映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』あらすじ・ネタバレと感想!キャストとイラク戦争の真実を求めた結末

2003年3月、アメリカ及び連合軍は大量破壊兵器を持つとイラクを非難し侵略。この軍事行動は、武装解除を目的に「イラクの自由作戦」と名付けられました。殆どのメディアが政府発表を丸呑みにしてイラクを批判していた当時、政府の陰謀を追った数少ないジャーナリストが存在。名匠ロブ・ライナーが贈る事実に基づいた渾身の作品です。

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『記者たち 衝撃と畏怖の真実』作品情報

タイトル:記者たち 衝撃と畏怖の真実

原題:Shock and Awe

監督:ロブ・ライナー

脚本:ジョーイ・ハートストーン

製作:ロブ・ライナー、マシュー・ジョージ、エリザベス・E・ベル

公開日:2018年7月13日(アメリカ)、2019年3月29日(日本)

出演者:ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、トミー・リー・ジョーンズ、ロブ・ライナー

『記者たち 衝撃と畏怖の真実』概要

『スタンド・バイ・ミー』や『ア・フュー・グッド・マン』等数々の名作を手掛けたロブ・ライナーが本作の監督。正当性の無い戦争へ突き進むアメリカを憂い映画製作を試みますが、望む脚本に出会えず断念。ジョンソン政権でホワイトハウスの報道官を務めたビル・モイヤーズのドキュメンタリーを観て、ナイト・リッダーだけが真実を追い求めた事を知り、映画化を決定しました。

キャスト

主人公ジョナサン・ランデイとウォーレン・ストローベルには、過去15年映画に出演し続けるウディ・ハレルソン、ブロードウェイでミュージカルもこなすジェームズ・マースデンが演じます。トミー・リー・ジョーンズは元ベトナム戦争の従軍記者で東京に駐在経験を持つジョセフ・ギャロウェー役、ミラ・ジョヴォヴィッチがハレルソンの妻・ヴラトカに扮し、本作の監督ロブ・ライナーはナイト・リッダー新聞社のワシントン支局長ジョン・ウォルコット役で登場する等豪華キャストです。

『記者たち 衝撃と畏怖の真実』あらすじ・ネタバレ

‐アメリカの民主主義において、多様性、独立性、そして自由な報道を担保するための闘いより重要なものは無い-ビル・モイヤーズ

2006年、ワシントンD.C、上院委員会公聴会。車椅子に乗ったアダム・グリーンが証人として証言をする。アダムは、物事をより明確に理解できる数字が好きだと言う。140万は現在従軍する男女の数、555は攻撃を受けた後全く別の国へ侵略する迄に経過した期間。

19は自分が陸軍に入隊した年齢、そして6は自分の脊髄を損傷した木片の長さ。政府が下した決定は自分や他の兵士の人生を変えてしまう影響がある。

軍事専門家ではない一般市民の自分に質問があると召喚された公聴会だが、1つ先に質問させて欲しいとアダムは言った。いったい、何故こんな事態になったんだ?

2001年9月11日。ナイト・リッダーのワシントン支局は、世界貿易センターが崩壊し騒然としていた。社内のテレビでは、CNNがテロである疑いを示唆し、ウサマ・ビンラディン率いる集団以外他にこれだけの事を出来る者は居ないとコメント。

支局長のジョン・ウォルコットは、大統領の側近から首謀者を聞きだし、なるべく多くの情報源から正式なコメントを貰えと指示。ウォーレン・ストローベルが頷いている所へ、遅れて来たジョナサン・ランデイが犯人はアルカイダだと言った。

狙われたイラク

翌日の9月12日、ストローベルは国務省高官にビンラディンを捕獲する計画を尋ねた際、アルカイダの本拠地アフガニスタンでは無く、イラクについての話し合いがなされていると聞く。ウォルコットは、イラクは関係が無いと声を上げた。

ストローベルは、ラムズフェルドが言い出した話だと報告。ランデイは、ラムズフェルドだけでは無く、闇の王子と言うあだ名のリチャード・パールやネオコンやウィリアム・クリストルも同様だと名前を列挙。

ウォルコットは、1997年以来ずっとフセインを狙っていた連中で、西側の民主主義を押し付ければイスラエルを守る結果になると信じ込んでいる連中だと嘲笑し、ビンラディンとフセインが協力し合うと思う事自体いかれた話だと声を荒げた。

ストローベルは、上院議員の秘書からパウエル国務長官だけがイラクの侵略に反対し、対象はアフガニスタンだと主張している情報を得る。夜討ちしたランデイは、諜報機関から情報源の秘匿を条件に、イラクの関与はあり得ないとの見方を持っていると聞きだす。

更に、ストローベルは、議会の中東専門家から世俗的なサダム・フセインと急進的なアルカイダが繋がっている等不可能で、関係していると考えるのはモスリムの世界に無知だと言う見解を得た。

ナショナリズムに染まるアメリカ

ウォルコットに信頼できる高官から情報を得るよう指示されたランデイは、国家安全保障の専門家のルースに連絡を入れるが、コメントを拒否された。テロ攻撃から10日後、アメリカのあらゆる店舗では国旗が飛ぶように売れ、愛国心が強く叫ばれていた。

夕食時、ランデイの妻・ヴラトカは、幼い息子が通う学校でナショナリズムを教えていると危惧する。ランデイは愛国主義が強くなるのは仕方ないと言うが、ヴラトカは、自分の祖国ユーゴスラビアを壊滅する前もアメリカは国家主義に走ったと呟いた。

ストローベルの所へ元政府高官から情報がもたらされる。1993年に起きた世界貿易センター爆破事件とサダム・フセインの繋がりを示す証拠を探しに元CIA長官が政府専用機で極秘裏に欧州へ向かい、ウォルフォウィッツ国防副長官が指示したと言う内容だった。

その情報の裏を取れと指示したウォルコットは、その足で独自にCIAの分析官に会合を求める。2人は工場跡地で落ち合う。政府はイラク侵攻に本気なため、テロ攻撃の実行犯人達に対し十分な時間が掛けられないと分析官は苦渋の表情。

更に、何かを叩かなければならないが、アフガニスタンには有用な標的が少ないと言う。ウォルコットは、ビンラディンがターゲットだろうと尋ねる。分析官は、ビンラディンを倒せば、世界中に紛争が広がってしまうと懸念を示した。

アメリカはアフガニスタンへ侵攻し、ビンラディンが潜んでいると情報を得たトラボラの山々を攻撃。2002年1月ブッシュ大統領は、一般教書演説でイラン、イラク、北朝鮮を名指しし、世界の平和を脅かす悪の枢軸と呼んで厳しく批判した。

ストローベルはおしゃべり好きな国務省高官と会い、イラク侵攻が現実となった事を知る。大統領と懇談した外交官から裏を取り、ブッシュがイラクを侵略するとウォルコットへ報告した。

取材でアフガニスタンへ派遣されていたランデイは、アメリカの攻撃を掻い潜り、ビンラディンが既にアフガニスタンから逃亡した事を突き止める。メディアは、アフガニスタンから国境を越え軍閥が支配するパキスタンにビンラディンが潜伏していると報道。

迎合する大手メディア

傘下のフィラデルフィア・インクワイアラー社へ電話したウォルコットは、ナイト・リッダーの記事を無視する態度に文句をつける。現状にそぐわないと返答されたウォルコットは、新聞は真実を記事にするものだと怒鳴った。

元従軍記者のジョセフ・ギャロウェーは執筆した本が映画化され(2002年公開ワンス・アンド・フォーエバー)記者会見に出席。爆弾を落とす前に知恵を出し切ることが重要で、政府が間違いを犯せば代償を払うのは兵士達だとベトナム戦争で学んだ筈だと述べた。

暫く記者の仕事を離れたいと考えたギャロウェーは国務省に勤務していたが、9/11以降再び記者の血が騒いでいると明かす。ウォルコットは、長い蓄積から多くのコネを持つギャロウェーにナイト・リッダーでコラムを書いてくれと頼む。

政府の陰謀

2002年8月、ディック・チェイニー副大統領は、イラクの亡命者から証言を得ており、サダム・フセインが核兵器を取得するのは間近で、大量破壊兵器を保持している事は疑いの余地が無いと発表。

ランデイとストローベルは、発言の引用を許可すると言う諜報機関高官から話を聞く。ラムズフェルドが自分達の思惑に合う後付の情報を探すために諜報部員を編成、大量破壊兵器も発見されていないと認める。

ストローベルは、チェイニーの発表を受け、フセインが核兵器を獲得しようとしているのかと尋ねた。高官は、自分もジェニファー・ロペスと付き合いたいと思っているが、どちらも無理だろうと苦々しく言った。

ストローベルは、イラクが核兵器の保持は間近と言う政府の主張に対する根拠を示す証拠は発見できたのかと単刀直入に訊いた。イラクに在る全ての洞窟と中東に住む全ラクダの尻の穴を調べたが核兵器発見などあり得ないと証言者は断言した。

帰宅したランデイは、ヴラトカがニューヨーク・タイムス紙の購読を停止した事を知る。仕事に必要だとランデイは言うが、政府のプロパガンダに過ぎないので必要なしと妻は返答。ランデイは、大量破壊兵器は存在しないと言う証言が得られたとヴラトカに話す。

政府は嘘つきであり、ブッシュ政権は真実など気にもしていないと嘆く妻に、説明責任を取らせたいとランデイは言った。戦争を望む政権は戦争を始め、憲法修正第1条(言論と報道の自由)には止められないとヴラトカは苛立った。

翌日、ニューヨーク・タイムスは、ウランを濃縮する遠心分離機に必要な特性アルミニウム管を過去14ヶ月に渡りイラクが何千本も購入しようとしていたと報道。ランデイは誤報だと言い、再び国家安全保障専門のルースに確認しようと試みるが又しても拒否される。

事実だけを報道せよ

ナイト・リッダーの社員は、NBCの報道番組に出演するチェイニーの発言をテレビの前に集まり見入っていた。チェイニーは、ニューヨーク・タイムスも報じていた通り、アメリカ政府はアルミニウム管がイラクの手に渡らない様に妨害していたと話す。

ウォルコットが近づき、ナイト・リッダーはNBC、FoxやCNN、又はニューヨーク・タイムスやワシントン・ポストでも無い、市民の子供達を戦争へ送る者達のためではなく、子供を戦争へ送られる市民のために報道するのだと語った。

ブッシュ政権の速記者になりたいメディアはそうさせて置け、政府が何か発言したら、それは真実なのかと言う一点だけが重要だとウォルコットは結んだ。社員は沈黙し神妙に聞いていた。

フィラデルフィア・インクワイアラーは、ライス国家安全保障大統領補佐官がイラクとアルカイダが繋がっているとしたコメントを報道。ニューヨーク・タイムスのジュディス・ミラーは、イラクの亡命者が武器を20ヶ所に隠していると証言する内容を報道。

ランデイは核兵器専門家からイラクで行われた査察で発見されたアルミニウム管は小さすぎてウラン濃縮等に利用される物では無く、核兵器を作る事は出来ないと聞きだした。

その後もあらゆる大手メディアは政府見解を垂れ流すだけで、ホワイトハウスは議会に戦争を承認するよう訴えていた。一方、ランデイは、遂にルースからイラクが核兵器を取得しようとしている事に関し、チェイニーが嘘をついていると言質を取る

ウェスト・バージニア州下院議員のロバート・バードは、2002年10月に国会でイラク侵攻に反対。バイデン、ヒラリー、マケイン、サントラム議員等は賛成した。

ラムズフェルドからペンタゴンへ呼び出されたギャロウェーは、自分の情報は引退した軍人の物だと揶揄されたが、80パーセントの情報源は現役であり、中にはペンタゴンの職員、このオフィスにも数人居ると誇張しラムズフェルドが冷や汗をかいたと笑った。

フィラデルフィア・インクワイアラーがニューヨーク・タイムスのジュディス・ミラーを後追いした記事を載せたのを読んだウォルコットは、遂に怒鳴りこむため出向く。

いつかニューヨーク・タイムスは読者に謝罪する事になるが、その時もタイムス紙の謝罪記事を後追いするのかとウォルコットは怒った。しかし、インクワイアラーは、市民は愛国者だと答えるだけだった。

ABCナイトラインのテッド・コッペルやNBCナイトリー・ニュースのトム・ブロコウ等の看板キャスターがアメリカとイラクの戦争は近いと報道。しかし、中東や欧州では、アメリカのイラク侵略に反対する多くの市民がデモを行っていた。

自国に対する戦争の提唱者

在米イラク国民議会事務所を訪問したランデイとストローベルは、亡命して議会を創設したアフマド・チャラビー(イラク戦争後イラク副首相に就任)と面会。チャラビ―は、フセインが大量破壊兵器を保有し隠している事を知っていると断言する。

ストローベルは、イラクを追放された身で、極秘情報にどうやってアクセスしたのかと尋ねた。チャラビ―はイラクの諜報機関にコネが有るとしながらも証明できないと言う。イラクにはアメリカが願うように自由と民主主義を望むと主張。

ストローベルは、自分が統治したいのだろう?と言ってじっと見つめた。チャラビ―は、他の亡命者から話を聞けば皆同じ事を話すと興奮。ランデイは、その亡命者達は全員チャラビ―から情報を得ているんだろうと訊きかえす。

自分は悪い指導者を倒す事に賛成であり、いつかイラクが西側の同盟国になると力説する。ランデイは、フセインが居なくなれば中東は紛争に陥りイラクは内戦に突入するのは必至であり、そうならないと言う根拠を示せと声を荒げた。

2003年2月、パウエル国務長官は国連安全保障理事会でイラクが大量破壊兵器を保有していると報告。ギャロウェーは、独自の強いコネを使い高級官僚と落ち合い、パウエルがチェイニーの命令に従うテネットCIA長官から偽の情報を掴まされた詳細を得た。

中東騒乱の始まり

国連安保理は、イラクに武装解除を求める決議1441を全会一致で採択。更にアメリカは、武装解除しなければ武力で訴えるとイラクに対し期限を切る。ホワイトハウスでCNNのジョン・キングがブッシュに質問している様子をウォルコットが見つめた。

ケネディ上院議員がブッシュのフセインに対する個人的で異常な執着心が世界をより危険にすると言うコメントに対し意見を求める。報道を見ていたランデイにウォルコットからイラクへ取材に行くよう連絡が入った。

そして、多くのアメリカ兵がイラクへ派遣された。ベトナムの政権交代を図り5万人のアメリカ兵が死亡。ハノイの政権は現存しているが、戦後30年間1人のアメリカ人もターゲットにされてはいない。

彼等の子供達にこのイラク戦争がベトナム化しないと保証できるのかと尋ねる記者に対し、ブッシュは軍事行動にはリスクがあるが政府は作戦の変更はしないと答える。ギャロウェーは、州兵しか経験した事が無いくせによく言えるものだと嘲笑う。

ラムズフェルドは、6日か6週間なのか戦争が続く期間は分からないが、半年はかからないだろうと発表。ウォルフォウィッツは、国民の税金に頼る必要はなく、連合軍が肩代わりすると発言。

ワシントンD.C、ベトナム戦争戦没者慰霊碑の前に両親に付き添われたアダム・グリーンが刻まれた名前を見ていた。車椅子で移動するアダムは、慰霊碑の前に立ち尽くすギャロウェーに出会う。

アダムがベトナムに居たのかと尋ね、ギャロウェーは静かに頷いた。アダムは、ありがとうと言ってギャロウェーを見つめる。ギャロウェーは、アダムの肩に手を置き、沈鬱な表情でありがとうと返した。

‐イラクを侵略する18ヶ月前にランデイ、ストローベル、ギャロウェー、ウォルコットが書いた記事は全て事実だった事が後に明らかになる‐

‐ニューヨーク・タイムスは、最終的に読者へ謝罪‐

‐アダム・グリーンの数字は以下に続く‐

‐開戦から17年経った現在も不安定化したイラクで対ISIS戦として闘いが続行‐

‐現在までかかった戦費は2兆ドル‐

‐3万6千人のアメリカ従軍兵が犠牲になり、アメリカの侵略により、犠牲になったイラク市民は百万人に上る‐

‐発見された大量破壊兵器は、ゼロ‐

CNNアマンプールの番組に出演したランデイとストローベル本人の様子が流れる。タイトルは、その時ジャーナリストは何をやっていた?サブタイトルは、正しい情報を伝えた記者達。

2008年7月24日、ウォルコットはジャーナリズムの独立性を守った事が称えられ、ジャーナリズム・ニーマン財団よりI.F. Stone 勲章を授与。

ニューヨーク・タイムスのジュディス・ミラーは番組に出演し、存在する情報を報道したのであって、でっち上げでは無いと主張。存在していた情報は他にも有り、皆が誤報した訳では無いと突っ込まれる。ミラーは、ナイト・リッダー以外全員間違ったと認めた。

『記者たち 衝撃と畏怖の真実』を観た感想

戦争が主なビジネスであるアメリカ。特にブッシュ政権が引き起こした大きな混乱は世界中に飛び火する結果となり、観ていて腹立たしくなるのが本音です。9/11直後、アメリカに住んでいた中東系の人達が被った暴力は特に悲惨でした。

他国へ侵攻を繰り返してきた世界の警察と言う異名を持つ超大国が初めて本土を攻撃され、一気に戦争ムードが高まる過程にアメリカの大手メディアが果たした役割は大きく、その部分を本作は丁寧に描いています。

裏で画策していたのは、当時のディック・チェイニー副大統領で、映画『バイス』で克明に描写されています。また、開戦後、アメリカだけでは無く、連合軍や他国も混乱に乗じてイラクから資源を奪うだけ奪いました。

この事については、映画『バクダッド・スキャンダル』で詳細がよく分かります。イラク戦争から15年経ち、中東は現在混迷を極めています。日本政府も大多数の反対する国民を無視して後方支援の名目でイラクへ自衛隊を派遣しています。

上記の様に、近年このイラク戦争にまつわる一連の出来事に光を当てる動きが活発になり、次々に映画が公開されています。自国の政治に関して歯に衣を着せぬ物言いで注目を集めるロブ・ライナーは、18年望み続け本作を公開に漕ぎ着けました。

ジョン・ウォルコット、ジョナサン・ランデイ、ウォーレン・ストローベル、そしてジョー・ギャロウェー本人が毎日現場に足を運び協力して撮影が行われた事をライナーはインタビューで明かしています。

ディック・チェイニーがNBCの報道番組に出演している劇中の場面で、ジョン・ウォルコットが社員の前で語った内容は実際の言葉で、元々の脚本を差し替えたそうです。

また、有事にアメリカのメディアが政府に協力して戦争へ扇動した事が本作の主要テーマですが、世界第二次大戦直前の日本も全く同じであり、繰り返し反省されて来ました。アメリカに起きた事は何処でも起きうると言う事なのです。

政府発表を鵜呑みにせず真実を探求する事が大切なのだと本作は伝えていますが、残念ながら日本には記者クラブという癒着を生む構造が存在。外国メディアから日本の大手メディアは権力側に近すぎると指摘されています。

インターネットでニュースを読む事が主流となり新聞の発行部数は激減。本作の舞台となるナイト・リッダー社も後に売却されました。ジャーナリズムの過渡期と言われる今、更なるジャーナリストの奮闘を期待したいところです。

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