スパイダーマンシリーズは2019年に最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、アニメ作品『スパイダーマン:スパイダーバース』、そしてスパイダーマンも登場する『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されるなど、まさに“スパイダーマン祭り”の様相を呈してきました。
今回は過去数度リブート(再起動)してきたスパイダーマンシリーズの公開順番などのおさらいと、なぜリブートしてきたのかについて検証していきましょう。
・スパイダーマン2
・スパイダーマン3
・アメイジング・スパイダーマン
・アメイジング・スパイダーマン2
・シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
・スパイダーマン:ホームカミング
・アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
・スパイダーマン:スパイダーバース
・アベンジャーズ/エンドゲーム
・スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
Contents
- 1 歴代スパイダーマンシリーズを公開の順番でおさらい
- 1.1 第1シーズン
- 1.2 第2シーズン(『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ)
- 1.3 第3シーズン(マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、アニメシリーズ)
- 1.3.1 番外編『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(Captain America : Civil War)(2016年)
- 1.3.2 第6作(第3シーズン第1作)『スパイダーマン:ホームカミング』(Spider-Man: Homecoming)(2017年)
- 1.3.3 番外編『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(Avengers : Infinity War)(2018年)
- 1.3.4 アニメ版第1作『スパイダーマン:スパイダーバース』(Spider-Man : Into the Spider-Verse)(2019年)
- 1.3.5 番外編『アベンジャーズ/エンドゲーム』(Avengers : End Game)(2019年)
- 1.3.6 第7作(第3シーズン第2作)『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(Spider-Man : Far From Home)(2019年)
- 2 なぜスパイダーマンシリーズは何度もリブートされるのか
- 3 歴代スパイダーマンシリーズについてのまとめ
歴代スパイダーマンシリーズを公開の順番でおさらい
それでは、歴代スパイダーマンシリーズのおさらいを、スパイダーマンがゲスト参戦した作品も交えて公開した順番でおさらいしていきましょう。
なお、本項の一部にはストーリーの根幹に関わる重要なネタバレも含まれていますのでご注意ください。
第1シーズン
監督サム・ライミ、主演トビー・マグワイアのコンビでスタートした第1シーズン三部作は全世界的な大ヒットとなり、後のマーベル勢の大躍進へと繋がっていきます。
第1作(第1シーズン第1作)『スパイダーマン』(Spider-Man)(2002年)
言わずと知れた映画シリーズの原点。日本でも興行収入75億円を超える大ヒットを飛ばしました。
主人公ピーター・パーカーがスパイダーマンの力を手に入れる過程、亡き叔父ベンの遺した「大いなる力には、大いなる責任が伴う」との言葉、ヒロインMJへのほのかな想い、そして凶悪な怪人グリーン・ゴブリンと化した親友ハリーの父ノーマンとの勝負などを、スーパーヒーローの華やかさの裏での“等身大のひとりの青年”の孤独や葛藤も併せて描き上げ、後のマーベルの大躍進の原動力のみならずその後のスーパーヒーロー映画全体にも多大なる影響を与えました。
第2作(第1シーズン第2作)『スパイダーマン2』(Spider-Man 2)(2004年)
前作の大ヒットを受けて製作された本作では、前作以上に敵側を含む重厚な人間ドラマが展開されていきます。
原作コミックでは長きに渡ってスパイダーマンを苦しめてきた強敵ドクター・オクトパスが登場、MJとの関係や“大いなる力”に悩み一度はヒーロー廃業を決断したピーターとその再起の過程、MJの揺れ動く乙女心、父の仇であるスパイダーマンの正体を知ってしまったハリーの怒りなどがサム・ライミ監督の切れ味と味わい深い演出で綴られていきます。
第3作(第1シーズン第3作)『スパイダーマン3』(Spider-Man 3)(2007年)
シリーズ第3作では新たな強敵として、ハリーが変身したニュー・ゴブリン、ピーターの叔父ベンを殺した真犯人であるサンドマン、そしてスパイダーマンの永遠の宿敵であるヴェノムが登場しています。
ファンの間でも圧倒的な人気を誇るヴェノムは、2018年にトム・ハーディ主演で単独映画化されて大ヒットしたのが記憶に新しいところでしょう。
本作ではいつもの善良で恋人想いなピーター・パーカーのみならず、ヴェノムが寄生した“ブラック・スパイダーマン”の力を得た際の狂気をも演じきったトビー・マグワイアの演技は冴え渡り、本作は2019年現在でシリーズ最大のヒットとなる8億9千ドルという興行収入を叩き出しました。
合わせて読みたい≫スパイダーマン3に登場するヴェノムと映画ヴェノムの違いとは?
第2シーズン(『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ)
当初予定していた『スパイダーマン4』が頓挫、代わりに監督マーク・ウェブ、主演アンドリュー・ガーフィールドという布陣でシリーズは再スタートを切りました。
第4作(第2シーズン第1作)『アメイジング・スパイダーマン』(The Amazing Spider-Man)(2012年)
『スパイダーマン3』から5年、本作は主人公ピーター・パーカーがスパイダーマンの力を得る過程や叔父ベンの死など前三部作の要素を最初から描き直し、前三部作でキルスティン・ダンストが演じたMJに代わる新ヒロインとして参加した、後に『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞を受賞したグウェン・ステーシー役のエマ・ストーンのキュートな魅力、そして恋愛映画を得意とするマーク・ウェブ監督ならではのピーターとグウェンの恋愛描写も本作の見どころとなっています。
第5作(第2シーズン第2作)『アメイジング・スパイダーマン2』(The Amazing Spider-Man 2)(2014年)
本作では、旧三部作で登場した悪役グリーン・ゴブリンがリニューアルされて登場、オスカー俳優である名優ジェイミー・フォックスがメイン悪役のエレクトロを演じています。
本作でも前作同様にピーターと歴代シリーズのヒロインの中でも最高といわれるグウェンのラブストーリーが展開され、ピーターがニューヨークにかかる橋にクモの糸で描いた「I LOVE YOU」は本作屈指の名場面となり、それだけに誰もが予想だにしなかった“衝撃のラスト”はファンに大いに衝撃を与えました。
第3シーズン(マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、アニメシリーズ)
製作会社のソニー・ピクチャーズは、マーベルの正規シリーズ『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』を手掛けるマーベル・スタジオと業務提携を結び、ここにファンが待ち望んでいたスパイダーマンの『アベンジャーズ』への参戦が可能になりました。
番外編『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(Captain America : Civil War)(2016年)
『アメイジング・スパイダーマン2』の衝撃の結末から2年。3代目スパイダーマンにトム・ホランドが抜擢され、シリーズは二度目のリブートを迎えました。
新シリーズの本格始動を前に3代目スパイダーマンが先行登場する本作では、これまでの前5作で描かれてきたスパイダーマン誕生の経緯はカットされ、最初からスーパーヒーローとして活動しているという設定となりました。前5作ではスパイダーマンスーツはピーター自ら自作したものでしたが、この第3シーズンからはスパイダーマンはアイアンマンことトミー・スタークの弟子となり、スパイダーマンスーツもスタークが開発した最先端のハイテク満載スーツとなっています。
これまでトビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドが演じてきた、憂いを帯びた歴代スパイダーマンとは異なり、トム・ホランドのスパイダーマンはその演技も相まってこれまで以上に明るくコミカルなキャラクターとなりました。
≫ シビル・ウォー/キャプテン・アメリカのあらすじとネタバレ
第6作(第3シーズン第1作)『スパイダーマン:ホームカミング』(Spider-Man: Homecoming)(2017年)
『シビル・ウォー』でのゲスト出演を経て、遂に第3シーズンの本格的指導となった本作。
『スパイダーマン3』に匹敵する9億8千ドルのダイヒットを叩き出した本作では、かつて『バットマン』で主人公バットマンを演じたマイケル・キートンがメイン悪役のバルチャーを演じ、ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク役)や『アイアンマン』『アイアンマン2』の監督でもあるジョン・ファヴロー(ハッピー・ホーガン役)といった“アイアンマン勢”も参戦しています。
本作では、ピーターがバルチャーの娘に恋心を抱くなど一応の恋愛描写はあるものの、それよりもピーターの高校生活に焦点を当てた青春ムービーとしての一面が強くなっています。また、『アイアンマン』シリーズの悪役がスタークの過去の不始末を起因としているように、本作の事件もスタークが過去にとった行為が遠因となっております。
番外編『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(Avengers : Infinity War)(2018年)
本作よりスパイダーマンは正式に「アベンジャーズ」の一員として迎えられ、師匠であるアイアンマン、ドクター・ストレンジ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと共にマーベル史上最強最悪の強敵サノスとの戦いに挑んでいきます。
本作では『ホームカミング』のラストに登場しながらも使用されなかった、宇宙空間での活動も可能な強化スーツ「アイアン・スパイダー」が大活躍しています。
≫ アベンジャーズ/インフィニティー・ウォーのあらすじとネタバレ
アニメ版第1作『スパイダーマン:スパイダーバース』(Spider-Man : Into the Spider-Verse)(2019年)
『ファー・フロム・ホーム』に先駆けて公開された本作は、スパイダーマンの映画シリーズとしては初となる3DCGアニメーション作品となり、これまでの歴代シーズンとは異なる世界観が展開され、アカデミー賞で最優秀長編アニメ賞を獲得する快挙を成し遂げました。
本作の主人公はこれまでのピーター・パーカーではなく、スパイダーマン(ピーター)に憧れていた黒人の少年マイルス・モラレスです。
本作は原作コミック同様に複数の並行世界に存在するスパイダーマン(とスパイダーマンに相当するヒーロー)が複数登場、実写映画では到底考えつかなかった今まで見たことのないスパイダーマンの世界が展開されていきます。
本作のヒロインである女スパイダーマン“スパイダー・グウェン”役で『バンブルビー』のヘイリー・スタインフェルド、異次元から来た白黒の男スパイダーマン・ノワール役でマーベル作品では『ゴーストライダー』シリーズに出演しているニコラス・ケイジが声の出演を果たしています。
番外編『アベンジャーズ/エンドゲーム』(Avengers : End Game)(2019年)
『アベンジャーズ』シリーズの完結編であり、MCUのひとつの集大成となった本作。
『インフィニティ・ウォー』のラストでサノスの“指パッチン”によって消滅させられたスパイダーマンでしたが、師匠アイアンマンやかつて『シビル・ウォー』で盾を奪うなどやりあった間柄であるキャプテン・アメリカらアベンジャーズの生き残りの時をかける奮闘により復活を果たし、マーベル・ヒーローのオールスター軍団と共にサノスとの最終決戦に挑んでいきます。
第7作(第3シーズン第2作)『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(Spider-Man : Far From Home)(2019年)
アイアンマンの命を賭した行為によりサノスは倒され、平和を取り戻した世界。
スパイダーマンとして活動しつつも、仲間たちと共に再び高校生活をエンジョイしようとするピーターでしたが、異次元から来たという謎の男ベック(ジェイク・ギレンホール)の登場を機に壮大な陰謀に巻き込まれていき、そして正式にアイアンマンの後継者として戦い抜くことを決意します。
本作ではゼンデイヤ演じる2代目MJとの恋愛も描かれ、これまで『アベンジャーズ』シリーズなどMCUの重要人物として登場してきたニック・ヒューリー(サミュエル・L・ジャクソン)がスパイダーマンシリーズに初登場しています。
なぜスパイダーマンシリーズは何度もリブートされるのか
最初のリブート(サム・ライミ三部作からアメイジング・スパイダーマンへ)
監督サム・ライミと主演トビー・マグワイアのタッグで始まった最初の三部作は世界的大成功を収め、更なる三部作が追加された六部作となることが内定していました。
しかし『スパイダーマン3』では、当初は登場させるつもりのなかったヴェノムをソニーのゴリ押しで登場せざるを得ず、作品の出来に満足していなかったサム・ライミは次回作『スパイダーマン4(仮)』での挽回に賭けていました。
しかし、ソニー側とサム・ライミとの意見は合わず、そして当時既に30代を迎えていた主演のトビー・マグワイアはスパイダーマンを演じるには年を取り過ぎたというソニーの判断もあり、最終的にはサム・ライミとトビー・マグワイアはシリーズから降板、『スパイダーマン4』は頓挫してしまい、ソニーは密かに温め続けてきたピーターの学生生活を描くリブート案を『アメイジング・スパイダーマン』として始動させることにしたのです。
サム・ライミは今でもシリーズを降りたことを後悔しており、スパイダーマンの新作が公開される度に複雑な心境になるとのことです。
二度目のリブート(アメイジング・スパイダーマンからMCUへ)
全てを一新して再起動した『アメイジング・スパイダーマン』は当初は四部作として制作される予定でした。
しかし、興行収入がサム・ライミ三部作を下回ったこと、そしてマーベル本体の『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』シリーズが主軸の『アベンジャーズ』シリーズなどの成功により全世界の映画シーンを席捲したことにより、ソニーとマーベルはファン待望のスパイダーマンのMCUならびにアベンジャーズへの参入について協議を重ね、その結果マーベルとソニーは業務提携を組んでソニーが権利を持つスパイダーマンをMCUでも使えるようにしました。
それに伴い、ソニーはグウェンに代わるヒロインとして新たなMJを登場させる予定だった『アメイジング・スパイダーマン3(仮)』を白紙撤回、シリーズそのものをMCUならびにアベンジャーズの世界観に合わせてリニューアルすることに決定したのです。
歴代スパイダーマンシリーズについてのまとめ
実写映画シリーズ、アニメシリーズ、はたまた1970年代にマーベルと日本の東映が業務提携することによって生まれた日本版スパイダーマン、『ヴェノム』の成功で本格的に動き出しそうなスピンオフシリーズなど、スパイダーマンの世界はまさに“スパイダーバース”のごとく広がりを続けています。
トム・ホランド版スパイダーマンが果たしてあと何作作られるかは未だに不明のままですが、『ファー・フロム・ホーム』でスパイダーマンが正式にアイアンマンの後継者に指名されたことで、今後のMCUをブラックパンサーやキャプテン・マーベル、どうやら第4作の製作が決まりそうなマイティ・ソー、ジェームズ・ガン監督の復帰により本格的に第3弾が動き出すガーディアンズ・オブ・ギャラクシーなどと共に牽引する存在となるのは確実でしょう。
いずれにせよ、これからもスパイダーマンの動向には目が離せませんね。それでは最新作『ファー・フロム・ホーム』をぜひともお楽しいください。
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