【完全暴露】映画「犬ヶ島」のあらすじネタバレと感想!ラストの結末は?

「グランド・ブダペスト・ホテル」や「ムーンライト・キングダム」などユニークな作風で有名のウェス・アンダーソンが「ファンタスティック Mr.Fox」に続くストップアニメーション作品「犬ヶ島」が2018年夏に公開されました。今回の舞台はなんと日本!

ウェス・アンダーソンワールドが描く日本が詰まった作品、「犬ヶ島」を今回ご紹介します。

犬ヶ島の予告動画

犬ヶ島の作品情報

タイトル:犬ヶ島

原題:Isle of dogs

監督/製作/脚本:ウェス・アンダーソン

ストーリー:ロマン・コッポラ/ジェイソン・シュワルツマン

公開日:2018323日(アメリカ)2018525日(日本)

出演者(声優):ブライアン・クランストン/コーユー・ランキン/ジェフ・ゴールドブラム/ビル・マーレイ/スカーレット・ヨハンソン/ティルダ・スウィントン/渡辺 謙/夏木マリ/オノ・ヨーコなど

詳細:監督から製作や脚本までウェス・アンダーソンが行っていますが、ストーリーは映画界にて偉大な存在であるコッポラ家からロマン・コッポラとウェス・アンダーソンが務めた映画「ダージリン急行」の主人公3兄弟の内の1人でコッポラのいとこであるジェイソン・シュワルツマンが務めています。

犬ヶ島のキャスト

ウェス・アンダーソンは一度気に入った役者はその後も起用することで有名。

彼の作品には常連と言われている俳優陣(ビル・マーレイ、ティルダ・スウィントン、ジェフ・ゴールドブラムなど)がいますが今回の犬ヶ島にも声優として重要な役を演じています。

犬ヶ島のあらすじ(ネタバレ)

今から10世紀も前の話。

犬たちは何不自由なく過ごしていました。

ただその当時の王朝、小林は猫派で犬を排除するため戦争を起こします。そこに子ども侍が現れ、小林王朝を首を獲り犬たちはその後ペットとして生き延びたのでした。ただ小林家はその屈辱を忘れることはありませんでした。

反犬派再び

時は過ぎ、今から20年後の日本。

ウニ県メガ崎市ではドッグ病が流行し政治的問題にまで広がっていました。

未だ人間への感染はありませんでしたがメガ崎市の市長である小林市長は今後人間への感染もあり得るとし、全ての犬をゴミ島へ追放するという法律を定めるという宣言をしました。まずは賛成の票を得るためにも自分の護衛犬でもあるスポッツを最初の犬としてゴミ島へ送ったのでした。

それから6ヶ月の時が流れ、ゴミ島には既にたくさんの犬が悲しみや怒り、そして病気に感染してしまう中、飢えを凌ぐためゴミしかない島で食料を探すためさまよっていました。

そこに5匹の犬がいました。野球で有名な強豪校のマスコット的存在だったボス、数の多くのドッグフードのCMに出演していたキング、裕福な家庭の元で飼われていたレックス、健康管理を怠らない愛犬家の元過ごしていたデューク、そして野良犬でいることに誇りを持っていたチーフです。

彼らはいつも通り共に行動し、餌にありついている中、一つの小型飛行機がゴミ島に不時着したのです。

新たな出会い

それに乗っていたのはまだ13歳という若さのアタリ。彼が一人でここゴミ島に来た理由というのは、彼の護衛犬である、スポッツをゴミ島から救うためでした。

そう、スポッツと言えばあの小林市長の犬だったはず。アタリは両親を事故で亡くしてしまい、その時小林市長がアタリを引き取り養子となったのでした。

そしてその時に派遣されたのがスポッツでした。彼らは深い友情で結ばれていたのでした。

そんなスポッツを救うため来たアタリですが、レックスがあいつかもしれないと連れて行ってくれた先にあったのは、ゲージの中で骨となった犬でした。

アタリは悲しみに暮れ、再び本島に帰ろうとしましたが、実はその亡くなった犬は違う犬だったことが判ります。

そこに市庁から送られた捕獲用ロボットが上空にやって来て、アタリが捕獲されてしまいます。5匹の犬たちはアタリを無事に助け出すが、それを知った小林市長はアタリが5匹の犬によって誘拐されたと報道したのです。

それでもアタリはスポッツに会うため、再び彼と5匹の犬たちはスポッツを探すため、まず予言犬として有名なジュピターとオラクルを訪れようと出掛けるのですが、野良犬であまり人間からの無償の愛というのを知らなかった危険だと言い、チーフは乗り気ではありませんでした。

ただ捕獲用ロボットと戦った後に出会ったゴミ島にいるながら汚れのない孤高の犬、ナツメグに出会い、彼女からまだ13歳の少年アタリを助けてあげるように言われたのが気に掛かっていました。

小林政権の陰謀と反乱

そんな中メガ崎市では小林政権に反対する犬愛護活動グループがいました。

彼らは同じく犬愛護家でドッグ病の治療薬の研究をしていた渡辺教授がついに治療薬を作ることに成功しましたがそれを発表した際、政府から軟禁されてしまいます。

それを知った犬愛護活動グループのトレイシーとメンバーの優秀なハッカーは共に何かあるに違いないと陰謀を晴らすため潜入捜査を始めます。

一方、アタリと5匹の犬たちは予言犬のジュピターとオラクルに出会い、きっとスポッツはゴミ島の東にある島に住む”犬肉嗜食”という噂のある先住犬たちに拐われた可能性があると言い、そこに向かい旅を続けるよう彼らに伝えたのでした。

その時既にゴミ島にゴミ島犬用シェルターの建設が進んでいました。それと同時に小林政権によって作られた犬型ロボットにより誘拐されていると報道されているアタリの捜査も再開しました。

渡辺教授が開発した新薬によって、再びメガ崎市に帰還できるはずだった犬たちでしたが、その時渡辺教授が小林市長から与えられた毒ワサビの付いた寿司にて暗殺されてしまいます。

この事件にてトレイシーは渡辺教授の死の裏に小林市長が絡んでいると確信しました。

その頃ゴミ島では、アタリと5匹の犬たちは先住犬が住む島へと向かっていました。その途中、アタリとチーフは他の4匹の犬たちは離れ離れになってしまいます。

アタリとチーフはそんな中、友情を築いて行きアタリはチーフにとって初めてのお風呂に入れてあげました。

そうするとなんと黒色だったはずのチーフは白い犬だったことが判り、アタリの探しているスポッツにそっくりだったのです。アタリはチーフにスポッツ用に持って来ていたビスケットをあげ、それを食べたチーフは「今まで食べた中で一番美味しい」と感動したのでした。

そしてついに向こうの島に渡る橋を見つけ、逸れていた他の4匹たちも無事だったことを知り安堵しますがついに小林市長によって送られた特殊部隊に見つかってしまいます。

その時、向こう側の島に1匹の犬がいるのが見えました。

真実とスポッツ

話はスポッツがゴミ島に送られた後の話になります。

頑丈なゲージによって送られたスポッツはそのゲージの鍵を持ってなく外に出れない状態でした。その時にやって来た1匹の犬に犬食である先住犬に気をつけなと忠告を受けます。

その夜、何匹かの犬がやって来てゲージごと他の島に連れられたスポッツは「これから俺を食べるんだろ?」と言いますが、その先住犬たちは「誰がそんな嘘を吹き込んだんだ。」と言いました。

実は彼らが犬食と呼ばれる理由は、以前彼らをまとめていたリーダー犬が餓死により昏睡状態となり哀れだった彼を栄養失調で死ぬ寸前だった彼らは仕方なく頂いたということだったのです。

それを涙しながらそして惜しむように話した先住犬を見てスポッツは彼らは噂で聞くような獰猛な者ではないと知ります。

そして場面は今に戻り、危険に晒されていたアタリたちをスポッツと先住犬が助け出したのでした。

その際にスポッツは現在、先住犬たちを率いるリーダーとなっており、またそんなスポッツがもうすぐお父さんになることをアタリたちに言いました。

それを知ったチーフはアタリがこれまでどれだけスポッツのことを心配して探していたか知っているのか!と責めますがなんとスポッツとチーフが生き別れになっていた兄弟だったことが判ります。

そして既に新しい人生を歩んでいたスポッツはアタリの護衛犬として新しくチーフを任命したのでした。

最終決戦

小林政権ではアタリは救出する際事故で亡くなったと報道し、次期選挙で再選するためゴミ島にいる犬たちを一斉駆除する案を出しました。それをフクロウから知ったアタリたちは小林市長を止めるべく、メガ崎市へと向かいます。

その一方、犬愛護活動家のトレイシーはかつて渡辺教授の元で共に働いていたオノ・ヨーコの元を訪れますが、渡辺教授の死からまだ立ち直れいなかった彼女はトレイシーに最後に残っていたドッグ病の新薬を渡し彼女に託したのでした。

そして選挙に再選した小林市長はセレモニーを行っている最中、トレイシー率いる犬愛護活動家たちが現れ、更にゴミ島から生還し戻って来たアタリと犬たちがやって来たのです。

アタリは犬たちを保護する声明文を読み上げ、トレイシーが持っていた新薬をアタリの新たな護衛犬のチーフに投与しました。

すると肺の機能や視力が低下していたのが回復し、それを見た小林市長はかつての良心を取り戻しゴミ島の犬の排除計画を撤回すると民衆の前で言いますが、その時彼の右腕として働いていたメジャー・ドーモがそれを許さず執行ボタンを押してしまいます。

犬たちの駆除が行われてしまうと皆悲しみ暮れますが、実は別室でハッキングをしていた犬愛護活動家の活躍にて犬たちは無事に生き残り解放されたのです。

新たな市長と新たな時代

しかし今回の騒動で人一倍活躍し奮闘していたアタリがダメージを受けており腎臓不全を引き起こしてしまいます。それを知った小林市長は自分のを移植するよう言い、無事回復したアタリを次期市長としたのでした。

トレイシーはアタリと交際し、チーフと実はトレイシーの愛犬であったナツメグとの関係も良好。更にはスポッツとパートナーのペパーミントの間に子どもが生まれ、また平和な日常が戻ったのでした。

犬ヶ島の感想とまとめ

「ファンタスティック Mr.Fox」以来のストップモーション作品となった今作品ですが、親日家でも知られるウェス・アンダーソンの日本愛を感じれる作品でした。

作品の中に出てくる爆発シーンはどこか原爆を彷彿させますし、津波や地震など日本とは切り離すことの出来ない単語が出てくることで、海外から見る日本はこういうイメージなのかなと考えさせられる描写がいくつかありました。

また彼は宮崎駿監督と黒澤明監督ファンであり、特に黒澤明監督には大きな影響を受けたようで作品の中でも数々のシーンでそれを見ることが出来ます。

例えば、

・主人公アタリと6匹の犬(スポッツを含める)が黒澤明監督の代表作でもある「七人の侍」と同じ構想。

・「七人の侍」でも出てくる皆横一列に並び凛と立っている姿もこの犬ヶ島で表現されている。

・小林市長は実は黒澤明監督作品の常連でもあった三船敏郎がモデル。

・「七人の侍」のテーマソングがそのまま映画に使用されている。

などウェス・アンダーソンの黒澤明監督への尊敬と愛をたくさん見ることが出来ました。

またウェス・アンダーソンは左右対称の画を多く用いることで有名ですが、今回の犬ヶ島でもそれは同じで黒澤明監督作品のオマージュが数多くある中、しっかりといつものウェス・アンダーソンワールドが存在しており今までの彼の作品とはまた違った味が出ており大変楽しめました。

ストップモーション映画ということで、人形やセットなどは全て手作りで、1体につき20を超える顔のパーツを作ったりされたそうです。

またあるアメリカのトークショーにてチーフ役を演じたブライアン・クランストンが出演した際に、3秒の映像を作るのに約12時間ほど掛かる全作品に至っては約4年ほど掛かったことを暴露していました。

作品を見ていても、風になびく毛並みなども表現されているのでそれを毎回毎回変えては撮りを繰り返し撮っているのだと思うと気も遠くなるような作業です。

それを経てのこの作品、もちろん映像はストップモーションとは思えないほどの滑らかな動きですので、もし1回のみならず複数回見る際にはそんなビジュアル面に注目されるのもいいのではないでしょうか。

犬ヶ島の舞台は20年後の日本ですが、日本人による主観的ではなく客観的に日本はどう見える、また将来こうなるのではないかというのを知ることができる作品です。

あまり海外の作品でここまで日本を描いてくれている作品はあまりなく、また犬を題材にしたストップモーション作品にすることでそこまで重たく感じられないようできているので、日本人だからこそこの映画は全世代の方々に見て頂きたいです。

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