2014年にアメリカで公開されたヒーロー・アクション映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』。
『アイアンマン』シリーズなどと同じ世界観を持つマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の9作目として発表され、その中でも傑作と名高い作品です。
往年のポリティカル・スリラーを取り入れた作風や、キャプテン・アメリカのアクション演出などが高い評価を得ました。
前作の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』のネタバレはこちら!
Contents
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーの予告動画
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』作品情報
タイトル:キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
原題:Captain America: The Winter Soldier
監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス&スティーヴン・マクフィーリー
製作:ケヴィン・ファイギ、ヴィクトリア・アロンソ、ルイス・デスポジート、アラン・ファイン、マイケル・グリロ、スタン・リー
公開日:2014年4月4日(アメリカ)、2014年4月19日(日本)
出演:クリス・エヴァンス、セバスチャン・スタン、スカーレット・ヨハンソン、アンソニー・マッキー、サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・レッドフォード、フランク・グリロ、エミリー・ヴァンキャンプ、ヘイリー・アトウェル、コビー・スマルダーズ 他
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の監督を務めたのはアンソニー&ジョー・ルッソ。今作は彼らの出世作となり、次作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のみならず、『アベンジャーズ4(タイトル未定)』監督という大役にも抜擢されました。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のキャスト
主役のキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースを演じるのは、前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』より引き続きクリス・エヴァンス。
ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフ役のスカーレット・ヨハンソンやニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンといったおなじみのメンバーはもちろん、アンソニー・マッキー演じるファルコンや、エミリー・ヴァンキャンプ演じるエージェント13いった新キャラクターも登場。ますます目が離せない一作となっています。
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キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーのあらすじとネタバレ
『アベンジャーズ』でのチタウリとの戦いから2年後。キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は、国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.の一員として日々任務を全うしていた。
またプライベートでは、冷凍睡眠状態にあった約70年間の遅れを取り戻そうと、ノートに最近流行している事柄やニュースをせっせとメモ。ランニング中に出会った元軍人のサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)とも新たに友人関係を築いていた。
そんなある日、キャプテンは海賊に襲われた船舶から人質を救出するという任務に参加。強敵ジョルジュ・バトロック(ジョルジュ・サンピエール)と激しい戦闘を繰り広げる。
その後、スティーブは現場でこっそりと「インサイト計画」と呼ばれる計画のデータを取り込んでいたブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)と遭遇する。
インサイト計画とは、世界平和のため国民を監視し、危険因子となりうる人物を先制攻撃し抹殺するという計画。S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は、これに疑問を抱き、密かにナターシャに命じてデータ詳細を持ち出させていたのだった。
さらにフューリーは、S.H.I.E.L.D.幹部にして世界安全保障委員会と強いパイプを持つアレクサンダー・ピアース(ロバート・レッドフォード)に、計画を延期するよう伝える。
その直後、フューリーはウィンター・ソルジャーと呼ばれる謎の暗殺者率いる武装集団に襲撃される。なんとかその場を脱出したフューリーは、スティーブのアパートを訪問。「誰も信じるな」と、データの入ったUSBをスティーブに手渡した直後、またもや敵の襲撃を受ける。
スティーブの隣人で看護師のケイトも現場に駆け付けた。彼女の正体はS.H.I.E.L.D.職員のエージェント13(エミリー・ヴァンキャンプ)で、ケイトという偽名でスティーブを監視していたのだった。
スティーブはウィンター・ソルジャーを追い、アパートの屋上へ。盾を投げつけて攻撃するが、地上で最も硬い金属ヴィブラニウム製の盾を難なくキャッチされたばかりか、投げ返されさえしてしまう。
フューリーはすぐに病院へ搬送されたが、懸命な手当ても空しくその場で死亡が確認される。
誰が敵で、誰が味方なのか
後日、ピアースがスティーブを呼び出しデータを渡すよう要求するが、スティーブはフューリーの遺言に従いそれを拒否。その直後、エレベーター内で、S.H.I.E.L.D.のブロック・ラムロウ(フランク・グリロ)率いる特殊部隊がスティーブに襲い掛かった。スティーブは盾を巧みに攻撃に使いながら屈強な男たちを倒し、エレベーターのガラスを突き破って脱出する。
仲間だったはずのS.H.I.E.L.D.から突如追われる身となったスティーブ。合流したナターシャと共にデータを追ううち、かつて自身が訓練を受けた思い出の場所、キャンプ・リーハイにたどり着く。地下に降り立つと、古びたコンピュータが二人を出迎えた。
その画面に映し出されたのは、なんと前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』で、捕虜としてSSR(S.H.I.E.L.D.の前身)に拘束されたはずのアーニム・ゾラ(トビー・ジョーンズ)だった。悪の秘密組織ヒドラに所属していたゾラは、水面下でS.H.I.E.L.D.内にヒドラの構成員を増やしていたのだ。
死後は人格をコンピュータに移し、世界平和と引き換えに人々が権利や自由を放棄するよう、影で操っていたことを告白するゾラ。インサイト計画もまたヒドラの作戦の一部で、計画の真の狙いは、ヒドラの脅威となる人物を殺害することにあった…。
直後に地下施設は爆発するが、スティーブとナターシャはなんとか現場を脱出する。二人が訪れたのは、スティーブの友人であるサム・ウィルソンの家だった。サムは何も聞かず二人を匿う。
元米軍パラシュート兵のサムは、作戦中に友人を亡くしたことから軍を退役。現在は戦地でトラウマを持つ人々を救うべくカウンセラーとして働いていた。
スティーブとナターシャから事情を聞いたサムは、特別製のスーツを身にまとった「ファルコン」として二人に協力することに。
辿り着いた真実
サム、スティーブ、ナターシャは、ヒドラの残党を倒すべく、ヒドラと密かに通じていたジャスパー・シットウェル(マキシミリアーノ・ヘルナンデス)を尋問。彼を連れてS.H.I.E.L.D.本部へと向かうが、その途中でまたもやウィンター・ソルジャー率いる武装集団に襲われる。その際にシットウェルはウィンター・ソルジャーによって車の外へ投げ出され、対向車線の車に轢かれてしまった。
スティーブ、サム、ナターシャは、ウィンター・ソルジャー軍団と対峙する。もみ合った拍子にウィンター・ソルジャーのマスクが外れると、なんとその顔は、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』で命を落としたはずのスティーブの親友、バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)だった。
思わず「バッキー?」と口にするスティーブだったが、ウィンター・ソルジャーはスティーブのことを覚えていない様子…。
実はバッキーは生きており、ヒドラによってキャプテン・アメリカと同じように超人改造を施されていた。そして暗殺者ウィンター・ソルジャーとして、ヒドラの様々な任務に利用されていたのだった。
親友との思わぬ再会に戸惑ったスティーブは、ラムロウたちに捕まってしまう。だが護送隊員に変装していたS.H.I.E.L.D.副長官のマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)の手引きで逃走に成功。マリアがスティーブを連れて行った先には、なんとニック・フューリーの姿があった。
フューリーは死を偽装することによって、誰が敵で誰が味方なのかを見極めていたのだ。
最後の戦い、ウィンター・ソルジャーが選んだ道とは
S.H.I.E.L.D.本部にたどり着いたスティーブたち。世界安全保障委員会は、今まさにインサイト計画を発動させようとしていた。
スティーブはS.H.I.E.L.D.のマイクを通じ、S.H.I.E.L.D.はヒドラに浸食されていることや、インサイト計画の本当の目的などを暴露。自らの意志で正しいことをするよう呼び掛ける。そのキャプテン・アメリカの言葉に応えたのは、エージェント13をはじめとするS.H.I.E.L.D.職員だった。ラムロウたちヒドラ構成員と、S.H.I.E.L.D.職員との間で乱闘がはじまる。
そしてナターシャは、世界安全保障委員会のメンバーに変装して実行場所に潜入。今回の事件の黒幕であり、密かにフューリーやキャプテン・アメリカを抹殺しようとしていたピアースを捕えようとする。隙を突かれて委員会のメンバーが殺害されるなど一旦はナターシャたちが劣勢になるも、最終的にフューリーがピアースを射殺した。
スティーブたちは、ヘリキャリアに搭載されているコンピュータ・チップをすり替えることによってインサイト計画を阻止しようとしていた。ウィンター・ソルジャーはそんな彼らの前に立ち塞がり、ファルコンのスーツを破壊して戦闘不能にさせる。
そしてついにキャプテン・アメリカの前に現れたウィンター・ソルジャー。スティーブは昔の記憶を取り戻そうと、必死に呼びかける…。
かつての親友と戦うことを拒み、最終的にキャプテン・アメリカは川へと落下する。
ウィンター・ソルジャーはキャプテン・アメリカを川から引き上げ、その場を去ったのだった。
戦いを終えて
すべてが終わった後、ニック・フューリーは死を偽装したまま身を潜めることに。スティーブとサムはバッキーを追い続け、ナターシャは過去の経歴のことで議会に召喚される。エージェント13は実質的に崩壊したS.H.I.E.L.D.を抜け、CIAへと移った。
エンドクレジット後、謎めいた部屋にいる男女の双子が映し出される。男は超高速で移動しており、女はテレキネシス能力を扱うようだ。
そしてバッキーはスミソニアン博物館を訪れ、自分の歴史が記された展示を見つめるのだった。
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーの感想とまとめ
今作の見どころは、なんといってもキレのあるアクションです。前作から確実に進化しています。序盤のエレベーター内での乱闘シーンや中盤に展開される高速道路でのアクションシーンは、何度でも見直したいほどカッコいい…!
冒頭でキャプテン・アメリカが戦う海賊ジョルジュ・バトロックを演じたジョルジュ・サンピエールは本職が格闘家ということからも、本作のアクションにかける熱意が伝わってきます。
さらに注目したいのが、キャプテン・アメリカのトレードマークとも言える「盾」を使った数々のシーン。キャプテン・アメリカがエレベーターから脱出するシーンでは、数十階の高さから壁をぶち破り落下。その際に盾を下にしてクッションにし、なんと無傷で地面に着地します。
他にも防御のみならず、盾ごしに殴る、ぶん投げて戦闘機を撃ち落とすなど、「そんなのアリ?!」と驚いてしまうこと間違いなしです。
本作が支持を受けている理由は、勢いのあるアクションだけではありません。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』は、1970年代のポリティカル・スリラーを意識しています。
ポリティカル・スリラーとは、政治的な要素のあるサスペンス作品のこと。ロバート・レッドフォードを起用したのも、彼がかつて『大統領の陰謀』『コンドル』といった代表的なポリティカル・スリラー作品に出演していたからです。
世界平和のためとはいえ、国民から自由や権利を奪い、監視下に置くことは正しいのか。危険人物を先制攻撃することは許されるのか。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』は、このような問いかけを私たちに投げかけます。
キャプテン・アメリカは、巨大な組織に屈することにNOを突きつけ、自分が正しいと信じる道を選びました。この姿は、現実世界に生きる私たちにも勇気を与えてくれます。
キャプテン・アメリカは、真の意味で「正義の人」だったのです。そしてこの姿勢は、次作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で彼が取る行動にもつながります。
アツいアクションと重厚なストーリーでアンソニー&ジョー・ルッソ監督の出世作となった『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』。世界最大の映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家スコア89%、観客スコア92%と、双方から高い評価を得ています。
マーベルや『キャプテン・アメリカ』シリーズのファンにはもちろん、今までヒーロー映画に興味がなかった人にも自信を持っておすすめできる作品です。
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