大人気『トランスフォーマー』シリーズのスピンオフ『バンブルビー』。サイバトロンでの紛争が激しくなり、最年少のバンブルビーが重要任務を任されて地球へやって来る物語です。2007年公開の『トランスフォーマー』から20年遡り、1987年が舞台。シリーズのマイケル・ベイは製作に回り、バトンタッチされたトラヴィス・ナイトが監督を担当。シリーズを牽引してきたスティーヴン・スピルバーグが引き続き製作総指揮を務めます。
今回はそんなバンブルビーのネタバレと無料視聴方法をご紹介します。
Contents
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『バンブルビー』作品情報
タイトル:バンブルビー
原題:Bumblebee
監督:トラヴィス・ナイト
脚本:クリスティーナ・ハドソン
原作:『トランスフォーマー』ハズブロ
製作:マイケル・ペイ、スティーヴン・スピルバーグ
公開日:2018年12月21日(アメリカ)、2019年
出演者:ヘイリー・スタイフェルド、ジョン・シナ、ジョージ・レンデボーグ・Jr、ジョン・オーティス、パメラ・アドロン
『バンブルビー』概要
映画『シャット・イン』を書いたクリスティーナ・ハドソンが本作の脚本を執筆。自身の2人の姪をモデルに主人公を創作したハドソンは、トランスフォーマーのファン。製作総指揮のスピルバーグの構想には少年と車をイメージしていましたが、敢えて少女を主人公に置いています。批評家から高評価を得た本作は、劇場公開されてから僅か9日間で製作費135億ドルを超え157億ドルの大ヒットを既に記録。
キャスト
主人公のチャーリーを演じるのは、14才で出演した『トゥルー・グリット』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた実力派ヘイリー・スタイフェルド。プロレスラーで世界王座獲得後、2006年から映画出演するジョン・シナも登場します。
『バンブルビー』あらすじ・ネタバレ
惑星サイバトロンでは、コンボイ率いるオートボットとディセプティコンの間で激しい戦争が繰り広げられていた。圧倒的な数で敗戦濃厚になり、コンボイは態勢を整える基地を構築するためB-127を地球へ派遣する。他の仲間と後から向かうまで地球を守れと命じた。
人間とは闘わないオートボット
1987年、地球。ジャック・バーンズ大佐率いる政府の特殊軍隊組織・セクター7が演習を行っていた際、突然空から物体が落下し爆発。ジャックの目の前でB-127が姿を現す。
ジープをスキャンしたB-127はその場を逃げ出すが、敵と見なしたジャックは後を追いかける。追い詰められたB-127は、誰も傷つけるつもりは無いので誤解しないで欲しいと訴えた。そこへ、追って来たブリッツウィングに襲撃を受ける。
コンボイ達の居場所を明かすことを拒否したB-127は、ブリッツウィングを辛くも撃退するが、発声器を破壊され記憶装置も損傷。意識を失う前、近場に駐車されていたフォルクスワーゲンのビートルをスキャンし自動停止した。
翌日に誕生日を控えたチャーリーは、継父と母がキッチンでいちゃつく所を見て苛立つ。500ドルあれば古いコルベットを修理して動かせるように出来ると言うが、母にそんなお金は無いと却下される。
サンフランシスコのピア39に在るアメリカンドッグの屋台で働くチャーリー。レモネードを客の所まで運ぶ途中でクラスメートにぶつかり服にこぼしてしまう。お金持ちのティナは、チャーリーに意地悪な笑顔を向けた。
フォルクスワーゲン・ビートル
アルバイトの帰りに伯父の修理工場へ出向いたチャーリーは、埃を被り底には蜂の巣が出来たおんぼろフォルクスワーゲンのビートルを見つける。付いたままの鍵を回すと、エンジンは動かないがラジオが点灯した。
一方、遠く離れたサイバトロンでは、ディセプティコンのドロップキックとシャッターがB-127の信号を傍受し、地球を目指すのだった。
ラジオが突然停止し、蜂に追われたチャーリーは車を降り、伯父に1年タダ働きをする代わりにビートルを譲ってほしいと頼む。伯父は、チャーリーに誕生日プレゼントとしてビートルを提供。
チャーリーは修理を開始。何とかエンジンを動かせるまでになり、自宅へ運転して帰る。ガレージに駐車するとラジエーターが底から落ちた。修理しようと車の底に潜ったチャーリーがフラッシュライトを照らすと真上に青い2つの光が点灯。
突然、ビートルは変形しB-127が姿を現す。驚いたチャーリーだが、B-127も同じように驚いた。そこへ母親が来て慌てるチャーリーだが、振り返ると元のビートルに戻っている。母親が家へ戻ると、またビートルはB-127へ変形。
しかし、ジャック達に攻撃を受けたB-127は怯え、ガレージの奥へ籠る。両手を挙げたチャーリーは、傷つけたりしないと言葉を掛けた。B-127は、チャーリーの前に来て膝を付き顔を近づける。チャーリーが自分の言う事を理解できるのか尋ねると、B-127は頷く。
名前を聞いても答えず口を動かすB-127の音がマルハナバチに似ている事から、チャーリーは今後バンブルビーと呼ぶことをB-127に伝えた。その頃、2体のディセプティコン、シャッターとドロップキックが地球に到着。それを探知したセクター7が後を追った。
砂浜へ来たチャーリーは、バンブルビーに自分以外の人間を見た時の対処法を教える。他人の前では直ぐにビートルに姿を変えるが、隠れろと咄嗟にチャーリーが言うと、バンブルビーは小さな砂山の後ろに四つん這いで隠れた。
嘘でしょう!とチャーリーが言うと、バンブルビーは急いでビートルになる。もう遅いと言うチャーリーにうな垂れるバンブルビー。チャーリーは、練習しようとバンブルビーを慰めた。
ディセプティコンの前にジャック率いるセクター7の軍隊が行く手を遮る。パウエル博士は、地球外生命と交流できると興奮。ドロップキックは、皆殺しにしようと言うが、シャッターはバンブルビーを探す事に利用しようと考えた。
地球へ訪れた理由を尋ねるジャックに対し、シャッターは自分達が銀河系を巡回する平和維持軍だと装い、バンブルビーの姿をプロジェクターで見せ危険分子だと話す。
シャッターは、バンブルビーを探すために通信衛星システムにアクセスする事を求める。ジャックは反対するが、パウエル博士は上司へ面会させるとディセプティコンに申し出た。
父への思いを語れる初めての友達
チャーリーがバンブルビーの発声器を直そうとして、偶然保存されていたコンボイのメッセージを作動させる。この事でバンブルビーは自分に課された任務を含む記憶を一部取り戻すのだった。
チャーリーが引き続き発声器を修理する間、バンブルビーは映画『ブレックファスト・クラブ』を観てガッツポーズを学ぶ。次にチャーリーが高飛び込みの競技に出場している様子を録画したテープを見る。娘の勇姿に興奮する亡くなった父の声を聞いたチャーリー。
父の死を乗り越えられず辛い日々を過ごしていたチャーリーは、思わずそのテープは流すなと声を荒げた。バンブルビーは怯える。チャーリーは謝り、修理したラジオをバンブルビーに取り付けると音楽が流れ、体を動かして見せるバンブルビー。
チャーリーは、父親が好きだった曲『アンチェインド・メロディ』をかけ、父娘で車を一緒に修理する大切な時間や高飛び込みの競技後に父が心臓発作で亡くなった苦しい思いを泣きながら打ち明ける。バンブルビーは優しくチャーリーを抱きしめた。
そこへ、音楽を聞きつけた隣人のメモがチャーリーにデートを申し込もうとガレージに入って来る。姿を見られたバンブルビーだが、即座にビートルへ変形。驚くメモだが、バンブルビーの事は口外しないとチャーリー約束した。
その頃、ロシアに地球外生命体の技術が流れる事を懸念した政府の許可を得て、ディセプティコンは通信衛星へアクセス。自分達の持つ能力と融合させバンブルビーを捜索していた。
音楽で言葉を取り戻すバンブルビー
チャーリーはメモを連れてバンブルビーとドライブに出かけた。バンブルビーは数々のラジオステーションでかかる音楽を選曲し、歌詞を利用してチャーリーとコミュニケーションを図る事に成功する。
バンジージャンプを楽しむ高校生達の集まりに遭遇したチャーリーは、レモネードをこぼした学校の仲間に崖からバンジージャンプをしようと誘われる。断るチャーリーに、バンブルビーが「ジャンプしろ、能力はある」と言う曲の歌詞を流す。
チャーリーが高飛び込みの選手だったと紹介されるが、父親の死後競技を退き、獲得したトロフィーさえ捨てたチャーリーは、囃し立てる周囲を無視して車に戻ってしまう。ティナはバンブルビーをおんぼろと呼び、新しい父親に何とかして貰えと底意地悪い。
メモはティナに復讐しようと提案する。夜、ティナの住む邸宅へ来た3人。メモが生卵をティナのBMWにぶつけて見せると、バンブルビーはパックごと持って車の屋根部分に殻を壊した卵をこすり付ける。
はしゃぐチャーリーとメモを見たバンブルビーは、調子に乗って車の上でジャンプし壊してしまう。車のアラームが鳴り家の中で電灯が一斉に点る。チャーリーがバンブルビーに隠れるように言うと、バンブルビーは壊した車の横に座り込む。
チャーリーの合図でバンブルビーはビートルに変形し、チャーリーとメモは飛び乗って急いで逃げ出す。顔にパックをしたティナが外へ出てきて壊れた自分のBMWを発見し大ショック。
翌日、チャーリーはアルバイトで留守にするため、大人しくしている様にバンブルビーに言い聞かせる。だが、家族の犬に導かれガレージから家に入ろうとして扉を壊す。バンブルビーはテレビに興味を持ちソファに座るが、重すぎてソファが壊れる。
焦ったバンブルビーだが、大き過ぎてリビングのあちこちが破損。ふと興味を持った電気の差込口に指を突っ込み電力高騰を招いてしまう。セクター7は、その情報を探知。ディセプティコンと軍隊がサンフランシスコへ向けて出動した。
家の中で大きな物音を聞いたメモ。急いでアルバイト先から帰宅したチャーリーは、慌てて片付けようとするが弟を迎えに行った母が戻り家の惨状を見て大喧嘩になる。家を飛び出したチャーリーとメモだったが、セクター7が待ち伏せていた。
車を降りたチャーリーを兵士の1人が取り押さえると、バンブルビーはビートルから変形。チャーリーを胸に抱いて逃走した。崖を飛び降り道路で再びビートルへ変形して走るが、そこへディセプティコンが現れる。
大好きな君を守るため
ドロップキックの攻撃からチャーリーを守るため、戦闘を行わずに身を挺するバンブルビーはセクター7に捕まってしまう。コンボイの居場所を明かさないバンブルビーをディセプティコンが拷問する。
記憶装置にアクセスしコンボイが地球に来ることを知ったディセプティコンは、自分達の軍隊を呼ぶため無線塔へ向かう。死の淵に在るバンブルビー。セクター7に忍び込んだチャーリーは、何度も電気ショックを施しバンブルビーの蘇生に成功。
これがきっかけとなり、バンブルビーは任務の全貌を思い出す。しかし、ジャック達セクター7が行く手を阻む。ジャックに体を羽交い絞めにされたチャーリーは、バンブルビーは人間よりよっぽど人間性が有ると言ってジャックを肘鉄。
腹を立てたジャックは、思わずチャーリーを地面に叩きつけた。それを見たバンブルビーは、遂に怒りを爆発させる。何をされても決して人間に反撃しなかったバンブルビーの目は赤くなりセクター7を攻撃。
必死に止めるチャーリーを見たバンブルビーは攻撃を停止。目は青く戻りチャーリーの知るバンブルビーに戻る。ディセプティコンが仲間を呼び寄せるのを防ぐため、一刻を争うチャーリーとバンブルビーは無線塔へ向かった。
同じ頃、ディセプティコンは、無線塔に装置を取り付け通信衛星を乗っ取りメッセージ伝達を試みていた。無線塔へ来た2人だが、バンブルビーはチャーリーを大型のゴミ容器へ入れ、ディセプティコンへ挑んで行った。
人間とオートボットで闘う
バンブルビーとドロップキックとの戦闘が始まる。通信作業を完了しようとするシャッターを見たチャーリーは、妨害するため無線塔へ登り始めた。そこへ、通信傍受を知ったジャックが無線塔にヘリコプターでやって来て、シャッターに対し攻撃を開始する。
ミッションを完全に認識したバンブルビーは強く、ドロップキックを粉砕。無線塔を登るチャーリーを発見したバンブルビーだが、シャッターに攻撃されて墜落するジャックのヘリコプターを先に救助した。ジャックは、自分の認識が全くの誤りだった事に気づく
ケーブルを切断しようとするチャーリーに照準を合わせるシャッター。しかし、そのシャッターをバンブルビーが地上から攻撃し、激しい戦闘へ発展する。チャーリーは、メッセージ送信が完了するギリギリの所でケーブルを切断する事に成功した。
強敵のシャッターはバンブルビーに馬乗りになるが、バンブルビーは巨大タンカーが停泊する背後のダムを撃ち決壊させる。タンカーが激突しシャッターは爆発し、バンブルビーは衝撃を受けて海の底へ沈んでしまう。
それを見たチャーリーは、躊躇する事無く深呼吸をすると高い塔から海へ飛び込む。海底に倒れているバンブルビーは眼の光が弱い。チャーリーは潜水してバンブルビーの所へ泳ぎ着き、両手でバンブルビーの顔に触れた。
バンブルビーはチャーリーを抱えて這い上がった。海から出た2人の前にジャックが現れる。バンブルビーを拘束するため援軍が来るので、この場を早く去れと告げた。ありがとう、と言うチャーリーに、礼を返すジャック。
立ち去るバンブルビーに、ジャックは兵士と呼称し敬礼。振り返ったバンブルビーは、ガッツポーズをした。深く頷くジャックを後に、チャーリーはビートルに変形したバンブルビーとその場を去った。
ありがとうとさよなら
翌日、海を一望する場所へ来たチャーリーとバンブルビー。曲の一部「一緒に行こう」の歌詞を流すバンブルビーに対し、チャーリーは、バンブルビーを必要とする仲間が居る様に、自分にもそういう人達が居ると話す。
目に涙を溜めたチャーリーは、行って欲しくないと言いバンブルビーの頬に手を沿えた。バンブルビーは悲しそうに目をつむる。そして、バンブルビーは、複数のラジオ局を介し「言葉を取り返してくれてありがとう」と言葉を繋げた。
バンブルビーとの友情で自分を取り戻せたと涙を流すチャーリーは、バンブルビーを抱きしめて、決して忘れない、さようならとバンブルビーに別れを告げた。
立ち上がったバンブルビーは、眼下のゴールデン・ゲート・ブリッジを走るカマロをスキャンして変形。チャーリーは、最初からカマロにも成れたって事!?と感嘆の声を挙げる。
バンブルビーは、シンプル・マインズの『ドント・ユー』をかけ、「僕を忘れないで」の歌詞部分を流し走り去った。チャーリーは、ゴールデン・ゲート・ブリッジを行くバンブルビーのカマロを暖かい笑顔で見送るのだった。
『バンブルビー』を観た感想
お茶目でキュート、そして強くて優しいバンブルビー。自分を信じてくれたチャーリーをどこまでも守る素敵な戦士です。ビーチのシーンで、他の人間の前では隠れるよう教えられるバンブルビーが砂山に四つん這いになる所がとても可愛らしい!
そして、主人公・チャーリーを演じたヘイリー・スタイフェルドの演技力は素晴らしいの一言でした。流石アカデミー賞にノミネートされただけの事はあると納得する表現力で、彼女無しでは成り立たなかったと言えるでしょう。
『トゥルー・グリット』で脚光を浴びたスタインフェルドですが、更に成長。これだけ豊かな感情をリアルに伝えることが出来る若い役者の今後が非常に楽しみです。
監督を務めたトラヴィス・ナイトはアニメーション製作の専門家で、本作が長編実写映画のデビューとなります。ナイトは絵コンテで全シーンを作り、目印に向かって演じなければならないスタインフェルドにCGの構成図を見せてイメージを伝えました。
また、ナイトが本作で一番実現したかったのは、観客がチャーリーの様に手で触れられる様なバンブルビーを作り上げる事でした。アニメーションに長年携わった経験を活かしてリアリティを産み出す技術を駆使したナイト。
バンブルビーは、CGとは思えない存在感で、様々な感情も手に取るように伝わり、感情移入できる現実的な生命感をバンブルビーに吹き込む事に成功しています。
そして、劇中を通して使われる80年代のヒット曲は、物語の展開にぴったりマッチ。バンブルビーが最初にかけるのは、a-haの『テイク・オン・ミー』であり、ガッツポーズを学ぶのは、大ヒット映画『ブレックファスト・クラブ』です。
同映画の主題歌『ドント・ユー』で、「ドント・フォゲット・アバウト・ミー(僕を忘れないで)」の部分を切り取り見事にエンディングで繋げ、バンブルビーとチャーリーのお別れシーンを飾っています。
特筆すべきは、変形するロボット達の紛争や戦闘がメインテーマではない事です。地球に住む人間との交流、そして次第に結ばれて行く友情が主軸です。観ているうちに、本作の製作総指揮を務めるスティーヴン・スピルバーグの『E.T』を思い出しました。
喪失、愛、忠誠心、友情、勇気、そしてスタイリッシュ。全ての要素を卓越した構成力と演出力で物語る『バンブルビー』は、制作者の遊び心が一杯詰まったおもちゃ箱の様で、老若男女どの世代が見ても最高に楽しめる快作です。
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