映画『シンプル・フェイバー』あらすじとネタバレ!無料動画の視聴方法も紹介

ステファニーはビデオブログが趣味の世話好きシングルマザー。オシャレで美人のママ友・エミリーがある日ステファニーにささやかな頼み事をした後行方不明に…。批評家から高評価を得た『シンプル・フェイバー』は、コメディタッチの異色スリラー映画。美魔女ママ・エミリーを演じるのは、ブレイク・ライブリーです。

今回はシンプル・フェイバーのあらすじ、ネタバレと動画の無料視聴方法もご紹介します。

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『シンプル・フェイバー』作品情報

『シンプル・フェイバー』概要

2016年公開『ゴーストバスターズ』等コメディ作品で知られるポール・フェイグが監督を務めています。脚本を書いたのは、2004年公開の『スピーク』やテレビドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』のジェシカ・シャーザー。2千万ドルで製作された本作は、既に1億ドルに迫る興行収入を記録し成功を収めています。

キャスト

『マイレージ・マイライフ』のアナ・ケンドリックが主人公・ステファニー役。『ゴシップ・ガール』以来絶好調のブレイク・ライブリーがエミリーを演じます。その他『グリーンブック』のリンダ・カーデリーニや『24』の名演で高評価を得たジーン・スマート等実力派俳優が脇を固めます。

『シンプル・フェイバー』あらすじ・ネタバレ

ズッキーニのチョコチップクッキーのレシピを紹介するビデオブログを撮影するステファニー。5日前にステファニーに些細な頼み事をした後失踪した親友・エミリーについて触れ、自分のブログに馴染みの無い新視聴者のために、これまでの経緯を語り始めた。

憧れのエミリー

数週間前、息子・マイルズが通う学校の授業参観に訪れたステファニー。息子の写真撮影に熱心過ぎて他の保護者が嘲笑する。放課後、息子・マイルズと仲の良いニッキーと一緒に居たステファニーの所へオシャレなエミリーがポルシェで颯爽と現れる。

自分の息子ニッキーにマイルズと遊びたいとせがまれたエミリーは、仕方なくステファニーも家に招いた。瀟洒なエミリーの家に到着。ステファニーは、自分が履いていた動物の絵柄の入り靴下を安売り店で購入したと自慢。

居間にはエミリーの官能的な肖像画が飾られていた。エミリーは大学時代モデルをして学費を稼ぎ、居間の油絵はその時の1点だと説明。言葉の区切りに「ごめん」と言うステファニーに対し、女の駄目な口癖だとエミリーが忠告した。

夫を自動車事故で亡くしたステファニーは、支払われた生命保険金で生活していると話す。エミリーの夫は生命保険等には入っておらず浪費家で、エミリーが稼いだ給料で生活しており、バブル時代に購入したため家を売ることも出来ないと明かした。

ステファニーは、素敵な家を売らない方が良いと言い、自分だったら1日中料理をしていると羨む。エミリーの手首に彫られた入れ墨に気が付く。エミリーの薬指に輝く綺麗な指輪を褒めると、夫・ショーンの母親から是非身につけて欲しいと貰った話をした。

そこへ、ショーンが帰宅する。熱々の2人。素敵な夫婦ねとステファニーが褒めると、破産寸前で子守も雇えないので大変だとエミリーが言う。子守なら引き受けるのでいつでも声を掛けて欲しいとステファニーが申し出た。

ある日、エミリーから仕事で遅くなるため、ニッキーの子守を頼みたいとステファニーに連絡が入る。公園でマイルズとニッキーが遊んでいる所へエミリーが現れた。ステファニーは、子供達を笑顔で見つめるエミリーを何気なく写真に撮る。

すると、撮影した写真を直ぐ消去し、2度と自分の写真を撮るなとエミリーが怖い顔をする。自分の様なタイプはエミリーの友人には相応しくないとステファニーは落ち込む。エミリーは、自分とは友達にならない方が良いと薄く笑った。

エミリーの家で一緒にマティーニを飲みながら、ステファニーは写真を撮った事を再度謝罪。エミリーはステファニーの性格を褒め、よくサバイバルしたものだと言った。ステファニーは、誰でも影の部分を持っていると答える。

お互いに秘密を明かす事になり、エミリーは、大学で教鞭を取るショーンと彼のアシスタントを交えて3Pをした事を話す。ステファニーは、父親が他界した時に初めて出会った腹違いの兄と深い関係になった事を語った。

失踪する美しい友人

翌日、エミリーから連絡が入り、ちょっとお願いがあるんだけど、と再びニッキーの子守を頼まれる。ショーンは母親が腰を骨折してロンドンに居るため、息子を迎えに行かれないとエミリーが説明。快諾したステファニーに、良い人ねとエミリーは感謝した。

その後エミリーが忽然と姿を消す。ステファニーは、会社やロンドンに居るショーンの携帯に連絡。帰国したショーンと共に警察へ通報した。エミリーの家族について尋ねられたショーンは、エミリーが１人っ子で10代の時に両親が亡くなった事を話す。

広報部長を務めるエミリーのアパレル会社を訪ねたステファニーは、エミリーのオフィスに忍び込む。社員に見つかりそうになり慌ててデスクの下に潜り込むと、デスクのガラス越しに印刷されたエミリーの写真を見つけた。

写真をコピーして街の掲示板に貼り、エミリーの情報を求めるステファニーとショーン。仕事から帰宅したショーンを夕食を用意したステファニーが迎える。綺麗にセットされたダイニングテーブルを見て、めったにない事だとショーンは喜ぶ。

そこへ刑事が訪れ、周囲に嘘の行き先を告げたエミリーがレンタカーを借りていたと報告をする。ビデオブログを更新するステファニーは、自分で調べレンタカーの車両番号を伝え視聴者から情報を呼びかけた。

ミシガン州でエミリーらしき女性を目撃したとブログ視聴者から投稿を受ける。ショーンに訊いてみるが、エミリーとミシガン州を繋げる話は聞いたことが無いと言う。そこへミシガン州の湖でエミリーが借りたレンタカーを発見したと警察から連絡が入る。

ショーンはその湖へ急行。警察が死体を引き上げた。日にちが経過し顔は変っているが腕にはエミリーの入れ墨、そしてショーンの母親から貰った指輪がはめられていた。泣き崩れるショーン。ステファニーは、ビデオブログで訃報を伝えた。

友人の夫と豪邸

葬儀の後、ステファニーとショーンは深い関係になる。エミリーの大きなクローゼットからカクテルドレスを選んで着て見るエミリー。刑事が訪れ、エミリーの遺体から麻薬が発見されヘロインの常習だった事を聞かされる。

そして、エミリーの失踪前、ショーンが妻に4百万ドルの生命保険を掛けていた事も知らされた。夕食を共にする食卓で、ニッキーが母親を学校で見たと言い出す。

子供達を寝かしつけた後、ステファニーはニッキーからエミリーの香水の匂いがすると訴えた。ショーンは、棺桶に横たわるエミリーの遺体を見た筈で、入れ墨や自分の母親から盗んだ指輪をしていたと呟く。

ショーンが結婚を決めた後、母親にエミリーを紹介するためロンドンへ連れて行った時、ショーンの母が唯一持っていた指輪を気に入ったエミリーは盗んだのだと話す。

エミリーは嘘つきで酷い女だったが、ステファニーのお蔭で自分を取り戻し、また本の執筆も始めたと熱い目をするショーン。ステファニーは、4百万ドルの生命保険について尋ねた。

エミリーからステファニーが亡くなった夫の生命保険金で生活している事を聞き、自分達も万が一を考え息子の為に保険に入ったとショーンは答える。安心したステファニー。2人はお互いに愛を確かめ合うのだった。

ステファニーは、早速エミリーのクローゼットから服や靴等を全て片づける。自分の家を売りに出し、胸を弾ませながら荷物をショーンの家に運び込む。服を持ってクローゼットへ来ると、捨てた筈のエミリーの持ち物が全て元通りに納まっていた。

エミリーの本性

そして、ステファニーのスマホにエミリーから連絡が入る。天国から見守っているとうそぶくエミリーは、自分に代わってショーンに4百万回分キスをしてくれと頼む。ステファニーは、エミリーの肖像画に署名されたダイアナと言う画家を訪ねた。

ダイアナは、美人なのに人目に付くのを嫌う女性はエミリー以外居ないと言う。エミリーが残したTシャツをステファニーに渡し、正常な人間ではないので過去を探るなと忠告。ステファニーは、子供達を預け数日一人で過ごすとショーンに留守電を残す。

Tシャツのロゴを頼りに湖畔のキャンプサイトを訪れたステファニーは、保存されていたフォトアルバムに幼少時代のエミリーと双子の姉妹の写真を発見。ホープ、フェイス・マックランデンと記載があった。片っ端からその苗字の家に電話をかけ母親を見つける。

母親を訪問したステファニーは、放火による火事でエミリーの父親が死亡した事を知った。母親は、生まれつき悪魔のような子供は居ると言い、娘のフェイスは問題だらけだったが、ホープはよく面倒を見ていたと話す。

ステファニーが会社で見つけたエミリーの写真のコピーを見せると、母親はフェイスだと言った。宿泊したモーテルの部屋でビデオブログを更新するステファニーは、少女だった頃のエミリーの写真を見せて挑発した。

そのビデオフィードを見ていたエミリーは、悔しがり危機感を露わにする。ショーンをレストランに誘き出したエミリーは、仕事が忙しすぎて息子に会えない苦悩や金銭的に苦しい生活が理由で保険詐欺を計画したと話す。

ショーンは、相談も無く勝手に自分の死を偽装した妻を責めるが、ステファニーとの関係を咎められ押し黙った。エミリーは、保険金が下りず状況が悪化すれば一緒に道ずれにすると言って携帯していた銃を見せる。

ステファニーを愛しているのかと訊かれたショーンは、体だけの付き合いで彼女はそれ以外の意味を成さないと答える。エミリーは引き金を引くが、弾は込められていないと笑う。息を飲み、エミリーが狂っていると漏らすショーン。

ステファニーとエミリー

ショーンが自宅に戻ると保険会社の調査員がステファニーと一緒に雑談中だった。エミリーの死亡給付金の事で訪問したと言う。ステファニーは、エミリーには双子の姉が居り、湖の遺体はエミリーではないかもしれないと話す。顔が引きつるショーン。

調査員は、双子なのであればDNAが一致するのは当然で、妻に双子の姉が居る事を知らなかったショーンを訝しがる。給付金の額が大きい事から調査は引き続き行われ、判明した事実は法律により警察へ報告すると調査員は薄く笑いながら言った。

エミリーの墓の前で落ち合うステファニーとエミリー。ステファニーは、何故自分の父親と双子の姉を殺したのかと疑問をぶつけた。実は三つ子であり、1人は死産。父親の虐待に耐え兼ねた姉妹は自宅に放火して父親を殺害。

2人で逃亡し姉妹の絆として同じ入れ墨を彫った。暫く別々に潜伏した後また一緒に会う筈だったが、ホープは現れなかった。エミリーはニューヨークへ行き何とかサバイバルしたものの、ある日14年ぶりにホープから連絡が入る。

幼い頃一緒に過ごしたミシガン州に在る湖畔のキャンプ場で待ち合わせた。麻薬中毒で文無しのホープは、お金を無心。お金をくれなければ警察に全て話すとエミリーを脅した。エミリーは、湖で泳ごうと誘うホープに続いて入水し、姉を沈めて殺害。

自分の指輪をホープにはめたのだった。エミリーは、全てショーンのアイデアであり保険金が入ったらニッキーを連れて家族で国を出る計画だったと話す。ステファニーはエミリーを病的な嘘つきだと呼ぶ。

エミリーはレストランでショーンが言った言葉を録音しており、ステファニーとの関係は体だけだと話す部分を再生する。欲しいのは息子だけなので、ショーンはあげると冷笑した。ステファニーもショーンはいらないと答える。

騙し合い

エミリーは他に方法があると言った。ショーンが大学の自分のオフィスへ行くと、令状を持参した警察がコンピューター等を押収していた。自宅に引き返したショーンを刑事が出迎える。明らかに疑われているショーンは、自分は何もしていないと反発。

エミリーは自分で顔を傷つけ警察に出頭。ショーンが保険金詐欺の主犯で逮捕され実刑になれば国外追放になると言う報道をステファニーはテレビで見た。エミリーも共犯だが、恩赦と引き換えに証言をして警察に協力しているとメディアは伝えた。

保釈金を支払いショーンが家に戻るとエミリーが待っていた。そこへステファニーが現れてショーンに銃を向ける。ショーンが自分を利用したと咎め、食事を作らせ子供の面倒も見る羽目になったと文句タラタラ。

ショーンは、エミリーが生きていた事は知らなかったと語気を強めた。割りこもうとしたエミリーを制したショーンは、エミリーがステファニーを酷く嫌いブログを馬鹿にしていたじゃないかと責める。ショーンは、夫婦で解決できた問題だったと愚痴った。

ステファニーは銃の撃鉄を上げ、ショーンに愛していたのにと言いながら、ショーンから襲われたと話せば信じてもらえるとエミリーに視線を向ける。エミリーは、殺す必要はなく刑務所に送れば済むと言うが、ステファニーは、ショーンの胸を撃つ。

床に倒れるショーンに駆け寄るステファニーに対しエミリーは芝居を止めろと笑い、ショーンに起き上がれと脇腹を蹴った。ショーンの汚名を晴らすため、ステファニーが自分からホープ殺害の告白を得ようと計画したのは明らかだとエミリーがほくそ笑む。

ソファに座ったエミリーは、隠しておいた本物の銃を取り出す。2人が自分を貶めようとし、更に知りすぎている事を挙げ、心中して貰えば筋が通ると淡々と語りながらショーンを撃った。今度は本当にショーンの胸から血が噴き出す。

親友の自分も殺すのかと訊くステファニーに、父親と姉を殺したのだから当然夫の浮気相手も殺せるとエミリーは微笑む。ステファニーは、それを自分のブログで話して貰えればチャンネル登録者が百万人になると言い、ライブ映像で流していると明かす。

ステファニーは、最近のカメラは小型だと言って着ていたカーディガンのボタンを指差した。警察のサイレンが近づくのが聞こえて来る。引きつったエミリーは逃げ出すが、家の外で取り押さえられた。

6ヵ月後、ビデオブログ定期購読者百万人を祝うステファニーは、料理のレシピやお役立ち情報だけではなく未解決事件も扱うので是非声を掛けてくれとカメラに向かって呼びかける。一方、父親及び姉殺害で刑に服すエミリーは、刑務所の環境に順応していた。

『シンプル・フェイバー』を観た感想

アン・ケンドリックのコミカルさがコメディのスパイスとなるスリラー映画『シンプル・フェイバー』。ステファニーは、ナイーブでよくしゃべる性格で周囲から煙たがられますが全く気にしない世話好き女性。一方、エミリーはセクシーなキャリアウーマン。

ステファニーを良いカモだと思ったエミリーが最後にやり込められる物語ですが、終盤まで誰が誰を騙しているのか分からない巧妙な脚本と演出が作品を盛り上げています。謎の女性エミリーに扮するブレイク・ライブリーの演技が見事でした。

ライブリー無しでは恐らく成り立たなかったと言っても間違いは無く、脆さや狡猾さ、そして真に息子だけは愛する母親の心情も丁寧に演じています。背の高いライブリーのパンツスーツの着こなしも抜群で、作品にスタイリッシュさを加えています。

また、友人の死を悼む振りをしながら、その夫とちゃっかり関係を結んで豪邸に引っ越す浅ましさをケンドリックが悪びれない女性として表現。キャリアも無く夫の死亡保険金を頼りに孤独で不安定な生活の中、唯一人との繋がりを感じられたのがビデオブログ。

エミリーの華やかさに憧れ良い友人になろうと必死になるステファニーですが、家族を殺害してでも自分を守ろうとするエミリーにとっては都合の良い相手。しかし、エミリーがステファニーの普通さを弱さと勘違いした事が計画破綻の原因と言えそうです。

エミリーの夫ショーン・タウンゼント役を演じたのは、マレーシア系イギリス人俳優ヘンリー・ゴールディング。『クレイジー・リッチ！』の成功で大きな注目を集めていますが、本作の製作開始時にはまだ同映画の公開前でした。

ポール・フェイグは自ら俳優を選ぶ監督ですが、当時は無名だったためゴールディングは何度もケミストリー・リード(現在ハリウッドで主流の俳優同士の相性を見るオーディション)に呼ばれブレイクと本読みを行い、フェイグが抜擢しました。

映画に出演するのは今回で2度目とは思えない堂々とした演技を見せるゴールディング。美魔女のエミリーに夢中になる繊細な夫を見事に表現しています。しかし、緊張のあまり何度も台詞を忘れてしまった撮影秘話を妻役のブレイクが明かしています。

そして、小さな役ながらエミリーが務める会社社長役を二つ返事で引き受けたルパート・フレンドや画家に扮するリンダ・カーデリーニのこれまでとは全く異なる粗暴なキャラクターも本作を面白くしている所であり特筆すべき点です。