『アベンジャーズ』『X-MEN』シリーズなどと並び、世界最大のコミック“マーベル”を代表するスーパーヒーローのひとつである『スパイダーマン』シリーズ。
今回は映画シリーズの第2シーズンの幕開けとなった通算4作目『アメイジング・スパイダーマン』についてのあらすじとネタバレ、感想をご紹介します。
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Contents
『アメイジング・スパイダーマン』の作品情報
タイトル:アメイジング・スパイダーマン
原題:The Amazing Spider-Man
監督:マーク・ウェブ
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト/アルヴィン・サージェント/スティーヴ・クローヴス
原作:スタン・リー/スティーヴ・ディッコ『SPIDER-MAN』
製作:アヴィ・アラド/マット・トルマック/ローラ・ジスキン
公開:2012年7月3日(アメリカ)、2012年6月30日(日本)
出演:アンドリュー・ガーフィールド/エマ・ストーン/リス・エヴァンス/デニス・リアリー/マーティン・シーン/サリー・フィールド/イルファーン・カーン/キャンベル・スコット/クリス・ジルカ など
監督は前三部作(第1シーズン)を成功に導いたサム・ライミ監督に代わり、ミュージックビデオ界で活躍してきたマーク・ウェブ監督が自身2作目の劇場版長編作品として本作および続編『アメイジング・スパイダーマン2』のメガホンを執っています。
また、主要スタッフもサム・ライミ三部作から大きく入れ替わっています。
『アメイジング・スパイダーマン』のキャスト
前三部作でスパイダーマンを演じたトビー・マグワイアに代わり、『ソーシャル・ネットワーク』で頭角を現したアンドリュー・ガーフィールドが二代目スパイダーマンを演じています。
このほか、前三部作のヒロインだったキルスティン・ダンストに代わる新ヒロインにはエマ・ストーン、本作の悪役としてリス・エヴァンスが出演しています。
『アメイジング・スパイダーマン』のあらすじ・ネタバレ
両親との別れ
アメリカ・ニューヨーク。
まだ幼い少年ピーター・パーカー(マックス・チャールズ)は自宅でかくれんぼをしていたが誰も応えてくれない。
ピーターは書斎に行ってみると、窓は開いており何者かに荒らされた形跡があったのだ。
ピーターの父リチャード(キャンベル・スコット)は机に隠してあった書類を取り出し、黒板に書いた数式を消すと、妻メアリー(エンベス・デイヴィッツ)とピーターを連れて家を出たのである。
両親はピーターを叔父のベン(マーティン・シーン)と叔母のメイ(サリー・フィールド)夫妻に預けると、そのまま帰って来なかったのだった…。
高校生になったピーター
時は流れ、高校生になったピーター(アンドリュー・ガーフィールド)は写真部で活動していた。
この日も不良連中に絡まれながらも女子の撮影依頼を受けていたのだ。
校庭に出たピーターは本を読んでいる女の子に夢中になっていたちょうどその時、乱暴者のフラッシュ・トンプソン(クリス・ジルカ)がまた弱い者いじめをしているのを見かけ、止めたものの殴る蹴るの暴行を受け、大事なカメラも壊されてしまったのである。
そこに現れたのは、先程本を読んでいたグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)だった。
彼女の仲裁で難を逃れたピーターは、このことがきっかけでグウェンと打ち解けたのだ。
父の残したバッグ
ベンとメイの待つ家に帰宅したピーターは、学校で得た傷についてスケボーで転んだとごまかしたのである。
ピーターはベンから台所の水漏れした箇所の修理を頼まれ、ベンと共に屋根裏に上がったのだった。
そこでピーターは偶然にも父が残したバッグを見つけ、中を開けてみると新聞の切り抜きが出てきたのだ。
それは、父が見知らぬ男とツーショットで並ぶ写真であった。
ピーターは更にバッグの中身を調べてみると、父の身分証明書などと共に極秘ファイルなどが出てきたのだ。
その中身は複雑な謎の数式である。
ベンが云うには、写真の男は父の同僚だったカート・コナーズ博士(リス・エヴァンス)という人物であり、父がいなくなったあの日から何の連絡すらもなかったということだった。
コンタクトレンズの代わりに父の形見の眼鏡をかけたピーターはインターネットであの日両親が飛行機事故で死亡した時の記事や例の写真の記事などを検索、その結果コナーズ博士は父と同じオズコープ社に勤めていることを知ったのだ。
クモとの出会い
オズコープ社がインターンシップを募集していることを知ったピーターは早速本社ビルを訪れ、咄嗟に手に取った“ロドリゴ・ゲバラ”の名札を使ってまんまと参加者の中に紛れることに成功したのだが(本物のロドリゴは係員に連行されていった)、なんと案内役としてグウェンが参加していたのである。
ピーターや参加者らはコナーズ博士の研究室へと通された。
爬虫類研究の第一人者であるコナーズ博士は右腕が欠損しており、“弱者のいない世界”の創造を実現すべく爬虫類の持つ再生能力を活かしてパーキンソン病などの難病の治療をするための研究を手掛けているのだった。
グウェンに気付かれてしまい、トラブルを起こさないよう釘を刺されたピーターは、偶然ぶつかってしまったラジット・ラーサ博士(イルファーン・カーン)の持っていた資料に父のものと同じ赤文字の「00」の数字を見つけ、こっそり彼の後を追うことにしたのだ。
ピーターは「00」と書かれた部屋に忍び込み、中で大量のクモが培養されているのを目の当たりにしたのである。
ピーターは誤ってクモ培養の装置を停止させてしまい、その途端に大量のクモが降りかかってきたのだった。
ピーターはグウェンに名札を返したその時、首筋にいた1匹のクモがピーターを咬んだのだ。
その頃、コナーズ博士はラーサ博士から早く研究の成果を出すよう催促されていた。
オズコープ社の創業者であるノーマン・オズボーンが生命の危機に瀕しており、早急に治療薬が必要とされていたのである。
覚醒する力
帰りの地下鉄でうたた寝していたピーターは、乗客のチンピラからビール瓶を頭に乗せられるイタズラを受けたのだ。
ところが、瓶の水滴が頭に落ちた次の瞬間、ピーターは思わず車両の天井に飛び上がって張り付いてしまったのだった。
チンピラたちに絡まれたピーターは、自分でも気づかぬ間に叩きのめしてしまい、全身に湧き上がる力に恐れをなしたのである。
帰宅したピーターはメイの目の前で飛び交うハエを手で掴み、あまりの空腹に冷凍されたままの食料品を部屋に持ち込んだ。
ピーターは首筋からクモの糸が伸びていることを知り、自分はオズコープ社のクモに咬まれたことに気付いたのだ。
翌朝、洗面所の蛇口を壊してしまったピーターはすっかり怖気付き、インターネットでクモに咬まれた時の対処法を検索したり、父の資料に改めて目を通しているうちに、コナーズ博士なら相談に乗ってくれるだろうと考えたのだった。
コナーズ博士の自宅を訪ねたピーターは自分がリチャード・パーカーの息子であることを明かし、博士が研究している“異種間遺伝子交配”や父のことについて尋ねてみたのだ。
遺伝子交配の研究はコナーズ博士とリチャードの共同で進められていたものであり、ピーターを咬んだクモもリチャードの研究の成果のひとつだというのだが、リチャードは研究のデータを持ったまま行方をくらましたのだという。
遺伝子交配の技術は未完成であり、まだ生き延びた被験体はいないというのだが、ピーターは突如として崩壊率の数式を閃き、これに感銘を受けたコナーズ博士はピーターを研究に誘うのだった。
叔父の死
登校したピーターは、バスケットボールの部活中だったフラッシュを手玉に取って赤っ恥をかかせ、驚異のジャンプ力でダンクシュートを決めたのだが、勢い余ってバックボードを壊してしまい、ベンが学校に呼び出されてしまったのだ。
おかげで夜勤になった自分の代わりにメイを迎えに行くようベンから命じられたピーターだったが、居合わせたグウェンと会話を弾ませ、スケボー遊びに興じたり港の倉庫の鉄骨をよじ登っていたりしているうちにすっぽかしてしまい、そのままオズコープ本社の研究室へと足を運んだのである。
ピーターは、薬剤で雲を形成して広範囲に散布することのできる“ガナーリ装置”に興味を示し、トカゲの再生能力を活かしてマウスの失われた足を再生するシミュレーションに夢中になるあまり、ベンからの電話を無視してしまうのだった。
ピーターの協力でシミュレーションを成功させたコナーズ博士は実際に足を失った本物のマウスに新薬を投与、来週から人体実験を開始すると告げたのだ。
夜遅く帰宅したピーターは、約束を破ったことでベンに叱られ、優秀だった父と比較されたことに腹を立てたピーターは口論の末にドアを壊して家を飛び出してしまったのである。
ピーターは食料品店で買い物をしようとしたが、所持金が足りずにレジの店員から追い払われてしまった。
ピーターの後ろで会計を待っていたガラの悪い男が隙を突いてレジの金を盗み、ピーターに缶ビールを1本渡すと店から逃げ去ったのだった。
ピーターは男を追ってくれという店員を無視して外に出たところ、ピーターを探していたベンは転んで拳銃を落とした男と揉み合いになり、男に撃たれてしまったのだ。
男はそのまま逃走、ベンはピーターの腕の中で息を引き取ってしまったのである。
スパイダーマン誕生
逃げた男の手掛かりは左手首にある星型のタトゥー。
メイの哀しみに暮れる姿を見たピーターはスマートフォンに残っていたベンからの留守電メッセージを聞き、学校でグウェンやフラッシュから慰めの言葉をもらうのだった。
犯人への復讐を誓ったピーターは夜な夜な街に繰り出し、チンピラ集団を叩きのめしては腕にタトゥーがないか確認していった。
チンピラたちから顔を覚えられてしまったピーターは、たまたま入り込んだプロレス会場の覆面レスラーのポスターにヒントを得、授業中にマスクのデザインを練り上げ、自作でマスクを作っていったのだ。
更にピーターはオズコープ社が開発していた、小型チップに収められる特殊な糸“バイオケーブル”も使うことにし、ビルにケーブルを引っかけて空中移動する術を身に着けていった。
そしてピーターはスマホを改造して警察の無線を傍受できるようにし、手あたり次第に街の犯罪者を捕らえていったのである。
続いてピーターは、プロスポーツ選手のウェアを参考に耐久性と伸縮性を兼ね備えたスーツを作ってバイオケーブル発射装置“ウェブシューター”と組み合わせ、こうして遂に“スパイダーマン”のスーツを完成させたのだった。
スパイダーマンは手始めに、ウェブシューターを使って車泥棒を退治したが、ベンを殺した男ではなかった。
スパイダーマンは駆け付けた警察に追われる身となってしまい、指揮を執るジョージ・ステイシー警部(デニス・リアリー)は中々スパイダーマンを捕まえられないことにやきもきしたのである。
ピーターはメイの頼まれごとも忘れて帰宅、メイは何か隠し事をしている様子のピーターに「秘密とは代償を伴うものなの。いつか報いを受けるわ」と忠告するのだった。
リザード爆誕
コナーズ博士の新薬によりネズミは見事に足を再生、ラーサ博士は退役軍人を使った人体実験を早急に始めるようコナーズ博士に命じるが、まだ安全性が実証されていない新薬の実験に異を唱えるコナーズ博士は拒否、ラーサ博士は研究室の閉鎖と薬品など研究成果の没収と共にコナーズ博士をクビにしてしまったのだ。
コナーズ博士は未完成の新薬を盗み、自らの欠損した右腕に注射したのである。
やがて博士の右腕は再生されたのだが、どうも様子がおかしいことに気付いたコナーズ博士はラーサ博士が人体実験の被験者を探すため退役軍人病院へ向かったことを知り、実験を阻止するためにタクシーに乗り込むのだった。
その頃、グウェンから夕食に誘われたピーターは、とあるマンションの20階にある彼女の部屋にベランダから入り込んだ。
怪しむグウェンにピーターは非常階段から登ってきたと嘘をつき、グウェンの父であるステーシー警部と挨拶を交わしたのだ。
ステーシー警部やグウェンの弟たちと食卓を囲んだピーターは、スパイダーマンが“無差別に人々を襲う悪党”呼ばわりされていることを知り、正体を隠しつつ「彼は社会貢献してると思いますよ。少なくとも悪者ではありませんよ」と反論したのである。
あまりにも論戦がヒートアップしてきたので、グウェンはピーターをベランダに誘った。
ピーターは自分の正体を明かそうとするもどうしても言えず、ウェブシューターで彼女を引き寄せるとキスを交わすのだった。
その時、出動要請を受けたステーシー警部は現場に急行、ピーターはベランダから飛び立っていったのだ。
ウィリアムズバーグ橋で渋滞に巻き込まれていたラーサ博士は運転手に状況を確認させようとしたが、人々が車を捨てて逃げ出した直後、ラーサ博士はトカゲのような怪人“リザード”に襲われたのである。
橋に到着したピーターはスパイダーマンに変身、リザードによって川に落とされそうになったラーサ博士の車など数台を糸で繋ぎ止めると、他の車に取り残された少年を救い出したのだった。
無事に少年を父親の元へ送り届けたスパイダーマンだったが、こともあろうにニューヨーク市警はスパイダーマンを指名手配してしまったのだ。
下水道に逃げ込んだリザードの正体はコナーズ博士であった。
右手のない元の姿に戻ったコナーズ博士はそのまま引き上げていったのである。
コナーズ博士の暴走
テレビのニュースでスパイダーマンが指名手配されたことを知ったピーターは、グウェンにクモのサンプルを見せ、自らの正体を明かすのだった。
幸いなことにグウェンは警察発表など信じておらず、ピーターに理解を示すとともに、これ以上危険を冒さないよう心配するのであった。
ピーターはオズコープ社を訪ねてみたところ、研究員は全員休みであり、クビになったはずのコナーズ博士が現れたのだ。
ピーターは学校の課題と称してコナーズ博士に爬虫類の弱点について尋ねたところ、博士は爬虫類こそが生態系の頂点に君臨するのだと返したのである。
ピーターはコナーズ博士の肌の異変に気付き、また新薬を与えられたマウスが狂暴化していることから、リザードの正体はコナーズ博士であることに気付いたのだった。
ピーターは早速市警に向かい、ステーシー警部にコナーズ博士のことを報告したが、博士はグウェンの大学への推薦状を書いてくれていたため警部は博士を疑うことはできず、ピーターに「君は東京の人とゴジラ映画でも見たまえ」と追い払ったのだ。
ピーターが去った後、ステーシー警部は部下にコナーズ博士の情報を収集するよう命じた。
小さなトカゲが下水道に入り込むのを見たピーターはスパイダーマンに変身して潜入、バイオケーブルを張り巡らして待機することにしたのである。
コナーズ博士は地下空間に密かに設けていたアジトで前回の倍の量の薬を打ち、よりパワーアップしたリザードへと変貌してスパイダーマンに襲い掛かったのだった。
スパイダーマンは胸に深い傷を負って一時撤退、リザードは仕掛けられたカメラの持ち主からスパイダーマンの正体がピーターであることを知ってしまったのだ。
グウェンの家に逃れたピーターは傷の手当てをしてもらい、自分がコナーズ博士に数式を教えてしまったことで今回の事態を招いてしまったことから自らの手でケジメをつけると彼女に告げたのである。
アジトに戻ったコナーズ博士は、新薬に様々な種類の遺伝子を加えて自らを究極の生命体に進化させようと目論んでいたのだった。
ニューヨークを救え
リザードはピーターの高校を襲撃、ピーターはグウェンに生徒たちを避難させるとスパイダーマンに変身、説得を試みるも聞き入れる相手ではなかった。
スパイダーマンはグウェンを安全な場所へと避難させ、図書館で老人(スタン・リー)を避けながら闘ったが学校は警察に包囲されてしまい、その間にリザードに逃げられたのだ。
リザードを追って下水道に入ったピーターはグウェンに電話をかけ、オズコープ社にある解毒剤の血清を準備するよう依頼した。
コナーズ博士のアジトを発見したピーターは、博士の動画データから、彼が人類を強制的に進化させるためにガナーリ装置で薬をニューヨーク中に撒き散らそうとしていることを知ったのである。
ステーシー警部は部下にスパイダーマンの逮捕を命じ、自らはヘリに乗ってリザードの後を追うのだった。
S.W.A.T.部隊に見つかり発砲されたリザードは、薬剤を噴霧して彼らを怪物に変えてしまった。
一方、オズコープ本社に着いたグウェンは、社員たちを逃がしつつ解毒剤の最終調整を開始したのだ。
警官隊をかわしながらオズコープ本社へと急ぐスパイダーマンはスタンガンを撃ち込まれて倒れてしまい、手錠をかけられてしまった。
ステーシー警部はスパイダーマンのマスクを剥がし、その正体がピーターであることを知るが、ピーターはグウェンがオズコープ本社にいること、そしてリザードの恐るべき計画を告げると隙を突いて脱出したのである。
市警は近隣住民に避難指示を出したが、先日スパイダーマンに息子を助けられたクレーン技師は仲間たちに呼びかけ、街中のクレーンで足場を作り、スパイダーマンはクレーンを伝って一気にオズコープ本社へと辿り着くのだった。
リザードはオズコープ本社の屋上でガナーリ装置に薬剤をセット、一方のグウェンは警察に保護され、その際に解毒剤をステーシー警部に託したのだ。
装置の起動まであと2分、スパイダーマンはリザードと死闘を繰り広げたが捉えられ、マスクを剥がされて殺されそうになった。
その時、ステーシー警部がライフルを手に加勢、ピーターは液体窒素でリザードの動きを封じると、ステーシー警部から渡された解毒剤を装置にセットするのだった。
解毒剤はニューヨーク全土を覆う雲となり、リザードは理性を取り戻してコナーズ博士の姿に戻っていった。
コナーズ博士は屋上から転落しそうになったピーターを救ったのだ。
ピーターはリザードとの戦いで致命傷を負ったステーシー警部のもとに駆け寄り、警部は自らの過ちを認め「街には君が必要だ」とマスクをピーターに返すと、絶対にグウェンを巻き込まないことを約束させて息を引き取ったのである。
リザードによって怪物にされた人々は解毒剤を浴びて元通りになり、コナーズ博士は逮捕された。
ピーターはメイの待つ我が家へと帰っていったのだった。
守れない約束
冷たい雨が降り注ぐなか、ピーターはステーシー警部の葬列を遠巻きに見つめていた。
グウェンと会ったピーターはなぜ葬式に来なかったのか問われ、ステーシー警部との約束を守って彼女に別れを告げたのだ。
深く落ち込んだピーターだったが、メイの激励やベンの遺した留守電メッセージ、そしてスパイダーマンをヒーローとして迎え入れてくれた人々が書いたクモのマークの落書きを見て元気を取り戻したのである。
授業に遅刻したピーターは教師から守れない約束はするなと注意され、グウェンの後ろの席に座ると「守れない約束もある」と呟くのだった。
これを聞いたグウェンは微笑みを浮かべていた。
その夜、スパイダーマンは人々を救うためにニューヨークの街へと繰り出していった。
エンドロール後
収監されたコナーズ博士のもとに、謎の男(マイケル・マッシー)が訪れてきた。
男はコナーズ博士に、ピーターの父の死の真相について語ったのかを問うてきたのだ。
否定したコナーズ博士が彼に手を出すなと忠告した時、既に男の姿はなかったのである。
『アメイジング・スパイダーマン』の感想とまとめ
2002年に始動した『スパイダーマン』シリーズは、第1作が日本でも興行収入70億円を超える大ヒットとなるなど世界中でフィーバーを巻き起こし、『X-MEN』シリーズの成功と合わせて後にマーベルが映画界を席巻する先駆けともなりました。
2007年に第3作が公開され、それから約5年ぶりとなった本作は元々はサム・ライミ監督や主演のトビー・マグワイアらが続投しての第4作として企画されていたのですが、サム・ライミ監督は製作会社と作品の方向性を巡って折り合いがつかずに降板してしまい、またトビー・マグワイアも降板したことから、製作会社は第4作を再起動(リブート)作へと方向転換、新たな舵取り役としてミュージック・ビデオで頭角を現したマーク・ウェブ監督を抜擢、主演もFacebook創業者を描いた『ソーシャル・ネットワーク』などで注目されたアンドリュー・ガーフィールドに交代となりました。
ヒロインもサム・ライミ三部作でキルスティン・ダンストが演じた“MJ”に代わり、第3作でブライス・ダラス・ハワードが演じたゲストヒロインの“グウェン・ステーシー”をメインヒロインに昇格させ、エマ・ストーンが二代目として演じています。
心機一転で再スタートを切った第2シーズン『アメイジング・スパイダーマン』でしたが、ストーリー展開はキャラクターの入れ替えや舞台設定の小変更などを交えつつもサム・ライミ三部作の第1作をなぞったような展開に留まり(主人公ピーター・パーカーが特殊なクモに咬まれる、叔父のベンを殺されて復讐のために立ち上がる、自作でスーツを作る、など)、目新しさにも欠ける点は否めませんでした。
更に追い打ちをかけるように、マーベルの本流であるマーベル・スタジオの『アベンジャーズ』が全世界を席巻、本作は辛うじて7億5千ドルとなるヒットを記録するなど健闘しましたが、日本ではサム・ライミ三部作の半分の興行収入に終わり、後に『アメイジング・スパイダーマン』シリーズは未完結のまま第2作で打ち切られ、以降はマーベル・スタジオとの業務提携により『アベンジャーズ』を核とする“マーベル・シネマティック・ユニバース”に取り込まれ、主演もアンドリュー・ガーフィールドからトム・ホランドに交代となったことは記憶に新しいところでしょう。トム・ホランド主演の第3シーズンでは、過去2シーズンで描かれたスパイダーマンの誕生やベンの死などは潔く省かれ、最初からスパイダーマンの力を手にしたこと、スーツもアイアンマンことトニー・スタークに開発されたものとなるなど再リブートすることとなりました。
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