『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』あらすじ・ネタバレと感想!続編は恐怖も倍増!

『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』は、世界で700億ドルという驚異的な興行収入を記録した『IT/“それ”が見えたら、終わり。』の続編。

テレビドラマ化もされたスティーヴン・キング原作のホラー作品です。舞台は27年後のデリー。前作でルーザーズ・クラブを演じた子役達も再び登場。スティーヴン・キングも骨董店の店主として出演しています。

ITの続編が登場したね!前作は大ヒットしたけど、今回も面白そう!

映画マニア:翔太

映画好き:彩

前作よりもさらに怖くなってるらしいよ!

『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』作品情報

タイトル:IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。

原題:IT:Chapter 2

監督:アンディ・ムスキエティ

脚本:ゲイリー・ドーベルマン

原作:『IT』スティーヴン・キング

製作:バーバラ・ムスキエティ、ダン・リン、ロイ・リー

公開日:2019年9月8日(アメリカ)、2019年11月1日(日本)

出演者:ビル・スカルスガルド、ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン、ビル・ヘイダー、イザイア・ムスタファ、ジェイ・ライアン、ジェームズ・ランソン、アンディ・ビーン、ジェイデン・リーバハー、ソフィア・リリス、ジェレミー・レイ・テイラー、チョーズン・ジェイコブス、フィン・ウルフハード、ジャック・ディラン・グレイザー、ワイアット・オレフ

『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』概要

既に前作の制作中に、続編の構想を考えていた監督アンディ・ムスキエティは、ルーザーズ・クラブのメンバーを演じた子役全員に未来の自分宛に手紙を書かせており、大人のルーザーズを演じた俳優陣はその手紙を役作りに利用。原作者スティーヴン・キングが本作の映画化に際し出した注文は、本に登場するポール・バニヤンの像を含めることでした。

『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』のキャスト

『スプリット』で23人の人格を演じ分けたジェームズ・マカヴォイが大人のビルを演じます。ビバリーに扮する『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャステインとは『X-MEN:ダーク・フェニックス』でも共演。『サタデー・ナイト・ライブ』で注目を集め、自身が構想を練ったテレビドラマ『バリー』に主演し俳優としても人気を博すビル・ヘイダーがリッチー役。そして、前作に続き最恐ピエロを演じるのは、本シリーズで大ブレークを果たしたビル・スカルスガルドです。

ジェームズ・マカヴォイが出演してるなんてびっくり!結構好きなんだよね!

映画マニア:翔太

映画好き:彩

ジェームズ・マカヴォイといえば「X-MEN:ダーク・フェニックスやスプリットなどいろんな映画に出演してて、演技力が本当にすごい!

『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』あらすじとネタバレ

ペニーワイズの覚醒

メイン州、デリー。夜、同性愛者のカップルを見た地元の不良グループが因縁をつけ、暴行を加えた後1人を橋から川へ放り込む。心配したパートナーが川縁へ探しに来ると、岸の向こうで、ペニーワイズが恋人を食い殺した。

警察無線を聞いていたマイクは事件を知り、ルーザーズ・クラブ全員に連絡。27年前に交わした誓い通り、ITを葬る為にデリーへ戻るよう説得する。しかし、スタンリーは、マイクと電話で話した後に自殺をしてしまう。

荷物をまとめたビバリーを夫が何処へ行くのか尋ねる。約束したからと言うビバリーの首を手で掴んだ夫は、浮気かと難癖をつけた。一度も浮気などした事が無いと泣き顔になるビバリーを、夫はベルトで激しく鞭打つ。

ビバリーは、襲ってくる夫に鈍器をぶつけて荷物を掴んで家から逃げ出す。夫は、自分が居なければお前はクズだと怒鳴るが、ビバリーは、結婚指輪を外して置き、デリーへ向かった。

幼い時、学校の卒業アルバムに唯一名前を書いてくれたビバリーを忘れられないベンは、財布にそのページ忍ばせていた。デリーの中華料理店前で27年ぶりにルーザーズは再会。顔を見せないスタンリーを気にしつつ、皆楽しい一時を過ごす。

予兆

マイクは、ペニーワイズが再び覚醒した事を伝える。あの時阻止はしたが息の根は止められなかったと言い、デリーでは失踪事件が頻発している事を説明。そこへ、フォーチュン・クッキーが運ばれてくる。入っていたのは運勢ではなく、文字だった。

6つ繋げると、スタンリーに何か起きた事を示唆している。突然、クッキーから気味の悪いクリーチャーが出現。必死に追い払い、マイクは座っていた椅子で叩き潰そうとする。騒ぎを聞きつけて来たウェイトレスの目には、6人が暴れている様にしか映らない

レストランから出たビバリーは、スタンリーの自宅へ電話。妻から自殺したと聞かされる。リッチーとエディは動揺し、関わりたくないと言い捨て荷物を取りに宿舎へ向かう。怯えるビバリーとベンも後に続いた。

チュードの儀式

マイクは、ビルにどうしても見せたい物があると説得。司書として働く図書館の事務所へ案内した。1人デリーに居住を続けていたマイクは、ペニーワイズを倒す方法を長年模索。昔先住民がITを退治した物だと言い、儀式に使われた遺物をビルに見せた。

遺物を見つめたビルはトランス状態になる。地球に落ちた隕石と共にやって来たデッドライトこそペニーワイズの生命体だった。その光りから現れるたくさんの鋭い歯を持つモンスター。チュードの儀式を行った先住民が囲む遺物にそのモンスターは封印された。

同じ頃、父親殺害後精神病院へ収容されていた地元の苛めっ子・ヘンリーは、ペニーワイズの助けを得て脱走する。そして、スポーツ観戦に母親と来ていた幼女を蛍で誘い出したペニーワイズは、その子供を食い殺してしまう。

一方、宿舎に居たリッチーとエディは、ビバリーがスタンリーの死を事前に知っていたと聞かされる。27年前デッドライトを浴びたビバリーは予知夢が備わり、ルーザーズ・クラブのメンバー全員が死ぬ事を悪夢で見たと告白。

そこへ駆けつけたマイクとビルは、自分達がペニーワイズを倒さねば殺されると説得する。マイクは、過去の記念品が儀式には必要だと話す。それぞれが思い出のある品を見つけて夜図書館に集合することになった。

27年前の過去へ

ビバリーは、父親と住んでいたアパートを訪れる。現居住者・カーシュ夫人がビバリーを招き入れお茶を入れると言う。ビバリーは虐待する父親に隠しておいたラブレターを見つけた。ベンが書いた手紙だが、ビバリーはビルからだと思っていた。

懐かしそうに手紙を読むビバリーの後方で、全裸の老婦人カーシュが奇妙な動きで歩いている。自分は父親っ子だったが、お前はどうか?と言う低い声がして振り返ったビバリーを、ゾンビが襲い掛かった。ビバリーは必死にアパートから脱出。

リッチーは、よく遊んだゲームセンターへやって来て、ゲーム機のコインを拾う。ヘンリーに「ゲイ野郎」と虐められた場所だった。公園へ来ると以前のままポール・バニヤン像が立っている。そこでペニーワイズに襲われた記憶が蘇った。

すると、像の肩に腰掛けたペニーワイズが「リッチー寂しかったよ」と不敵な笑みをリッチーに向ける。恐怖に駆られたリッチーは急いで逃げ出した。その頃、ビルは町角に在る骨董店を通り掛かり、ショーウィンドウに自分が以前乗っていた自転車を見かけた。

中へ入って来たビルを見た店主は、有名な作家だと気が付く。自転車を買いたいというビルに、店主は300ドルだと吹っ掛ける。自転車を購入したビルが過去に住んでいた家の前を通り過ぎると、中から少年が出て来た。

弟・ジョージーが亡くなった下水溝へやって来る。暗闇の奥からジョージーの声を聞いたビルは、屈んで中を覗き込んだ。ジョージーと同じレインコートを着た少年が佇んでいる。ビルが弟に折ってあげた紙の船を少年が差し出した。

思わず腹這いになり船を受け取ろうとしたビルの腕を無数の小さな手が掴む。船を持ったまま拘束を振りほどいたビルの側に、先ほど見かけた少年がスケートボードで近づいて来る。ビルは、少年にこの下水溝に近づくなと叫んだ。

風呂場の排水溝から子供やピエロの話し声が聞こえるとビルに話す少年に、親に作り話をしてでもデリーから即刻出るようビルは警告した。同じ頃、エディは薬局へ喘息の吸引器を取りに来る。幼い頃襲われた同じゾンビの襲撃に遭ったエディは逃走。

しかし、宿泊所へ戻ったエディは、潜んでいたヘンリーに襲われる。反撃するが窓からヘンリーは逃げ出す。その姿を見たベンは、子供の頃にヘンリーから酷い虐めを受けた光景が頭に過り屈辱感で一杯になった。

宿泊所へ帰って来たビルの側にスケートボードが独りでに動いて来る。裏には、「この子も救えない」と赤く書かれていた。下水溝の側で出会った少年が遊園地へ行くと言っていたのを思い出したビルは、助けに行くと言い残しテーマパークへ向かった。

少年がびっくりハウスへ行くのを見たビルは、後から自分も中へ入る。ミラールームに迷い込んだビルは、直ぐ傍に少年を見つけるが仕切りに阻まれて近づけない。そこに突然現れたペニーワイズが頭で鏡を割り、少年に喰いつく。

一方、図書館で皆を待っていたマイクは、侵入してきたヘンリーに奇襲される。後を追って来たリッチーが寸での所でヘンリーを殺害。ベンとビバリー、そしでエディも到着。ビルはマイクに電話を掛け、1人でペニーワイズを倒すと言い残す。

ネイボルト通り29番地の最終決戦

過去にピエロと対峙した場所だと予想した残りのルーザーズ・クラブは、ネイボルト通りの廃墟へ向かう。単独で行動しようとしたビルを、団結してこそ初めてペニーワイズを倒せると皆で説得した。廃墟へ入るとスタンリーの顔を持つ蜘蛛が襲ってきた。

恐怖で凍り付くエディをリッチーが励まし、皆で井戸へ下りる。更にそこから地下へ向かい、巨大な洞窟へ到着した。儀式を始める為、ベンが取り出した卒業アルバムのページを見たビバリーは、ベンの気持ちを初めて知った。

ラブレター、ゲーム用コイン、紙飛行機に続き、エディが吸引器とスタンリーが昔皆に手渡したシャワーキャップも遺物へ入れて燃やす。全員手を繋ぐと、デッドライトと共にペニーワイズが現れ、マイクは隠し事をしていたと嘲笑う。

チュードの儀式を行った先住民は、ペニーワイズに皆殺しにされたのだった。動揺するルーザーズ・クラブに、巨大な蜘蛛と化したペニーワイズが凄まじい勢いで襲い掛かる。散り散りになるルーザーズだが、リッチーのピンチをエディが救う。

しかし、直後にペニーワイズによってエディは致命傷を負った。穴に落ちたビルは、深い水に落下。顔を出すと幼い頃住んでいた家の地下室に居た。ジョージーがお前の嘘で自分が死ぬ事になったと27年前の自分を責めたてる光景が広がった。

幼い自分が謝るのに対し、ビルは、雨の日に外へ遊びに行かなかった事で、弟の死の全責任を背負うことは無いと言葉を掛ける。ジョージーの頭を抑え、静かに水の中へ葬った。その頃、ビバリーは昔虐められた学校のトイレの個室に閉じ込められていた。

大量の血が流れ込んでもがくビバリー。閉所恐怖症のベンをペニーワイズが土中に生き埋めにしようとする。そこに伸びて来るビバリーの腕をベンが掴んで一緒に浮上。それぞれ自分の恐怖に向き合ったルーザーズは、遂にペニーワイズと対峙した。

マイクは、「所詮ピエロの道化師だ」と罵り、他のメンバーも「化けることしかできないくせに!」と罵倒。するとペニーワイズが見る見るうちに小さく縮んでいく。老けて小人のようになったペニーワイズが座り込み、マイクが手を突っ込んで心臓を掴み出す。

全員でマイクの手を取り、一緒に心臓を潰した。ペニーワイズの目から光が消え黒く濁る。洞窟に地鳴りが響き、崩壊が始まった。息絶えたエディを見ても、リッチーは怪我しただけだと主張。ベンがリッチーを引きずって一緒に避難した。

ルーザーズ・クラブの旅立ち

全員外へ出た途端、廃墟は崩壊。町へ戻ったルーザーズは、過去に交わした血の誓いで傷つけた手の平の傷が消滅している事に気づく。ふと店のガラス窓を見ると、そこにはスタンリーとエディも一緒に27年前のルーザーズ・クラブ全員が佇んでいた。

自宅に戻り執筆に励むビルの下に、マイクから電話が掛かってくる。手紙は届いたか訊かれたビルは、郵便物に目を通す。スタンリーが命を絶つ前に郵送した手紙が混ざっていた。デリーを出て以来、スタンリーはずっと怯えて人生を過ごしていた。

マイクから連絡を受けたスタンリーは、団結して倒せると全員が信じなければ闘えないと分かっていたが、自分は再びペニーワイズに対峙できないと悟った。足を引っ張り仲間に危険が及ぶ事を避ける為、自分をペニーワイズの標的から除外したのだった。

「この手紙を読んでいるのなら、自分が取った行動は効果があったという事だね。考えてみると、ルーザーと言うのは、失うものは何もないって事。皆、勇気と誇りを持って自分のままで生きて欲しい」

未来を一緒に歩もうと決めたビバリーとベン、好きだったエディと自分のイニシャルを木の椅子に刻むリッチー、そして、マイクは、皆で撮った証明写真を手に取り、27年間住んだデリーを出て行った。

『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』観た感想

『シックス・センス』を抜き、ホラー史上最高の興行収入を記録した前作の完結となる『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』。『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせる物語は、様々な世代から大きな支持を集めました。

虐めや家庭の問題など、何かしら思い当たる普遍性のある背景に、ホラーというジャンルの中で苦悩する子供達の成長と旅立ちを描いています。スティーヴン・キングは、幼いがゆえの自信の無さや不安から芽生える怯えという心理に着目。

ペニーワイズは誰の心にも存在し、自分の恐怖やトラウマは自分でしか乗り越えられないと言う応援歌とも受け取れる物語です。そして、『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』に込められているもう1つのメッセージは結束。

1人で出来る事に限界があっても、周りと協力すれば変幻自在の残忍なモンスター・ペニーワイズでさえ倒せると締めくくります。仲間と別れそれぞれの路を生きていたルーザーズ・クラブのメンバーは皆成功を納めますが、どこかで満ち足りていません。

ビバリーに至っては父親の様な男性と結婚し、幼い時に受けた虐待が続いています。子供の頃のわだかまりを引きずったまま生きる大人世代も頷いてしまう内容。成長しても少年少女だった自分は心の中に生きていると知るキングの洞察力だと言えます。

豪華なキャストが集結した事でも話題になった本作ですが、何と言ってもペニーワイズを演じたビル・スカルスガードが圧倒的な存在感を見せています。スウェーデン人俳優『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のステラン・スカルスガルドの実息。

キャスティングを担った監督アンディ・ムスキエティの姉・バーバラ・ムスキエティは、元々ティルダ・スウィントンやベン・メンデルソーンをペニーワイズの役に起用したいと考えていました。2人共調整がつかずオーディションを実施。

ビル・スカルスガルドを見た監督のムスキエティは、圧倒されたとインタビューで答えています。子供を見て、まるで美味しそうだと言わんばかりにヨダレを垂らすペニーワイズですが、その演出を考えたのはスカルスガルド。

ピエロのダンスや終盤の決戦では、暑さで熱中症を心配したスタッフがスカルスガルドの背中に氷の塊を入れてクーリング。リッチーを演じた『バリー』でエミー賞にノミネートされているビル・ヘイダーは、背中から湯気が上がっていたと撮影秘話を明かします。

高い演技力を備えたアンサンブルキャストと目を見張る最恐ピエロに扮したスカルスガルドが観客を誘うホラーの世界『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』は、育んだ幼い頃の友情は一生の価値があると教えてくれる温かい余韻のある作品です。

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