千と千尋の神隠しには個性的なキャラクターが登場します。とくに、1回では聞き取れないような難しい名前もあります。特に「ハク」のことが気になる人が多いようです。
この記事では、そんな気になるキャラクターや登場人物について紹介していきたいと思います。
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ハクの本名はニギハヤミコハクヌシ
ハクは、作品中では「ハク・ハク様」と呼ばれる美少年で、湯婆婆の弟子であり手下という存在です。
湯婆婆に名前を奪われて帰り道がわからなくなり、完全に魔法で支配されています。
推定人間年齢は12歳とされています。ただし、ハクの正体はマンションで埋められて消滅したコハク川の神様です。
本当の姿は人間ではなく竜です。余談ですが、ネットで「龍」と書かれている場合がありますが、龍ではなく「竜」です。これは、千と千尋の神隠しの字幕スーパーを見れば確認できます。
以下は字幕スーパーの抜粋です。
銭婆(ぜにーば):さあその竜を渡しな。
千:ハクをどうするの?ひどいケガなの。
銭婆:そいつは妹の手先のドロボー竜だよ。
ということです。
ハクは、川が埋め立てられて帰る場所がなくなったので、湯婆婆のもとへやってきました。
その時の様子を釜爺(かまじい)がこう語っています。
釜爺:ハクはな、千と同じように突然ここにやって来てな、魔法使いになりたいと言いおってな。
わしは反対したんだ。
魔女の弟子なんぞ、ろくなことはないってな。
聞かないんだよ。
もう帰る所はないと、とうとう湯婆婆の弟子になっちまった。
そのうちどんどん顔色は悪くなるし目つきばかりきつくなってな。
ハクは千尋の住む世界と同じ場所からきて、千尋たちと同じようにあの時計塔の入り口から迷いこんだのでしょう。
千尋を見つけたハクは、すぐに千尋のことを思い出したと同時に優しい心を取り戻したんですね。
千尋と両親はハクに助けられましたが、ハクも千尋に助けられたということです。
ニギハヤミコハクヌシは漢字でどう書く?
ハクの本当の名前はニギハヤミコハクヌシですが、ネット上ではどんな漢字なのか議論が繰り広げられています。
「邇芸速水河伯主神・饒速水琥珀主・饒速水小白主・饒速水琥珀主」と様々な推測がされていますが、字幕スーパーを見る限りではカタカナです。
名前の由来は、日本書紀や古事記に出てくる神様「ニギハヤヒノミコト」からきていると推測されます。
以下は、そのセリフの抜粋です。
千:その川の名はその川はねコハク川。あなたの本当の名はコハク川。
ハク:あっ!千尋ありがとう。私の本当の名はニギハヤミコハクヌシだ。
千:ニギハヤミ?
ハク:ニギハヤミコハクヌシ。
ただ、宮崎駿監督は子供たちに向けてこの映画を製作しているので、できるだけ子供たちの読める字で字幕スーパーをつけるように言われたとも考えられます。
主人公の千尋と千
主人公の千尋は、典型的な現代っ子で親がいないと何にもできないような、ひょろひょろの女の子です。
名前は荻野千尋(おぎのちひろ)といいます。年齢は10歳で小学4年生です。
年齢は、宮崎駿監督が10歳の女の子たちに向けて作ったと公言していて確定事項です。
小学生であることは、最初のシーンの車に積まれている赤いランドセルでわかります。
千尋は湯婆婆に名前を取られて「千」になります。湯婆婆に契約書を書かされた時にクローズアップされたシーンがあります。
怯えながらも書いたはいいですが、苗字を間違えてしまっています。
皆さんは気づいたでしょうか?
荻野の荻が「火」じゃなくて「犬」になっているんですよ。
真相はわかりませんが、間違えたおかげで湯婆婆に完全に支配されることはなく、自分の名前を忘れることもなかったのでしょう。
もし、忘れてしまったら帰り道がわからなくなって帰れなくなってしまいますから。
千と千尋の神隠しは、この頼りない千尋が、豚に変えられた両親を助けるために奮闘しながら見違えるほど成長する物語です。
千尋の両親
父親の名前は荻野明夫(おぎのあきお)といいます。
年齢は38歳で建設会社のサラリーマンです。ドイツの高級車メーカーのアウディAクアトロに乗っています。
この車は当時の宮崎駿監督の愛車で、映画で使われる車の音も実車の音が使われています。いい車に乗っていること、お金を払えば許されると思っているところから、比較的裕福であることがわかります。
好奇心旺盛の猪突猛進タイプで少年のような性格です。
母親の名前は荻野悠子(おぎのゆうこ)といいます。
年齢は35歳です。
夫の明夫に対しては女の部分を見せていますが、娘の千尋に対しては母親という感じは薄く冷たく接しています。
どうも違和感を感じざるを得ませんが、千尋はそういうものだと思っているのでしょう。
八百万の神様のための食事を勝手に食べはじめる明夫を、止めることなく一緒に食べてしまうのは、裕福だけど両親が共働きでさみしい家庭に育ったからなのかもしれません。
湯婆婆・銭婆
湯婆婆(ゆばーば)と銭婆(ぜにーば)は双子の魔女です。
湯婆婆は油屋の経営をしています。
銭婆は湯婆婆の姉で、沼の底駅から少し歩いた場所にある家に1人で住んでいます。
普段は優しくて温厚ですが、悪を嫌いルールを守らない者を許さない魔女です。
湯婆婆が恐れるくらいの魔力があると思われますが、普通の人間らしい生活を望んだ田舎のおばあちゃんといった存在です。
ただ、湯婆婆もそうとう恐いですが、本当に恐いのは実は銭婆のほうだったりするかもしれません。
湯婆婆と銭婆に違いがあった?!
湯婆婆と銭婆の外見は指輪の数から何まですべて同じです。
なんと!
2人の違いは、湯婆婆は胸元にイボが1つ、銭婆は胸元にイボが4つ、という設定なんだとか。
見ただけではわかりません・・・。
坊が、湯婆婆と銭婆の区別がつかないのも納得ですね。
釜爺(かまじい)
油屋の1番下層に住み「風呂釜にこきつかわれている」と自虐するおじいさんです。
かなり前から油屋のボイラー室で働いていて、ハクが釜爺を尋ねたときも手を差し伸べている子供に優しい性格です。
子供が好きだということ、あれだけ手足があればいいのに・・・という思いが込められて誕生したキャラクターで、宮崎駿監督とどことなく似た部分があるそうです。
釜爺は見た目がクモのような姿をしていますが「カマドウマ」という昆虫がモデルになっているという説が有力です。
他にも、ザトウムシという説もありますが、釜爺なのでカマドウマのほうが有力でしょう。
好き嫌いがあると思いますので虫の写真は掲載しませんが、気になる人は検索してみてくださいね。
そっくりですよ!
カオナシ
カオナシは、米林宏昌監督が産みだしたキャラクターで、宮崎駿監督が米林監督にそっくりだと言ったことで、モデルは米林監督になりました。
性格も米林監督に似ているそうですよ。
カオナシは、現世にも油屋にも居場所がなく行く場所もありません。
千の何気ない優しさに喜び、千に気に入られようと頑張りますが、相手にされないので激高して暴れます。
地声は「あっ・・・えっ・・・」としか出せませんが、丸飲みした生き物の声を借りて言葉を話すことができます。
偽物の金を作り出せる奇妙な存在ですが、実態はただのさみしがり屋さんなのでしょう。
青蛙(アオガエル)
従業員の中で唯一カエルのままの姿をしています。
人間の姿はしていないけれど、人間くさい性格でお金に目がありません。
声に特徴があるので、誰が声優をやっているのか気になった人も多いと思います。
声優さんは「ハウルの動く城」でカルシファー役もつとめた 、まゆ毛に特徴がある「我修院達也」さんです。
リン
外見年齢は14歳で、本当の姿は「白狐」です。
最初の考案では、イタチかテンが変わったという設定になりかけていたのですが、宮崎駿監督が絵コンテに「白狐」と書きました。
白狐は神様の使いとされていて「幸福をもたらす」存在です。
確かに千尋を湯婆婆のところに送り届ける役割を果たし、千尋に幸福をもたらしました。
もしも途中で見つかっていたら、千尋は湯婆婆に八つ裂きにされていたかもしれませんし、両親も食べられていたかもしれません。
坊(坊に変えられた頭)・坊ネズミ・ハエドリに変えられた湯バード
坊は湯婆婆の大事な息子です。
銭婆のことを「バーバ」と呼び、銭婆が「やれやれお母さんと私の区別もつかないのかい。」と言ったところから、湯婆婆の息子であることがわかります。
湯婆婆は、坊のこととなると平常心ではいられなくなるので、湯婆婆の弱点的存在です。
銭婆にネズミの姿に変えられてしまい、その姿を湯婆婆が見たときに「何だい?その汚いネズミは。」と言われショックを受けます。
千に出会うまでは1人で立つこともできない赤ちゃん(実は年齢が30歳を超えているという噂も・・・)でした。
緑色の3つの頭が「頭(かしら)」で、湯婆婆に似た顔でカラスのような体をした鳥が「湯バード」です。
頭と湯バードは湯婆婆の召し使いです。
まとめ
千と千尋の神隠しのキャラクターや登場人物はいかかだったでしょうか。他にもまだいるので、いろいろ調べてみるとおもしろいかもしれません。
キャラクターや人物を通して見える背景を想像しながら見ると、また違った見方が出来てもっと楽しめますよ。
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