言わずと知れた名作でクリスマスを代表する作品、「クリスマス・キャロル」
その作者であるチャールズ・ディケンズが彼の大ヒット作「クリスマス・キャロル」が出来るまでの奮闘ぶりを描いた今作。
チャールズ・ディケンズをディズニー映画でエマ・ワトソン主演の「美女と野獣」にて野獣を演じ絶大な人気を誇るダン・スティーヴンスが演じていることでも知られている作品です。
Contents
Merry Christmas!〜ロンドンに奇跡を起こした男〜
タイトル:Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~
原作:The Man Who Invented Christmas
監督:バハラット・ナルルーリ
脚本:スーザン・コイン
原作:レス・スタンディフォード
公開日:2018年11月30日(日本)2017年11月22日(アメリカ)
出演者:ダン・スティーヴンス/クリストファー・プラマー/ジョナサン・プライス他
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実力派俳優で知られる、ダン・スティーヴンス演じるチャールズ・ディケンズと同様、重要な人物であるスクルージ役を「人生はビギナーズ」にてオスカーを受賞した俳優、クリストファー・プラマーが、そしてチャールズ・ディケンズの父を「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでおなじみのジョナサン・プライスが演じています。
Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~のあらすじとネタバレ
時は1842年。小説「オリバーツイスト」が大ヒットし一躍有名となった小説家、チャールズ・ディケンズはツアーのためニューヨークにいました。観客からの大声援を浴びながらステージに立ったチャールズですが、イギリス人の彼はアメリカのユーモアやホスピタリティーの違いを見て早く故郷のイギリスに戻りたいと感じたのでした。
新たな作品づくり
翌年、ロンドンに戻ったチャールズは新作のアイデアを考えていました。しかし中々アイデアが浮かんできません。
そこに彼の友人でビジネスパートナーのフォースター氏が来てるわよ。と妻のケイトが声を掛けました。すぐ行く!と準備をし、「もう少しゆっくり歩いてくれ!」と言われながらも大慌てでフォースターと外に出たチャールズ。
向かった先は出版社でした。これから書く新作の原稿料の前借りと頼んだチャールズですが、断られてしまいます。
ご立腹なチャールズはその場を去りますが、フォースターに出版社から「先週また”彼”が仕出かしたんだ。」と伝えました。フォースターは「ありえない!彼は離れた田舎町にいるし、ここに滞在するのも禁止されているんだぞ。」と言いますが、
その彼から届いた手紙をフォースターに渡しました。そこには新聞社に売るために集めたチャールズのサインが沢山入っていました。
そこには「至急お金が必要なんだ。」というメモもありました。「必ず返すよ。でも絶対にチャールズには言うなよ。」と念押ししチャールズの後を追いました。
とある場所に入ったフォースターは隅に隠れているチャールズを見つけ何で隠れているのか聞きました。チャールズは彼が苦手とする批評家のサッカレーがいるから隠れているんだ。言い、バレないよう席につきました。
お祝いをしようとシャンパンを頼んだフォスターに何のお祝いなんだと聞いたチャールズたちの元に先ほどの批評家のサッカレーが訪れチャールズに沢山の嫌味を言い去って行きました。
執筆は進まない、家の改装費用や心優しいチャールズは家なき子をほっとくことが出来ず、明日また新しい難民の子を迎え入れると言うチャールズにはお金が必要でした。
そんな彼にフォースターは断ることも大事だよ。と言いつつ出版社から受け取った前借金を年末までには作品のチャプター1を仕上げると言う条件付きで貰って来ていたのでした。それに驚いたチャールズにフォースターは更に「締め切りあった方が君はやりやすいでしょ?」と言ったのでした。
自宅に戻ったチャールズは早速机に向かい執筆を始めようとしていました。
そこに奇妙な雄叫びが聞こえ不信に思ったチャールズはその声がする子供部屋を覗くと一人のメイドが子供たちにある物語の話をしていたのでした。
その晩、妻のケイトに「新しいメイドでも雇った?」と聞き、ケイトは「ああ、ターラのことね、アイルランド人の子よ。」と言い、枕元のろうそくを変えようとしたところ、「まだ交換しなくても大丈夫だろ。」と、最近お金にシビアなチャールズが注意しますが、「それなら道端の物乞い全員にお金をあげなかったらいいじゃない!」とケイトも反論し、少し険悪なムードに。
チャールズは執筆が行き詰まっていることもありカリカリしていたのでそれが原因だと、何か他の職業にでもつけば良かったと嘆くチャールズにケイトが「話が変わるんだけど、今日お医者さんに診てもらったの。」と言いました。
勘付いたチャールズは「嘘だろ?」びっくりし、「喜んでくれる?」と聞くケイトに「勿論だ!」と答えました。そうです、ケイトのお腹に赤ちゃんが宿ったのでした。
チャールズは夢にうなされていました。
それは父が昔チャールズが子どもの頃プロジェクターで話を聞かせてくれた時恐ろしいものを見て怖がっている彼に父が慰めてくれたものでした。
はっと目覚めたチャールズはそのまま子どもたちに挨拶をし、新しいメイドのターラに昨晩話していた物語について聞きました。ターラは昔祖父母が教えてくれたもので、クリスマス・イヴになるとこの世とあの世のベールが薄くなり幽霊がこの世にやってくるというものでした。
閃き
チャールズは難民受け入れについての公演行った後、帰路についていたところ、一人の男が「子どもはいらないか?よく働くぞ。」と子どもの売却していました。
それに腹を立てたチャールズは彼の後を追いましたが、その先は墓場でビジネスパートナーを失った老人が立っていました。
チャールズの方に歩いて来て、「バカバカしい。」と言い去って行きました。その一言でアイデアが浮かんだチャールズは小説を書き始めました。
~とある会社を経営するビジネスマンは守銭奴で、彼は一緒に働いていたパートナーが亡くなりますが金の亡者である彼は、お金のことしか考えていないので涙も流すことはありませんでした。そしてクリスマス・イヴ。彼は幽霊と遭遇し、彼にどんなに彼自身が惨めで嫌らしい傲慢な奴かを伝えるんだ。~
という書き上げたストーリーラインを出版社に話すチャールズ。しかし出版社は苦い反応をします。
そしてもう10月後半で時間がないぞ。と指摘を受けたチャールズは自分のアイデアに反対する出版社に、前借金を返し「ご意見をどうもありがとうございました。」と帰ってしまいました。
一方その頃、ロンドンにある二人の老夫婦がやって来ます。男の方が作者の直筆のサインが入った本を売っていました。
そこにはこう書かれていました。
「親愛なるパパへ。チャールズより」
チャールズとフォースターは弁護士の元を訪れていました。以前、彼の作品オリバーツイストにて著作権の侵害があったチャールズは訴訟していました。
勝訴したのですが、被告人がお金が無く支払うことが出来ないので逮捕する予定だと言う弁護士にチャールズは、「いやそれはいい。」と止め、ならわかったと弁護士は今回の訴訟した分の請求をして来たのです。
チャールズは次の1月まで待ってくれるようそしてそれに加えお金を更に少し貸して欲しいと頼み、どんどん自分の首を締めていくチャールズ。フォースターにイラストレーターを探すよう頼み自分は作品作りに戻りました。
スクルージという男
幽霊の名前が思いつかないチャールズ。そこに薪を変えていたターラが持つ小説に目が止まります。そして彼女が持っていた小説と自分の小説を交換し、また作業に戻りついに閃いたのです。
「スクルージ!」そう名前を叫んだ時、「窓を閉めろ!俺は金で出来た奴だと思っているのか?」とそこにスクルージが立っていたのです。
彼はチャールズが創り出したキャラクター。
そんな人間嫌いで無慈悲な老人スクルージにチャールズは色々問い質していたところ、メイドの声にて幻想の人物スクルージは消えてしまったのです。
そこには喋る鳥が暴れており、そしているはずのないチャールズの父と母がいたのです。父はロンドンに仕事で来たんだと言い、しばらくチャールズの家に滞在することとなりました。
部屋に戻ったチャールズの元にまたスクルージが現れ、ストーリーを書いていく中、スクルージの亡くなったビジネスパートナーのマーレイの亡霊が現れます。
そして彼が最後にチャールズに「過去と現在、そしてこれから来ることに気をつけろ。」と忠告し消えていきました。
チャールズの秘密の過去
また夢を見ていたチャールズ。それは彼が幼少期、浪費癖があった父が自己破産し監獄に収監されてしまったのです。
そしてその後、家族も牢獄で共に生活する権利があったのですがチャールズだけ一人靴墨工場で働かされた過去があったのでした。それをまた突如現れた第一に過去の幽霊、アナ・マーフィーによってチャールズは再び夢で自分の過去と直面することになったのでした。
行き詰まり
そして悪夢から目を覚ました彼は着々と執筆を進めていきます。ターラに夕飯を持って来てくれと頼み、彼女に書き上げた分を読み聞かせました。
そこには第二の現在の幽霊であるジャスティン・エドワーズが現れ、チャールズの姉の家族がいました。しかしそんな姉の息子ティムは病気を患っており物語の中で彼が亡くなってしまうという内容でした。
それを聞いたターラはとてもいい作品だけど、ティムが亡くなるのは酷であると言います。
そして何故スクルージは彼を助けれなかったのかと問い、スクルージは傲慢すぎるからだと説明したチャールズですが、それにターラはそんな傲慢な彼にもどこかに良心はあるはずで、更に彼はモンスターではないのだから、変わることだって出来る!と力強くチャールズに言いました。
そして後日フォースターにも話を聞かせたところ彼もティムを死なせるのは反対だと言いました。
チャールズはまた悩んでいました。
特にスクルージのキャラクター設定に頭を抱えていたチャールズですが、良き友人であるフォースターのおかげにより、その邪悪なキャラクターであるスクルージにも違う一面があることをチャールズが気付きます。
その夜フォースターと夜な夜な飲んだ後、自宅に着いたチャールズは父が自宅のゴミを漁っているのを見かけます。父が手にしたものを見るとそれは自分のサインが入った手紙でした。
自分のサインを売り、生計を立てていることを知ったチャールズは父に邪魔だから目の前から消えてくれと言い放ったのでした。
自分自身との戦い
それからのチャールズは精神的に荒れ、作品も思うように進まず、やけになってしまった彼はターラも解雇してしまい、物を投げ叫ぶチャールズに、妻も疲れてしまったと言い何もかも行き詰ってしまいました。
思い悩んだ末、チャールズは辛い過去である幼少期に働いていた靴墨工場へと一人向かいました。
そこに現れたスクルージは「父はお前を捨てたんだ。誰もお前のことなんて気に留めない。」などチャールズを責めます。そんなスクルージにチャールズが「お前は誰だ。」と問い質すと、スクルージがこう言ったのです。
「俺のことは知っているだろう。お前の裏の闇の部分だよ。お前は俺から逃げることは決して出来ないんだよ。」と。
そして「人は変わることは出来ないんだよ。お前は父みたいに役立たずなんだ。」とスクルージが言ったとき、チャールズは昔父が言った、「役立たずな人間などいない。」という言葉を思い出します。
そこからはチャールズの番。何も記されていない墓が現れ、スクルージという自分の分身にいかに彼が惨めで傲慢で友達もいなく、お前が亡くなってもそれこそ誰も気にしないと言います。
どんどん桶の中が狭くなって来て、スクルージがついに、「自分も何かの役に立ちたい。せめて亡くなる前に何か良い事をさせて欲しい。」と言ったのです。
大ヒット作の誕生
自分に打ち勝ったチャールズは残りのページを書き上げ、両親たちにも去るように言ったことを撤回し、印刷も間に合い無事に彼の作品、クリスマス・キャロルが出版されたのでした。
クリスマス・キャロルはクリスマス・イヴに全て売り切れそして、売上は慈善団体に寄付されました。
Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~の感想
主人公であるチャールズ・ディケンズは全世界で大ヒットとなり今現在でも誰もが知る、「クリスマス・キャロル」の作者。そんな彼のクリスマス・キャロルができるまでの過程を描いた作品です。
チャールズ・ディケンズはその他にも数々の作品をこの世に残していますが、彼の作風は主に下級階級を主人公とし弱者からの視点で描いたものが多いことで知られています。
彼の生まれ故郷であるイギリスは昔は特に階級社会でした。それはこの作品でも描かれているように、彼自身が幼少期、家族が破産し辛い労働生活を送っていたからこそそういう作風になったのだと思われます。
他の自伝映画でも小説家についてのものが多々ありますが、どの小説家も苦悩の連続なんだとこの映画を通じて感じました。
スクルージが映画にて「シェイクスピアこそ本当の作家。」と述べているシーンがありますが、きっとそんなシェイクスピアにもチャールズ・ディケンズみたいにスランプに陥ったことがあると思います。
それをいかにスランプだと思わせずに様々な様式の作品を世に出すのかが真の作家なのかもしれません。
また、チャールズ・ディケンズは元々は社会を諷刺した作品を書くことで有名で、ネガティヴな視点から見つめることでスクルージのような何事にも否定的な考えが抱くことが多くそれが作品を生み出す際に仇となっていたのかもしれません。
またこの映画は実在するキャラクターのみではなく、チャールズが生み出した幻想のキャラクターが多々出てくるのもとても面白くユニークでした。
作中、少し気になったのは墓場であったあの老人はもうすでにチャールズが生み出した幻想のキャラクターなのか、はたまたその場に違う人もいたので実在するキャラクターなのか少し考えたりしました。
他のキャラクターで第一の幽霊、アナ・マーフィーも実はターラと同じ役者だったりとチャールズが創り出したキャラクターではあるが実際に身近にいる人物と繋がっていたりして、そこから観ている私たちはチャールズにはなかった想像が出来、それを映画を見た後に一緒に見た人と話合うのも楽しみの一つになると思います。
そして今ではクリスマスは一年の中でも重要な日ですが、この時代では商売には向いていないことなど、イギリス、特にロンドンの色んな背景も知ることが出来ました。
クリスマス・キャロルを今までに読んだことのある人は自分の知っている物語が実はこういう風に出来たのかという発見。
または名前だけ知っていて見る人は見た後に実際、名前では知っているけれどどんな作品か知らないので読んでみようとなるかもしれませんし、私も原作を読んでみたいと映画を観た後思いました。
映画には子どもも度々登場するので家族と一緒にもしくは恋人同士でも一緒に観やすい作品ですのでぜひご覧になって頂きたい作品です。
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