トランスフォーマー/ダークサイド・ムーンのあらすじネタバレと感想!ラストの結末は?

トランスフォーマーシリーズは1984年から開始し2019年で35周年を迎え、これまでアニメシリーズや実写作品など様々なメディアミックスを展開し続けている『トランスフォーマー』シリーズ。
宇宙の彼方からやってきた、車や兵器、動物などに擬態する能力を持つ超ロボット生命体トランスフォーマーが正義のオートボットと悪のディセプティコンに分かれて戦いを繰り広げる本シリーズ、今回は実写版第3作となる『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』についてのあらすじとネタバレ、感想をご紹介します。

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』の作品情報

タイトル:トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
原題:Transformers : Dark of the Moon
監督:マイケル・ベイ
脚本:アーレン・クルーガー
原作:ハスブロ『TRANSFORMERS』
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、マイケル・ベイ、ブライアン・ゴルドナー
製作:ドン・マーフィー、トム・デサント、ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ、イアン・ブライス
主題歌:リンキン・パーク『Iridescent』
公開:2011年6月29日(アメリカ)、2011年7月29日(日本)
出演:シャイア・ラブーフ、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、ジョン・タトゥーロ、アラン・テュディック、ケヴィン・ダン、ジュリー・ホワイト、パトリック・デンプシー、ジョン・マルコヴィッチ、ケン・チョン、ジョシュ・デュアメル、タイリース・ギブソン、フランシス・マクドーマンド、グレン・モーシャワー、エリヤ・バスキン、エドウィン・“バズ”・オルドリン など
声の出演:ピーター・カレン、ヒューゴ・ウィーヴィング、フランク・ウェルカー、チャーリー・アドラー、ジェス・ハーネル、ロバート・フォックスワース、ジェームズ・レマー、トム・ケニー、フランチェスコ・クイン、キース・ザラバッカ、レナード・ニモイ、玄田哲章(日本語吹替版) など

監督は実写版第1作『トランスフォーマー』からシリーズに加わり、その後第5作『最後の騎士王』までメガホンを執ることになる“破壊王”マイケル・ベイ。
製作総指揮を務めるスティーヴン・スピルバーグなどこれまでシリーズを支え続けてきたスタッフたちが続投、アメリカの人気ロックグループ『リンキン・パーク』が3作連続で主題歌を担当しています。

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のキャスト

地球人側の主役であるシャイア・ラブーフをはじめ主要キャストは一部を除いて続投、前作『リベンジ』をもって降板したミーガン・フォックスに代わるヒロインとしてジェイソン・ステイサムの婚約者としても知られるロージー・ハンティントン=ホワイトリーが、ラブーフ演じるサムの上司役でジョン・マルコヴィッチが出演しています。
トランスフォーマーの声を演じる声優陣も、主人公オプティマスプライム役のピーター・カレンや悪役メガトロン役のヒューゴ・ウィーヴィングら主要キャストが続投、物語の鍵を握る元オートボット司令官役として1986年のアニメ劇場版『トランスフォーマー・ザ・ムービー』で新破壊大帝ガルバトロンを演じたレナード・ニモイが参加しています。
日本語吹替版でもアニメシリーズ第1作『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』のコンボイ司令官役で知られる玄田哲章(オプティマス役)らが続投、これまでのアニメシリーズを支えてきた声優陣が吹き替えに参加しています。

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のあらすじ・ネタバレ

月に不時着したもの

遠い昔。
超ロボット生命体“トランスフォーマー”の故郷、惑星サイバトロンでは、自由と平和を愛するオートボット軍団が破壊と圧政を尊ぶディセプティコン軍団との全面戦争で劣勢を強いられていた。

オートボットは起死回生の望みを賭け、“あるもの”を載せた1隻の宇宙船をサイバトロンから脱出させようとしたが、宇宙船はディセプティコンの攻撃を受けて轟沈、希望も絶たれてしまったのだ。

1961年。
宇宙船は遠く離れた月に墜落、地球のアメリカ政府は真相を究明すべく「アポロ計画」を立ち上げ、1969年に極秘任務を負ったアポロ11号は人類の期待を背に月へと飛び立ったのだった。

ニール・アームストロング船長(ドン・ジーンズ)以下3名の乗組員は極秘マニュアルに従って月面に降り立ち、NASAは着陸地点が月の裏側に入り通信不能になったことを装って墜落した宇宙船の調査を命じたのだ。

アームストロングらは船内で無数のトランスフォーマーの死骸を発見したのである。

その後、アームストロングら3名は無事に地球へ帰還、国民的英雄として熱烈な歓迎を受ける一方、彼らが持ち帰った“あるもの”は政府機関が極秘裏に回収したのだった。

しかし、全滅したはずのトランスフォーマーのうち、1人だけはスリープ状態のまま生き延びていたのであった。

サムと新恋人

そして現在。
オートボットの地球での協力者サム・ウィトウィッキー(シャイア・ラブーフ)は恋人のミカエラと別れ、新恋人のカーリー・スペンサー(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー)と同棲していた。

二人の出会いは、オートボットと共に地球の危機を二度も救ったサムがバラク・オバマ大統領から勲章を授与した際、ホワイトハウスで当時英国大使館員だったカーリーと会話を交わしたのがきっかけだった。

ラブラブな様子のサムとカーリーだったが、居候するトランスフォーマーのウイーリー(声:トム・ケニー)とその相棒ブレインズ(声:レノ・ウィルソン)に邪魔されて激怒するサム。
そんなサムの大親友であるオートボット情報員バンブルビーは任務で忙しく、中々会えない日が続いていたのだ。

大学は卒業したものの就職先が未だに決まらないサムはこの日も面接に行こうとしたが、そこに父ロン(ケヴィン・ダン)と母ジュディ(ジュリー・ホワイト)が訪ねてきたので焦ったのである。

チェルノブイリの秘密

その頃、オートボットは引き続き対ディセプティコン特殊部隊NEST(ネスト)と手を組み、世界各国の主要都市にはエネルゴン探知機と長距離防衛システムが配備され、世界各国の紛争を仲裁するなど平和維持活動に精を出していたのだった。

オートボット総司令官オプティマスプライム(声:ピーター・カレン)と看護員ラチェット(声:ロバート・フォックスワース)、NEST指揮官ウィリアム・レノックス大佐(ジョシュ・デュアメル)らはある情報を掴み、ウクライナ・チェルノブイリ原発に乗り込んだ。
レノックスの部隊は防護服に身を固め、ロシアの諜報員ラドヌフ(ラヴィル・イスヨノフ)の案内で原発内部に潜入、謎の機械を発見するが、そこにディセプティコンの巨大ワーム型マシン“ドリラー”が襲い掛かってきたのである。

オプティマスはレノックスらと共にドリラーから機械を奪還するが、ドリラーは主であるディセプティコン防衛参謀ショックウェーブ(声:フランク・ウェルカー)と共に姿を消したのだった。

オプティマスはこの機械が失われたオートボットの宇宙船のエンジンであると断定したが、ラドヌフは一部始終を監視していたディセプティコン空中攻撃兵レーザービーク(声:キース・ザラバッカ)に暗殺されたのだ。

サムの就職

サムはいくつもの企業の面接を受けたがいずれも落とされてしまった。

サムは宇宙開発事業を手掛ける大企業アキュレッタ・システムズ社の面接を受け、神経質な副社長ブルース・ブラゾス(ジョン・マルコヴィッチ)の態度に戸惑うも採用が決定したのだった。

サムはカーリーが勤める会計会社へ報告に向かい、社長のディラン・グールド(パトリック・デンプシー)に挨拶した。
ディランはカーリーをコレクションの旧車と同列に扱っていることにサムは嫉妬心を抱いたが、ディランは自分がアキュレッタ社にサムを採用するよう推薦状を書いたことを明かしたのだった。

宇宙計画の全容

ワシントンD.C.のNEST本部に戻ったオートボットやレノックスらは国家情報長官シャーロット・メアリング(フランシス・マクドーマンド)にチェルノブイリの件を報告したが、オートボットの警備員アイアンハイド(声:ジェス・ハーネル)や技術者ホイルジャック(声:ジョージ・コー)らは高圧的なメアリングを快く思っていなかったのだ。

オプティマスはメアリングに宇宙船のエンジンを見せ、彼女が地球上のあらゆる情報をオートボットと共有する約束を反故にしたことを責めると、メアリングはアポロ計画で月に飛んだメンバーであるエドウィン・バズ・オルドリン(本人)らを呼び寄せ、極秘宇宙計画の全容を語り始めたのである。

アメリカよりも早く月に無人探査機を飛ばしたソ連は宇宙船の残骸からエンジンを回収、チェルノブイリで試験を行ったところ暴走してしまったのだった。

動き出すメガトロン

オプティマスは、宇宙船に乗っていたのはオートボットの前総司令官センチネルプライム(声:レナード・ニモイ)であることを明かし、ディゼプティコンに見つかる前にとラチェットと共に宇宙船で月に向かい、センチネルと5本の“柱”を回収したのである。

その頃、アフリカに潜伏していたディセプティコン破壊大帝メガトロン(声:ヒューゴ・ウィーヴィング)は、『リベンジ』で負った傷が癒えていないことを航空参謀スタースクリーム(声:チャーリー・アドラー)から指摘されてブチ切れていた。
そこへレーザービークとその上官である情報参謀サウンドウェーブ(声:フランク・ウェルカー)が現れ、オートボットはディセプティコンの策略に嵌ったこと、そして“柱”を回収したことを報告したのだった。

メガトロンは用済みになった者たち全員を始末するようサウンドウェーブに命じ、レーザービークは次々とNASA関係者を暗殺したのである。

関係者の家に飾られた写真には、同僚だったジェリー・ワン(ケン・チョン)の姿があった。

サム、真実を知る

アキュレッタ社に就職したサムは下っ端の資料運搬係に配属された。

ある日、サムの部署にカーリーが訪れ、彼女はディランから超高級車であるメルセデスペンツを贈られたことを知らされたのである。
激しい嫉妬心を燃やすサムは、今すぐ車を売って家を買おうとカーリーに告げたのだった。

密かにサムを付け狙っていたジェリーは、サムをトイレに連れて行き、“仲間”が危機にさらされているとして謎の資料を強引に渡したのだ。

資料の中にはアメリカやロシアの宇宙開発の記事や極秘情報などが事細かに綴られていたのである。

しかしその直後、ジェリーはパソコンにトランスフォームしていたレーザービークにビルから突き落とされて殺害されたのだった。

ブルース副社長はジェリーの死を自殺と断定、サムに後始末を命じたが、コピー機にトランスフォームしていたレーザービークがサムに襲い掛かってきたのだ。

センチネルプライム復活

何とか逃げ切ったサムはカーリー、ウイーリー、ブレインズを連れてNEST本部に駆け込み、バンブルビーに案内されてレノックスの元に向かったのである。

サムはメアリングに対面、ジェリーから得た情報を伝えたが、メアリングはサムが民間人であることを理由に深追いするなと忠告したのだった。

オプティマスはオートボットのリーダーの証“マトリクス”の“叡智の力”でセンチネルを蘇生させることに成功したのだ。

センチネルは“柱”があらゆるものを転送することができる“スペースブリッジ”の構成品であることを明かし、ディセプティコンに渡してはならないとしてメアリングに“柱”を返すよう要求したのである。

メアリングから自宅待機を命じられたサムは、トランスフォーマーに関する著書が大ベストセラーとなり、一躍有名人となった元“セクター7”捜査官のシーモア・シモンズ(ジョン・タトゥーロ)に協力を求めるべく、彼の執事ダッチ(アラン・テュディック)を通じて連絡を入れたのだ。

騒動に巻き込まれたくないシモンズは躊躇うも、サムから一応事情を聞き、ダッチと共にサムに協力することにしたのである。

その頃、オプティマスはセンチネルに地球を案内、マトリクスを返上して総司令官への復帰を促したが、センチネルはやんわりと断ったのだった。

旧ソ連の関与

サムはブレインズ、シモンズ、ダッチと共に情報を集め、関係者が次々と謎の死を遂げている点に注目したのだ。
ブルース副社長はサムの家を訪れ、ジェリーがNASA時代に月観測衛星に細工して通信を妨害していたことなどの情報を提供したのである。

シモンズは、ディセプティコンが月の裏側に何か隠しているだろうと推測したのだった。

ブレインズは1972年にソ連が月への有人宇宙飛行を中止、当時の宇宙飛行士がアメリカに亡命したというネット情報を掴んだのだが、軍人だった兄を戦争で失っているカーリーは敢えて危険に身を投じるサムが理解できず、彼に別れを告げたのだ。

シモンズは「戦士というものは孤独なものだ」とサムを励まし、亡命中の旧ソ連の元宇宙飛行士の潜伏先を掴んで接触したのである。
宇宙飛行士は国家機密だとして、1963年にソ連の月探査機が撮影した数枚の写真を見せたのだった。

そこには、ディセプティコンが宇宙船から数百本の“柱”を回収している様子が鮮明に映し出されていたのだ。

センチネルの裏切り

サムは、ディセプティコンが“柱”を起動することのできる唯一の人物であるセンチネルをわざと生かしておいたこと、NESTが回収した柱はわずか5本しかないことに疑問を感じ、メアリングに全てがディセプティコンの罠だったことを知らせたのである。

化学消防車をスキャンしたセンチネルはアイアンハイドに護衛されて移動、サムとバンブルビー、シモンズらはNEST本部へ急ぐが、そこにSUV車に擬態していたディセプティコン兵士らが襲い掛かり、シモンズは車外に投げ出されて重傷を負ってしまったのだった。

バンブルビーらオートボットはディセプティコン兵士を撃退してNEST本部に戻り、サムはレノックスにセンチネルを匿うよう頼んだが、センチネルは突如として自分が密かにメガトロンと手を組んでいたことを明かすとアイアンハイドを射殺、5本の“柱”を奪って逃走したのである。

サムは両親からカーリーを取り戻すよう背中を押され、両親に今すぐ避難するよう伝えて彼女を探しに向かったのだった。

リンカーン記念館でメガトロンらと合流したセンチネルは“柱”を起動させ、メガトロンはスタースクリームにセンチネルと手を組んだこと、彼を蘇生させるためにオプティマスのマトリクスを利用したことを明かすとリンカーン像を破壊したのだ。

オプティマスはセンチネルを止めようとリンカーン記念館に乗り込んだが、センチネルはスペース・ブリッジを起動させて月に潜伏していたディセプティコン軍団を地球に転送したのである。

街は戦場と化し、センチネルはサイバトロンを救うためにメガトロンと手を組んだことを告げ、地球人類の滅亡を示唆して立ち去ったのだった。

サムはディランの屋敷に乗り込み、カーリーを連れ戻そうとベンツに乗ったが、ベンツの正体はサウンドウェーブであり、カーリーを人質に取ってしまったのだ。
ディランは父の代からディセプティコンと手を組んでいたこと、NASAの隠蔽工作も全て自分が仕組んだと明かしたのである。

ディランはサムに監視用の小型ディセプティコンをつけ、オートボットの行動を知らせるよう命じた。
サムはディランに「僕は必ずアンタを殺す」と告げたのだった。

オートボット、地球を追放される

ディセプティコンは地球各地に兵士を配備させ、センチネルは国連にメッセージを送り、地球人類の安全を保障する代わりにオートボット全員を地球から追放するよう要求したのだ。

ディセプティコンの要求を呑んだアメリカ政府はオートボットを地球から追放することを決定、サムはメアリングに連れられてNASA基地に飛んだのである。

NASA基地にはオートボットを乗せるスペースシャトルが準備されており、オートボットの中でも好戦的な荒くれ者集団“レッカーズ”が作業に従事させられていたのだった。

サムはNESTを辞めてNASA職員に転職していたロバート・エップス(タイリース・ギブソン)と再会、車椅子生活となったシモンズもNASA基地に姿を見せ、元恋人だったメアリングを皮肉ったのだ。

オートボットは全員NASA基地に連行され、サムはオプティマスから反撃の作戦はあるのか聞き出そうとしたが、オプティマスは「私には考えなどない。我々は地球の指導者の命令には従わねばならんのだ」と答えるのみだった。

バンブルビーはサムに別れを告げ、シモンズは「人類は数年後にこう言うだろう。“あの時、彼らはどこにいたのか”と」とやるせなさを露わにしたのだ。

スペースシャトルは飛び立った直後、スタースクリームに撃墜されてしまったのである。

監視を解かれたサムは、ただ黙って墜落するシャトルを見つめることしかできなかったのだった。

シカゴへの侵攻

ダッチはディランの手下のスマートフォンをハッキング、カーリーがシカゴのトランプ・タワー内のペントハウスに監禁されていることを突き止めたのだ。
エップスはオートボットを死に追いやったディランへの復讐を誓い、カーリーを救い出すというサムに協力を申し出たのである。

一方、シカゴには大量の“柱”が運び込まれ、ディランはカーリーにディセプティコンとセンチネルの目的がスペースブリッジでサイバトロンを丸ごと地球上空に転送させ、全ての地球人をサイバトロン復興のための労働力として奴隷にすることを明かしたのだった。

センチネルはトランプ・タワーの屋上で“柱”のコントローラーを起動させ、用済みとなったディランはメガトロンに追い払われたのだ。
ディランはディセプティコンから地球人の指導者の座を約束されていたことを明かし、カーリーに「生き残るためにはこうするしかなかった」と告げて連行したのである。

シカゴ市内は封鎖されて侵攻が始まり、逃げ惑う人々は無残にも虐殺されていったのだった。

一方、サムとエップスはかつての戦友たちと共にシカゴへ乗り込んだ。
国防省はシカゴ市内の通信網が全て遮断されたことを受け、偵察機を上空に飛ばそうとしたが、シモンスはサムがシカゴに向かったことを告げて彼の協力が必要だとアドバイスしたのである。

米軍の戦闘機は次々とディセプティコンに撃墜され、エップスや仲間たちはこれ以上立ち入るのは危険だと判断したが、サムはエップスを振り切って一人ででもカーリーを助けに向かおうとしたのだった。

その時、ディセプティコンの戦闘機がサムやエップスらを銃撃してきたが、何者かによって撃ち落されたのだ。
サムやエップスの目の前に現れたのは、死んだはずのオプティマスやオートボットたちだったのである。

全面戦争開始

オプティマスはディセプティコンとの全面戦争を宣言、レッカーズはあらかじめスペースシャトルに細工し、撃墜直前に切り離されたブースターに乗り移って難を逃れたことを明かしたのだ。

その頃、メガトロンはセンチネルにサイバトロン復興への協力を引き続き要請したが、センチネルはメガトロンへの服従を拒絶して自らが主導権を握ると宣言したのだった。

サムはエップスから拳銃を渡され、バンブルビーと共にディセプティコンの戦闘機を奪ってカーリーを救い出し、バンブルビーは追ってきたレーザービークを抹殺したのだ。

ディランはメガトロンにオートボットが戻ってきたことを知らせ、メガトロンは“柱”の警備を強化するよう指示を出したのである。
サムらと合流したエップスは撃墜された無人機の通信装置を通じてNEST本部と連絡を取り、レノックスは空挺部隊を率いて“柱”のコントローラーがあるホチキス・グールド・ビルへ出撃したのだった。

ショックウェーブはドリラーを駆ってオートボットを襲撃、ホイルジャックはサムたちにいくつかの秘密兵器を託したのだ。

スタースクリームは空挺部隊を襲撃するが、レノックスらはウィングスーツを装着してシカゴの街を滑空、目的のビルへと飛んだのである。

サムやカーリー、エップスと仲間たちは別のビルから“柱”を狙い撃ちしようとしたが、ドリラーはビルを倒壊させようと攻撃を加えたのだった。
オプティマスはジェットパックを装着、ドリラーを空中戦の末に仕留めたのだ。

センチネルは世界中のディセプティコンに“柱”を起動させるよう命じ、サムとカーリーはスタースクリームに襲われたのである。
サムはホイルジャックからもらった秘密兵器を使い、駆け付けたレノックスの協力を得てスタースクリームを爆死させたのだった。

遂にサイバトロンの転送は始まってしまい、バンブルビーらオートボットはサウンドウェーブに捕らえられ、命乞いをしたホイルジャックはサウンドウェーブに処刑されてしまったのである。

サウンドウェーブはバンブルビーを処刑しようとしたが、ディセプティコンの戦艦に潜り込んでいたウイーリーとブレインズは艦内を破壊し始め、バンブルビーらはサウンドウェーブが気を取られた隙に反撃を開始したのだった。

バンブルビーはサウンドウェーブを射殺、死を覚悟したウイーリーとブレインズは戦艦ごと墜落していった。

NESTはバンブルビーらに加勢してディセプティコンに挑み、ショックウェーブはオートボットの集中砲火を受け、最期はオプティマスにとどめを刺されたのだ。

最終決戦

オプティマスはセンチネルとの決闘に挑み、センチネルはディセプティコンにオプティマスを狙撃させようとしたが、NESTはトマホークミサイルを発射してオプティマスを援護したのである。

“柱”の1本が戦闘中に機能停止、ディランは“柱”を再起動させようとしてサムと取っ組み合いになった。
カーリーはこれでサイバトロンは救われると安堵するメガトロンを罵り、今やディセプティコンはセンチネルの支配下に堕ちたと指摘したのだ。

センチネルはオプティマスの右腕を切り落として追い詰めたが、カーリーの言葉に奮起したメガトロンがセンチネルに襲い掛かったのである。

サムはディランを“柱”に叩きつけて感電死させ、バンブルビーが“柱”を破壊したことで転送は阻止され、サイバトロンはディセプティコン艦隊を巻き込みながら元の世界に戻っていったのだった。

決して見捨てはしない

メガトロンはオプティマスとセンチネルに休戦を持ち掛けるが、一蹴したオプティマスはメガトロンを倒し、「あなたは我々を裏切ったのではない。自分自身を裏切ったのだ」とセンチネルを処刑したのだ。

オートボットたちはレノックスやエップスらと労をねぎらい、シモンズとメアリングは寄りを戻し、バンブルビーは愛を確かめ合うサムとカーリーを祝福したのである。

オプティマスは彼らを見守りながら、決して地球と地球人類を見捨てないことを固く誓ったのだった。

(『トランスフォーマー/ロストエイジ』に続く)

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』の感想とまとめ

前作『トランスフォーマー/リベンジ』は第1作を超えるヒットとなりましたが、無駄の多い脚本と強引なストーリー展開は批評家から酷評され、その年の最低映画を決める「ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」を獲得する不名誉を味わい、監督のマイケル・ベイや主演のシャイア・ラブーフも同作の出来に満足していませんでした。

シリーズ初の3D作品となった本作は前作の“リベンジ”を図るべく気合いの入った作品となり、マイケル・ベイや製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグとの確執があったヒロインのミーガン・フォックスが降板した代わりにモデル出身のロージー・ハンティントン=ホワイトリーを新ヒロインに迎え、シカゴ市の全面協力を得て実際にウイングスーツを用いた空撮が取り入れられるなど一層の実写と最新鋭映像技術の融合が推し進められ、登場するトランスフォーマーの数も実写版シリーズとしては過去最多となる非常にスケール感の増した力作に仕上がりました。

本作はシリーズ最大のヒットとなる全員世界興行収入10億ドル超えを果たし、日本でも40億円を超えるヒットとなりました。なお、本作を最後に主演のシャイア・ラブーフはシリーズを卒業、シリーズは次回作の『トランスフォーマー/ロストエイジ』から主演に『テッド』シリーズなどのマーク・ウォールバーグを迎えて新たな局面を迎えることとなります。

それでは、本作に登場したトランスフォーマーの中でも主要キャラクターについておさらいでもしておきましょう。

まずは正義の軍団オートボットから。
・総司令官オプティマスプライム
通称“コンボイ”。シリーズ全作品に皆勤賞を果たし、『バンブルビー』を除く5作品で主人公を務めるなどまさに“トランスフォーマーの象徴”。トレーラーキャブにトランスフォーム。何よりも全ての生命体は自由であるべきと考えている。
・情報員バンブルビー
サムの大親友にして副主人公であり、オプティマス同様シリーズ皆勤賞。通称“バンブル”または“ビー”。シボレー・カマロにトランスフォーム。過去の戦いで声を失ったままで、ラジオの音声を組み合わせてコミュニケーションを取っている。人懐こく仲間思いな性格だが怒らせると非常に怖い。
・警備員アイアンハイド
オートボット屈指の武器のスペシャリスト。ピックアップトラックにトランスフォーム。
・看護員ラチェット
オートボットの軍医。ハマーのレスキュー車にトランスフォーム。
・戦士サイドスワイプ
通称“ランボル”。シボレー・コルベットにトランスフォームする剣の達人。
・諜報員ディーノ
通称“リジェ”または“ミラージュ”。フェラーリ458にトランスフォーム。
・技術者ホイルジャック
通称は“007シリーズ”の秘密兵器開発主任にあやかった“Q(キュー)”。顔立ちがアインシュタインにそっくり。ベンツE550にトランスフォーム。
・レッカーズ
攻撃指揮官ロードバスター、破壊員トップスピン、戦略家レッドフットからなる3人組で、平和を好むオートボットの中でも非常に好戦的で荒々しい異色の集団。
・サバイバリスト ウイーリー
元ディセプティコンだったが前作『リベンジ』でオートボットに鞍替えした。ラジコンカーにトランスフォーム。
・ブレインズ
ウイーリーのディセプティコン時代からの親友で、ウイーリーと共にオートボットに寝返った。ノートパソコンにトランスフォーム。

続いて悪の軍団ディセプティコン。
・破壊大帝メガトロン。
オプティマスの永遠のライバルであり、前作『リベンジ』でオプティマスに負わされた傷跡をボロボロのマントで隠している。本作では軍用トラックにトランスフォーム。
・航空参謀スタースクリーム
ディセプティコンのナンバー2であり、強き者に媚びへつらい弱者を虐げる卑劣な男。F-22戦闘機にトランスフォーム。ちなみに原作の『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー(通称“ジェネレーション1(G1)”)』などのいくつかのアニメシリーズ作品ではディセプティコンの新リーダーの座を狙って何度もメガトロンを裏切る野心家だったが、実写版シリーズでは一度もメガトロンを裏切ることはなかった。
・情報参謀サウンドウェーブ
前作『リベンジ』では出番が少なかったが本作は満を持して本格参戦。前作は人工衛星だったが本作ではベンツSLC AMGにトランスフォーム。
・防衛参謀ショックウェーブ
通称“レーザーウェーブ”。一つ目が特徴的なメガトロンの忠臣。巨大マシン“ドリラー”を駆り、劇中では一度もトランスフォームすることはなかった。
・空中攻撃兵レーザービーク
通称“コンドル”。まるで鳥のようなトランスフォーマーで、第1作に登場したフレンジーとどもにサウンドウェーブ率いる諜報部隊「カセットロン」の一員である。パソコンやコピー機にトランスフォーム。
・元オートボット総司令官センチネルプライム
オプティマスの前のオートボット司令官であり優秀な科学者だったが、戦局が不利になるとみるやオートボットを裏切ってディセプティコンに寝返った卑劣漢。メガトロンになり代わってディセプティコンを手中に収めようと目論んだ。化学消防車にトランスフォーム。

その他にも本作をはじめ各シリーズ作品には個性豊かなトランスフォーマーの数々が登場していますので、2019年(記事執筆当時)にシリーズ生誕35周年を迎えたのを機に是非とも振り返ってみてはいかがでしょうか。

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