紅の豚に登場するマルコはなぜ人から豚になったのか?フィオとその後は?

紅の豚をご覧になったことはありますか?主人公は作品中で唯一登場する豚のマルコです。マルコはなぜ豚になったのか?元々人間なのか?など気になる疑問について探っていきたいと思います。

また、ヒロインとして登場するフィオとマルコのその後の関係についてもご紹介します。

紅の豚の豚について

紅の豚は宮崎駿監督が手掛けたジブリ作品。「飛べねぇ豚はただ豚だ」といった名台詞が有名ですよね。

最初は短編映画として公開する予定でしたが、手を加え続け、長編作品へとなったという経緯があります。

紅の豚の物語のはじまり

ジブリ長編映画「紅の豚」は、激しいタイプライターの音からはじまります。

この映画は、飛行艇時代の地中海を舞台に、誇りと女と金をかけて空中海賊と戦い、紅の豚とよばれた一匹の豚の物語である。
という日本語と合わせ、同意味の全10ヵ国語がタイプライターの音とともに画面に打ち出されます。

タイプライターは今でいうパソコンのキーボートみたいなものです。
若い世代の人にはなじみが薄い代物ではないでしょうか。

時代を感じさせ、ぐっと引きつけられるおもしろいはじまり方です。

初めて見た人は、なんて書かれているのか見逃した人も多いのではないですか?。

そして黒バックに赤い文字で「紅の豚」

やっぱり赤い豚の話?と思わせて、真っ赤な飛行艇とのんびりモードのつなぎを着た豚の顔した人間?

物語では「豚」で通っている主人公は、もともとは人間でありただの豚ではありません。

名前はマルコ・パゴット
(このマルコ・パゴットという名前は、イタリア制作アニメ「名探偵ホームズ」のイタリアのプロデューサーの名前からとられています。
名探偵ホームズの制作に宮崎駿監督が携わっていたという経緯があります。)

第一次世界大戦中、イタリア空軍で活躍した凄腕の元エースパイロットです。

物語の舞台は、第一次大戦後の世界大恐慌時代イタリア・アドリア海近辺。

マルコは空軍を自ら退いた後、空の海賊「空賊」狩りをして賞金稼ぎを生業にしている、いわばみんなのヒーローです。

マルコ・パゴットは作品中では「ポルコ・ロッソ」と呼ばれています。
直訳すると、イタリア語で「赤い豚」という意味です。
Porco=豚 ・Rosso=赤。

これは、マルコを敵対視する空賊がつけたあだ名で、かなり侮辱した感じでそう呼んでいますが、他の人は愛称のような感じで当たり前のように呼んでいます。

豚が飛行艇乗りであることに誰も違和感を感じておらず、受け入れられている不思議な世界観があります。

ちなみに作品中で本名の「マルコ」と呼ぶのは、ジーナと戦友のフェラーリンだけです。

ホテル・アドリアーナのマドンナでマルコの幼馴染のジーナは「私は3回 飛行艇乗りと結婚したけど
一人は戦争で 一人は大西洋で最後の一人はアジアで死んだ」
と語り、3人の飛行艇乗りだった夫たちと死別しています。

古い仲間はもうマルコだけになってしまった・・・と哀愁ただようシーンが印象的です。

マルコはなぜ人から豚になったのか?

マルコはとにかく飛行艇を愛する優しい男です。

17歳で飛行艇を乗り回して冒険飛行家の時代を生き、その後戦争に駆り出されて大尉になり、飛行艇乗りとして英雄と呼ばれるようになりました。

しかし、戦争で親友と多くの戦友たちを失いました。

身も心も打ちひしがれたマルコは、人間として生きることをやめたんです。

本題の「なぜ豚になったのか」はいろいろな意見がありますが、宮崎駿監督の明確な答えはありません。

その描写はありませんが、ジーナが「どうやったら あなたにかけられた魔法がとけるのかしらね」とつぶやいているシーンがあります。

そのあとのマルコのセリフはありません。

自分が好きでなっているんだ・・・とでも言ったんでしょうか。

ここは、見た人の直感で解釈してということでしょう。

ネット上では、自分で呪いをかけた・自分で魔法をかけた・神様に魔法で豚に変えられた・神様に呪いで豚に変えられたといろいろな見方がされています。

作品の設定上はいちを「自分で魔法をかけた」となっています。

この件で、鈴木プロデューサーが「なぜ豚になったのか?」と駿監督に尋ねたところ、「日本映画というのは下らないんだよ、すぐに原因と結果を明らかにしようとする。結果だけでいいじゃないか」と激怒されたそうです。

紅の豚は当初、マンマユート団に誘拐された女学校の子供たちをマルコが助けるだけの内容だったんだそうですが、鈴木プロデューサーが「そんなわけにはいかない」と豚になった経緯を付け加えていったところ、本当は短編アニメの予定だったのが、どんどん伸びて長編映画になったというエピソードがあります。

ちなみに、紅の豚は中年の男性に向けて作られた映画です。

宮崎駿監督は、子供たちに向けて作る予定がそうなってしまった・・・興行収入が期待できないかも、とジブリの存続にかかわるので焦っていたけれど、結果的に大ヒットしたのでホッとしたそうです。

だから、子供たちは内容を理解できないかもしれないけれど、大人になって見ると子供の時に見たときとは違った見方ができるようになるので大人になったときに見返してみるのもいいかもしれませんね。。

この物語をたどっていくと、自由に生きること、愛する人を失う悲しみから人を遠ざけたい気持ち、やっぱり人を好きでいたいという気持ちが交錯し、人間としての心を取り戻しながらも豚である自分を気に入っているような複雑な人間模様を感じさせられます。

宮崎駿監督は「豚という言葉は侮辱の意味で使われ、愛されることはあるとしても絶対に尊敬はされません。」と語っています。

マルコは、自ら豚に姿を変えることで、仲間は死んだのに自分だけが生きていることに対する軽蔑の眼差しを自分に向けたという意味も込められているのでしょう。

人の心は複雑で繊細です。

でも、豚だったら・・・と現実逃避しているという見方もできます。

とにかく、駿監督はこのキャラクターを人間としては描きたくなかったそうですよ。

フィオとその後とは?

さて、フィオのキスで魔法が溶けてマルコが人間に戻ったところまでは理解できます。

その後フィオはピッコロ社を継いだということ、ジーナやカーチスとも交流が続いているということもわかります。

物語の最後は「ジーナさんの賭けがどうなったかは、私達だけの秘密…」というフィオのセリフで終わります。

この賭けは、ジーナがマルコと結ばれたか?ということですね。

これに関しては、どうなったの???気になるけどわからない・・・まぁいっか。で終わっている人も多いかもしれません。

実は、終盤で、昼間のホテル・アドリアーナに赤い飛行艇が泊まっているのがチラッとだけ映る場面があります。

よくよく見ないとわかりませんが、マルコが日差しのある時にアドリアーナに来たということです。

ジーナはマルコを愛そうと決めたんですね。

駿監督も、マルコとジーナが結ばれるという結末にすることは決めていたそうです。

以下は、物語の序盤でのカーチスとの会話です。
「私 いま賭けをしてるから。
私が この庭にいる時その人が訪ねてきたら今度こそ 愛そうって賭けしてるの。
でも そのバカ夜のお店にしか来ないわ。
日差しの中へは ちっとも出てこない。」

フィオとジーナ、どちらと結ばれたのか気になった人も多かったのではないでしょうか。

フィオがはっきり言わなかったのも、女心というものなのでしょうね。

ただ、駿監督は「また豚になって飛んでいっちゃうでしょうね」と語っています。

駿監督は、人間のルールに縛られない自由気ままな生き方に憧れ、周りから持てはやされた自分と対称に尊敬されることはない豚という存在に愛着を持っているのでしょうね。

この物語は、駿監督が40代後半ごろに制作されています。

紅の豚は現在形の自分への手紙でもあるとも語っています。

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