映画『ホビット 決戦のゆくえ』のあらすじ・ネタバレ!動画の無料視聴方法も紹介

『ホビット 決戦のゆくえ』は『ホビット』シリーズ3部作の最終章で、2014年12月に日本で公開されました。

湖の町エスガロスを襲う竜のスマウグとの戦いの行方、そしてトーリンたちドワーフと穢れの王アゾグ率いるオーク軍とのものだった戦いに人間やエルフも加わり、その決戦の行方も描かれます。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズにつながる『ホビット 決戦のゆくえ』についてご紹介いたします。

ホビット 決戦のゆくえの作品情報

タイトル:ホビット 決戦のゆくえ

原題:The Hobbit:The Battle of the Five Armies

原作:J・R・R・トールキン『ホビットの冒険』

監督:ピーター・ジャクソン

脚本:フラン・ウォルシュ/フィリッパ・ボウエン/ピーター・ジャクソン/ギレルモ・デル・トロ

製作:キャロリン・カニンガム/ゼイン・ワイナー/フラン・ウォルシュ/ピーター・ジャクソン

公開:2014年12月11日(ニュージーランド)2014年12月13日(日本)2014年12月17日(アメリカ)

出演者:マーティン・フリーマン/イアン・マッケラン/リチャード・アーミティッジ/エヴァンジェン・リリー など

最終章の今作のタイトルは当初『There and Back Again』(生きて帰りし物語)と発表されたが、その後に変更されました。当初は2部作の予定だった『ホビット』シリーズの2作目で、ビルボがはなれ山に到着して、その後にホビット庄まで帰る様子を描く予定だったからです。

3部作に変更されたあと、ビルボが2作目ではなれ山に到着していたため変更されたそうです。

ホビット2作目のホビット/竜に奪われた王国のネタバレについてはこちらの記事でご紹介しております。

ホビット/竜に奪われた王国の動画を無料視聴!ネタバレと感想を紹介

ホビット 決戦のゆくえのキャストについて

穢れの王アゾグの声優とモーションキャプチャを務めたのは、TVドラマの『スパルタカス』シリーズで剣闘士のクリクスス、『ARROW/アロー』でデスストロークことスレイド・ウィルソンを演じているマヌー・ベネットです。

マヌー・ベネット自身が筋骨隆々の体格で剣闘士を演じた経験があったことから、アゾグのアクションシーンがより迫力のあるものになったと思います。

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ホビット 決戦のゆくえのあらすじとネタバレ

「我が名は“炎”。我が名は“死”」と言ってエレボールから飛び立った竜のスマウグは、湖の町エスガロスの上空で火を吐き、町は紅蓮の炎に包まれる。タウリエルはバルドの子どもたちやキーリたちを連れて町から逃げようとする。統領の兵に投獄されていたバルドは機転を利かせて牢から脱出する。

バルドは武器庫にあった弓矢でスマウグを狙うが、普通の矢は竜の鱗を貫けない。父のバルドの姿を見たバインは父の指示で隠しておいた黒い矢を持ち、危険を顧みずに父のところへ行く。スマウグの襲撃で弓が壊れたバルドはバインの肩を使い、左胸の鱗が剥がれたところに黒い矢を打ち込んでスマウグを倒す。

はなれ山ではバーリンらドワーフが町が燃えるのを見て哀れんだ。しかしスマウグが空から墜ちたのを見て死んだことを知る。エレボールの大鴉も戻り、中つ国全体に竜が死んだことが知れ渡るのは時間の問題だった。

生き残った人々の中には統領の補佐官のアルフリドもいた。タウリエルによって助かったキーリは「君と生きたい。愛してる」と打ち明けるが、タウリエルはレゴラスに同行する立場だ。仲間のドワーフとエレボールへ向かうキーリは「必ず帰る」という母との約束のお守りの石をタウリエルに渡す。

町の人々に威張り散らすアルフリドを止めたのはバルドだった。人々は竜を倒したバルドを救世主と称え、これまでの所業からアルフリドを吊るし首にしようとする。だがバルドは「さらに死人を出したいのか」と止め、冬に備えて助け合いながら新たな住みかを探すことにする。

バルドははなれ山を選び、山の金は呪われているため町の再建費用として約束の分だけトーリンからもらうつもりだ。レゴラスはスマウグの死で誰もが財宝を求めてはなれ山を目指し、戦さになるとバルドに告げる。

レゴラスはタウリエルに自分が追ったボルグが北へ向かったこと、オークには霧ふり山脈の北の根城のグンダバドの刻印があったことを話す。そこにレゴラスの父である森のエルフの王スランディルの命令をたずさえたエルフが来る。だがタウリエルが追放ならば自分も戻らないと命令を無視して、タウリエルとグンダバドへ向かう。

オークの大軍を率いて進軍する穢れの王アゾグのところにエスガロスからアゾグの息子のボルグが戻る。ボルグはエルフの2人は逃げたと報告するが、アゾグは軍を率いて戻ってくると考える。そしてボルグに残っている全軍を出撃させるためグンダバドへ行くように命令する。

“竜の病”にかかるトーリン

キーリたちがエレボールに到着すると、ビルボが「眠らず、何も食べず、大広間にずっといて別人のようだ」とトーリンの異変を告げる。伯父を心配するフィーリをはじめ、あとから到着したドワーフたちとビルボが大広間に行くと、トーリンは財宝の魔力にすっかりとりつかれていた。

トーリンは「見つけるまで休むな」と皆にアーケン石を探させる。だが実はビルボは大広間でスマウグに火を吐かれる瞬間、指輪をはめて姿を消してアーケン石を拾っていた。アーケン石をトーリンが手にすれば虜になって堕落するというスマウグの言葉が気にかかって言い出せないのだ。

ドワーフ族の宝であり、王の宝石のアーケン石が見つからないことに苛立ち、仲間たちの忠誠心を疑うトーリンは「見つけた者が隠し持っていたら、ただではおかぬ」と言い放つ。欲深く猜疑心のある姿が祖父王スロール王とうりふたつだと嘆くバーリンは、ビルボに“竜の病”はアーケン石を手にするとひどくなると言う。

ドル・グルドゥアで囚われの身の灰色のガンダルフ、別の場所にいる茶色のラダガストは呪文を唱える。するとドル・グルドゥアにロスローリエンの森の奥方と呼ばれるエルフのガラドリエルが現れる。ガラドリエルはガンダルフを救出しようとするが、2人をアングマールの魔王ら9人のナズグル(幽鬼)が囲む。

しかしそこに裂け谷の領主のエルフのエルロンド、魔法使いの白のサルマンも現れてナズグルと戦う。ガンダルフが「奴がいます」と言うと、ガラドリエルは「闇が戻ってきた」と答える。そしてラダガストがソリでやってくると、ガラドリエルはガンダルフを連れて脱出するように命令する。

ガラドリエル、エルロンド、サルマンの前に復活の途中のサウロンが倒したはずのナズグルとともに姿を見せる。「エルフの時は終わりだ。闇の時代が来たのだ」と言うサウロンに、ガラドリエルが渾身の力で立ち向かって倒れる。遠く東へ逃げたサウロンの息の根を止めようとエルロンドは言うが、サルマンは「わしに任せよ」と止める。

ドル・グルドゥアでオークの大軍の出発を見たガンダルフがはなれ山に向かっている頃、バルドたちははなれ山のデイルに到着する。それに気づいたトーリンは財宝を守るためエレボールの城門に岩を積んで守りを固めようとする。夜が明けると、デイルにはスランドゥイルが率いるエルフ軍が食料を持ってくる。

エレボールではスランドウィルが取り戻そうとしている、一族の家宝の宝石の『ラスガレンの白い石』が見つかっていた。トーリンたちと戦さをする気のスランドゥイルに、人間も富の分配に預かる正当な権利があるというバルドは手を組むことを提案する。戦いは避けたいバルドはトーリンと話し合うが、エスガロスでの約束をトーリンは破る。

アーケン石を使った取引

交渉決裂を知らせたバルドにスランドゥイルは夜明けの攻撃を告げる。エレボールではビルボが多勢に無勢であることは明白だと語ると、トーリンは「ドワーフを見くびらないことだ」と意味深に語って戦いの準備を進める。トーリンは白銀の鋼=ミスリルで作られた鎖かたびらを、友情の証の贈り物としてビルボに渡す。

トーリンは仲間たちの中にアーケン石を盗んだ裏切り者がいるとビルボに話す。はなれ山を取り戻すという悲願を達成しても、協力した人間との約束を守らないトーリンに、ビルボは「自分や皆の名誉よりも財宝のほうが大事か」と聞く。だがトーリンは金は我らだけのもので、金貨のひと欠片もよそ者には渡さないと言い切る。

一方、レゴラスとタウリエルはグンダバドに到着する。そこにはいにしえの敵国だったアングマール王の国の牙城がある。昔、多くのエルフが戦いで血を流し、レゴラスの母が死んだ忌まわしい場所だ。スランドゥイルは自分に母のことは何も語らず、母の墓もなく、想い出もないとレゴラスはタウリエルに打ち明ける。

デイルに到着したガンダルフは、バルドとスランドゥイルにトーリンと仲間たちの旅がサウロンを怒らせ、オーク軍が出兵して大戦になると知らせる。サウロンはエレボールを支配し、はなれ山を北のアングマールの地を奪い返す足がかりにする狙いだ。レゴラスとタウリエルの眼下ではグンダバドからボルグが率いるオークの大軍が出発する。

ガンダルフを信じず、トーリンは降伏すると考えるスランドゥイルとバルドの前に、エレボールから抜け出したビルボが現れる。ビルボは彼らにアーケン石を渡し、戦さはせずに取引をするように頼む。ガンダルフはビルボに夜はデイルに泊まるように言うが、見張りを怠ったアルフリドは朝になってビルボがいないのに気づく。

夜が明けてエレボールの前にエルフ軍と人間たちがやってくる。バルドはアーケン石を見せて交渉するが、トーリンは偽物だと言う。それを否定したのはエレボールに戻っていたビルボだった。ビルボは14分の1の権利の宝として持っていたアーケン石を何度も渡すつもりだったが、トーリンが変わってしまったのでやめたと話す。

怒ったトーリンはビルボを投げ捨てようとするがガンダルフが止める。そこにトーリンが使いに出していた大鴉が戻り、トーリンのいとこのくろがね山のダインが率いる“鉄の足”と呼ばれるドワーフ軍の援軍が到着する。ガンダルフの忠告に誰も耳を貸さず、戦さが始まろうとした時、何体もの化けミミズが作ったトンネルからオーク軍が現れる。

アゾグとボルグの罠

オーク軍とダインの軍の戦さが始まってエルフ軍もオーク軍と戦う中、トーリンは「手出し無用」と言って参戦せずに引きこもる。トロルを放ったアゾグはデイルを襲わせ、バルドたち人間は慌てて戻ってガンダルフとビルボもデイルで戦う。バルドはバインに女と子供を集めて大会堂に行き、中から扉を封鎖するように言う。

デイルの町のバルドやスランドゥイル、エレボールの前のダインは苦戦して多くの者が死んでいく。だが金を守ることだけを考えて動かないトーリンに、ドワーリンは「この虚ろな広間で王冠を戴いているが、中身は王とはほど遠い」と非難する。仲間たちの言葉を思い起こして自問自答したトーリンは愚かさに気づいて呪縛から逃れる。

キーリたち仲間の前に現れたトーリンは本来の姿に戻り、「今さら皆に命じる資格は私にはないが、ついてきてくれるか、いま一度だけ」と頼む。ダインが率いるドワーフ軍はエレボールの城壁の前に追いつめられ、絶体絶命のピンチになる。そこにボンブールが吹く角笛の音が響き渡り、トーリンたちは城門に築いた守りの岩を砕いて参戦する。

デイルでは女性や老人も参戦するが、多すぎる敵に勝つためトーリンは敵の頭のアゾグを倒しに、最強の戦士たちのフィーリ、キーリ、ドワーリンを連れて向かう。デイルに着いたレゴラスたちはボルグが北からオーク軍を連れてくると知らせる。アゾグが戦っている間にボルグがはなれ山を奪う策で、北のからすが丘にはトーリンたちがいた。

からすが丘にはアゾグの姿はなく、トーリンはフィーリとキーリに密かに塔を探索するように指示する。ガンダルフは敵の罠にはまりかけているトーリンを助けるように頼むが、スランドゥイルは「これ以上エルフの血を流したくない」と断る。自分が行くとガンダルフに言ったビルボは隠れて指輪をはめ、姿を消してからすが丘に向かう。

兵をまとめて帰ろうとするスランドゥイルを、タウリエルは「あなたには愛の欠片さえもない」と非難して弓矢をかまえ、止めようとする。だが、弓矢を切り払われて剣を突きつけられ、殺されそうになる。「殺すなら私を先に殺せ」と間に入ったレゴラスはタウリエルとからすが丘に向かう。

ビルボはトーリンに北から別軍が来ていることを伝える。トーリンは塔に行った2人を戻らせようとするが、見ている前でフィーリがアゾグに殺される。兄の仇を取ろうとするキーリは現れたオーク軍と戦い、トーリンはアゾグを追う。ボルグに殺されかかったタウリエルをキーリが救うが、逆にキーリがボルグに殺されてしまう。

トーリンを援護していたレゴラスは捨て身でボルグと戦って傷ついたタウリエルに気づく。そして矢がもう残っていないことから剣でボルグと戦う。だが少し離れたところでトーリンを殺そうとするオークに気づくと剣を投げて倒す。やむなく短剣で戦うレゴラスは身の軽さを生かしてボルグの体に飛び乗り、頭に短剣を突き立てて倒す。

トーリンとアゾグの決戦

レゴラスの剣を手にトーリンは大河が凍った氷の上でアゾグと戦う。ボルグとともに闇の勢力の魔鳥も飛来していたが、ガンダルフに「鳥と獣を集めよ」と言われていたラダガストが大鷲たちを連れてやってくる。大鷲に乗ってきたビヨルンは大熊に変身して大鷲とともにオークや魔鳥を倒していく。

その上で戦ったため厚い氷が割れ、体が重いアゾグは武器に使っていた石の重みもあって水中に沈む。氷の下を流れるアゾグだが死んではいなかった。かつてトーリンに切り落とされた左腕に着けた剣でトーリンの胸を刺す。だが、わざと刺されることで近づいたアゾグの胸をトーリンは剣で刺し貫き、アゾグはついに死ぬ。

からすが丘での戦いの最中に気を失ったビルボが目覚め、エレボールの前の戦いを見届けて倒れたトーリンのもとに駆け寄る。トーリンがエレボールでの言動を謝罪して「そなたこそ真の友だ」と語ると、ビルボは「みんなと旅ができて嬉しかった。後悔はない。どんなホビットもできない冒険だ」と答える。

トーリンは「さらばだ。“忍びの者”よ」とビルボに告げる。「皆がもっと黄金よりも家を愛すれば、世界はもっと楽しい場所になる」と言って亡くなったトーリンの傍らでビルボは号泣する。タウリエルもまたキーリの亡骸を前に涙し、以前にキーリから渡されていたお守りの石をキーリの手に握らせる。

タウリエルの姿を見たレゴラスはスランドゥイルに森には戻れないと告げる。スラドゥイルは北のドゥネダインにいる、よき長だったアラソルンの息子で皆から“ストライダー”と呼ばれる若者を捜せと言う。そしてレゴラスの母は命よりも息子を愛していたと打ち明け、その言葉を胸にレゴラスは北へ旅立つ。

タウリエルはキーリらの埋葬を頼み、「これが愛なら愛など要らない」とスランドゥイルに言う。以前に「若者への思いは本物の愛ではない」と決めつけたスランドゥイルは、「なぜこんなにもつらいの?」と聞くタウリエルに「本物の愛だからだ」と答える。タウリエルはキーリに最初で最後の口づけをする。

トーリンから離れて放心したように座るビルボの隣に座ったガンダルフは、パイプを吹かして微笑み合う。トーリンの周りにはともに旅をして生き残った10人のドワーフが集まり、その死を悼む。デイルの町からは戦死した者たちを弔う重厚な笛の音が響き渡った。

次の物語への始まり

夜にはドワーフたちが歌を唄い、物語が語られる大宴会が行われ、トーリンは伝説となるとバーリンはビルボに語る。ビルボは宴会に参加せずに10人のドワーフに別れを告げ、ガンダルフとともにホビット庄へと旅立つ。

ホビット庄の境で別れる時、ゴブリンの洞窟でビルボが拾ったのに気づいて、ずっと気にかけていいたガンダルフは「魔法の指輪を軽々しく扱うな」と忠告する。だがビルボは「戦いの最中にどこかに落とした」と答える。

ビルボが家の近くまで来ると、住民たちがビルボの家財道具を運んでいた。ビルボが出発してから1年1か月が経っていたため死んだものとされ、家にあるものが競売にかけられているのだ。死人ではなく本人と証明するように言われたビルボはトーリンとの雇用契約書を見せ、トーリンが何者か聞かれると「僕の友達だった」と答える。

荒れ果てた家の中を片付けながら、ビルボはズボンのポケットから指輪を取り出して笑みを浮かべる。時は流れ、111歳になったビルボの手には指輪があった。そこに111歳の誕生会を祝うためにガンダルフがたずねてくる。テーブルの上には額に入れられたはなれ山の地図があり、地図には「山の下の王 ここに在りき」と書き入れられていた。

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ホビット 決戦のゆくえの感想とまとめ

壮大なシーンや細部で使用されているCGは今作でもとても素晴らしいものでした。それにも増して素晴らしかったのは、各種族のキャラクターたちを演じた俳優たちの表情や台詞回しです。架空の存在であっても、その感情の起伏や変化が見事に伝わってきて、観ている者の感情を揺さぶります。

金に執着する“竜の病”にかかってしまったトーリンの変わりようを、リチャード・アーミティッジは繊細に演じていました。今作では顔つきが陰気だったり、険しかったりすることが多いのですが、呪縛から逃れて参戦する時のすっきりとした顔つき、亡くなる時のある意味、穏やかにも見える表情は胸にグッとくるものがありました。

タウリエルが映画オリジナルの登場人物ということで、キーリとの愛や死は原作とは違うのですが、こちらのエピソードも胸が締めつけられるような切なさでした。映画版に限りますが、レゴラスがドワーフを非常に嫌う一因には、自分が愛するタウリエルが愛したのはドワーフだったということもあることになるのでしょう。

大合戦のシーンも本当にすごい迫力なのですが、特に目を引いたのはトーリンとアゾグ、そしてレゴラスとボルグの対決シーンでした。CGがもちろん使われているのですが、相手を倒すにはその方法なのかという納得感がありました。バルドがバインの肩を借りて黒い矢を放つところも思わず「そうするか」というアイデアでした。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズも『ホビット』シリーズもホビット、ドワーフ、エルフ、人間という異なる種族が力を合わせます。国と国、種族と種族の争いが絶えない現代の地球が見習うべきところだと実感させられます。「皆がもっと黄金よりも家を愛すれば、世界はもっと楽しい場所になる」というトーリンの言葉がすべてです。

トーリンといえば、ビルボがアーケン石を隠し持っているかと疑われた時に自分の土産だと拾ったドングリの実のことを言うのですが、そのことをちゃんと覚えているんですね。亡くなる前に「ドングリを植え、育つのを見ろ」と言うのですが、友達だからこそそういった些細なこともちゃんと覚えていて言葉にできるのだと思います。

誰よりも体の小さなビルボが見せる勇気をはじめ、今作には友情、愛、忠誠、正義など現代の現実に生きる大切なものが描かれています。ファンタジーではありますが、生き方や考え方を見つめ直したくなる作品でもあります。

そして、今作のラストシーンは『ロード・オブ・ザ・リング』の第1作につながっています。今作を見ると『ロード・オブ・ザ・リング』がまた見たくなるようなラストシーンといえるでしょう。

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