「夜警の仕事先の博物館は夜な夜な展示物が動き出す、摩訶不思議な空間だった」そんな第1作目の続編。
今回は全回のほのぼのストーリーとはちょっと違い、世界征服を企む古代の王との戦いを描いた作品です。
前回の展示物たちはそのままに、さらに魅力的な展示物たちが大活躍します。それでは「ナイト・ミュージアム2」のあらすじとネタばれを紹介します。
Contents
「ナイト・ミュージアム2」作品情報
原題:Night at the Museum:Battle of the Smithsonian
監督:ショーン・レヴィ
脚本:ロバート・ベン・ガラント/トーマス・レノン
製作:ショーン・レヴィ/クリス・コロンバス/スティーブン・ソマーズ
公開日:2009年5月22日(アメリカ)/2009年8月12日(日本)
出演:ベン・スティラー/ロビン・ウィリアムス/オーウェン・ウイルソン/エイミー・アダムス 他
監督ショーン・レヴィ、主演ベン・スティラーはそのままで、舞台は自然史博物館からスミソニアン博物館に移っています。
前作のヒットを受けて、2008年公開を目指していましたが、全米脚本家協会ストライキの影響で制作が1年延期されました。
「ナイト・ミュージアム2」キャスト
前作に引き続き、主演はベン・スティラー。脇を固める名優ロビン・ウィリアムス、オーウェン・ウイルソンもそのままです。
今回初出演はラリーといい関係になる?アメリア役にエイミー・アダムス。ちょっとだけだが、ボクシング選手だったジョージ・フォアマン、ダースベーダー、セサミストリートのオスカーらがカメオ出演している。
「ナイト・ミュージアム2」あらすじとネタバレ
前作、なかなか定職出来ずにいたラリーはなぜか皆がすぐ辞めてしまうという自然史博物館の夜警の仕事に就いた。
その博物館にはアクメンラー王の黄金の石板があり、その影響で日が落ちるとすべての展示物がまるで生きているように動き出す現象があった。
初めは戸惑うラリーだったが、元警備員のセシルや展示物のテディ(ルーズベルト大統領)の説明もあり、何とか理解する。
ある日、元警備員のセシル以下3人がアクメンラー王の石板を盗もうとしていた所に遭遇するが、何とか石板を取り戻す。そんな騒動などもあってすっかり展示物たちと仲良くなったラリーは、その後も仕事を続けていた。
そして2年後、「暗闇で光るライト」を発明したラリーは[デイリー発明社]という会社のCEOになっていた。
久しぶりに自然史博物館に寄ったラリーが見たのは「改装の為休館中」の看板と箱に入れられた展示物たちだった。
館長のマクフィー古臭いジオラマや蝋人形たちを倉庫行きにして、最新式ホログラムを導入しようとしていた。そして不要になった展示物たちはワシントンD.C.のスミソニアン悪物館に保管されることになっていた。
日が落ち、展示物たちとひさしぶりの再会を果たすも、皆落ち込んでいた。
そしていつものように日が昇る頃になると、みんな元の場所に戻っていく、しかし今回は箱の中に・・・
テディ、レクシー、アクメンラー王と石板はここに残ることを知るラリー。つまり他のジェドやデクスター、テディと相思相愛のサカジャウィアも今後動き出すことはないということになる。悲しい気持ちになるラリー。
次の日の夜、家でラリーと息子のニックが一緒にいるときにジェドから電話がかかる。何か慌てている様子のジェド。
デクスターが石板を盗み、そのままスミソニアン博物館に移動、そしてそこの展示物のカームンラー(アクメンラー王の兄)がとんでもない野郎だ!という電話だった。
途中で電話が切れ、心配になったラリーは急いでスミソニアン博物館に向かった。ニックは自宅に残り、インターネットで調べ物をしてラリーのバックアップをすることになった。
新たなる騒動
翌日の昼にスミソニアン博物館に着いたラリーだったが、史料倉庫は地下にあり、一般人は立ち入り禁止になっていた。しかし警備員ブラゥンドンと会い、会話中にこっそりICカードを盗む。警備員の服を更衣室で手に入れ、史料倉庫に入ることに成功する。
奥に行くと、コンテナに入れられながらも抵抗している自然史博物館のメンバー、外にはカームンラーとその部下が向かっていく様子のままで止まっていた。ラリーはコンテナの奥のデクスターがもっている石板を取り戻した瞬間に彼らは動き出し、カームンラーの部下はコンテナを閉めた。
カームンラーと話をするラリー。両親が弟のアクメンラーをかわいがり、はては王位の座まで弟に譲ったことから、カームンラーは弟のアクメンラーに恨みを抱いていた。石版を使って展示してある門を開いて、成し遂げられなかった世界征服をしようとしていた。
ヤリで脅されたラリーは石板を渡すが、彼らが立ち去る際に、「なんだ、キューブが欲しいのかと思った」と言う。ルービック・キューブを「命令に従わないものを砂に替えるもの」とでまかせを言って、カームンラーが欲しがるよう仕向ける。
ラリーは巨大タコの展示物の入った箱までおびきよせ、カームンラーがタコに襲われている隙に石板を取り返すことに成功する。
逃げる際に南北戦争で活躍したカスター将軍、大西洋横断の女性飛行士アメリア・イアハートと出会う。
協力者
カスター将軍はラリーを逃がすが、代わりに捕らわれの身となり、自然史博物館のメンバーと共にコンテナに閉じ込められてしまう。
一方、アメリアは好奇心が強い女性で、ラリーといると面白そうと思い、行動を共にする。ラリーとアメリアは、第二次世界大戦終戦の日の絵画の中に逃げ、絵の中に携帯電話を落としてしまい、ニックとの連絡手段を失ってしまう。アメリアと絵から抜け出したラリーは、絵を裏返して、追っ手が絵から出ないようにし、カームンラーの部下からどうにか逃げ切る。
部下を失ったカームンラーは世界征服の為、イワン雷帝、ナポレオン皇帝、アル・カポネに声をかけ、協力を呼びかける。カームンラーはアル・カポネの手下たちにコンテナの見張りをさせ、ラリーの持つ石板を奪いに行く。
逃げていたラリーとアメリアはナポレオンとその部下たちに見つかり、ラリーだけ連れ去られてしまう。
ラリーを助けるため、アル・カポネの部下たちの目を盗んでコンテナの小さな穴から脱出するミニチュア人形のジェドとオクタヴィウスだったが、ジェドはすぐに捕まってしまう。
ラリーは石板と共にカームンラーのところへ連れていかれ、同じころジェドもカームンラーのところへ連れていかれる。
カームンラーの門に石板を設置し、パスワードを入力。死者を蘇らせようとするが、カームンラーの両親がパスワードを変更していたため、何も反応しなかった。
カームンラーは、ジェドを砂時計に入れ、1時間以内にパスワードを解かねばジェドは砂で生き埋めになるとラリーに言う。
ジェドを助ける為に
スミソニアン博物館にもテディことセオドア・ルーズベルト大統領がいた。しかしこちらは銅像で、胸から上しか無かった。何とかパスワード解析のヒントがエジプト王の墓に秘密があることまではわかった。さらに聞こうとするラリーたちだったが、胸像のテディは自然史博物館のテディが全身像だと聞くと、嫉妬をあらわにした。テディから話を聞くことを断念したラリーたちは、考える人に聞いてみるが、考えてばかりで答えてくれなかった。
アインシュタインに聞けばいいと思ったラリーは、アメリアと共に「航空・宇宙館」へ移動する。
一方、カームンラーのところにはイワン雷帝が「手下にしてくれ」と、ダース・ベイダーとオスカー(セサミストリートに出てくる、緑のモジャモジャしたキャラクター)を連れてくるが、カームンラーは手下はもういらない断る。そんな時、ラリーたちが別の館へ移動しているのを見て、カームンラーは脱走しているのだと思いこみ、追っ手を再び差し向ける。
「航空・宇宙館」に移動する間、ラリーはアメリアに仕事のことについて「楽しくなければやめたら? そんな(つまらなさそうな)顔してる」と言われ、ラリーは、今の仕事に疑問を持ち始める。途中で博物館の入り口に座っている、巨大な石像のエイブラハム・リンカーンにも会い、ラリーたちは「航空・宇宙館」にたどり着く。
そこでは戦闘機が飛び回り、ロケットやミサイルを発射するカウントダウンが始まっていたが、ラリーが急いでキャンセルさせ事なきを得る。
首振りヘッドのアインシュタインの小さなフィギュア人形に会ったラリーは、エジプトのピラミッドに通じる数字は「π(パイ)」つまり円周率で、3.14159265だと聞かされる。
カームンラーの元の戻ったラリーは石板を渡し、ジェドを取り戻す。早速パスワードで門を開くカームンラー。そして中から次々と鳥頭の部下たちが出てくる。
最後の闘い、そして別れ
そんな時、オクタヴィウスが出会ったリスに乗って飛び込んでくる。小さいリスに乗った、更に小さいオクタヴィウスをバカにするカームンラーだったが、一緒に巨大なリンカーン像もついてきていた。鳥頭の部下たちはリンカーン像に歯が立たず、怯えて皆、門に戻って閉めてしまう。
コンテナに閉じ込められていた自然史博物館のメンバーはアメリアが解放し、残ったナポレオン、イワン雷帝、アル・カポネらとの闘いが始まる。
そんな時、参加しようとしないカスター将軍。昔自分の部隊を全滅させたことがあり、彼は自信を喪失していた。
ラリーが「過去は過去、今、新しい歴史が始まる」と告げ、カスター将軍は奮起する。
ジェドの入った砂時計をオクタヴィウスがヘルメットで割り、救出される。
戦いの最中、カームンラーの手下のイワン雷帝、ナポレオン皇帝、アル・カポネが内輪もめを始める。
カームンラーと向かったラリーは、懐中電灯の光で目くらましをし、地獄の門にカームンラーを押しやり、門のむこうで砂となって消えた。
アメリアが操縦するプロペラ機でラリーと博物館のメンバーは自然史博物館の前まで送ってもらう。
そして空を飛ぶことが好きなアメリアは日が昇ればどうなるか分かったうえで、カナダへ飛んで行った。
ふたたび
2か月後、改装期間が終わり、自然史博物館が再開する。ラリーは警備員の仕事に復帰していた。ラリーは会社を売却していた。迎えるマクフィー館長は、会社が失敗したのかと、警備員として戻ってきたラリーをからかいながらも、自然史博物館には匿名で多額の寄付があったと言う。条件は「前のままの展示物にすること。夜間も開放すること」だった。
(ラリーが会社を売った金を寄付したと思われる。握手しながらマクフィー館長も、うすうす気づいた模様)
そして陽が落ちると、展示物が動き始める。マクフィー館長も観覧者も最新テクノロジーだと思っているようだった。
夜警をするラリーは、アメリアにそっくりな女性を見つけ、思わず声をかける。アメリアとは縁もゆかりもない女性だった。
彼女は博物館内を案内してくれと言われ、ラリーは女性を案内します。
そしてエンドロール。
第二次世界大戦後の絵の中の人物。
携帯電話を水兵が拾ったが、ラリーは気付かずに絵を出て行った。
その人物はジョセフといい、夕食ができたと母に呼ばれるが、携帯電話を必死で解体し「何か分かりそう」と呟く。
母は更に呼ぶ。ジョセフ・モトローラと・・・
「ナイト・ミュージアム2」感想とまとめ
第1作目に出てきた愉快な展示物達がそのまま出てきてくれたので、前作を見た人(2作目から見る人はなかなかいないと思うが)にとってはすぐ物語に集中できて楽しいでしょう。
ジェド&オクタヴィウスは相変わらず迷惑かけながらもカッコよく男の友情しているし、猿は相変わらずなんか生意気(笑)
前回ではあまり喋らず大人しい印象のサカジャウィアは少しだけ表現豊かになったようです。
それを引き出したカスター将軍は髪を自慢し、戦略もなんかぬけてる。カッコイイのかワルイのか・・・でも味があって面白かったと思います。
今回の敵であるカームンラー、古代の王で世界制服を企んでいます。怖そうで偉そうで、でもすぐ現代世界に順応するところ(服装は3000年前のモードだったとか、モハメド・アリのガウンを着てシャドー打ったりとか)やセサミストリートのオスカーには「すぐブーたれそうでいやだ」とか、ダースベイダーにはぜーぜー言っている声を聴いて、「悪人でぜんそくのロボット?自分のイメージを整理しろ」と言ったり。キャラは魅力的で今作を盛り上げてくれたひとりです。
私的にはブラゥンドン(スミソニアン博物館の警備員)、ちょっとしか出なかったが、キャラ的には巻き込んだら面白かったかも・・・と思いました。
ここからは不満点です。
前作と大きく違うのは、ラリーとアメリアの恋模様を描いた点です。
それ自体はよかったのですが、あまりにもあっさりし過ぎていて。最後に出会った女性がストレートのロングだったので、アメリアっぽくなかったのが少し不満?だったかな。せめて同じ髪型で全く知らない設定の方がこれから始まるかもしれないドキドキ感が増すような気がしました。
カームンラーが協力を仰ぐナポレオン、イワン雷帝、アル・カポネはもうほぼ普通の人間として出てきています。
それならいっそダースベーダーやオスカーを雇い、でも全然役に立たない・・・って設定の方がよかったのではないかと(権利の関係でダメでしょうけど)思いました。
ちなみに実際のスミソニアン博物館にはライトセーバーが展示してある関係でダースベーダーのカメオ出演が実現したそうです。
でもトータルすれば、前作とは違う、でも同じくらい、いやそれ以上におもしろい作品になっていると思います。
コメントを残す