スノー・ロワイヤルネタバレと感想!リーアム・ニーセンの復讐劇が再び!

『スノー・ロワイヤル』は、『96時間』シリーズ等アクション映画へ活躍の場を広げるリーアム・ニーセンの最新作です。息子・カイルを演じるのは、ニーセンの実子マイケル・リチャードソンで、初めての父子共演となります。本作は、ノルウェー映画『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』をリメイクしたブラックコメディを効かしたアクション作品です。

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『スノー・ロワイヤル』作品情報

タイトル:スノー・ロワイヤル

原題:The Cold Pursuit

監督:ハンス・ペーター・モランド

脚本:フランク・ボールドウィン

原作:『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』キム・フップス・オーカソン

製作:マイケル・シャンバーグ、アミート・シュクラ、スタイン・B・クワエ、フィン・イェンドルム

公開:2019年2月8日(アメリカ)2019年6月7日(日本)

出演者:リーアム・ニーセン、トム・ベイトマン、ウィリアム・フォーサイス、トム・ジャクソン、ラウル・トゥルヒーヨ、ローラ・ダーン

『スノー・ロワイヤル』概要

『スノー・ロワイヤル』を製作したのは『パルプ・フィクション』や『エリン・ブロコビッチ』の有名プロデューサー、マイケル・シャンバーグです。『愛と革命の日々』(日本未公開)でモントリオール映画祭の最優秀監督賞を受賞したノルウェー人監督ハンス・ペーター・モランドがメガホンを取った『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』を観て再映画化。本作は、モランドにとって、ハリウッド映画初監督作品です。

キャスト

主人公のネルソンをリーアム・ニーセンが演じます。デンバーを牛耳る麻薬王。トレヴァーを『オリエント急行殺人事件』のトム・ベイトマン、そしてアメリカ先住民の麻薬王・ホワイト・ブルは、長い歌手のキャリアも持つ『シャイニング・タイム・ステーション』のトム・ジャクソンが扮しています。

『スノー・ロワイヤル』あらすじ・ネタバレ

模範市民の息子

コロラド州のスキーリゾート地で除雪作業をするネルソン・コックスマン(ネルズ)は、模範市民に選ばれ檀上でスピーチをしていた。その頃、ネルズの息子・カイル・が空港の仕事を終え控室に戻った時、突然複数の男達に襲われた。

スピードは、バンに無理矢理カイルを乗せて布袋を頭から被せ、腕に注射器を突き立てた。バンからカイルを突き落とすが、カイルは立ち上がり逃げ出した。スピードはバンから飛び出し発砲。その場を逃走するカイル。

しかし、翌日、男達はカイルの脇を抱え街中に設置されたテーブルへ連れて来ると、カイルを椅子に座らせ置き去りにする。ぐったりとした腕の重さで意識の無いカイルの体が斜めによじれた。

デンバーへやって来たネルズと妻のグレースは、カイルの身元確認に遺体安置所を訪れる。刑事が死因はヘロインの過剰摂取だと告げた。ネルズは、息子が麻薬をやる人間ではないと反発するが、安置所の係官は、皆そう言うと冷たい。

麻薬カルテルのヒエラルキー

グレースは悲しみに暮れ、落ち込んだネルズが夜間職場の控室で自分のライフルで自殺を図ろうとした時、息子の知人・ダンテからカイルは麻薬組織に殺害されたと聞かされる。実行犯の名前は通称スピード。居場所を聞き出したネルズは、クラブを訪れた。

息子に何があったのか教えろと真相を聞き出そうとするが、スピードは拳銃を見せてネルズを脅す。ネルズがスピードを叩きのめし、指示を出した人間を白状した。ネルズはスピードを絞殺。そして、ライフルの改造を施し、指示を出した男が営む店を訪れた。

その男をライフルで脅して命令を出した者の名前を聞き出した後、ネルズはその男を射殺。遺体を崖下の河へ捨てた。3人目の男も襲ったネルズは殴り疲れて隣に横たわる。爺さんだな、と言われ一緒に大笑いした後、懐からライフルを取り出して男を射殺した。

ブリーフケースに入っていた大量の麻薬を廃棄した後、ネルズは男のジープを除雪車で吹き飛ばし、遺体を同じ川に捨てた。自宅に戻るとグレースが家を出て行ったことが分かる。ベッドの上に置かれた封筒を開けると何も書かれていない1枚の紙が入っていた。

麻薬王を狙う

ネルズは、兄のブロック宅を訪れる。ブロックは、以前町を牛耳る麻薬カルテルの大物から暗殺業を請け負っていた。ネルズからカイルが殺された事を聞いたブロックは、調べてみると言い電話をかける。

麻薬カルテルを受け継いだ息子・トレヴァー(ヴァイキング)の手下とカイルが揉めたことを突き止めたブロックはネルズに説明した。ヴァイキングを殺すと呟くネルズに、ブロックは無理だと言う。

ネルズは、手下3人を既に殺したことを打ち明けた。ブロックは、遺体をどう片づけたのか尋ねる。ネルズは、魚を生け捕る網で巻いて川に捨てたので、骨まで食い尽くされ痕跡は残らないと答え、犯罪小説で覚えた方法だと話した。

ホワイト・ブルの息子

一方、手下と麻薬が消えたことで、ヴァイキングは苛立っていた。ヴァイキングは地元のインディアンの仕業だと勘ぐる。父親が麻薬を扱い始めた時、インディアンのボスであるホワイト・ブルと手を組み居住区へ売った。

ホワイト・ブルが税金を懸けた事にヴァイキングは腹立たしく思っていた。歴史はインディアンを居住区から出すなと教えた筈で、後から要求を吊り上げるインディアンを罵った。手下にホワイト・ブルの息子を誘拐させて拷問しヴァイキングが射殺した。

道路標識に貼り付けて放置された遺体には、ホワイト・ブルがヴァイキングの父親に協定の証に渡したペンダントが首に掛かっている。ホワイト・ブルは変わり果てた息子の姿を見つめた。

ブロックは、ヴァイキングを殺すならプロの殺し屋を雇えとネルズに助言する。心当たりがあるかとネルズが尋ねると、ブロックは通称エスキモーという男を知っていると話す。

飛行機が苦手なヒットマンに電車の乗車券を購入し、駅で出迎えたら宿泊所へ案内。必ず最初に報酬を払えとブロックは忠告した。仕事が終われば新聞に載ると弟に教えた。スピード、ヴァイキング、そしてエスキモー等妙な名前だと言うネルズ。

ギャングはそういう呼称をつけるんだとブロック。ネルズは、兄が暗殺稼業をしていた時の通り名を訊く。ブロックは、映画の『トップガン』が由来のウィングマンだと答えた。顔が引きつるネルズ。

エスキモーを迎えに行ったネルズは、一緒にタクシーに乗り込む。運転手が選曲したカントリーソングに苛ついたエスキモーは他の曲にしろと命令口調。すると更にうるさいポップミュージックが流れ始めた。場末のホテルに到着し、ネルズは報酬を渡した。

ヴァイキング/サイコパス

エスキモーはヴァイキング宅を訪れ、9万ドルで暗殺を頼まれたと垂れ込む。同額を指定の口座に振り込めば、雇い主の名前を教えるとエスキモーは申し出た。ブロックの名前を聞き出したヴァイキングは、自分を狙ったブロックの動機を尋ねた。

理由は仕事に関係ないと答えるエスキモーに対し、ヴァイキングはブロックと最初に取引しておきながら裏切ったエスキモーの倫理観は問題だと説教を始めた。

エスキモーの遺体を手下に車で運び込ませたヴァイキングは、その足でブロック宅を訪れる。3人を殺し麻薬をトイレに流したとしたり顔のブロックに対し、ヴァイキングは10キロのコカインだぞと睨み付けた。

怒れるもう1人の父親

ブロックは、ヴァイキングの父親に恋人を盗られた仕返しだと嘘をつく。ネルズは兄を家族の墓地に埋葬した。ホワイト・ブルは、ヴァイキングの父親と交わした取引を振り返り、息子を殺された仇討を手下の前で訓示。ヴァイキングの息子が標的だと告げた。

誤ってホワイト・ブルの息子を殺害したことに対処する方法を思案していたヴァイキングは、事を軽んじて余計な冗談を言った手下を射殺。首を刎ねてホワイト・ブルに送り、手下の勝手な行動であり、内輪で始末をつけたとメッセージを伝えるよう命じた。

しかし、ホワイト・ブルは、首を届けたヴァイキングの手下に息子の命にはヴァイキングの息子に払ってもらうと言い射殺する。ネルズはヴァイキングの息子が学校を出て来た所を言葉巧みに自分の車に乗せた。

麻薬王の息子

ヴァイキングの息子を誘拐しようと見張りをしていたホワイト・ブルの手下がその光景を目撃した。一方、息子を奪われたヴァイキングは怒り狂う。ネルズは家に子供を連れて来て食事をさせる。息子は、寝る前に物語を読み聞かせて欲しいとネルズにねだった。

仕方なく車を紹介する本を読み始めたネルズは、内容に関心を持ち除雪車の部分では、パワフルだと感嘆し自分も1台持っていると自慢する。誘拐犯なのに?と訊かれ、ネルズはいつもやっている訳じゃないと答えた。更に、除雪車に乗りたいと子供はねだった。

ヴァイキングに子供を誘拐したと電話を入れたネルズは、スナイパーライフルを携帯して落ち合う場所を指示した。ネルズは、除雪車に息子を乗せてやり会社の事務所に隠す。ヴァイキングは手下を連れてネルズの自宅へ乗り込んだ。

引き出しから除雪車の前で佇むネルズの写真を見つけ、勤める会社を割り出す。ネルズは、ヴァイキングがやって来た所を狙うが、手下が邪魔で止めを刺せずタイミングを逃したところを逆に掴まってしまう。

父親2人の復讐

そこへヴァイキングを追って来たホワイト・ブルの手下が奇襲。撃ち合いが始まり、ホワイト・ブルも車を降り大声を上げてヴァイキングに向かって撃ちまくる。弾が飛び交う中、ヴァイキングは車に乗り込み逃走を図った。

ネルズが重機で沿道の木を切り、ヴァイキングが乗った車の上から突き刺す。動けず運転席で両手を挙げたヴァイキングを狙い、ホワイト・ブルが引き金を引いた。

日が暮れ、ネルズはいつもの様に仕事に出かける。ホワイト・ブルはその除雪車に乗り込んだ。封鎖された道路のゲートを開き、除雪するネルズの姿を見つめたホワイト・ブルは、構えていた銃をダッシュボードの上に置いた。

『スノー・ロワイヤル』を観た感想

バイオレンスたっぷりのアクションでありながら、笑い溢れる演出。シリアスな場面でもコメディを利かせたテンポの良い異色作品です。ヴァイキングとホワイト・ブルの抗争は全て誤解で始まり、そこにネルズが乗じるというヒネリの有る終盤。

死亡するギャングメンバーを1人1人取り上げながら物語が展開し、プロの殺し屋を挟んで更にヴァイキングの性格を描写する所は巧みな構成です。アクション作品は、どうしても大仕掛けが中心になりますが、本作はあくまでキャラクターが中心。

所謂ハリウッドのアクション映画とは違い、登場人物の個性や背景が丁寧に描かれていているため、佳境を迎えた時にだんぜん話が面白くなります。また、お互い息子を殺された父親2人が仇を取るエンディングは、それまで接点を持たせなかった分効果的でした。

製作を担当したマイケル・シャンバーグが主演にリーアム・ニーセンを推しました。ニーセンは、復讐物語という暗いテーマでありがならユーモアがあり、犯罪に対し素人である一般市民のネルズに魅かれて出演を決めています。

その際、モランドに自分の息子マイケル・リチャードソンをカイル役に推薦。リチャードソンは、最初にオーディションの機会に感謝しつつ、ニーセンの息子だからという理由なら辞退したいと伝えて来た事をモランドがインタビューで明かしています。

元俳優だったモランドは舞台演出を経て映画製作に進みました。『アベンジャーズ』シリーズの俳優ステラン・スカルスガルドとは親しい友人で、彼を主役に撮った『ア・サムワット・ジェントルマン』は、ベルリン国際映画祭で金熊賞にノミネートされています。

本作の悪役ヴァイキングを演じたトム・ベイトマンは、暴力的で反社会的は役柄である事から、特徴を掴むために本を読んで特性や性格を学んで役作りをしました。しかし、撮影では、モランドからもっと大袈裟にやって欲しいと注文されたそうです。

特筆すべきは、アメリカ先住民をヴァイキング以外の敵対者として描いた事です。コロラド州は遥か昔から先住民が暮らして来た土地です。映画の舞台に選ばれてもこれまでインディアンに触れる事が少ない中、ホワイト・ブルを登場させた事で説得力があります。

実際、先住民の居住区を巻き込んだビジネスは北米に存在しており、個々に取り決めが交わされています。ホワイト・ブルを演じたトム・ジャクソンは、先住民を取り巻く環境は確かな変化があると語り、今後も協力関係が大切だと見解を述べています。

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