僕のワンダフルジャーニーのあらすじ・ネタバレと感想!犬の可愛いさが満載の映画

『僕のワンダフルジャーニー』は、2017年に公開され世界中でヒットした『僕のワンダフル・ライフ』の続編です。前作に続きW・ブルース・キャメロンの著作を基に映画化しており、キャメロン自身も脚本を共同執筆。今回は、孫娘を守るようイーサンから頼まれたボスドックの奮闘を描いています。動物と暮らした人なら誰でも共感できるハートフルな物語。

『僕のワンダフルジャーニー』作品情報

タイトル:僕のワンダフルジャーニー

原題:A Dog’s Life

監督:ゲイル・マンキューソ

脚本:W・ブルース・キャメロン、キャサリン・ミション、マヤ・フォーブス、ウォレス・ウォロダースキー

原作:『A Dog’s Journey』W・ブルース・キャメロン

製作:ギャビン・ポローン

公開日:2019年5月17日(アメリカ)、2019年9月13日(日本)

出演者:デニス・クエイド、キャサリン・プレスコット、マーグ・ヘルゲンバーガー、ヘンリー・ロウ、エリザベス・ギルピン、ジャイク・マンリー、ジョシュ・ギャド(ベイリーの声)

『僕のワンダフルジャーニー』概要

本作は、W・ブルース・キャメロンの小説『A Dog’s Journey』を映画化しており、ゲイル・マンキューソにとっての長編映画初監督作品です。愛犬家でもあるエミー賞受賞監督のマンキューソは、前作『僕のワンダフル・ライフ』の大ファンでした。本作に対する観客の支持率は、Aランクと驚異的な高い評価を得ています。

僕のワンダフルジャーニーのキャスト

主人公ビッグ・ボスの相手C・Jを演じるのは、『心のカルテ』のキャサリン・プレスコット。デニス・クエイドが引き続きイーサン役で登場。イーサンの妻・ハンナをテレビドラマ『CSI:科学捜査犯』でお馴染みのマーグ・ヘルゲンバーガーが扮し、C・Jの相手役・トレント役には韓国と中国を拠点に活躍する中国系カナダ人アイドルのヘンリー・ラウ。

『僕のワンダフルジャーニー』あらすじ・ネタバレ

ボスドッグ/ベイリー

イーサンとハンナの牧場で一緒に暮らすベイリーは、毎日幸せに暮らしている。2人の孫娘C・Jは幼く、夫を亡くしたばかりの母親・グロリアは常に苛ついていた。ある日、電話に夢中のグロリアが目を離した隙に、C・Jが馬を放している囲いの中へ入ってしまう。

危険を察知したベイリーは急いで駆け付け、C・Jを守る為必死に吠えて馬を遠ざける。その声を聞きつけたイーサンは孫を抱いてグロリアを叱りつけ、ベイリーがC・Jを救ったと話す。しかし、グロリアは聞く耳を持たず、ベイリーを毛嫌いした。

イーサンに「ボスドッグ」と呼ばれるのが気に入っているベイリーは、潰れたアメフトのボールをくわえて遊ぼうとおねだり。フェンスを修理していたイーサンは、途中で手を止めてベイリーといつもの技を繰り出す。

四つん這いになったイーサンはベイリーに合図し、ボールを宙に高く放り投げる。ベイリーは駆け出し、イーサンの背中に飛び乗ってジャンプし、落ちて来たボールを上手く口でキャッチ。満面の笑みを浮かべたイーサンは、ベイリーを褒めてやる。

グロリアを不憫に思ったハンナは、幼いC・Jの面倒を自分達が牧場で見るので、歌手の夢を追うよう言葉を掛けた。するとグロリアは、亡くなった夫が娘に残した財産を目当てにしているといちゃもんをつける。ハンナは驚愕し、イーサンは娘の事を考えろと叱った。

イーサンの頼み

グロリアはC・Jを連れて牧場を出て行くと言う。落ち着いたら居場所だけでも知らせて欲しいとイーサンはグロリアに声を掛けた。ベイリーのお腹にこぶを見つけたイーサンは、獣医に診断を仰ぐ。痛みで納屋に座り込むベイリーの側にイーサンは付き添った。

安楽死の注射器を持った獣医が訪れる。イーサンは、生まれ変わったらC・Jを見守って欲しいとベイリーを抱きしめ涙を流した。チクッと感じた後、目覚めたベイリーの前には陽光を浴びた草原が広がる。何があってもC・Jを守ろうとベイリーは決意した。

モリー

C・Jが10才の時、ベイリーは近所の家でメス犬のモリーとして生まれ変わった。兄弟が多くて母のミルクを競い、かじりたい物をかじる。そこへトレントが両親を連れて来て、モリーの兄弟・ロッキーを貰って行く所をC・Jが見つめていた。

幼馴染のトレントが手伝い、C・Jはモリーを引き取ることに成功。しかし、犬嫌いのグロリアには内緒だった為、見つかって怒られる。夕食も作らず夜中に男性と出かけて家を空ける間、自分を守ってくれたのはモリーだとC・Jは反抗した。

仕方なくグロリアはモリーを受け入れる。C・Jの成長と共にモリーは片時も離れなかった。トレントと暮らすロッキーと皆で公園へ行き一緒に過ごす。音楽が大好きなC・Jは、シンガーソングライターを夢見る様になり、出会ったシェーンと親しくなった。

ある日、シェーンに無理矢理誘われてC・Jはパーティーへ行く。そこでシェーンがマリファナを買い、目をつけていた警察に踏み込まれる。社会活動を条件にお咎め無しの処分を受けたC・Jは、モリーが持つ能力を有効活用できる施設で働くことになった。

係官は、人間より千倍嗅覚が鋭い犬の能力で、がん患者の病気を早期発見する試みを行っていると説明。モリーは、訓練された他の犬が病気特有の臭いを嗅ぎ分けて患者の前で座ると、おやつを貰えることを目撃。早速自分も患者を嗅ぎ分けておやつを貰った。

シェーンが施設を訪れ、連絡を寄こさないC・Jに文句を言う。ウンザリした態度を見せるC・Jの腕をシェーンが乱暴に掴むのを見たモリーは、シェーンの足を思いっきりかじった。帰宅したC・Jはグロリアにシェーンの行動を報告し、酷い目に遭ったと訴えた。

しかし、男性に捨てられ酔っぱらう母親は、C・Jがシェーンをその気にさせたのではないかと無神経なコメント。C・Jは遂に愛想を尽かし、父親が自分に残したお金で家を出て自立すると言い放つ。しかし、グロリアは、そのお金を使い果たしたと明かす。

必要な家や車を購入したと主張するグロリアに、ブランド物の服やケースでワインを買っていた母親の贅沢をC・Jは指摘。父親のお金だけがこの世で誰かが自分を気に掛けてくれた証だったと涙ぐみ、モリーを連れて家を出て行った。

車を持って行くなと怒鳴る母に、C・Jは自分のお金で支払った物だと言い返した。夜道を走るC・Jの車を後からシェーンが嫌がらせで追いかけて来る。振り払おうとするC・Jに、シェーンはわざと追突。車は横転し、C・Jはシートベルトで宙づりになった。

慌てたシェーンはそのまま逃走。C・Jはシートベルトを外して何とか体を自由にするが、モリーは致命傷を負ってしまう。ベイリーだった時、同じように命の終わりを迎えた事をモリーは思い出した。C・Jは、静かに目を閉じるモリーにすがって泣いた。

ビッグドッグ

ベイリーはジョーの下で生まれビッグドッグと呼ばれた。国道沿いに在る小さなガソリンスタンドの所有者であるジョーは、ビッグドッグの好きなおやつを沢山食べさせる。一緒に店番をしていたある日、C・Jが店内に入って来た。

ビッグドッグは臭いで彼女だと分かり立ち上がった。ジョーは、誰に対しても決して立ち上がったりしない犬だとC・Jに言った。膝を突いて挨拶するC・Jに、ビッグドッグはお手をする。驚くジョーに対し、C・Jは、自分も昔犬と暮らしていたと寂しそうな表情。

何となく買った宝くじで50ドル当てたC・Jはお礼を言って店を出る。ビッグドッグは、やっと出会えたC・Jの後を追って店外へ。彼女の乗る車を必死で後を追い掛けるが距離は縮まらず、ビッグドッグはそれ以上走れなくなった。

迎えに来たジョーの車に乗って引き返したビッグドッグは、以降もずっとC・Jが再び店を訪れるのを待ち続ける。しかし、また逝く日が来た事を悟り、ビッグドッグは外へ出て1人藪の中へ入って行く。目を開けると再び陽の光がさんさんと降り注ぐ草原へ出た。

小道を駆け上がり、C・Jを守り続けようとベイリーは決意を新たにする。次に生まれ変わったベイリーはマンハッタンに居た。動物保護施設のお披露目会場で、自分を引き取りたい人達が檻の前で立ち止まるが、ベイリーはC・J以外は嫌だった。

マックス

ベイリーは、そこへ通り掛かったC・Jの姿を見掛ける。檻から抜け出したベイリーは全力疾走。バスの扉が開いた所を乗り込んで窓からC・Jの行き先を確認し、外へ駆け出した。一角にあるアパートのビルへ入って行った彼女にようやく追いつく。

エレベーターに滑り込んだベイリーに驚いたC・Jは、初めて見る犬を抱き上げ、「養子にしてください」と印刷されたケープに気づく。C・Jは会場へベイリーを連れて行き、同棲している彼氏に犬が居るので飼えないと施設員に話す。

マックスという名の誰にもなつかない犬で、施設が満員の為翌日安楽死させる予定だと聞いたC・Jは、マックスを引き取ることにする。マックスは、一緒に暮らす大型犬を子分にした。作曲を続けていたC・Jだが、犬の散歩をするバイトで生計を立てていた。

マックスはC・Jがバイトへ出掛ける時は必ず先頭を走る。ある日、散歩から戻ったマックスは、懐かしい臭いを嗅ぎ付けてC・Jを引っ張りアパートの廊下を走って行く。マックスが扉を引っ掻くと中からトレントが顔を出し、偶然の再会にC・Jは相好を崩した。

トレントはロンドンに暫く滞在し、マンハッタンで仕事を得たので移って来たと近況を話す。C・Jは、グロリアとは疎遠で、その母親から祖父母が自分のお金を盗むもうとしたと聞かされ、身寄りが無い事をトレントに打ち明けた。

縁結び

黙って聞いていたトレントは、今度お互いの相手を連れてダブルデートしようとC・Jを誘う。一部始終を見ていたマックスは、C・Jを笑顔にしてくれるトレントこそ、仲間であるべきだと判断。C・Jの彼氏追い出し作戦を実行した。

先ず靴をかじってボロボロにし、トイレに入れば扉の外に糞をしておく。彼は糞を踏んづけて怒り心頭。C・Jは彼と喧嘩になり、マックスを連れてアパートを飛び出し、転々とその日眠る所を移る暮らしをした。

事情を知ったトレントは、新しい住まいが決まるまでC・Jに自分のアパートの1室を提供。しかし、トレントの彼女・リーセルは焼きもちから、C・Jが音楽で生計を立てられず犬の散歩が仕事だと意地悪い。

トレントは、人前であがってしまうのが原因で歌を発表できないのかと尋ねる。C・Jは、自分の作った歌が受け入れて貰えないかもしれないとこぼした。トレントは、歌ってみなければその答えは分からず、勇気を出せとC・Jを励ました。

側に居たマックスは、以前施設で嗅いだ臭いを嗅ぎ付け、おやつ欲しさにトレントの前に座る。モリーと同じ行動をふと思い出したC・Jは、貰ったアドバイスについて考えるので、最近疲労を感じているトレントも医者の診察を受けるよう忠告した。

約束通り医者に診てもらったトレントは、早期の癌を患っていることが判明。化学療法を受ける事になるが、自分は病院が苦手だとリーセルは取り乱す。C・Jは、治療で疲弊するトレントを献身的に看護した。

永遠の相棒・イーサン

春が訪れる頃、トレントは全快。お返しに何か出来ないかと考えたトレントは、ロードトリップへ行こうとC・Jを誘う。マックスは気に入らないが、C・Jは、道中しっかりマックスもシートベルトをさせた。3人は、イーサンとハンナが暮らす牧場へ到着。

マックスは懐かしい光景に興奮し車を飛び出す。一気にイーサンの家まで走ると玄関の扉を引っ掻く。イーサンが顔を出し、マックスを見て可愛い犬だと笑顔を向け、ハンナも出てくる。そこへ現れたC・Jを見た2人は、嬉しそうに孫娘を抱きしめた。

写真アルバムに納まる幼い頃の自分を見せて貰ったC・Jは、幸せな時間を過ごしていた事を初めて知る。ハンナは、若くして夫を亡くしたグロリアは将来を悲観して苛立っていた事を話した。C・Jは、長く腹を立てていた母親の気持ちを想像した

一方、マックスはイーサンに会えて嬉しくて堪らない。自分を抱き上げたイーサンの顔を思いっきり舐め回す。C。Jは、人にあまり懐かないマックスを見て首をかしげる。イーサンは、「仕組みは分からないが、ボスドッグの生まれ変わりだと」言った。

半信半疑の孫娘の顔を見たイーサンは、証明すると言ってマックスに目くばせする。後を着いて外へ出て来たマックスに、イーサンは潰れた古いアメフトのボールを掲げた。興奮するマックス。イーサンは、年を取り思い通りにならない体を四つん這いに折った。

準備は良いかと訊かれたマックスは、C・Jが見ている前で吠えて合図。イーサンがアメフトのボールを宙に放り投げるとマックスは走ってイーサンの背中に飛び乗り、ジャンプした。しかし、今生は小型犬の為、上手く小さい口でボールをキャッチ出来ない。

それでもイーサンは、良くやったとマックスをボスドッグと呼んで褒める。マックスは、その呼び掛けが嬉しかった。C・Jはマックスの行動を見て驚きを隠せない、イーサンは、C・Jが生まれる前から一緒にやっていた事だと言った。

ベイリーが息を引き取る時、孫を守って欲しいと頼んだ自分の願いを実行したんだと真剣な表情で話す。C・Jの脳裏に様々な記憶が蘇り、突かれた様にトレントの所へ走り出した。

モリー、ガソリンスタンドで自分をずっと追い掛けて来た犬、そしてマックス、皆ベイリーの生まれ変わりだと悟ったC・Jは、マックスが自分を見つけ、トレントに引き合わせた事を話した。2人はやっと幼い時からお互い愛し合っていた事を告白し合う。

牧場をカバーにした歌のアルバムをリリースしたC・Jとトレントは結婚。イーサンは皆に見守られ、マックスが添い寝をする中静かに息を引き取った。夫婦には子供が生まれ、グロリアが時々孫に会いにやって来た。

そして、マックスは、自分にもまた逝く時が来た事を知る。次に目を開けると、これまで通り美しい草原が広がっていた。その中央に、笑顔で自分を待っているイーサンが立っていた。ボスドッグは、イーサンに向かって一目散に駆け出した。

『僕のワンダフルジャーニー』を観た感想

殆どがキリスト教徒であるアメリカで、たくさんの人々から賞賛された犬の生まれ変わりをテーマにした『僕のワンダフルジャーニー』。動物の純粋さは人の心奥深くに伝わり、無条件に愛情を傾ける彼等を人もまた慈しむ姿を紡いだ作品です。

動物と特別な関係を築いた経験のある観客は、普段宗教的には懐疑的であっても、自身の生活で愛を注いだ動物は転生して再会できると誰もが望むのです。その願いを美しく描いた物語は多くの人の涙を誘い、普段辛口の批評家も絶賛しました。

キャストは全員愛犬家で構成。『モダンファミリー』で2度のエミー賞に輝いたゲイル・マンキューソは、前作『僕のワンダフル・ライフ』のプロデューサーであるギャビン・ポローンから本作の監督業について打診されました。

マンキューソが5頭の犬を飼っている事を知った上でのオファー。これまでにも映画撮影に動物のトレーナーとして数多く関わって来たボニー・ジャッドが犬達を特訓。ジャッドの指導で動く犬達はおやつを貰いながら機嫌よく参加したと話します。

シリーズの著者であり脚本家でもあるW・ブルース・キャメロンは、実生活で亡くなった愛犬の話を書いた本が19週間ニューヨーク・タイムズのベストセラーとなり、50の言語に翻訳されています。

作品に込めたメッセージを尋ねられたキャメロンは、多くの動物が直面している殺処分を知って、家族として迎える事を考えて欲しいと語り、キャメロン自身も、成犬を引き取りタッカーと名付けて一緒に生活しているとインタビューで答えています。

動物は言葉ではなく心で交流する事を映像化した『僕のワンダフルジャーニー』は、彼等が人生を終える時に温かく見送るこちらの気持ちが伝わると物語ります。

長く一緒に暮らした動物が逝く時は大変辛いものですが、何時か自分も命を終えた後に光り輝く草原でまた遭えるよと締めくくる本作は、今生で出会う縁は偶然ではなく動物達に選ばれているかもしれないと思わせてくれる感動的なストーリーです。

また、前作『僕のワンダフル・ライフ』で出演したジャーマンシェパードが虐待を受けたとエンタメサイトTMZがインターネット上に動画を流し物議を呼び、日本でも報道されました。

撮影現場へ自分の犬を連れて来るイーサン役のクエイドは、数々の番組で事実無根だと主張。調査の結果、動画は事前に編集された事が判明していますが、動物虐待の長い歴史を持つハリウッドを監視する動物保護団体の存在が注目されました。

本作に登場した犬達に対し、周囲がとても気を配っている撮影風景が公開されています。愛犬家が集まり動物を愛する人の為に製作したと言える『僕のワンダフルジャーニー』は、人生を共にする4つ足の家族に改めて感謝する温かい気持ちにさせてくれる映画です。

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