全世界的大ヒットシリーズ『アベンジャーズ』を擁する一大英雄伝『マーベル・シネマティック・ユニバース』(MCU)。
今回はMCUの第3作であり、アベンジャーズの主要メンバー“アイアンマン”シリーズとしては第2作となる『アイアンマン2』についてのあらすじとネタバレ、感想をご紹介します。
Contents
『アイアンマン2』の作品情報
タイトル:アイアンマン2
原題:IRON MAN 2
監督:ジョン・ファヴロー
脚本:ジャスティン・セロウ
原作:スタン・リー/ドン・ヘック/ラリー・リーバー/ジャック・カービー『IRON MAN』
製作:ケヴィン・ファイギ
公開:2010年5月7日(アメリカ)、2010年6月11日(日本)
出演:ロバート・ダウニー・Jr/グウィネス・パルトロー/ドン・チードル/ジョン・ファヴロー/ポール・ベタニー(声の出演)/サム・ロックウェル/ジョン・スラッテリー/クラーク・グレッグ/スカーレット・ヨハンソン/サミュエル・L・ジャクソン/ミッキー・ローク など
監督は前作に引き続いてジョン・ファヴローが務め、ファヴローは前作同様に俳優(主人公トニー・スタークの運転手ハッピー役)としても出演しています。
脚本はロバート・ダウニー・Jrと『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で組んだことにより抜擢されたジャスティン・セロウ、製作は『マーベル・シネマティック・ユニバース』の総合プロデューサーであるマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが務めています。
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『アイアンマン2』のキャスト
主演のロバート・ダウニー・Jrやヒロイン役のグウィネス・パルトロー、サミュエル・L・ジャクソンらは前作『アイアンマン』から続投しています。
主人公スタークの親友ローディ(本作では“ウォーマシン”に変身します)役は前作のテレンス・ハワードからドン・チードルにバトンタッチ、後にアベンジャーズの一員となる女スパイ“ブラック・ウィドウ”役でスカーレット・ヨハンソンが初登場、そして今回の悪役として名優ミッキー・ロークが参戦しています。
『アイアンマン2』のあらすじ・ネタバレ
モスクワにて
ロシア・モスクワ。
自ら“アイアンマン”であることを公表したアメリカの超巨大企業“スターク・インダストリーズ”社長トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)の記者会見のテレビ放送を瀕死の老人アントン・ヴァンコ(エフゲニー・ラザレフ)が見ていた。
アントンは息子のイワン(ミッキー・ローク)を呼び、「本当ならお前が・・・」と囁いたのだ。
「あんなのは無視しろ」と言うイワンに、アントンは「すまない、お前には知識しか与えられなくて・・・」と言い残して息を引き取ったのである。
イワンは父の遺した設計図を基に、アイアンマンの動力源と全く同じな小型アーク・リアクターを独力で開発するのだった。
スターク・エキスポ
スタークの衝撃の記者会見から6ヶ月後。
スタークはこの日も改良型アイアンマンスーツ“マーク4”のデモンストレーション飛行を行っていた。
彼が着陸したのは、ニューヨーク州フラッシングで開催されている一大博覧会”スターク・エキスポ”のメイン会場であった。
大観衆の前で変身解除したスタークは、人類の未来を考え、次世代に自社や協賛各社のテクノロジーを伝える場としてスターク社創立以来のこのイベントを主催したことを表明、約1年間に渡るエキスポの開会を宣言したのである。
ここでスタークは、亡き父ハワード・スターク(ジョン・スラッテリー)のメッセージを巨大スクリーンで再生すると、ステージ裏で密かに小型測定器具を使って自らの血中毒素を調べたのだ。
その値は「19%」だった。
スタークは運転手のハロルド・“ハッピー”・ホーガン(ジョン・ファヴロー)に付き添われ、出待ちのファンやマスコミ界の重鎮ラリー・キング(スタン・リー(カメオ出演))らの対応をしつつ裏口から帰宅しようとしたが、女性スタッフからの伝言により、翌日開かれる上院の軍事委員会への出席を求められてしまったのである。
軍事委員会
翌日、スタークは秘書のペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)を伴い、軍事委員会に出席するためワシントンD.C.へ出向いた。
公聴会の席上、出席者はアイアンマンスーツは“兵器”にあたるのではないかとみなし、スーツを政府に引き渡すよう求めてきたが、スタークはスーツが兵器であることを明確に否定したうえで引き渡しを拒否、政府の対応を批判するのだった。
政府側は、軍需産業から撤退する以前のスターク社のライバル企業だった兵器請負業者の“ハマー・インダストリーズ”社長ジャスティン・ハマー(サム・ロックウェル)を「兵器の専門家」として招集しており、ハマーはハワードの名を挙げてまでスタークを批判したのだ。
続いて証言に立ったスタークの親友ジェームズ・“ローディ”・ローズ空軍中佐(ドン・チードル)はスタークを擁護、スタークはモニター画面をハッキングするとハマー社の開発したロボット兵器がことごとく開発に失敗した様子の映像を流したのである。
ハマーが取り乱し、会場は混乱に陥ったことからこの日はお開きとなったが、スタークは「私は抑止力だな。スーツは渡さないがその代わりとして世界平和の民営化を提唱したい。私は国民の味方だ」と告げてこの場を去るのだった。
この中継を見ていたイワンは、完成したばかりのパワードスーツ“ウィップラッシュ”の電磁鞭“エレクトリカル・デス・ウィップ”でテレビを叩き斬ったのだ。
アーク・リアクターの毒素
カルフォルニア州マリブの自宅に戻ったスタークは、人工知能J.A.R.V.I.S.(声:ポール・ベタニー)と会話しながら血中の毒素を測定していた。
数値は24%まで上昇しており、毒素をある程度抑制するには毎日不味い特製ドリンクを飲まなければならないのだ。
スタークの胸に埋め込まれた小型アーク・リアクターの動力源となっている、元素パラジウムの放つ毒素がスタークの身体を蝕みつつあるのだった。
命の危機を感じたスタークは税金対策として長年コレクションしてきた美術品を売り払い、そしてポッツにスターク社の社長の座を譲ったのである。
突然のことに驚くポッツだったが、スタークからシャンパンを振舞われると笑顔になるのだった。
その頃、イワンは偽造パスポートとモナコで開催されるカーレースのチケットを入手していた。
一方、スタークは新社長となったポッツから、法務部所属の“ナタリー・ラッシュマン”と名乗る女性(スカーレット・ヨハンソン)を紹介された。
東京でモデルをしていたというナタリーは世界各国の言語も堪能であり、ちょうどスタークのスパーリングの相手をしていたハッピーを簡単にねじ伏せる腕っぷしの強さも見せたことから、彼女を気に入ったスタークは新たな秘書に抜擢したのだ。
モナコの激闘
スタークはポッツ、ナタリーと共にモナコ入りした。
超高級ホテルに入ったスタークはナタリーとの関係を疑うポッツをなだめていたところ、レース出場車のスポンサーだというハマーも姿を現したのである。
ハマーは過去にスタークと因縁のある女性記者クリスティン・エヴァーハート(レスリー・ビブ)を同行させており、スタークは乗り気でないながらもハマーとのツーショット写真を求められるのだった。
先日の公聴会での一件でハマー社は政府との契約を保留にされており、ハマーはスターク・エキスポへの出展を要請してきたのだ。
スタークはまともな展示品を出展できるならという条件付きでハマー社の参加を許可した。
スタークの血中毒素は53%を超えていたが周囲にはひた隠しにし、選手としてマシンに乗り込んだのだが、このことはポッツやナタリー、ハマーも事前に知らされていなかったのである。
そのままレースはスタートしたが、会場にはイワンがクルーを装って潜入していた。
イワンは勝手にサーキットに立ち入るとウィップラッシュに変身、デス・ウィップで走行中のマシンをぶった切ったのだった。
ポッツはハッピーと共に赤いスーツケースを持ってコースに突入、その直後にスタークのマシンはウィップラッシュにぶった切られてしまったのだ。
会場が大混乱に陥るなか、マシンを脱出したスタークはウィップラッシュと対峙、ポッツからケース状に折り畳んでいた携帯型スーツ“マーク5”を受け取ってアイアンマンに変身、電撃を喰らいながらもウィップラッシュのアーク・リアクターを破壊、戦闘不能になったイワンは駆け付けた警察に逮捕されたのである。
イワンは「お前の負けだよ、スターク」と不気味な笑いを浮かべながら連行されていった。
イワンのテクノロジー
スタークは警察署でイワンと面会、自分と同じようなテクノロジーが他国に渡ることを危惧するスタークにイワンは「お前の一族はどいつもこいつも泥棒で人殺しだ。お前は悪人がそうしたように歴史を書き換え、一族が葬って来た人々を忘れようとしてるんだろ?」と言うのだった。
イワンはアーク・リアクターの設計図は父が持っていたものだといい、スタークはパラジウムの毒素に侵されていることまで見抜くと「お前は父のおかげで生きていられるんだぜ。血を流した神にサメがたかってくる。俺はお前が食らい尽くされるのをここから見ているぜ」と捨て台詞を吐いたのだ。
アメリカ政府はアイアンマンと同じようなスーツの登場に驚愕、対応に追われていた。
プライベートジェットで帰路に着いたスタークはポッツに休暇がほしいと願い出るが、ポッツはスタークは何か隠し事をしていると感づいたのである。
その頃、ハマーは地元警察を買収するとイワンを脱獄させると共闘を持ち掛けるのだった。
イワンは共通の敵であるスタークを倒すため、ハマーは政府との契約を復活させるため共に手を組むことにしたのだ。
一方、スタークは自宅でイワンの経歴について調べていた。
イワンの父アントンは1963年に旧ソ連からアメリカに亡命した物理学者で、ハワードと共にアーク・リアクターの開発に携わっていたのだが、1967年にスパイ容疑でソ連に強制送還されたのだという。イワンもまた物理学者であり、ソ連時代に兵器をパキスタンに売った罪で15年の服役に処せられていた曰く付きの人物だった。
スターク邸を訪れたローディは政府がスーツを押収しようとしていることをスタークに伝え、その際にスタークがパラジウムに蝕まれていることを知ってしまったのである。
ニューヨーク州クイーンズにあるハマー社の研究施設に招かれたイワンは試作品のパワードスーツを提示され、すぐさま改造と改良に取り掛かったのだ。
ハマーはアイアンマンを時代遅れだと世間に思わせるため、パワードスーツをスターク・エキスポに出典しようと目論んでいるのだった。
スタークの暴走
この日はスタークの誕生日だったが、血中濃度は既に89%に達しており非常に危険な状態に陥っていたのだ。
誕生日パーティーの席上、スタークはアイアンマンスーツを装着したまま酒をあおり、泥酔状態で意味不明なスピーチをしたり部屋の物を破壊したりとやりたい放題。
スターク邸を訪れたローディは、スタークの暴走を食い止めるため地下にあった“マーク2”のスーツを装着、「君にそのスーツを着る資格はない」と忠告したがスタークは全く取り合わず、そのまま二人は本気の殴り合いの大喧嘩となってしまったのである。
ローディは、欲しけりゃスーツをくれてやると挑発するスタークを気絶させると、そのままマーク2のスーツを没収してエドワーズ空軍基地に飛び去ってしまうのだった。
一夜明け、ドーナツ店でふて腐れているスタークのもとに国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.のニック・フューリー長官(サミュエル・L・ジャクソン)が現れた。
フューリーはスタークの身体が危険な状態に陥っていることを一目で見抜くと、その場にナタリーが現れたのだ。
スタークはナタリーを解雇しようとしたが、ナタリーは自らの正体をS.H.I.E.L.D.のスパイでフューリーの部下ナターシャ・ロマノフ、通称“ブラック・ウィドウ”であることを明かし、一時的にスタークの症状を和らげる薬を打ったのである。
フューリーはスタークに、中毒を完治させるにはパラジウムに代わる新たな元素の開発しか方法はないと諭すのだった。
新たなアーク・リアクター
イワンは無許可でパワードスーツを遠隔操作可能な“ドローン”に改造しており、ハマーは仕方なくエキスポに出展するよう命じたのだ。
イワン曰く、人間は信用できないのでドローンにしたのだという。
一方、ローディはマーク2スーツをエキスポに出展するよう軍上層部から命じられた。
ハマーは重火器や特殊兵器をスーツに追加装備して大幅に改良を施し、アイアンマンよりも攻撃能力を高めた“ウォーマシン”のスーツを作り上げるのだった。
スターク邸に招かれたフューリーは、アントンは金に目が眩んでハワードに追放され、極寒のシベリアで20年間も酒浸りの暮らしをしていたことを明かし、「君の父は武器製造とは規模の違うエネルギー開発に力を注いでいた。君はまだ全部試していないはずだ。君の父は君にしか完成させられない研究を遺したのだ」と改めて説得したのである。
父から愛情を受けずに育ったと主張するスタークに、フューリーはハワードはS.H.I.E.L.D.の創設メンバーだったことを明かし、スタークを自宅の外に出さないよう部下のフィル・コールソン(クラーク・グレッグ)とウィドウに見張りを命じて去っていったのだ。
フィルはハワードの名が刻印されたトランクケースを持ってきており、その中にはアーク・リアクターの設計図や新聞の切り抜きなどと共にハワードのメッセージが収められた8mフィルムが入っていたのだった。
ハワードは生前に構想していたスターク・エキスポの設計図を託し、自分の技術では無理だがお前なら完成できると告げ、そして「私の最大の発明品はお前だ」というメッセージを遺していたのである。
スタークは自宅を抜け出してスターク社の本社に向かい、社長室に隠されていたエキスポの立体模型図を持ち帰り、その中にハワードが隠しておいた新たな元素に関するヒントを見つけたのだ。
スタークは自宅を大幅に改築して大掛かりなプリズム加速器を作り、遂に新たな元素を精製することに成功した。
それはパラジウムとは違って毒素の心配のない超エネルギーの源だった。
イワンの復讐
その頃、イワンはハマーの目を盗んで新たなウィップラッシュのスーツとデス・ウィップを作り上げていた。
イワンが言いなりにならないことに業を煮やしたハマーはウォーマシンスーツの完成を理由に用済みになったことを告げ、改めて契約を見直すと告げると、見張りの者数名にイワンの監視を命じてエキスポ会場に向かったのである。
しかし、不敵な笑みを浮かべたイワンはあっという間に見張りの者たちを殺し、スタークに非通知電話をかけると「スターク一族の真の姿が暴かれる時だ。お前の父親に受けた40年分の仕打ちを、あと40分でお前に与えてやる」と予告するのだった。
スタークは逆探知をかけるも、イワンの居場所はマンハッタン付近までは突き止めたがそれ以上探すことはできなかった。
スタークは完成したばかりの新型アーク・リアクターを試す間もなく胸に装着したのだ。
エキスポでの闘い
ポッツとウィドウがスターク・エキスポ会場入りした時には、既にハマー社のプレゼンテーションが始まっていた。
壇上のハマーはイワンが作り上げた“ハマー・ドローン”の陸軍・海軍・空軍・海兵隊仕様の4種類のバリエーションモデル、そして完成したばかりの“ウォーマシン・マーク1”(変身者はローディ)を登壇させたのである。
その時、会場にアイアンマンが飛来、ウォーマシンに民間人を逃がすよう耳打ちすると、ハマーに対してイワンの居場所を明かすよう迫った。
その時、イワンはドローンとウォーマシンの遠隔操作を開始、ウォーマシンはローディの意志に反して勝手に起動、ドローンたちと共に会場で大暴れしてしまうのだった。
人々が逃げ惑うなか、アイアンマンは上空にウォーマシンとドローンを引き付け、ハマーはイワンの見張りの者に連絡を取るも通信不能状態にさせられていた。
ハマーのもとにポッツとウィドウが現れ、全ての黒幕はイワンであること、イワンはハマーの研究施設にいることを聞き出すと、ポッツは警察を呼んでハマーを逮捕するよう要請したのだ。
アイアンマンはJ.A.R.V.I.S.と共にウォーマシンの遠隔操作を解こうとするが上手くいかない。
ドローンが人々を襲うなか、ウィドウはハッピーと共にハマーの研究施設に向かい、アイアンマンは会場からドローンを引き離しつつ1機ずつ撃破したが、数機はアイアンマンを攪乱するかのように会場に戻っていったのである。
研究施設に乗り込んだウィドウは、ハッピーが警備員を引き付けている隙に施設の奥に向かい、鮮やかな格闘術で次々と警備員を仕留めていったが、コントロールルームに突入した時には既にイワンの姿はなかった。
ウィドウはウォーマシンの遠隔操作を解くことに成功、スタークはローディと仲直りしたうえで力を合わせてドローン部隊に闘いを挑み、次々と打ち倒していくのだった。
ハマーは駆け付けた警官隊に逮捕され、ポッツに「全てを私のせいにしてライバルを排除するとはな、君も社長らしくなったものだ。だが必ず仕返しはするからな!」と捨て台詞を吐いて連行されていったのだ。
ウィップラッシュとの決戦
「戻ってきたぞ」
ドローン部隊を全滅させたアイアンマンとウォーマシンの前に、新型ウィップラッシュのスーツをまとったイワンが乗り込んできた。
ウィップラッシュはよりパワーアップしたデス・ウィップを振りかざしてアイアンマンとウォーマシンを圧倒するが、デス・ウィップに繋がれたアイアンマンとウォーマシンは連携して必殺技の“リパルサー・レイ”を放ち、ウィップラッシュに大ダメージを与えてスーツを破壊することに成功したのである。
しかし、イワンは「お前の負けだ」と投降を拒否、自らのスーツと会場内のドローンの残骸に仕込まれていた自爆装置を起動させるのだった。
アイアンマンはただ一人会場内に残ったポッツ救出、その直後に会場は大爆破に見舞われたのだ。
全てにうんざりしたポッツはスタークに社長を辞めると告げたがスタークは認めず、ポッツと仲直りのキスを交わしたのである。
その様子を見ていたローディは、もう少しだけウォーマシンのスーツを借りると告げて空へ飛び立っていった。
事件解決後、スタークはS.H.I.E.L.D.から提出された「アベンジャーズ計画報告書」に目を通そうとしていた。
フューリーはスタークに「まだ見ないでもらいたい」と制すと、ウィドウによる評価を見せるのだった。
ウィドウはスタークの性格と人間性に難があるとして、“アイアンマン”はアベンジャーズの一員として合格としながらも、“トニー・スターク”は不合格としていたのだった。
フューリーはスタークを相談役に指名、スタークもこれを受け入れたのである。
後日、スタークとローディは合衆国から勲章を授与されたのだ。
エンドロール後
ニューメキシコ州のとある砂漠のど真ん中。
隕石が落下したとの情報を受けたコールソンは現場に向かい、フューリーに“あるもの”を発見したことを報告したのである。
それは、神の世界・アズガルドの雷神だけが持つことを許される魔法のハンマー“ムジョルニア”であった。
『アイアンマン2』の感想とまとめ
前作『アイアンマン』のヒットを受け、後にアイアンマンと共にアベンジャーズの一員となる“超人ハルク”の誕生を描いた『インクレディブル・ハルク』を挟む形で本作が製作されました。
本作より、アイアンマンのサイドキック(相棒)として“ウォーマシン”が初登場、そして後にアベンジャーズの一員となる最強の女スパイ“ブラック・ウィドウ”が初登場を果たしています。
更に本作では、主人公トニー・スタークが新元素を精製するために作ったプリズム加速器を安定させるための土台として“キャプテン・アメリカ”のトレードマークである円形の盾の試作品が登場、ラストでは“雷神ソー”の愛用のハンマー“ムジョルニア”まで登場、着々と『アベンジャーズ』初期メンバーの集結に向けて最重要人物であるキャプテン・アメリカとソーの登場を大胆に予告する内容ともなっています。
アベンジャーズのリーダーとなるニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンは前作より大幅に出番が増え、本作および後々のシリーズの最重要人物としての役割がより一層アップしたほか、前作でローディ役を演じたテレンス・ハワードの降板を受けてバトンタッチしたドン・チードル、本作よりシリーズ初登場を果たしたスカーレット・ヨハンソンなど今や『マーベル・シネマティック・ユニバース』に欠かせないキャストが参戦しています。そして何よりも、本作公開の2年前の2008年に公開された『レスラー』で再ブレイクを果たしたミッキー・ロークが演じる本作のメインヴィラン(悪役)“ウィップラッシュ”の人を食ったかのような圧倒的な存在感は本作のハイライトとなっています。
前作ではアイアンマン誕生の物語を優先するあまり描かれてこなかったトニー・スタークと父ハワード・スタークとの関係が本作では鮮明に描かれています。ちなみにハワードは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』でキャプテン・アメリカの誕生にも関わっており、キャプテン・アメリカ誕生に用いられた技術を応用したことが『インクレディブル・ハルク』でのハルク誕生に繋がり、またハワードの最期は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で明らかになることから、『アイアンマン』を皮切りに始まった“点”が登場人物の意外な繋がりを通じて“線”で結ばれ、やがて映画の歴史を大いに塗り替えていくことになる『アベンジャーズ』四部作へと集約されていくことになります。
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