パージ:エクスペリメントのネタバレと感想!合法で殺戮が許される?!

人気『パージ』シリーズ第4弾『パージ:エクスペリメント』は、第1作目の前篇に当たります。製作のジェイソン・ブラムが本作の監督に白羽の矢を当てたのは、独自の視点でホラー映画を制作するジェラルド・マクマリー。製作会社は、『インシディアス』シリーズ、『ゲット・アウト』、そして『ハロウィン2018』等数多くのヒットホラー作品を手掛けたジェイソン・ブラムが代表を務めるブラムハウス・プロダクション。

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『パージ:エクスペリメント』作品情報

タイトル:パージ:エクスペリメント

原題:The First Purge

監督:ジェラルド・マクマリー

脚本:ジェームズ・デモナコ

製作:マイケル・ベイ、ジェイソン・ブラム、アンドリュー・フォーム、ブラッド・フラー、セバスチャン・K・ルメルシエ

公開日:2018年7月4日(アメリカ)2019年6月14日(日本)

出演者:イラン・ノエル、レックス・スコット・デイヴィス、ジョイヴァン・ウェイド、スティーヴ・ハリス、ローレン・ヴェレス、マリサ・トメイ

『パージ:エクスペリメント』概要

これまでのシリーズで監督・脚本を務めたジェームズ・デモナコが脚本執筆に専念。サンダンス映画祭で『ヘルウィーク』が認められ、プロデューサーのジェイソン・ブラムに見出されたジェラルド・マクマリーが監督を務めます。本作は、パージが制度化される前に戻り、どのような社会、経済、政治環境下でシステムが成立したのかを描きます。

キャスト

ドラマ『インセキュア』でブレイクしたイラン・ノエルが主役・ドミトリに抜擢。『トニー・ブラクストン』のテレビ映画で主演を獲得して注目されたレックス・スコット・デイヴィスがナイア役。『ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル』のスティーヴ・ハリスやアカデミー賞助演女優賞を受賞しているマリサ・トメイも出演しています。

『パージ:エクスペリメント』あらすじ・ネタバレ

失業率の上昇は国中に広がり株式市場は2千ポイント暴落し歴史的下げ幅を記録。サブプライム住宅ローン危機は2008年度より悪く、麻薬の蔓延は更に拡大し人々はデモを起こした。

新政権による初実験/パージ

既存政党に代わる新生党「New Founding Fathers of America アメリカを新たに建国する父(NFFA)」が誕生。支持率は伸び、全米ライフル協会も協力を表明し多額の献金を付与。そして、NFFAから大統領が選出された。

ニューヨーク州、スタテンアイランド。実験2日前。政府はスタンテンアイランドの住民に、実験の最中島に留まれば5千ドルの報酬を払うと約束。もし外出してうっぷんを晴らせば、更に報酬をはずむとオファー。腕に追跡装置を埋め込み行動は監視すると忠告した。

スタンテンアイランドが実験場所に決定し、各国のメディアが押し寄せ中継開始。この実験の考案者で行動科学者・アップデールは、マスコミからパージの意図を訊かれる。

アップデールは、NFAAの職員では無いと前置きし、政治の道具としてでは無く、結果を気にせず暴力的な行動を取れることこそ暴力を抑止するとコメント。パージ反対派と賛成派の住民が拡声器を使い抗議行動をしていた。

島のギャング

ギャングのボス・ドミトリは、仲間達にパージに備え訓示を行う。敵対する他のグループの襲撃等に備えて身を潜め、自分達の麻薬、資金そしてお互いの安全を守るよう忠告した。

ブルックリンへ避難する案が持ち上がるが、大金を置いて行くのはリスクが大きいとドミトリは却下。他のメンバーが実験に参加して暴れようと言いだすが、直ぐに地面に倒される。自分を律せよと声を低くするドミトリに、男は大人しく家に居ると謝罪した。

実験反対派のナイアの弟・アザイアは、学校をさぼり姉に黙ってドミトリの麻薬を売っていた。ジャンキーのスケルターに絡まれ隠し持っていたカミソリで切りつけられる。

怪我をしたアザイアを問い詰めたナイアは事情を知り、ドミトリの事務所に怒鳴り込んだ。ギャングのトップに立つドミトリは、1人1人の売人までは知らなかった。

金銭的に苦しいならお金を渡すと申し出るドミトリに対し、ナイアは血塗られたお金は絶対に受け取らないと言い返す。実験が行われる間、姉弟を守るとドミトリは言うが、ナイアはドミトリが真面な路を選ばなかった事を許せないでいた。

パージ(実験)まで1時間前。報酬の為に島に残る事を決めたルイーザと娘のセリーナは、身の安全を守るため他の島民が集まる教会へ行く。ナイアは、実験中警備員が常駐し食料も用意していると2人を迎えた。

アザイアは、お金の為に実験参加に登録した。心配したナイアから連絡が入ると、予定通りブルックリンの叔父宅へ到着する所だと嘘をつく。アザイアは、政府から渡されたコンタクトレンズを装着し、ベッドに隠していた拳銃を携帯した。

パージ開始

大統領がテレビで声明を発表し、スタテンアイランドの住民を激励。直後に信号音が鳴り緊急放送が流れる。NFAAの社会的実験の開始が宣言され、殺人を含め全ての犯罪を12時間許可するとアナウンスされた。街中にサイレンが鳴り響く。

アパートから出て来たアザイアの上空をドローンが旋回。複数の注射針をテープで拳に巻いたスケルターはパージを宣言し外へ出た。ATMを壊して現金を取り出そうとしている男に近づきナイフを突き立てたスケルターは、NFAAに観ているかと呼びかけた。

管理センターに居たアップデールは、最初のパージが起きたと報告が入る。ドローンから送られて来た映像を見て、アップデールは息を飲んだ。途中で売人仲間に出会ったアザイアは、町の一角で行われているパーティーを訪れた。

スケルターの殺人は一斉に報道で流れる。それを見たアザイアは、スケルターを探すと言い残しその場を去った。そこへ入れ違いにやって来たスケルターは、殺戮を繰り広げた。やっと気がついた群衆は一斉に逃げ出す。

スケルターを見つけたアザイアだったが、結局中の引き金を引けず逆に殺されそうになり逃走。一方、ドミトリは、エスコートサービスを装った女性達に暗殺されそうになった。

執拗に追いかけて来るスケルターに追い詰められたアザイアは、ナイアに本当の事を打ち明ける。場所を聞いたナイアは、教会を飛び出す。スケルターに襲われたナイアを、銃を落としたアザイアはガラスの破片でスケルターの背中を刺した。

パージに参加したがっていた手下の反乱だと知ったドミトリは、仲間を連れて出かける。暗殺に利用した女性達と落ち合った手下を待ち伏せしたドミトリは、言い訳を許さず頭を撃ち、加担した他の手下も部下に射殺させた。

NFAAの陰謀

アップデールは、予想以上に参加者が少ない事を政府から責められる。しかし、正体不明の暴徒化した集団があちこちで人を殺し始め、パージ参加の数字が上昇。その頃、やっと教会に到着したナイアとアザイアは、襲撃を終えた男達が出てくる所を目撃した。

自動小銃を携帯したグループに襲われたドミトリは、相手のグループが皆腕に同じ入れ墨をしている事に気が付き、正体は雇われた傭兵だと分かる。自分の根城に戻ると、部下が全員射殺されていた。

アップデールは、通信官に支持して集団が何処から現れたのか探させた。低所得層が住む地域ばかりで暴動が活発に起きており、住民達が集まる場所を事前に知ったグループだと突き止めた。

追跡装置が利用されていると当たりをつけたアップデールは、政府の係官に兵隊を送り込んだ事を責めた。係官は集めた傭兵だと認め、人口過剰に対する政府の政策で、犯罪率や失業率の対策だと話す。

反発するアップデールに対し、係官は遮ってアップデールの功績だと賞賛した。傭兵達に命令して係官はアップデールを殺害。その様子をドローンの映像で確認後、記録を消去するよう指示した。

生存していたルイーザとセリーナを連れたナイアとアザイアは、無事自宅アパートへ戻る。テレビを点けると実験終了まで2時間だと伝えるニュースキャスターが町の殺戮の様子を流す。

レジスタンス

ドミトリは武器庫へ行き装備しろと手下に命令。お互いに殺し合いをさせようとしたNFAAが自分達の生活地域を攻撃しており、隣人を守るため政府に対し目に物見せてやろうと檄を飛ばした。

反撃した傭兵達を倒した後に奪った無線から、ドミトリは知人のフレディが狙われている事が分かる。家の中からフレディ達は応戦するものの相手は圧倒的な火力で攻撃してきた。弾が無くなりベースボールバットや大槌を手にしたフレディ達。

家に近づく傭兵達の足元に発煙弾が転がって来る。辺りが煙で充満するとドミトリ達が急襲。傭兵部隊を全滅させた。ドミトリがフレディに幾つか武器を渡していると、無線からナイアが住む低所得者用高層アパートが狙われている事を知った。

ドミトリが手下達に指示を出していると上空に複数のドローンが集合し、一斉に発砲して来る。ドミトリは車の下に潜ったが、重傷を負った側近の1人以外全員が射殺された。一方、ナイアは、アパート前に何台も車両が止まるのを窓から見ていた。

ナイアに電話したドミトリは、奴らは皆殺しにするつもりだと伝え、自分が行くまで隠れていろと言った。覆面をした傭兵達は、一階の住民を射殺しながら上階へ進む。高層アパートに到着したドミトリは、射殺された住民の遺体を避けながら歩いて行く。

ナイア達はベッドのマットレスや棚を動かしてバリケード作り玄関を封鎖。しかし、傭兵達は住民宅の扉を破って侵入し次々に殺害して行く。銃声を聞きながら非常階段を登るドミトリは、ビルの電源を破壊。ステルスで傭兵グループに近づき1人1人倒す。

階に居たグループ全員を倒したドミトリは、更に銃声がする上階へ向かう。潜んでいた現場の指揮官は、政府の係官に緊急連絡し問題発生を伝えた。ナイアは、自分が銃で足を撃つので、防弾チョッキの上を狙えとアザイアに指示した。

そして、傭兵達がバリケードを破ってナイアの部屋へ突入。ナイアが足を撃ち、倒れた所をアザイアが首にナイフを突き立てた。その銃声を聞いた先を行く傭兵が銃を構えて部屋へ押し入った時、ドミトリが射殺。

ドミトリを仕留めるため、傭兵を集めた指揮官がナイアの部屋を襲撃。アザイア達をクローゼットに押し込めたドミトリとナイアは、C4を掴む。指揮官はロケットランチャーを準備させる。そこへ奇声を上げたスケルターが傭兵達に背後からナイフで襲い掛かった。

振り返った傭兵がスケルターに銃弾を浴びせている隙を狙い、ドミトリがC4を投げる。反撃を受け腹部に銃弾を浴びるが、銃で撃ち爆弾を引火させた。凄まじい炎が傭兵達を包む。ホールを駆け抜けて来る火をドミトリとナイアはベッドマットレスで避けた。

クローゼットからアザイアやルイーザが出てくる。ドミトリを両脇から抱えたナイアとアザイアは、皆と一緒に脱出する為歩き出す。そこへ、実験終了のサイレンが鳴り響いた。外には怪我を負いながらも夜を生き延びた住民達で溢れていた。

フレディも居り、ドミトリと挨拶を交わす。これからどうするのかと尋ねたナイアに、ドミトリは闘うんだと決意の表情を浮かべる。アザイアは、力強く頷いた。

『パージ:エクスペリメント』を観た感想

常軌を逸した異常な描写が続き、シリーズを観たことのない人は不快に思うかもしれません。しかし、これが政府の陰謀だと明かされる物語の1時間後辺りから、町や住人を守ろうと立ち上がるギャングのドミトリを応援せずにはいられない展開を迎えます。

国を建てなおすと鳴り物入りで政権の座を得た新政党は、何の有効な政策も実行できず経済は破綻。低所得者層を狙い社会から切り捨てようとする権力者に立ち向かう市民のサバイバルが支持され『パージ』シリーズは本作で第4弾。

この人気は、実際にアメリカ社会にうっせきする人々が抱えたストレスの表れかもしれません。実際、株式市場は上昇し失業率は低下したと発表があるものの、昨年9月13日付の電子版で、市民の暮らしは良くなっていないとCNBCは掲載しています。

その理由は所得の格差だと伝えており、富裕層はより金持ち、貧困損はより苦しい生活を強いられる構図が変わっていません。働いても生活が向上しない現実と政権が社会の溝を深くしたため、昨今多くのフィルムメーカーが異議を唱えるようになりました。

本作の監督を務めたジェラルド・マクマリーは、黒人が脅威と認識するKKKを敢えて取り入れたと話します。撮影中にバージニア州・シャーロッツビルで人種差別者の極右グループがユダヤ人を含む多民族を排斥するデモを起こし1人が死亡する事件が起きました。

マクマリーは、シリーズの製作を務めてきたジェームズ・ブラムと話し合い、劇中に取り入れたそうです。物語の悪役は政府だと言うマクマリー。抵抗する市民を描きたかったブラムとマクマリーでアイデアを出し合いました。

シリーズを牽引してきたブラムは、政治に大変関心が深く、筋金入りのリベラルな民主党支持者です。一定の人種をターゲットにして虐げる政府を敵にし、掘り下げて、突っ込めとマクマリーは激励されたそうです。

シリーズ4作目で監督業を退いたジェームズ・デモナコですが、脚本は引き続き執筆。撮影が終わった後は、マクマリーと一緒に編集を行っています。勘違いする観客が居ると前置きするマクマリーは、映画の内容は悪である政府に闘いを挑むこと。

そして、反パージであることだと説明しています。マクマリーは、実験中にパージを宣言して暴徒化したキャラクターは、必ず死亡する展開で書いたと話しました。

また、『パージ』3作で全て力を出し切り、シリーズから離れ自分独自の映画製作を始めたデモナコ。しかし、テレビドラマで新たな『パージ』を製作・脚本を担当しており、シーズン2の製作が決定しています。

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