紅の豚のネタバレと感想！フル動画の無料視聴方法も紹介

「紅の豚」は宮崎駿監督のスタジオジブリ制作の長編アニメ作品で、イタリアのアドリア海を舞台に飛行艇を乗り回す空中海賊(空賊)と、それを相手にして賞金稼ぎをして生きるブタの姿をした退役軍人操縦士の活躍を描いた作品です。宮崎駿監督の思い描く「男のロマン」の味付けがとてもよく現れた作品と言え、「飛ぶ」ことに憧れる宮崎駿監督の趣向がこの作品にはたっぷりと盛り込まれています。

Contents

1 「紅の豚」の作品情報
2 作品情報の感想
3 「紅の豚」のキャスト
4 「紅の豚」を無料視聴する方法
5 「紅の豚」のあらすじとネタバレ
6 「紅の豚」の感想とまとめ

「紅の豚」の作品情報

タイトル：紅の豚

監督：宮崎駿

脚本：宮崎駿

原作：漫画『宮崎駿の雑想ノート」から「飛行艇時代」

製作：鈴木敏夫

公開日：1992年7月18日

声の出演：森山周一郎/加藤登紀子/岡村明美/桂三枝(現・6代目桂文枝)/上条恒彦/大塚明夫　など

作品情報の感想

当初は日本航空の機内上映用の作品として製作が開始されたのですが、長編化してしまったために劇場公開される運びとなった作品です。原案は月刊誌「モデルグラフィックス」の連載漫画記事「宮崎駿の雑想ノート」の「飛行艇時代」で、幼い頃から空を飛ぶことに憧れていた宮崎駿監督の自分の夢を直接的にアニメ化した作品です。

「紅の豚」のキャスト

シンガーソングライターの加藤登紀子さんがヒロインの声を担当しているほかに、主題歌とエンディング曲を歌っていて、これがとても艶やかで、作品にロマンあふれる彩りを加えています。また、森山周一郎さん、現・桂文枝さん、そして上条恒彦さんらが各人いい味を出していて、作品を上質な宮崎駿監督の遊び心あふれる世界を作り上げています。

「紅の豚」を無料視聴する方法

紅の豚を無料視聴したい方はこちらの記事を参考にしてください。

≫紅の豚のあらすじとネタバレを無料視聴する方法

「紅の豚」のあらすじとネタバレ

イタリアのアドリア海のとある小島。そこに深紅の飛行艇「サボイア」を愛艇とするポルコ・ロッソ(声：森山周一郎)が一人(一匹？)で悠々自適に暮らしている。

ポルコはかつて人間の姿をしていた頃の名はマルコ・パゴットと言い、イタリア空軍のエースとして名を馳せていたのであるが、今はブタの姿をしていて、空賊退治を請け負う賞金稼ぎを生業としているのであった。

マンマユート団

そんなポルコの元に電話がかかってくる。それは空賊のマンマユート団が客船を襲撃して金品を強奪し子供たちをさらっていったと言う内容で、ポルコは賞金が高く付くと言うことで空賊退治にサボイアで飛び立つのであった。

しかし、サボイアのエンジンの調子がよくなく、案の定、サボイアは飛行が安定せず、オイル漏れも起こす有様。それでもポルコは襲われた客船に到着するが、一足遅く、マンマユート団は去った後なのであった。

ポルコの狙い通り、マンマユート団は途中、方向転換をしていて、ポルコはマンマユート団の飛行艇を見つける。

そして、マンマユート団によって戦端は開かれた。しかし、マンマユート団の銃撃はことごとくはずれ、ポルコの銃撃がマンマユート団のエンジン一基に命中する。その戦闘を子供たちは物見遊山で見ているのだ。

巧みな操縦で空賊の飛行艇を海に落としたポルコ。そんなポルコに白旗を揚げたマンマユート団は、強奪した金品の半分をポルコにせしめられ、子供たちも解放したのである。

ジーナとカーチス

その夜、ポルコはアドリア海のとある島でホテル・アドリアーノを経営するマダム・ジーナ(声：加藤登紀子)のホテルへと足を伸ばすのであった。

ポルコがホテルに入る前にジーナはシャンソンを歌い出していて、そこには空賊連合のお偉方の面々と空賊連合が雇ったアメリカ人の用心棒、ドナルト・カーチス(声：大塚明夫)らがジーナの歌声に聴き惚れていたのであった。

そこへポルコがラウンジに入ってきたのである。ジーナの歌に拍手をし、ポルコにライバル心むき出しの嫌みを言うカーチス。ジーナが空賊連合のところにやってくると、カーチスもそこへと急ぎ、そして、ジーナに結婚を申し込むのであった。

ポルコは一人で食事をしているところにジーナがやってきて、3年前に行方不明になっていた3度目の夫の飛行機の残骸がベンガルで発見されたとポルコに告げる。

ポルコはジーナにワインを注ぎ、哀悼の意をジーナに捧げるのであった。ジーナはもう涙も涸れてしまった、とポルコにこぼすのである。ジーナは昔の馴染みはもうマルコ(ポルコのこと)しかいなくなった、と言い、どこか寂しげなのであった。

深紅の愛艇サボイアの修理

ポルコはポルコで、サボイアのエンジンの調子がいよいよどうしようもない状態なので、ミラノにオーバーホイールに出すために根城にしている小島を出発する。

その道中、運が悪いことにカーチスがポルコを追ってきたのである。ポルコは今はカーチスと戦いたくないので、雲の中に逃げ込むが、勢い余って雲から飛び出してしまったところ、とうとうエンジンが悲鳴を上げ、カーチスにやられてしまう。

ポルコは小島の森陰に翼が滅茶苦茶に壊れたサボイアとともに隠れていて、カーチスがポルコに気付かずに立ち去ると、ポルコはミラノに向かって出発する。

ようやく馴染みのピッコロ社に到着する。ピッコロ社ではピッコロのおやじ(声：現・桂文枝)とフィオ (声：岡村明美)がポルコがくるのを待っていたのである。

サボイアの有様を見たピッコロのおやじが新造した方がいいのじゃないか、と言うが、ポルコは首を縦に振らない。

フィオはピッコロのおやじの孫でアメリカから帰ったばかり。ピッコロのおやじの息子達は世界恐慌の影響で出稼ぎに出ていて、ピッコロ社には男がいない有様なのであった。

サボイアの修復はフィオが担当することに。それを聞いたポルコは他を当たると言い出すが、フィオの話に一度任せてみようと思い直し、フィオに設計を任せることにしたのだ。

フィオの設計が終わると続々とピッコロのおやじの親族の女性達がピッコロ社に集まり、組み立て作業をするのであった。

ある日、ポルコは秘密警察を巻いて映画館でアニメ映画を観ていると、元戦友でイタリア空軍少佐のフェラーリン(声：稲垣雅之)が隣に座り、ポルコにファシスト党の連中がポルコを追っていて、気を付けろ、とポルコに助言するのであった。

その夜、ポルコがピッコロ社の倉庫から直接ピッコロ社に接している川から飛び立とうとしているとフィオがポルコについて行くと言い出すのである。

フィオの同行

初めはフィオが付いてくることに反対していたポルコも仕方なくフィオを一緒に連れて行くことに渋々承諾するのであった。

ピッコロ社の外では秘密警察が見張っている。倉庫の扉を開けた途端、ポルコに銃撃する秘密警察は、しかし、ポルコの銃撃で退散する。

縄を引っかけて直角に曲がったサボイアは川を滑るように滑走して行く。前よりも更にポ「じゃじゃ馬」のサボイアは、前から船がくるのを見て、力ずくで飛ぼうとする。

しかし、サボイアは思うに任せず、片翼を川面に付けたまま、横倒しのままに飛んで行くのだ。その時、フィオが新しく付けたタブを、と言って、それを使うと、「じゃじゃ馬」のサボイアはポルコの言うことを聞くようになったのである。

上手く飛び立ったサボイア。すると一機のイタリア空軍の飛行機が近付いてくるのである。それはフェラーリンが乗っている飛行機で、フェラーリンはイタリア空軍が網を避けるためにポルコの道案内をするのであった。

フェラーリンのおかげで無事にアドリア海に抜けたポルコ達。そんな時に、ジーナのホテルに潜り込んだカーチスが、ジーナにハリウッドからの誘いの手紙を見せて、ジーナと結婚して一緒にハリウッドに行こうと詰め寄っているのであった。

ジーナはそれを笑い飛ばして、賭けをしているのよ、カーチスに言うのであった。ホテル・アドリアーノの上空に来たポルコ達はジーナに挨拶をするように曲芸飛行をして見せて、しかし、アドリアーノには寄らずにポルコは飛び去ってしまうのである。

また、賭に負けたわ、とジーナは言い、ジーナが待っていたのがポルコと知ったカーチスはびっくりするのであるが、ジーナは人生はあなたの国よりも単純じゃないのよ、と言い、立ち去るのであった。

ポルコのアジトにしている小島に着くとフィオはサボイアから降りて、お尻がゴワゴワになっちゃったと言い、ポルコがサボイアから降りると、ポルコのテントからマンマユート団の連中が一斉に飛び出してきたのだ。

マンマユート団の連中はフィオとポルコを取り囲み、ポルコの愛艇サボイアをぶっ壊すというのである。それに我慢がならなかったフィオは飛行艇乗りの誇りを語り出し、ポルコはそんなフィオに目を見張るのであった。

フィオの言うことが余りにも説得力があるために、マンマユート・ボス(声：上条恒彦)はサボイアを壊すのは止めると言ったのだ。

フィオはアメリカ人のカーチスの助けを借りて恥ずかしくないのか、とマンマユート・ボスに詰め寄ると、後方から笑い声が響き渡るのである。

カーチスとのリターンマッチが決まる

それはカーチスなのであった。カーチスはリターンマッチをするにしても賭けるものが必要だと言い、そんなカーチスはフィオを見るなり、美しい、結婚してくれ、と言い、それに対してフィオはいいわ、と言う。

そして、フィオは修理代の請求書の束をカーチスに渡し、ポルコが勝ったならそれを全て払って、と言うのである。

その夜、不意に目が覚めたフィオはポルコが人間の姿をしているのを目にする。しかし、それは夢ではないかと思い、ポルコに話しかけるのをためらうが、ポルコがフィオが目覚めたのに気付いたのである。

ポルコの不思議な話

フィオは何かお話ししてとポルコにせがむのだ。ポルコは話し出す。その話は、ポルコが必死に敵から逃げ回っていて、光の中を飛んでいるのに気付いたところ、それは雲の中を飛んでいるのが分かるのにずいぶんと時間がかかったと始まるのであった。

疲れ切って、もう操縦する気力も残っていないにもかかわらず、ポルコの飛行機はずっと飛び続けたのだ。すると、妙に静かな空間に出たのである。

上空を見ると奇妙な一筋の雲があった。そうこうしていると、ポルコが浮かんでいる雲から戦友が乗った飛行機が浮き上がってきて、上空へと浮き上がって行くのだ。

そして、次から次へと雲から飛行機が浮かんできて、上空へと浮き上がって行くのである。ポルコはその後を追おうとするが飛行機は浮き上がらないのであった。

上空の一筋の雲に合流したそれらの浮き上がっていた飛行機達。ポルコは気が付くと海面すれすれを飛んでいたのである。

死んだ奴はみんないい奴だ、とポルコは言うと、フィオがポルコはいい人よ、と言い、ポルコの頬にチュッとキスするのだ。

決戦の日

いよいよポルコとカーチスの決戦の日である。その場には大勢の人であふれかえっていたのだ。それらの人々は地中海の空賊やらギャングやらなどの「クズ」の集まりなのであった。

マンマユート・ボスがポルコとカーチスとの一騎打ちを仕切り、「けじめ」だと言って、マンマユート・ボスはうやうやしく、儀式を執り行うのであった。

ポルコとカーチスの空中戦が始まる。初め、カーチスがポルコの上を取って優位に立つが、ポルコには一発も弾が当たらない。

ポルコがカーチスの後ろを取って狙い所なのであるが、ポルコは全く撃たないのであった。それはポルコは殺しはやらないからなのであった。ポルコはカーチスが疲れたところでエンジンを2、3発撃ってカーチスを仕留める算段なのだ。

しかし、それにしてもポルコとカーチスの空中戦は物凄いもので、観衆の感動を呼ぶのであった。

いよいよ、ポルコがカーチスを仕留めようと機関銃を撃とうとしたとき、機関銃は発射しない。目詰まりを起こしてしまったようなのだ。

その隙にカーチスはポルコの後ろを取り、機関銃の発射スイッチを押すが、これまた機関銃は発射しない。

カーチスは弾切れを起こしていたのだ。ポルコは目詰まりをなんとか直そうとレバーを引いていると、レバーが折れてしまう。

カーチスは拳銃でポルコを狙い撃ちするが、ポルコはそんなもの当たるわけがないと大笑いすると、サボイアにカーチスの弾が当たる。怒ったポルコは折れたレバーをカーチスに投げる。

カーチスはそんなもの当たるわけないと拳銃の弾を詰め替えていると、見事カーチスにレバーの破片が当たる。

その後、二人は海に降りるのだ。そして、ポルコとカーチスの殴り合いが始まる。二人はボロボロになりながらも殴り合いを続ける。

カーチスがジーナはポルコがくるのをずっとホテルの庭で待っているんだよ、と言い、ジーナはお前を愛しているんだよ、と言いながら渾身の力でポルコを殴るのであった。

そんな時、ジーナはフェラーリンからイタリア空軍がポルコとカーチスの馬鹿騒ぎを嗅ぎつけたとの暗号無線を受け取り、直ちにジーナはポルコらの元に向かう。

ジーナの登場とフィオのキス

更にボロボロになりながらポルコとカーチスは殴り合いを続ける。と、その時にジーナの飛行艇が救難信号を発射しながら着水するのだ。

「ぐきっ」と音がするとポルコとカーチスは渾身の力でお互いパンチを当てていたのだ。ポルコとカーチスはお互いぶっ倒れて海に沈む。

と、そこへジーナの飛行艇がやってきて、ポルコにもう一人、女の子を不幸にさせるの、と言い、それを聞いたポルコが立ち上がって、この勝負はポルコの勝ちで終わるのであった。

ポルコ大好き、とフィオに抱きつかれたポルコ。しかし、ポルコは嫌がるフィオをジーナの飛行艇に乗せてフィオをかたぎの世界に戻してくれ、と言う。

大事なことはいつもそうなのね、とジーナに言われるポルコ。ジーナは出発するのであった。その間隙を縫ってフィオはポルコにキスをするのだ。

ポルコはそれで人間の姿に戻るのであった。フィオはそれ以来ジーナと親しくなり、毎年、ジーナのホテルで過ごすのを楽しみにしていた。

カーチスはハリウッドで俳優となり、たまにフィオに手紙を送る。ポルコはと言うと、それは秘密なのであった。

「紅の豚」の感想とまとめ

「紅の豚」は宮崎駿監督の憧れがたくさん詰め込まれた大変興味深い映画です。まず、宮崎駿監督自身を投影したであろう主人公ポルコのキャラクターが特に見かけとは別にダンディズムの塊という設定が面白いのです。

声も森山周一郎さんの低音が心地よく響く声そのものが魅力的で、多分、宮崎駿監督は男としてこうありたいという宮崎駿監督の願望をポルコに存分に投影しています。

とにかくポルコは見かけはブタですが、格好いいのです。このダンディズムを更に大人の味わいにしているのが、歌姫ジーナの存在で、加藤登紀子さんを声の担当にさせたのは宮崎駿監督の意向だと思いますが、加藤登紀子さんが歌うシャンソンが心に染み入るのです。

ジーナの大人の雰囲気漂う酸いも甘いもかみ分けたその設定は、この作品を大人を対象としていることがよく分かるのです。

宮崎駿監督は、この作品では、大人にだけ分かってくれればいいと腹をくくっているようにも思います。

しかし、マンマユート団のような空賊の登場は宮崎駿監督ならではの味わいが楽しめる作りとなっていて、この作品には宮崎駿という人間が何を考えているのかがよく分かる作品と言えるでしょう。

それにしても宮崎駿監督は「飛ぶこと」に非常に執着していることがこの作品にはよく表れています。

大空を格好よく飛ぶ男達。それがたっぷりと味わえるこの作品は、大人のロマンがあふれる作品で、宮崎駿監督が終生諦めきれなかった大空を飛ぶことがこれでもかと言うほどに詰め込まれています。

アニメとして自由に飛ぶ表現をする宮崎ワールドはこの「紅の豚」が数ある作品の中でも随一と思われ、この作品を作っていたときの宮崎駿監督は楽しくてしょうがなかったのだろうと想像できます。

そして、フィオの登場がこの作品をジーナという大人の女性とは違う、まだうら若くも有能な女性という、宮崎駿監督がいかに女性に対して敬意を表しているかがよく伝わってくる作品にもしています。

フィオは映画「風の谷のナウシカ」のナウシカを、宮崎駿監督が憧れる時代に登場させたような感じに囚われるとても魅力あふれるうら若き女性で、フィオの最後の口づけでポルコが人間の姿に戻るという設定は夢があって実にいいです。

それにしてもこの作品に登場する女性はみな力強く、そして、とても魅力的です。ジーナ派かフィオ派かに男性としての好みは分かれると思いますが、最後にジーナとフィオがとても親しくなるという設定で、この展開は誰もが納得するのではないでしょうか。

ともかく、「紅の豚」は格好いい大人の男のロマンを描いた宮崎駿監督の趣向が存分に反映された作品に仕上がっています。