世界初のフル3DCG長編アニメーション映画として世界中を席捲、その後のアニメの歴史を大きく塗り替えた前作『トイ・ストーリー』から4年。
今回は新たな仲間を加え、ストーリーも映像技術も前作より更なるパワーアップを果たしたシリーズ第2弾『トイ・ストーリー2』についてのあらすじとネタバレ、感想をご紹介します。
Contents
『トイ・ストーリー2』の作品情報
タイトル:トイ・ストーリー2
原題:TOY STORY 2
監督:ジョン・ラセター
脚本:アンドリュー・スタントン/リタ・シャオ/ダグ・チャンバーリン/クリス・ウェッブ
製作:ヘレン・プロトキン/カレン・ロバート・ジャクソン
公開:1999年11月24日(アメリカ)、2000年3月11日(日本)
声の出演:トム・ハンクス/ティム・アレン/ジョーン・キューザック/ケルシー・グラマー/ドン・リックルズ/ジム・ヴァーニー/ウォーレス・ショーン/ジョン・ラッツェンバーガー/アニー・ポッツ/ジョン・モリス/ジェフ・ピジョン/R・リー・アーメイ/フランク・ウェルカー/アンドリュー・スタントン/唐沢寿明(日本語吹替版)/所ジョージ(日本語吹替版) など
監督は前作『トイ・ストーリー』に引き続き、ピクサーの大躍進の礎を築いたジョン・ラセターが手掛けています。
本作は当初劇場公開は想定されておらず、ビデオやDVDでのリリースとなる予定でしたが、その完成度の高さにピクサーがディズニー側を説得、劇場用作品として仕上げられたという逸話があります。
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『トイ・ストーリー2』のキャスト
ダブル主演のトム・ハンクス(ウッディ・プライド役)とティム・アレン(バズ・ライトイヤー役)をはじめ、前作の主要声優陣はほぼ続投、本作から新たにヒロイン・ジェシー役としてジョーン・キューザックが初参加しています。
日本語吹き替え版では前作に引き続いて唐沢寿明(ウッディ役)と所ジョージ(バズ役)が続投しています。
『トイ・ストーリー2』のあらすじ・ネタバレ
銀河を駆けるバズ?!
本作はいきなり広大な大宇宙からスタート。
“スペースレンジャー”の一員であるバズ・ライトイヤー(ティム・アレン)は背中の翼で宇宙を超高速で飛び回り、荒れ果てた辺境の惑星に到着した。
バズはこの星にある悪の帝王ザーグ(アンドリュー・スタントン)の基地を壊滅させるという任務を負っていたが、バズは無数のロボット兵団に取り囲まれてしまったのだ。
バズはレーザー光線を惑星のクリスタルに反射させ、拡散させることでロボット兵団を倒し、惑星の地下にある敵組織の秘密基地に潜入したのである。
幾多の罠を潜り抜けたバズは口癖の「無限の彼方へ、さあ行くぞ!」と叫びながらザーグに立ち向かったが、あえなく敗れ去ってしまったのだった…。
これはバズと恐竜のおもちゃのレックス(ウォーレス・ショーン)がプレイしていたテレビゲームであった。
そう、バズたちは人間の少年アンディ(ジョン・モリス)が所有する“命を持ったおもちゃ”たちであるが、このことは人間たちには決して知られてはならない秘密なのだ。
ウッディのハットを探せ
一方、バズの大親友であるカウボーイ人形のウッディ・プライド(トム・ハンクス)はトレートマークのカウボーイハットを失くして困り果てていた。
折しもこの日はアンディが毎年参加している夏休みのカウボーイ・キャンプの日であり、毎年連れて行ってもらっているウッディにとっては非常に格好のつかないことなのである。
ウッディはガールフレンドである羊飼い少女の人形ボー・ピープ(アニー・ポッツ)、ジャガイモ人形のミスター・ポテトヘッド(ドン・リックルズ)とミセス・ポテトヘッド(エステル・ハリス)夫妻ら仲間たちにハットの行方を聞いてみても何の手掛かりも見つからない。
そこへ全身バネの犬のおもちゃのスリンキー・ドッグ(ジム・ヴァーニー)がハットを見つけてくれたのである。
そこにおもちゃたちの秘密を知るアンディの愛犬バスター(フランク・ウェルカー)が部屋に転がり込み、ウッディはバスターと戯れ始めるのだった。
ウッディの腕の限界
その時、キャンプの準備をしていたアンディが部屋に入ってきたのだ。
アンディは出発前、いつものようにウッディやバズたちおもちゃで遊び始めたのである。
ところがその時、ウッディの右腕の糸がほつれて取れかかってしまい、中から綿がはみ出す事態となってしまったのだった。
アンディの母(ローリー・メトカーフ)はウッディを置いていくようアンディを諭し、棚に置かれたウッディは落ち込みながら出発するアンディを見つめることしかできなかったのだ。
ウッディの見た悪夢
ウッディは深く落ち込んでしまい、仲間たちの励ましも届かなかったのである。
ウッディはそのまま棚で寝込んでしまっていたところ、家にアンディが帰ってきたのだった。
しかし、ウッディが壊れていることを思い出したアンディは、彼をそのままゴミ箱へと投げ捨ててしまったのだ。
これはウッディが見た悪夢である。
ハッと目が覚めたウッディは、すっかり古びて声を出せなくなってしまっていたペンギンの人形のウィージー(ジョー・ランフト)と久しぶりに再会したのだった。
ウィージーを救え!
そんな時、アンディの母は自宅の不用品をガレージセールで売ることになり、ウッディは慌てて仲間たちに注意を呼びかけるが、不用品をかき集めていたアンディの母はウィージーを棚から取り出して売ることにしたのだ。
仲間たちが心配するなか、ウッディは満身創痍の身を押してバスターに跨り、ロデオのように操りながら階段を駆け抜けて家の外に飛び出た。
ウッディは様子を伺いながらウィージーに近づき、バズや仲間たちは双眼鏡のレニーで様子を固唾を呑んで見守ったのである。
ウッディは何とか段ボール箱に忍び込み、ウィージーを救出することに成功したが、逃げようとしたウッディはバスターから振り落とされてしまい、そのままガレージセールに並べられてしまったのだった。
ウッディ、さらわれる
ウッディに目を付けたのは、たまたまガレージセールを見に来ていた小太りの中年男であった。
中年男はアンディの母にウッディを譲ってほしいと頼むも、アンディの母はそれを拒んでウッディをボックスの中に入れたのだ。
ところが、中年男は人目を盗んでボックスからウッディを盗み出し、そのまま逃走してしまったのである。
バズや仲間たちはすぐさまウッディを助けるために動き、バズは中年男の車にしがみつくも振り払われてしまったのだった。
バズは中年男の車のトランクから舞い落ちた鳥の羽を拾ったのだ。
仲間たちは作戦会議を開き、ウッディをさらった中年男の似顔絵やバズが把握した中年男の車のナンパー、そして鳥の羽から、中年男の正体がよくニワトリの着ぐるみを着ている玩具店「トイ・バーン」の経営者で大のおもちゃマニアであるアル(ウェイン・ナイト)であることを突き止めたのである。
ウッディのラウンドアップ
店の近くにある自宅の高層マンションに戻ったアルはニワトリの着ぐるみを着て、ウッディをガラスケースに閉じ込めたのだった。
アルがいなくなった隙を突いてウッディはケースから抜け出し、脱出口を探していたところ、ウッディの元に馬の人形のブルズアイ(フランク・ウェルカー)が現れ、ウッディを無理やり背中に乗せて走り出したのだ。
更に、ウッディの前に現れたのは、無邪気でおてんばなカウガール人形のジェシー(ジョーン・キューザック)である。
ジェシーはウッディに、ボックスの中に入ったままの老人の人形プロスペクター(ケルシー・グラマー)を紹介すると、ウッディにあるものを見せたのだった。
それは、かつてウッディが主役だった1950年代の伝説的な人形劇番組『ウッディのラウンドアップ』のポスターやサイン入りピンナップ、レアグッズの数々、大特集を組んだ雑誌などの数々であった。
続いてブルズアイは当時のビデオを再生、ウッディはかつての自分の活躍に目を輝かせたのだ。
一方、アンディの家では、バズや仲間たちがテレビCMなどからアルの店の場所を突き止め、バズ、ミスター・ポテトヘッド、レックス、スリンキー・ドッグ、ブタの貯金箱のハム(ジョン・ラッツェンバーガー)がウッディの救助に向かうことになったのである。
ウッディ、日本に売られる?!
ウッディはジェシーやブルズアイと共に、引き続き『ウッディのラウンドアップ』の劇中の自分の活躍に見惚れていたのだった。
ウッディは話の続きを見たかったのだが、何と番組は突然打ち切られてしまったのだという。
ジェシーやブルズアイとすっかり打ち解け、レアグッズを使ってはしゃぎ合うウッディだったが、突如としてプロスペクターは衝撃的な一言を発したのだ。
それは、ウッディたち『ウッディのラウンドアップ』のおもちゃは日本・東京の「小西おもちゃ博物館」に売られてしまうということなのである。
アンディの元に戻りたいウッディは日本行きを拒絶するが、ジェシーたちは頑なにウッディを説得しようとするのだった。
その時、アルが部屋に入って来たので、ジェシーたちは段ボールへ、ウッディはガラスケースへと戻ったのだ。
ところが、アルがウッディをケースから取り出そうとした時、ウッディの腕がもげてしまったのである。
アルは慌てておもちゃ修理屋に電話を入れたのだった。
その頃、バズや仲間たちは夜の闇に紛れてアルの店を目指していた。
バズは、かつて自分が悪ガキのシドに捕まってもウッディは諦めずに助けてくれたことを振り返り、仲間たちを鼓舞したのだ。
一方、ウッディはアルが居眠りしている間に奪われた片腕を取り戻そうとしたが、アルはスナック菓子を大量に散らばしており、ウッディはブルズアイの協力を得て菓子を踏んづけて音を鳴らさないよう慎重にアルに近づいたのである。
ウッディはアルの口臭に身悶えながらも何とか腕を奪い返そうとしたが、結局はアルが目覚めてしまったため失敗に終わってしまったのだった。
ウッディはジェシーと口論となり、取っ組み合いの喧嘩を始め、プロスペクターが仲裁に入ったのだ。
バズたち、アルの店に潜入
やがて夜は明け、バズたちはアルの店の前まで辿り着いたのだが、車の往来が激しい道路を人間に気付かれないよう渡らなければならない。
そこでバズたちはたまたま近くにあったカラーコーンに隠れ、車たちを多重衝突事故に巻き込みながらも何とか道路を渡り切ることに成功したのである。
一方、アルの家には前日手配した、年老いたおもちゃ修理職人(ジョナサン・ハリス)が訪れ、巧みな手さばきで丁寧に塗装を塗り直し、もげた腕も元通りに修理していき、ウッディは新品さながらの往年の輝きを取り戻していったのだが、靴底に書かれていた「ANDY」の文字は塗りつぶされてしまったのだった。
アルは蘇ったウッディの出来栄えに興奮を隠せなかったのだ。
アルの店に潜入したバズたちは手分けしてウッディの行方を探し、バズは大量の自分のおもちゃの中に新たに変身ベルトを巻いた仕様の最新モデル“ニュー・バズ”を発見したのである。
ところが、突然動き出したニュー・バズはバズに襲い掛かり、バズは自分のことをおもちゃとは認識していない様子のニュー・バズに自分と同じおもちゃであることを教えてあげようとしたが箱に閉じ込められてしまったのだった。
一方、おもちゃの車に乗ったハム、レックス、ミスター・ポテトヘッド、スリンキー・ドッグはショーを開いていたバービー人形(ジョディ・ベンソン)に協力を求め、彼女の案内で店の中を走り回り、ニュー・バズを本物のバズだと勘違いして車に乗せて行ってしまったのだ。
ジェシーの過去
すっかり気を良くしたアルは日本のミスター小西(フィル・プロクター)に連絡を入れ、ウッディたちの写真を撮ると商談を進めていったのである。
アルが去った後、生まれ変わった自分の身体に満足したウッディはアンディの元に戻ろうとするが、ジェシーは機嫌を損ねてしまったのだった。
ウッディはジェシーにどうしても帰らなければならないことを告げると、ジェシーは自らの隠された過去を打ち明け始めたのだ。
ジェシーはかつて“エミリー”という少女の持ち物であり、アンディがウッディを大切にしてきたようにジェシーも愛されていた過去があったのである。
エミリーはよくジェシーを外に連れ出し、日が暮れるまで一緒に遊んでいたのだが、やがて成長したエミリーは彼氏ができ、おもちゃ遊びよりもおめかしに熱中になり、いつしかジェシーはベッドの下で存在を忘れ去られてしまい、そのまま心を閉ざしてしまったのだった。
ある日、エミリーは久々にジェシーをベッドの下から拾い上げ、久しぶりに外へ連れ出したのだが、ジェシーはガラクタと共に段ボール箱に入れられてゴミ捨て場に捨てられてしまったのだ。
ジェシーは、たとえ自分やウッディが持ち主のことを覚えていても、持ち主はいつか自分たちのことを忘れてしまうと告げたのである。
それでもアンディの元に戻ろうとするウッディに、今度はプロスペクターが自分たちと共に日本の博物館に行けば永遠に人々から愛される存在になれると説得してきたのだった。
ウッディは説得を受け入れ、ジェシーたちと共に日本へ行くことを決意したのだ。
目覚める悪の帝王
ニュー・バズと共にアルのオフィスに潜入した仲間たちは、アルがウッディの写真をファックスで送付する様子を目撃したのである。
アルは日本行きの飛行機の手配も済ませており、仲間たちはニュー・バズに促されてアルのバッグに忍び込んだのだった。
一方、箱から脱出した本物のバズは、アルのバッグからレックスの尻尾がはみ出しているのを目撃、すぐさまアルの後を追うも、アルは車で走り去ってしまったのだ。
バズはおもちゃの箱を利用して自動ドアをこじ開け、アルの車を追ったが、おもちゃ箱の中にあった“悪の帝王”ザーグのおもちゃが目覚めてしまったのである。
自宅マンションについた仲間たちはニュー・バズと共に換気口を経由してエレベーターをよじ登り、本物のバズも彼らの足跡を辿ってマンションに入っていったのだった。
その頃、アルは日本への空輸の準備を着々と進めていたのだ。
仲間たちとニュー・バズはアルの不在を突いて部屋に突入、ジェシーたちと浮かれていたウッディと再会を果たしたのである。
ウッディはニュー・バズを本物のバズだと思い込み、彼に連れ去られそうになるが、そこに本物のバズが現れたのだった。
本物のバズは足の裏の「ANDY」の文字を見せて自分が本物であることを証明、ニュー・バズとも和解してウッディを連れ帰ろうとするが、ウッディはジェシーたちを見捨てるわけにはいかないとして拒んだのだ。
ウッディはバズや仲間たちに『ウッディのラウンドアップ』のビデオを見せ、博物館で永遠の存在になれる喜びを語ったが、バズはウッディはコレクションではなく子供に遊ばれてこそ輝ける存在であると説いたのである。
しかし、ウッディはバズの意見を聞き入れず、バズたちは説得を断念して撤退することにしたのだった。
途方に暮れたウッディは改めてビデオを見返してみると、そこにはアンディと同じくらいの年齢の少年がウッディを抱きしめている光景が映し出されたのだ。
ウッディは足の塗装を剥がして「ANDY」の文字を思い起こし、バズたちと共にアンディの元に帰る決心をしたのである。
プロスペクターの逆上
ウッディはジェシーとブルズアイを説得、一緒に連れて帰ろうとしたが、いつの間にか箱から抜け出していたプロスペクターは出入り口を塞ぎ、ツルハシを手にあくまでも一緒に日本へ行くようウッディを脅したのだった。
バズや仲間たち、ニュー・バズはウッディを助けようとするが、部屋に入って来たアルはウッディたちをケースに詰め込んでエレベーターに乗り込んでしまったのだ。
ウッディを追うバズたちの前に、今度はザーグが立ちはだかったのである。
ニュー・バズはザーグに戦いを挑むも苦戦を強いられ、ザーグは自分がニュー・バズの実の父であると告げたのである。
(『スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』のパロディ)
本物のバズたちはウッディを助け出そうとする一方、レックスはザーグをエレベーターから突き落としたのだった。
(『スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』のパロディ)
バズたちはあと一歩のところでプロスペクターに邪魔され、ウッディはアルの車に連れ去られてしまったのだ。
そこでバズたちは近くにあった「ピザ・プラネット」の車に乗り込み、みんなで協力して運転することにしたのである。
バズたちは車の中で3匹のエイリアン“リトルグリーンメン”のおもちゃと出会い、生きていたザーグと和解したニュー・バズとはここでお別れすることにしたのだった。
プロスペクターとの決着
バズたちはアルの車を追いかけ、危うく振り落とされそうになったリトルグリーンメンをミスター・ポテトヘッドが助けながらも何とか空港へと到着した。
バズたちは手荷物に成り済まして荷物集荷場に乗り込み、バズはウッディの入れられたケースを見つけて救出しようとしたが、中から現れたプロスペクターに殴り倒されたのだ。
仲間をやられたウッディはプロスペクターに掴みかかり、取っ組み合いとなるがツルハシで肩を傷つけられてしまったのである。
プロスペクターは尚もウッディに日本行きを迫り、拒絶するウッディにツルハシを叩きつけようとしたその時、他の乗客の荷物からカメラのフラッシュを手にしたバズや仲間たちがウッディを助け、プロスペクターを捕まえたのだった。
ウッディは尚も抵抗するプロスペクターに「お前に遊びの楽しさを教えてやる」と告げ、プロスペクターを到着したばかりのピンクのリュックサックに突っ込んだのだ。
リュックの中でバービーと一緒になったプロスペクターは、そのままリュックの持ち主の女の子に回収されていったのである。
飛行機からの大脱出
ウッディとバズたちはまずブルズアイを助け出したが、ジェシーはベルトコンベアに乗ったままエアカーゴの中に入れられてしまったのだった。
ウッディとバズはブルズアイに跨がり、エアカーゴまで全速力で追い付くと、ウッディはバズにブルズアイを任せて自らエアカーゴに潜り込んだのだ。
ジェシーの入ったケースはそのまま他の荷物と共に飛行機内に入れられてしまったが、ウッディも咄嗟にゴルフバッグの中に入って機内に潜入したのである。
ウッディはジェシーを助け出し、一緒に脱出しようと呼び掛けたが、ジェシーは仮にアンディの家に行っても嫌われてしまうのではと躊躇していたのだった。
そこでウッディはアンディにまだ幼い妹がいることを明かし、ようやくジェシーは機嫌を取り戻して一緒に飛行機から脱出することにしたのだ。
しかし、貨物室のハッチは既に閉ざされており、ウッディとジェシーは降りようとするが、飛行機のドアは車輪収納部の非常口から脱出を試みたのである。
しかし、ウッディは途中で足を滑らせて落下しそうになり、ジェシーはウッディの腕を掴むものの、傷ついた腕は再びちぎれ始め、トレードマークのハットを落としてしまったのだった。
滑走路に向かう飛行機に追い付いたバズとブルズアイがハットを拾い、ウッディは背中の紐を伸ばすとキャッチし投げ縄のように車輪のボルトに引っかけ、怖じ気付くジェシーに「番組の最終回だと思えばいい。続きは俺たちが作ろう」と告げ、一緒に非常口から紐を使ってターザンのように大ジャンプを決行したのだ。
ウッディとジェシーはブルズアイに飛び乗り、飛行機はそのまま飛び去っていった。
ウッディたちは空港のカーゴ用トラクターを奪ってアンディの家に帰っていったのである。
新たな仲間
アンディがキャンプを終えて帰宅すると、部屋には肩がほぐれたままのウッディをはじめ、見知らぬ新たなおもちゃが「おかえり、アンディ」と書かれたボードを掲げて出迎えたのだった。
アンディは母が買ってくれたものと思い込んで大喜び、ウッディの腕を元通りに修理してくれたのだ。
アンディ家の一員となったジェシーとブルズアイも仲間たちとすっかり打ち解け、ポテトヘッド夫妻はついてきた3匹のリトルグリーンメンを養子として迎え入れることにしたのである。
更には修理されて新品同様に蘇ったウィージーもウッディやバズたちと合流、すっかり取り戻した美声でバービーたちをバックダンサーに従えて喜びの歌を歌い始めたのだった。
仲間たちが大盛り上がりのなか、ウッディとバズは、自分たちはいつかアンディに忘れられる時が来るかもしれないけど、その時が来るまではみんなでアンディの成長を見守っていこうと誓い合ったのだ。
『トイ・ストーリー2』の感想とまとめ
1995年、世界初のフル3DCGアニメーション長編映画として産声を上げた『トイ・ストーリー』。
4年ぶりの続編となった本作ではストーリーもさることながらCG技術が目覚ましく向上、質感や表情、立体感なども前作より大いにパワーアップしています。
本作公開から2019年現在で20年目を迎えますが、とても20年前の作品とは思えない非常にクオリティーの高い映像技術は決して色褪せることなく、現代においても十分に通用する作品に仕上がっています。
前作はダブル主人公のウッディ・プライドとバズ・ライトイヤーの出会いと友情、そして悪役にさらわれたバズをウッディが助けに行く展開でしたが、本作は逆にウッディが悪役に捕まってしまい、バズが仲間たちと共に助けに行くという展開となっており、物語に深みを増すために新たなヒロインのジェシーを登場させています。
また、前作の舞台は主人公たちの持ち主である少年アンディ家とその隣にある悪役(おもちゃ殺しの悪ガキ・シド)の家がメイン舞台でしたが、本作では一気にスケールアップしており、本作の悪役であるおもちゃ屋アルの住む高層マンション、悪役アルが経営する魔法の空間のようなおもちゃ屋、更にはいわゆる最終決戦の場ともいうべき空港、そしてテレビゲーム(公開当時の世相を反映したかのような任天堂のスーパーファミコンっぽいゲーム機)の中の世界ではありますが広大な宇宙空間など、所狭しと大暴れするゆかいなおもちゃたちの活躍を目の当たりにすることができます。
そして、ウッディの隠された過去が明らかとなった白黒テレビ時代の人形劇『ウッディのラウンドアップ』では、まるで実写で実際に操り人形を操作しているかのようなリアリティー感あふれる描写が印象的となっています。
古き良きアメリカを体現するかのようなカウボーイのウッディ、最新鋭のSFハイテクおもちゃであるスペースレンジャーのバズといった強烈な個性のダブル主役を軸に、前作から続投している個性豊かな仲間たち、そして今回から加わったヒロインのジェシー。
彼らの次なる活躍が見られるのは本作から10年後の2010年となる『トイ・ストーリー3』となり、そこでは本作ラストでウッディとバズが予感したことが起こる衝撃の展開が待ち受けており、2019年公開予定のシリーズ最新作『トイ・ストーリー4』へと繋がる作品となっておりますので、最新作をご覧になる前に今一度復習されてみるといいですよ。
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