映画『MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド』あらすじ・ネタバレ!動画の無料視聴方法も紹介

モースト・ビューティフル・アイランドでは、人種のるつぼニューヨークのマンハッタンを舞台に不法移民で生活に困窮するスペイン人女性の1日を描いています。知り合った女性から出席するだけで2000ドルを貰えると聞き出向いた“パーティー”とは…本作で監督デビューとなるスペイン人のアナ・アセンシオがオーバーステイの外国人女性が経験するアンダーグラウンドの恐怖を物語ります。

『MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド』作品情報

タイトル:MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド

原題:Most Beautiful Island

監督:アナ・アセンシオ

脚本:アナ・アセンシオ

製作:アナ・アセンシオ、ラリー・フェセンデン、チャッド・ハーボルド、ノア・グリーンバーグ

公開日:2018年(アメリカ)、2019年1月12日(日本)

出演者:アナ・アセンシオ、ナターシャ・ロマノバ、デヴィッド・リトル、ニコラス・トゥッチ、キャプリス・ベネデッティ、ラリー・フェセンデン

『MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド』概要

脚本を書いたのは監督のアナ・アセンシオ。ニューヨークのマンハッタンへ22才の時に学生として来米し苦労した実体験を基に脚本を執筆しました。批評家から高い評価を得た本作は、アメリカ批評家サイト「Rotten Tomatoes」で92パーセント。テキサス州のサウス・バイ・サウスウェスト映画祭では審査員大賞を受賞しています。

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『MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド』あらすじ・ネタバレ

スペインからマンハッタンへ来たルシアーナ。祖国に居る母へ電話をし、悪夢を見て数日眠れないと話す。娘を心配した母は帰国するよう促すが、ルシアーナは、全てがソフィアを思い出させ息苦しくなると吐露した。

母は、裁判所は事故と判断しており誰もルシアーナを責めないと慰める。自分を許しなさいと言う母の言葉の後、通話時間が残り1分だとアナウンスされた。ルシアーナは、残額が無いので切ると母へ伝えた。

ベッドの下から箱を取り出し開けたルシアーナ。中には、子供用品がジップロックに小分けされている。ルシアーナは、小さな帽子を手に取り、袋を開けて残り香を嗅いだ。

夢のニューヨークと現実の生活

地下鉄に乗り、ルシアーナはクリニックを訪れた。受付で加入している保険の情報を記入するよう言われ、ルシアーナは保険に入っていないと伝えた。診察料だけで75ドルを請求される。ルシアーナは、ホロウィッツ医師は居るかと尋ねた。

居ると聞いたルシアーナは、隙を見て奥の診察室へ入った。ホロウィッツは勝手に入って来るなと腹を立て、診察室を出て行けと言う。ルシアーナは、オルガの紹介で来たと返した。

吐き気がする事を訴えるルシアーナに、ホロウィッツはオルガが自分のクリニックの予約を取るわけでは無く、ここは薬局ではないとまくし立てる。ルシアーナは、更に鼻血も出ると症状を伝え助けて欲しいと頼んだ。

医師は麻薬はやっているのかと訊く。ルシアーナが無いと答えると、ここに来る事を誰かに話したのかとホロウィッツは質問を続け警戒感を露わにした。ルシアーナが安アパートへ戻ると、冷蔵庫に大家から家賃滞納の取り立てを求めるメモが貼ってあった。

中のオレンジジュースや牛乳のパッケージには、「お前のではない」と嫌がらせのメモが貼られていた。ルシアーナは無視してジュースをボトルから飲み、家賃取立ての紙を剥がして飛行機を折り「Most beautiful island」とマジックで書いて窓から飛ばした。

母へ電話を掛けようとするが、残高不足のアナウンスが流れた。ルシアーナはバスタブに湯を溜めながらお風呂で使う幼児用のおもちゃをジップロックから出して臭いを嗅ぐ。湯船に浸かったルシアーナは、ふと壁に貼られたガムテープを剥がす。

すると大量のゴキブリが中から這いだして来た。その様子を慌てる事も無く見つめるルシアーナの手にゴキブリが一匹這い上がった。

ボロードウェイと23番通りでオルガと待ち合わせたルシアーナは、コスチュームを着て客引きのアルバイトをする。チラシを行き交う通行人に渡しながら「ビッグ・アップルで最高の鶏肉」と声を張り上げた。

ウンザリした2人は、途中でアルバイトを放りだしカフェへ行く。オルガは真面な仕事が無いと文句を言う。ルシアーナは、卵子提供で8000ドル払うと言う広告紙をオルガに見せるが、こういう募集は怪しいとオルガは言った。

外に居るホームレスに同情するルシアーナに嫌ならいつでも自分の国へ帰れば良いとオルガは冷たい表情を浮かべた。戻れないと視線をそらすルシアーナに、オルガは欧州の経済危機が酷いのは分かると言い、ニューヨークなら選択が多く何でも可能だと息巻く。

スペインで馬鹿な男に騙されたんでしょうとオルガは意地悪い。ルシアーナは苛立ち始めた。男はみんな一緒で利用するべきだとオルガは勝ち誇った。子供はうるさくて苦手なので最初に得た子守の仕事は1日で辞めたとオルガは話す。

泣いてばかりでうるさいとまくし立てるオルガに対し、ルシアーナは黙れと怒鳴った。一瞬押し黙ったオルガは医者の所へ行ったかと尋ねた。ルシアーナは首を横に振り、パニック障害を患っていると言われた事を話した。

そこに携帯から連絡を受けたオルガは、時々仕事をする女性からで今日は働けないとこぼした。代わりに行ってくれないかと頼む。ルシアーナは、どんな仕事なのかと尋ねた。カクテルパーティーのエスコートだとオルガは答えた。

金払いの良い女性で2000ドルを貰えるとオルガは言った。ルシアーナは、現金で貰えるのかと訊く。オルガはパーティーの後直ぐに払ってくれると言い、気に入ればまた呼び戻され、その時には4000ドル貰えると答えた。ルシアーナは、信じられないと顔を輝かす。

これがニューヨークよとオルガは微笑み行き先のアドレスをルシアーナに渡した。短い丈の黒いドレスを着てハイヒールを履き、客が来る7時までに到着するようにオルガは補足した。

高額アルバイト

ルシアーナは、高給ブティックを訪れラックの中から黒いドレスを手に取り、店員に試着したいと頼む。ドレスを試着した後、ルシアーナはドレスを少し破る。不良品で売り物にならないと思わせ、店員に20ドルで引き取ると交渉し手に入れた。

コーヒーショップのトイレでお化粧を済ませドレスを着たルシアーナは、ジャケット羽織り店を出た。貰った住所を辿り、チャイナタウンでやっと探し当てた小さな飲食店前の男にパーティーで働くことになって来た事を告げるた。

その男は周囲を警戒しながら地下へ続くハッチを開けた。スーツを着た男が地下から顔を出し、他の女性はみなパーティーへ到着しているとルシアーナに下りて来るように急かせた。怪しげな地下を男に着いて通り抜ける。

裏通りへ抜けると、男はルシアーナが持つバックパックは持ち込み禁止だと命令口調。そして、小さな鍵付きのショルダーバッグを渡し、ルシアーナに口頭でアドレスを告げ暗唱させる。タクシーで7時までに到着するように厳しい口調でルシアーナに指示した。

ルシアーナはタクシーに乗り込むと車の中で髪をピンで止めてアップにし、渡されたバッグを開けようとするが鍵は開かない。到着し乗車運賃を求められるが、文無しのルシアーナは、お金を持っていなかった事に気づかなかったと運転手に嘘をつく。

通りのゴミ箱の紙くずに携帯などの持ち物を一つずつ包み空のバックパックを一番上に入れた。建物のドアを開け、指定された通り地下へのエレベーターに乗る。着いた先のドアを開けると厳つい顔をした用心棒が女性たちの所へ行けとルシアーナに言う。

空っぽの広い倉庫のような場所に若く美しい女性達がみな黒いドレスを着て立っていた。その中にオルガが居るのを見たルシアーナは事情を尋ねるが、オルガは見もせず固く口を閉ざした。客が入って来るので並ぶようにある女性がルシアーナに声を掛けた。

客の前でおしゃべりは禁じられていると教えられる。円型に立つ女性達は皆小型のショルダーバッグを持ち、足元には番号が振ってあった。倉庫奥のドアが開き、身なりの良い服装をした男性や女性複数人が出てくる。

シャンパングラスを手に近づいてくると、女性達をじろじろと眺めた。そこへ背が高く美しい中年女性・ヴァネッサが現れる。エレガントな物腰で、客達を歓迎し勇気ある粒ぞろいの女性達から自分の好みを選ぶよう促した。

ヴァネッサがゲームルームと呼んだ奥の部屋へ客全員をエスコートして戻ってくると、マイと呼びかけアジア人女性の前に立つ。準備は出来ていると言うマイに、ヴァネッサは、笑って美しい表情をしなさいと声を掛け、マイの手を取り、奥の部屋へ消える。

訳の分からないルシアーナは、オルガに説明しろと迫った。オルガはお金が必要だと聞いたから連れて来たと開き直り、いったい何が起きるのかについては説明しない。怖くなったルシアーナは、出口へ行き用心棒に帰ると言うが外へ出してもらえない。

そこにゲームルームから拍手が聞こえてきた。ドアが開きマイがふらふらと出てくる。用心棒が懐から封筒をマイに渡し、出口のドアを開けた。ゲームルームからヴァネッサが出てきてルシアーナの前に立つ。

品定めする様に視線を走らせてからルシアーナの髪からピンを抜いて髪を下ろすと、パーティーにいる様な顔をしなさいと言った。そして、他の女性達に高額なお金を受け取るためにここへ来ているのよ、と言った。

赤毛の女性・アリーナにまた会えて嬉しいとヴァネッサは声を掛け、手を差し伸べる。アリーナはにっこり笑いヴァネッサと一緒に連れ立ってゲームルームへ行く。ルシアーナは、女性達にバッグに何が入っているのか訊くが誰も答えない。

するとゲームルームから女性の叫び声が聞こえ、拍手が続く。順番を待つ女性達の1人が取り乱し帰ると騒ぎ始め、用心棒達がその女性を無理やり連れ去ってしまう。

そこへ、上気したヴァネッサが足早にゲームルームから出て来ると、オルガに連れて来た女性達の文句を言い始めた。ヴァネッサは、もう信頼はしない、後でこの件は決着をつけるとオルガに吐き捨て、気を引き締め直してからゲームルームへ戻って行った。

女性達とオルガは揉め始めなじり合いになる。そこへヴァネッサがまた現れ、真っ直ぐにルシアーナに近づいた。ヴァネッサは客達が次にあなたを選んだと微笑む。ルシアーナはオルガから何をするのか全く聞かされていないと話す。

ヴァネッサは、何もする必要は無く、不運な事が起きれば自分で対処しろと言った。更に、ヴァネッサは、お金が目的で来たんでしょうと挑むような眼差しを向ける。

今夜ここで見た事は決して口外するなと言い、これはルシアーナの身のためだと念を押した。ヴァネッサは、次に選ばれたルシアーナと遊ぶ相手に自分がオルガを選択したと言う。

2000ドルの屈辱

ゲームルームの中にはガラス張りの棺が中央に置かれ、周りを客達が囲んでいた。ヴァネッサは、ルシアーナにバッグをブライアンと言う男に渡すように指示。言われた通りにすると、ブライアンが鍵を差し込んでバッグを開ける。

中から小箱を取り出して蓋を開けると大きな蜘蛛が這いだす。ブライアンは、ドクイトグモだと紹介。稀な違法生物であり、咬まれると分泌された猛毒液で壊死。もし生き残ったとしても一生障害が残ると説明。

このため、物音を立てず静かにするよう注意があった。ヴァネッサは、先程決定した通り、2人の女性に2分間ずつやってもらうと客達に話す。

そして、棺に入っている2分間蜘蛛は常に肌と接触していなければならず、もし体から離れた場合、もう1人の女性が棒で蜘蛛を再び寝ている女性に戻すようにと淡々と説明した。

ヴァネッサは、ルシアーナに服を脱いで棺に入りうつ伏せで横になるように言い、客達はこれを見るために来ているので忘れないようにと念を押した。ふとルシアーナが視線を向けると、客の中にホロウィッツが居る事に気づく。

ホロウィッツは視線をそらす。ルシアーナは服を脱ぎ全裸になると棺の中へ入り深呼吸をしてからうつ伏せになった。ブライアンがルシアーナの背中に蜘蛛を放す。毒蜘蛛はルシアーナの体を這いまわる。その様子をシャンパングラスを手にした客が見つめた。

ヴァネッサは、手にしていた砂時計の砂が全部落ちると、時間だと告げた。客が拍手。ルシアーナの目から涙がこぼれた。棺を出てルシアーナが服を着ると、ヴァネッサは、次はオルガの番だと客達へ紹介する。

オルガはブライアンにショルダーバッグを渡す。小箱から次の蜘蛛が這い出た。ブラジル産シボグモと呼ばれ攻撃的で予測不可能な行動を取り、噛む時は毒液が無くなるまで何度も噛み、筋肉麻痺を起して窒息に至るとブライアンが説明。

最期にオルガを見て、アメリカにはこの毒蜘蛛に対する解毒剤は無いとブライアンは補足した。オルガは全裸になり棺へ入りうつ伏せた。ルシアーナは、ブライアンから棒を受け取る。背中に放された毒蜘蛛は、長い脚を動かしオルガの体を這う。

オルガは蜘蛛をどけてくれと懇願し始める。ヴァネッサは砂時計を持ったまま何も言わず、客達同様に蜘蛛を見つめていた。泣き始めるオルガ。ルシアーナは、自分の腕を差し伸べて、蜘蛛を自分に移動させた。残り時間が来るまで微動だにしないルシアーナ。

息を飲むヴァネッサの砂時計が全て落ちた。制限時間が訪れた事が告げられ、女性2人の肌と毒蜘蛛が2分間接触を保った事で、女性2人に賭けた人の勝ちだとアナウンスされた。客達は「エキサイティング」だと口ぐちに言いながら去って行く。

ヴァネッサは、あなたの代わりを見つけたとオルガに言った。ゲームルームを出たルシアーナは用心棒から封筒を貰うと倉庫を出る。外のゴミ箱から自分の持ち物を拾いバックパックに入れて足早にその場を去った。

途中、屋台を引くヒスパニックの女性から1つアイスクリームを買い求め、封筒からお金を出してお釣りはいらないとルシアーナは言う。アイスクリームにかぶりつきジャケットのフードを目深に被ったルシアーナは帰路へ着いた。

『MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド』を観た感想

アメリカで一番人口が密集しているのがニューヨーク市であり、300万人の住民は外国からの移住者です。様々な国の人がひしめき合っていますが、それぞれコミュニティーを構築して住んでいます。その内、マンハッタンに住む人口は163万人。

お互い干渉しない移民の街で、同情心に欠け、明確な住む理由が無いとマンハッタンで生活するのは厳しいと言われています。競争が激しく物価も高いため、希望を胸に訪れても夢破れて帰国する外国人は大変多いです。

それでも帰りたくなかったと話すのが本作を制作したアナ・アセンシオ。ニューヨークで長く不法滞在をした過去があり、人生で一番苦しい時期だったと振り返り、この体験を映画化する事に決めます。

俳優を目指していたアセンシオは脚本を書き、映画撮影に関しては素人ながら全てを独自で学びました。目につくドアは全て叩いて資金を集め知人を作りながら製作にこぎ着けます。

本作のプロデュースも当初は単独で務めており、正にアセンシオの作品です。フラッシュバックや台詞で説明する事を嫌うアセンシオは、バスタブに溢れる虫を使う等、独特の手法で主人公が置かれた境遇を表現しています。

体調が悪くても医者に診てもらうお金や食べる物にも苦労する厳しい現実を率直に物語り、現金を求め怪しいアルバイトをせざるを得ない不法滞在者を取り巻く危うい環境を赤裸々に描写。嘘の無い表現は説得力を持ち、映画祭で評価された事に納得します。

夢を抱いた若い女性のオルガとは異なり、パニック障害に陥るほど困窮する生活でも尚マンハッタンに居続ける主人公・ルシアーナは、他に選択肢が無いと思い込み前にも後にも進めない状況に陥っています。

殆ど面識の無いオルガに半ば騙されて参加したルシアーナは、自分の命を懸けてオルガを助けたのではなく、それ程自分に価値を持っていない主人公の絶望を描いています。しかし、その行動を見込まれると言う皮肉。

ヴァネッサも数十年前に黒いドレスを着て立たされ、マンハッタンで生き残った女性だとアセンシオは語り、弱肉強食を独自の視点に置き換え、違法滞在している人間の命が如何に安く扱われているかを表現しています。

劇中で使われる毒蜘蛛は本物に似た蜘蛛を見つけて撮影され、昆虫専門の世話係・ブライアン本人が登場して扱っています。パニックになる直前までカメラを回したアセンシオは、劇中の落ち着きとは異なり、心中は穏やかでは無かったそうです。

監督、脚本、製作、主演の全てをこなしたアセンシオですが、全裸になり息詰まる場面を演技しながらディレクションする大変さに触れ、次回からは監督と脚本業だけに専念したいと話しています。

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