックに、マルコムは「やがて皆、逃げることになる」と言う。すると、近くにいたサラが姿を見せてマルコムに「あなたは二度と島に来ないと思った」と言い、恐竜は子育てをするという自分の仮説は巣の写真が撮れれば証明できると力説した。

ルドラーが雇った恐竜ハンター隊

サラはステゴサウルスの家族を追いかけ、子供に接近して写真を撮ると触ってしまう。子どもの鳴き声とカメラのフィルムが切れた音に気づき、子どもを守ろうとするステゴサウルスに襲われたが、倒木の穴に逃げ込むとステゴサウルスの家族は去って行った。一行が戻ろうとするとベース・キャンプから煙が上がり、到着すると火が焚かれてトレーラーの中から夕食の準備中のケリーが出てくる。

ケリーは施設から帰ろうとした際に乗ってみたトレーラーに隠れていたのだ。施設での別れ際のマルコムの言葉を都合よく解釈して「来てもいいと言った」と話すケリーを怒ったマルコムは、娘と島を出ようとする。衛星電話は電波状況が悪いのか使えず、無線を使おうとケリーとトレーラーに乗ると、ついてきたサラは普段は気にかけてくれないマルコムが島に来てくれて感激したと話した。

サラが自分は残るが心配せずに娘と帰るようにマルコムに言っていると、島にインジェン社のヘリコプターが多数やって来る。それはルドラーが雇った恐竜ハンター隊で、隊長のローランド・テンボは「ティラノサウス・レックス(T‐レックス)の雄を1匹だけ、この手で捕獲できれば、俺のギャラはいらない」とルドラーに言う変わり者のハンターだった。

ハンター隊は到着するなりパキケファロサウルスを捕獲し、続いてパラサウロロフスと次々と恐竜を捕獲していく。恐竜を大切に扱わないハンター隊にマルコムたちは怒りを感じた。T‐レックスの足跡を見つけたローランドは、巣を探して捕獲した生後2~3週間の子どもを囮に親をおびき出そうとする。夜、キャンプの様子を見るマルコムたちは、ハンター隊が恐竜を連れ出す気だと気づいた。

ニックはハモンドからハンター隊の活動開始前に調査が終わらなかった時は別の手を打つように言われたと話す。実は恐竜の捕獲を妨害するために雇われていたのだ。その頃、ハンター隊のキャンプでは、ルドラーがインジェン社に集まった新規事業の出資者となりそうな企業や実業家と衛星回線を使ってテレビ会議を行う。アメリカのサンディエゴにジュラシック・パークを作るつもりなのだ。

ティラノサウス・レックスに襲われる調査隊

ハンター隊の副隊長のディーター・スタークが油断して警備が手薄なのを突き、ニックとサラは多くの恐竜たちを檻から逃がす。ハンター隊のキャンプは大騒ぎとなり、恐竜が暴れたこともあって壊滅状態となる。それに気づいたローランドが離れた隙に、ニックはT‐レックスの子どもを解放するも脚を骨折しているため、サラの制止も聞かずにキャンプに連れ帰ってしまう。

そうとは知らないマルコムはケリーとトレーラーで何とか無線を使い、自分たちを運んできて沖合で待機しているマル・デル・プラタ号と連絡を取ろうとしていた。だが、そこにニックたちが帰ってきて、サラがT‐レックスの子どもの手当てを始める。他の恐竜が来ることを恐れるケリーはマルコム、エディと一緒に木を利用して高いところに避難できる隠れ家に入り、島に来たことを後悔した。

子どもを捜して近づくT‐レックスの咆哮が聞こえ、マルコムはトレーラーに電話するが出ない。ケリーの制止を振り切って向かったマルコムが到着した直後、母親のT‐レックスがトレーラーに来た。子どもを返しても怒ったT‐レックスたちはトレーラーを崖から落とそうとする。横転したトレーラーは前後が縦になって崖からぶら下がり、車内で落下したサラの体を支えるガラスは割れそうだ。

マルコムが助けに行くが、衛星電話が落下してガラスが割れてしまう。マルコムとサラは宙づり状態となるが、ニックの助けで2人は車内の上部へ引き上げられた。そこにエディが車で駆けつけて3人にロープを渡したものの、トレーラーが車体の重みもあって落下しそうになる。エディがトレーラーと車をワイヤーでつないで必死に牽引していると、帰って行ったT‐レックスたちが戻って来た。

エディは恐竜にも有効な毒殺銃を使おうとするが車内のネットに引っかかって使えず、1頭に頭部を噛み砕かれて死ぬと、2頭に体を2つに食いちぎられてしまう。崖から落下したトレーラーの巻き添えにならずにマルコムたちは助かったが、崖から這い上がる3人を引き上げたのはハンター隊だった。対立する調査隊とハンター隊だが、ともに無線も衛星電話も使えない今は協力し合うしかない。

島の中央にある通信センターへの出発

船やヘリコプターに連絡をするため、一行はルドラーの発案でかつての本部ビルの隣にある通信センターに向かうことにした。地熱を利用した永久発電で電気の心配がない。だが、そこは徒歩では1日かかる距離にあり、島の中央にはヴェロキラプトルの巣があった。さらに、嗅覚の鋭いT‐レックスは一行が縄張りを抜けても、子どもを守るため襲ってくる可能性があるが、他に方法はない。

夜に雨が降る中でも歩き、夜が明けてからもひたすら進む中で、ローランドはサラのジャケットに血がついているのに気づく。5分間の休憩を指示したローランドはサラに声をかけ、血は恐竜の赤ちゃんのもので湿気のため乾かないと聞いた。ディーターは休憩時間を利用して用を足しに行くことにして、それをハンター隊のカーターに言うが、イヤホンで音楽を聴いているカーターは気づかない。

みんなから離れて用を足そうとしたディーターは何かの気配に気づくが、それは彼が到着後、スタンガンで痛めつけたのと同じコンプソグナトゥスという小さな恐竜だった。ディーターは休憩した場所に戻ろうとするが誰の姿も見えず、彼が呼ぶ声はまだ音楽を聴いているカーターには聞こえない。道に迷って転落して武器を落としたディーターは、コンプソグナトゥスの群れに襲われて殺された。

休憩を終えて出発してからディーターがいないとわかり、ローランドは部下たちと捜しに行き、他の者には先に山の尾根に行って待つように指示する。夜になってキャンプを張ったところに帰ったローランドは、彼を出迎えた相棒のアージェイ・シドゥにディーターが「食いちぎられていた」と伝えた。ローランドが1時間後の出発をアージェイとマルコムに告げたあと、T‐レックスがやって来る、

気づいたサラは匂いのするお菓子の食べ残しを袋にしまって明かりを消すが、T‐レックスはジャケットの血の匂いでサラのテントに来た。音に気づいて目が覚め、悲鳴をあげかけたケリーの口をサラが手でふさいでやりすごそうとしていると、カーターがT‐レックスに気づいて叫んでしまう。動かなければ気づかれずに襲われない可能性が高いが、カーターの声で目覚めた者たちは逃げ出した。

草むらに潜んで襲いかかるヴェロキラプトル

ローランドはT‐レックスを撃とうとしたが、気づけば銃弾が抜かれていて撃てない。T‐レックスに踏み潰されるハンター隊員もいる中、ローランドは強力な麻酔銃を準備した。サラとケリー、ニックは滝の奥の洞窟に逃げ込むが、T‐レックスはそこに顔を突っ込んでくる。ハンター隊の古生物学者のロバート・バークは洋服の中にヘビが入ったことに驚き、洞窟を出てT‐レックスに襲われた。

T‐レックスがそこからいなくなったところで、マルコムが洞窟にやって来る。一方、アージェイの忠告を聞かずに草むらへ逃げ出したハンター隊員たちは、そこに潜んでいたヴェロキラプトルの群れに襲われた。だが、マルコムたち4人は襲われずに草むらを抜けることに成功。無線連絡は一刻を争うもののマルコムが足を負傷したため、ニックが走って通信センターへ先乗りすることにする。

到着したニックは通信センターのブレーカーを上げて電源を入れると、無線でハーベスト基地に救助を頼んだ。遅れて到着したマルコムたちはニックを呼ぶが返事はなく、ラプトルたちが襲ってきて囮になったマルコムは車に隠れる。サラとケリーは納屋のような建物に隠れるが、ラプトルが侵入してきた。建物に来たマルコムが襲われそうになり、体操部のケリーは鉄棒の技を使って撃退する。

マルコムたちがうまく逃げて通信センターに入るとニックが出迎え、そこに救助ヘリが到着した。ヘリの中でニックはローランドの銃の弾を抜いたと打ち明ける。ルドラーはローランドの助けでT‐レックスの雄を捕獲し、到着した部隊にT‐レックスの子どもを捕獲させた。ルドラーはローランドをパークで雇うと言うが、アージェイの死を口にしたローランドは「もう仲間を失いたくない」と断る。

サンディエゴで大暴れするティラノサウス・レックス

しばらくして、T‐レックスを移送する船が到着するタイミングでインジェン社はサンディエゴ港で記者会見を開き、ルドラーがスピーチする。マルコムとサラも会見場に来るが、港に入ってくる移送船は無線が通じず、スピードを落とさずに桟橋に突っ込んで止まった。乗船して調べると乗組員は食い殺されていて、ルドラーの指示で貨物室を開けるとT‐レックスが出てきて上陸してしまう。

T‐レックスはローランドが2本打った薬で意識不明になっているはずだったが、呼吸が止まったため麻薬拮抗剤を大量に投与したことで目覚めてしまったのだ。サラの推測では錯乱状態になっているT‐レックスは街に向かって人間を襲う。サラは先に飛行機で到着していたT‐レックスの子どもを使い、T‐レックスを船に戻して島に連れ戻そうと、放心状態のルドラーに子どもの居場所を聞いた。

住宅街のプールの水を飲んで渇きをいやしたT‐レックスは、飢えを満たすため手始めに飼い犬を食べると繁華街まで行って大暴れする。マルコムとサラはサンディエゴに作ったジュラシック・パークからT‐レックスの子どもを連れ出すと、親のT‐レックスのところへ向かった。警察や動物保護局が出動しても何もできない中、T‐レックスに自分たちを追わせ、最後は車から降りて船に到着した。

マルコムとサラはT‐レックスの子どもを貨物室に置くと逃げたが、親は撃ち殺して子どもは確保したいルドラーは貨物室に入る。だが、そこに親がやって来て、噛みついて捕まえたルドラーを子どもに狩りを覚えさせるための餌にした。T‐レックスの親子が貨物室に入ったのを見たマルコムは蓋のような自動ドアを閉め、殺そうとするヘリの銃撃の前にサラは眠らせる薬を親に銃で撃ちこむ。

その後、テレビのニュース番組ではT‐レックスの親子を移送する船が海軍の護衛艦とともに映し出され、計算では旅路の半分を終えたことが報じられた。それをソファに座って見るケリーの隣ではマルコムとサラが座ったまま眠っている。恐竜を自然に返した島の保護を訴えるハモンドのインタビュー映像が流れ、島ではT‐レックスの親子やプテラノドンなど多くの恐竜が自由を謳歌していた。

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の感想とまとめ

『ジュラシック・パーク』では冒頭にヴェロキラプトルが移送されてくる場面がありました。イスラ・ヌブラル島内ですべての恐竜を孵化させ、育てていたのかと思いがちでしたが、研究と繁殖がメインの場所が別にあったわけです。その場所のサイトBが舞台の本作では、コンプソグナトゥスをはじめ新たに登場する多彩な恐竜の姿が見られるのは単純に楽しいですね。

ただし、捕獲されてしまう姿が多く描かれ、人間が現代に蘇らせたとはいえ、リジンを摂取する方法を本能的に見つけ、雌も誕生するように恐竜が新たに進化しただけに、人間のエゴと欲を感じます。その中でもローランドは独自の哲学を持っていて、ルドラーのような欲深さは感じさせません。演じたピート・ポスルスウェイトはいい味を出していて、スピルバーグ監督に高く評価されています。

前作同様にラプトルが連係して人間を襲いますが、サラを襲うラプトルたちがミスを責めるように喧嘩をしてサラを逃してしまうのはおかしかったですね。その姿に人間くささを感じてしまいました。また、体が小さくてかわいく見えながらもピラニアのように集団で襲うコンプソグナトゥスは、ラプトルやT‐レックスとは違うタイプの恐ろしさを感じます。

マルコムは前作では足の負傷で後半は活躍できませんでしたが、本作ではサラとケリーを守るため活躍します。ラプトルに襲われた場面ではケリーが体操部員という設定の伏線を生かし、鉄棒の回転技からラプトルへのキックを披露しました。レギュラーではなくなって大会に出場しないから同行したのですが、マルコムが娘の技に「レギュラーじゃない?」と驚くのがおもしろかったです。

緊迫した場面でも小ネタのユーモアがあるのがいいですね。T‐レックスは『歓迎 米国 動物の持ち込み禁止』の看板を壊して街へ向かうし、喉の渇きをいやすのは住宅街のプールでした。ただし、スピルバーグ作品では登場する犬が怖い目に遭っても殺されないことが多いのに、プールのある家の飼い犬はあっさりとT‐レックスに食べられてしまったのは残念です。

気になったのは、子どもを守ろうとするT‐レックスが人間を襲う場面がさらに必要だとしても、T‐レックスの嗅覚の鋭さを知るサラが血のついたジャケットを着たままだったことです。エンターテイメント性を高めるため、恐竜の姿は映画の公開当時の古生物学の推論とは違うものも当然あるのですが、T‐レックスから逃げたいのに呼び寄せてしまう要素の描写だけは疑問でした。

本作は前作では恐ろしい存在として描かれた恐竜の親子愛を描いています。それだけでなく人間の親子愛や異性への愛、エディの献身性やローランドの相棒への思いなども描かれています。ルドラーに代表されるように他の生き物を見下して強欲なのが人間だとしても、人間にも素晴らしいところがあるのを描いた作品だと思います。

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